「会議の議事録作成に時間がかかりすぎる…」
「AIで文字起こしできる無料ツールが多すぎて、どれがいいか分からない」
「無料プランを試したけど、制限だらけで結局使えなかった」
こういった悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
AIによる議事録作成や文字起こしツールは急速に進化しており、無料でも高機能なものが増えています。
しかし、無料プランには「時間制限」や「機能制限」があり、目的や利用シーンに合わせて選ばないと、「全く使えない」ということにもなりかねません。
本記事では、現在利用できる主要な「議事録AI文字起こし無料ツール」を10個厳選し、それぞれの無料プランでできること、機能制限、そして失敗しない選び方を徹底的に解説します。
あなたの議事録作成業務を効率化する最適なツールがきっと見つかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ無料のAI議事録文字起こしツールが必要?自動化のメリット
ChatGPTを活用した業務効率化の具体的な事例や成功の秘訣をまとめたガイド決定版はこちらです。 合わせてご覧ください。
まずは、無料のAI議事録文字起こしツールを導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのかを確認しましょう。
主なメリットは以下の3つです。
- 議事録作成にかかる時間を大幅に短縮できる
- 会議内容の正確な記録とスムーズな情報共有が実現する
- 文字データ化で過去の発言検索が容易になる
議事録作成は、会議の時間そのものに加え、文字起こしや要約に多大な工数がかかります。
AIツールでこのプロセスを自動化できれば、本来集中すべきコア業務に時間を使えるようになります。
会議の効率化や、会議が生産性に与える影響については、MIT Sloan Management Reviewでも詳細な分析がなされています。 合わせてご覧ください。 https://sloanreview.mit.edu/the-surprising-impact-of-meeting-free-days/
それでは、1つずつ順に解説します。
議事録作成にかかる時間を大幅に短縮できる
議事録作成のプロセスで最も時間がかかるのが、「文字起こし」と「要約」です。
1時間の会議でも、手作業で文字起こしをすれば数時間、要点をまとめる作業まで含めると、会議時間の2倍から3倍の時間がかかると言われています。
AI議事録文字起こしツールを使えば、この作業がほぼゼロになります。
会議の録音データをアップロードするか、Web会議にAIを参加させるだけで、自動的に文字起こしが完了します。
さらに、最近のAIツールは高精度な要約機能も備えており、
会議の決定事項やタスク(ToDo)まで自動で抽出してくれるものもあります。
これにより、議事録作成にかかるトータルの時間を劇的に削減できます。
無料プランでも、この基本的な文字起こし機能を利用できるツールは多く、
導入の第一歩として非常に有効です。
会議内容の正確な記録とスムーズな情報共有が実現する
手作業での議事録作成には、「聞き間違い」や「聞き逃し」のリスクが常につきまといます。
また、作成者の主観によって、記録される内容に偏りが生じる可能性もあります。
AIによる文字起こしは、機械的に音声をテキスト化するため、
発言内容を客観的かつ正確に記録することができます。
特に「言った・言わない」のトラブル防止に役立ちます。
また、文字起こしされたテキストは、会議に参加できなかったメンバーへの情報共有にも最適です。
動画や音声データで共有するよりも、テキストのほうが短時間で概要を把握できますし、
話者分離機能(誰が話したかを識別する機能)があれば、
議論の流れも正確に追うことができます。
無料ツールであっても、文字起こしの基本精度は非常に高くなっており、
正確な記録という目的は十分に達成可能です。
文字データ化で過去の発言検索が容易になる
会議の録音データを音声ファイルのまま保存していると、「あの会議で、誰が、何について話していたか」を後から探すのは非常に困難です。
AIツールで文字起こしを行い、すべてをテキストデータとして保存しておけば、
検索機能を使って、必要な情報をすぐに見つけ出すことができます。
例えば、「価格改定」というキーワードで検索すれば、
過去のすべての議事録から関連する発言だけを瞬時にピックアップできます。
これにより、会議で決まったはずの事項が忘れ去られたり、
同じ議論を繰り返したりすることを防げます。
無料プランの場合、データの保存期間に制限が設けられていることが多いですが、
文字起こしされたテキストデータをローカルや別のドキュメント管理ツールに
コピーして保存しておけば、このメリットを十分に活かすことが可能です。
無料の議事録AI文字起こしツールの2つのタイプ
無料の議事録AI文字起こしツールは、その提供形態によって大きく2つのタイプに分けられます。
AI議事録ツールは、ユニファイドコミュニケーション(UC)市場全体の大きなトレンドの一部として急速に進化しています。Metrigyによる最新のコラボレーション市場トレンドもご参照ください。 https://metrigy.com/5-uc-and-collaboration-trends-reshaping-the-market-in-2024/
それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合ったタイプを選ぶことが重要です。
- 機能・期間無制限だが利用枠に上限がある「実用型」
- 高機能だが利用期間や回数に制限がある「お試し型(トライアル)」
「実用型」は継続的に無料で使い続けたい人向け、
「お試し型」は将来的に有料プランの導入を検討しており、
まずは高機能なツールを試してみたい人向けと言えます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
機能・期間無制限だが利用枠に上限がある「実用型」
「実用型」の無料プランは、利用できる期間に制限がなく、ずっと無料で使い続けられるのが最大の特徴です。
Google ドキュメントやWeb版Wordの文字起こし機能がこれに該当します。
ただし、多くの場合、1ヶ月あたりの文字起こし時間や、
アップロードできるファイルサイズ、AI要約機能の利用回数などに「利用枠(上限)」が設定されています。
例えば、「月300分まで」「1回の録音は3分まで」といった制限です。
会議の頻度が低い個人や、短時間の打ち合わせが多いチームであれば、
この「実用型」の無料プランでも十分に業務を効率化できる可能性があります。
一方で、利用枠の上限が非常に厳しく設定されているツールもあり、
実質的にはあまり使えないケースもあるため、
無料プランの具体的な「利用枠」がどれくらいかを事前に確認することが不可欠です。
高機能だが利用期間や回数に制限がある「お試し型(トライアル)」
「お試し型(トライアル)」は、「14日間無料」や「7日間無料」といった形で、利用できる期間が限定されているタイプです。
スマート書記やAI議事録取れるくんなどが、このタイプに分類されます。
このタイプの最大のメリットは、
トライアル期間中であれば、有料プランとほぼ同等のすべての機能
(高精度なAI要約、話者分離、リアルタイム文字起こし、各種ツール連携など)を
制限なく利用できる点です。
自社の会議スタイルやセキュリティ要件に合うか、
有料プランに移行する価値があるかを、実際に高機能を使い倒して見極めることができます。
ただし、無料トライアル期間が終了すると、
自動的に機能が制限されるか、使えなくなるため、
継続的に無料で利用したいというニーズには応えられません。
あくまで有料プラン導入の「お試し」と割り切って利用するタイプです。
議事録AI文字起こし無料ツールの失敗しない選び方【5つのポイント】
数ある無料ツールの中から自社に最適なものを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、特に重要な5つの選定ポイントを解説します。
- ポイント1. 無料プランの利用範囲(文字起こし時間の上限・データ保存期間)
- ポイント2. 文字起こしの精度(話者分離・フィラー除去機能)
- ポイント3. 会議を効率化する機能(リアルタイム文字起こし・要約)
- ポイント4. 利用シーンに合うか(PC、スマホアプリ対応)
- ポイント5. セキュリティと社内ツール連携
これらのポイントを総合的に比較検討することで、
「無料だけど使えない」という失敗を防ぐことができます。
それでは、各ポイントを具体的に見ていきましょう。
ポイント1. 無料プランの利用範囲(文字起こし時間の上限・データ保存期間)
無料プランを選ぶ上で最も重要なのが、「無料でどこまで使えるか」という利用範囲の確認です。
特に以下の2点は必ずチェックしてください。
- 文字起こし時間の上限:「1ヶ月あたり合計何分までか」「1回あたりの会議時間は何分までか」を確認します。例えば「月120分まで」でも、「1回3分まで」という制限があれば、30分の会議には全く使えません。リアルタイム会議の文字起こしが無制限でも、録音データのアップロード(インポート)は「生涯で3ファイルまで」といった厳しい制限があるツールもあります。自分の会議頻度や平均時間と照らし合わせましょう。
- データ保存期間:文字起こししたデータや要約結果を、ツール上でどれくらいの期間保存しておけるかを確認します。無料プランでは「直近30件まで」や「作成から7日間」といった制限がある場合、定期的にデータをエクスポートする手間が発生します。
ポイント2. 文字起こしの精度(話者分離・フィラー除去機能)
議事録として利用する以上、文字起こしの「精度」は妥協できません。
精度が低すぎると、結局すべてのテキストを修正する必要があり、かえって手間が増えてしまいます。
特に確認したいのが以下の2つの機能です。
- 話者分離:「誰が」発言したかをAIが自動で識別する機能です。これができないと、すべての発言が繋がってテキスト化されるため、議論の流れが非常に分かりにくくなります。無料プランでは対応していないツールも多いため、重要なチェックポイントです。
- フィラー除去:「あのー」「えーっと」といった、意味のないフィラー(間投詞)を自動で除去してくれる機能です。これが有ると無いとでは、議事録の読みやすさが格段に変わります。
多くのツールが無料トライアルを提供しているため、
実際に自社の会議音声(専門用語が多い、早口の人がいる、など)で
試して精度を確認するのが一番確実です。
AIによる音声認識(ASR)の技術的な精度は、Hugging Faceなどで公開されているオープンなリーダーボードで比較・評価されています。合わせてご覧ください。 https://github.com/huggingface/open_asr_leaderboard
ポイント3. 会議を効率化する機能(リアルタイム文字起こし・要約)
ChatGPTを使って議事録などのテキストを要約する具体的な方法はこちらの記事で解説しています。 合わせてご覧ください。
単に文字起こしをするだけでなく、会議そのものを効率化する機能が無料プランに含まれているかも重要です。
- リアルタイム文字起こし:会議中に発言がリアルタイムでテキスト化される機能です。これにより、会議の参加者全員が議論の経過を視覚的に追うことができ、聞き逃しを防げます。また、耳が不自由な方や、外国語話者(翻訳機能併用の場合)のコミュニケーション支援にも役立ちます。
- AIによる要約:文字起こしされた膨大なテキストから、AIが自動で「決定事項」「ToDo(タスク)」「主要な議題」を抽出・要約してくれる機能です。議事録作成の時間が大幅に短縮されます。無料プランでは、このAI要約機能の利用回数に制限が設けられていることが多いです。
AIが対話の文脈を理解し要約する技術(対話要約)については、LLMの推論能力に関する学術的な評価も進められています。合わせてご覧ください。 https://arxiv.org/abs/2404.14920
ポイント4. 利用シーンに合うか(PC、スマホアプリ対応)
どのようなシーンで議事録ツールを使うかを想定することも大切です。
- Web会議(Zoom, Teams, Google Meet)がメインの場合:これらのWeb会議ツールとシームレスに連携できるかが重要です。AIボットが自動で会議に参加し、録画と文字起こしを行ってくれるツール(tl;dvやFireflies.aiなど)が便利です。
- 対面(オフライン)の会議がメインの場合:スマートフォンのアプリで手軽に録音・文字起こしができるツール(Nottaやスマート書記のアプリなど)が適しています。PCのマイクで録音するよりも、スマホをテーブルの中央に置く方がクリアに音声を拾えることが多いです。
- 録音済みの音声ファイルを文字起こししたい場合:MP3やM4Aなどの音声ファイルをアップロード(インポート)して文字起こしできる機能が必要です。無料プランでは、このインポート機能に強い制限(ファイル数や時間の上限)がある場合が多いので注意が必要です。
ポイント5. セキュリティと社内ツール連携
無料ツールであっても、会議の内容(機密情報や個人情報を含む可能性)を外部のAIサービスに渡すことになるため、セキュリティポリシーの確認は必須です。
- セキュリティ:データがどのように扱われるか、暗号化されているか、AIの学習に利用されることはないか(オプトアウト可能か)などを確認しましょう。多くの無料ツールでは、セキュリティに関する保証が限定的である可能性を認識しておく必要があります。
- 社内ツール連携:作成した議事録やToDoを、普段使っているツール(Slack, Teams, Googleカレンダー, Trelloなど)にスムーズに連携できると、情報共有が格段に楽になります。無料プランでは、これらの連携機能が制限されていることが多いですが、将来的な有料プラン移行を視野に入れる場合は、重要な選定基準となります。
クラウドサービス全般のセキュリティに関しては、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が詳細なガイドラインを公開しています。合わせてご覧ください。 https://www.ipa.go.jp/security/cloud/index.html
【特化型】おすすめの議事録AI文字起こし無料ツール5選
ここからは、具体的なツールを紹介していきます。
まずは、議事録の作成やWeb会議の効率化に特化した「特化型」の無料ツール5選です。
無料プランの制限に注目してご覧ください。
- 【ツール①】tl;dv
- 【ツール②】Notta(ノッタ)
- 【ツール③】Fireflies.ai
- 【ツール④】スマート書記
- 【ツール⑤】AI議事録取れるくん
これらはWeb会議への参加や高機能な要約など、議事録作成に便利な機能が揃っていますが、
無料プランの制限はツールによって大きく異なります。
【ツール①】tl;dv:特徴と無料プランでできること
tl;dv(ティーエルディーブイ)は、Google Meet, Zoom, Microsoft Teamsに対応した、Web会議の録画と文字起こしに特化したツールです。
最大の特徴は、無料プランでありながら「録画と文字起こしが無制限」である点です。
会議の回数や時間に制限がないため、頻繁にWeb会議を行うチームにとって非常に実用的です。
対応言語も40以上と豊富です。
さらに、無料プランでもAIによる要約機能(GPTを利用)が回数無制限で利用でき、
会議の主要なトピックを自動で抽出してくれます。
また、会議の重要な瞬間をタイムスタンプ付きでクリップし、
Slackなどで簡単に共有する機能も強力です。
ただし、無料プランには大きな制限もあります。
それは、録音済みの音声ファイルや動画ファイルをアップロード(インポート)して
文字起こしする機能が、「生涯で3ファイルまで」しか使えないことです。
あくまで「リアルタイムのWeb会議」専用と割り切る必要があります。
AIノート作成やAIクエリ(AIへの質問)も月10回までの制限があります。
【ツール②】Notta(ノッタ):特徴と無料プランでできること
Nottaは、高精度な日本語文字起こしで評価の高いAI議事録ツールです。
Web会議(Zoom, Google Meet, Teams)との連携はもちろん、スマホアプリ(iOS/Android)の使いやすさにも定評があり、対面の会議でも活躍します。
無料プランでは、「月120分(1回あたり3分まで)」の文字起こしが利用可能です。リアルタイム文字起こしと、音声ファイルのインポート(月50ファイルまで)の両方に対応しています。
テキストデータは3日後に自動で削除されます。 (中略) ただし、無料プランでも話者分離機能は利用可能で、AI要約機能も月10回まで試すことができます。
【ツール③】Fireflies.ai:特徴と無料プランでできること
Fireflies.aiは、Web会議(Zoom, Google Meet, Teamsなど多数)にAIアシスタント(Fred)を自動参加させ、録音、文字起こし、要約までを行ってくれるツールです。
英語圏で非常に人気がありますが、日本語にも対応しています。
無料プラン(Free)では、文字起こし自体は可能ですが、いくつかの制限があります。
まず、ストレージ(録音・文字起こしデータの総量)が「800分まで」と上限が決められています。
この上限に達すると、古いデータから削除されます。
また、AIによる要約機能は限定的(30クレジット/月)で、SlackやCRM(顧客管理システム)などとの連携機能もほぼ利用できません。
録音データのダウンロードも不可、音声ファイルのアップロードも手動で行う必要があります。
tl;dvが無制限であるのに対し、Fireflies.aiの無料プランは「お試し型」に近く、本格的に利用するには有料プラン(Pro以上)へのアップグレードが実質的に必要となるでしょう。
【ツール④】スマート書記:特徴と無料プランでできること
スマート書記は、日本のエピックベース株式会社が開発・提供する法人向けAI議事録作成ツールです。
金融機関や自治体など、セキュリティに厳しい企業での導入実績が豊富です。
最大の特徴は、90%以上とされる高精度な文字起こしと、最大20名まで対応可能な話者識別機能、そして議事録に特化した強力な編集機能です。
Web会議はもちろん、スマホアプリでの対面会議録音、音声ファイルのインポートにも対応しています。
スマート書記には、継続的に無料で利用できる「フリープラン」は存在しません。
提供されているのは「14日間の無料トライアル」のみです。
このトライアル期間中は、有料プラン(Enterpriseプラン)と同等のすべての機能を制限なく試すことができます。
高精度なAI要約、フィラー除去、専門用語の辞書登録、セキュリティ機能など、法人向けの高機能を体験し、導入の是非を判断するための「お試し型」ツールと言えます。
【ツール⑤】AI議事録取れるくん:特徴と無料プランでできること
AI議事録取れるくんは、株式会社ALMが提供する比較的新しいAI議事録作成サービスです。
Zoom, Google Meet, Teamsと連携し、会議に参加してリアルタイムで文字起こしと要約を行います。
シンプルなインターフェースと、会議の「決定事項」「ToDo」「重要発言」を自動で
分類・要約する機能が特徴です。
AI議事録取れるくんにも、継続利用可能な無料プランは存在せず、「7日間の無料体験(トライアル)」が提供されています。
トライアル期間中は、Personalプランの機能を(一部制限がある可能性もありますが)試すことができます。
スマート書記と同様に、こちらも有料プランの導入を検討するための「お試し型」のツールです。
7日間という期間は他のツールと比較して短いため、集中的に機能を試す必要があります。
【汎用型】文字起こしに使える無料ツール5選
次に、議事録専用ではありませんが、AIの機能の一部として文字起こしや要約が可能な「汎用型」の無料ツール5選を紹介します。
多くが完全無料で利用できる「実用型」です。
- 【ツール⑥】Google ドキュメント
- 【ツール⑦】CLOVA Note
- 【ツール⑧】Gemini(Google)
- 【ツール⑨】MyEdit
- 【ツール⑩】Word (Web版)
これらは特化型ツールと比べて機能はシンプルですが、日常的なメモ書きや、急な文字起こしニーズに十分応えてくれます。
【ツール⑥】Google ドキュメント:無料文字起こし機能の使い方
Google アカウントさえ持っていれば、誰でも無料で利用できるGoogle ドキュメントには、標準で「音声入力」機能が搭載されています。
これは、マイクに向かって話した内容をリアルタイムで文字起こしする機能です。
使い方は非常に簡単です。
Google ドキュメントを開き、メニューバーの「ツール」から「音声入力」を選択します。
表示されたマイクアイコンをクリックすると、音声認識が開始されます。
この機能は、議事録専用ではないため、話者分離やAI要約、タイムスタンプといった機能は一切ありません。
また、録音済みの音声ファイルをアップロードして文字起こしする機能も標準では備わっていません。
(PCのスピーカーから音声を流し、マイクで拾わせるという原始的な方法は可能です)
あくまで、会議中に自分用のメモをリアルタイムで取るための補助機能として役立ちます。
句読点(「。」や「、」)も音声で「まる」「てん」と入力する必要がありますが、認識精度自体は高く、完全無料で時間無制限に使える点は大きな魅力です。
【ツール⑦】CLOVA Note:特徴と無料プランでできること
CLOVA Noteは、LINE(NAVER)が開発したAI音声認識アプリで、高精度な日本語文字起こしと話者分離機能により、無料で使えるツールとして非常に高い人気を誇っていました。
しかし、CLOVA Noteは2025年2月4日に新規のノート作成(録音・ファイルアップロード)機能を停止し、2025年7月末をもってサービス自体が完全に終了しました。 このため、現在、CLOVA Noteを新しい議事録AI文字起こしツールとして利用することはできません。
後継サービスとして、法人向けの「LINE WORKS AiNote」が案内されていますが、こちらは有料サービス(LINE WORKSのオプション)となります。
これまでCLOVA Noteを無料で活用してきたユーザーは、本記事で紹介している他の「実用型」無料ツール(tl;dv, Word, Geminiなど)への移行を検討する必要があります。
【ツール⑧】Gemini(Google):無料での文字起こし・議事録作成方法
Googleが提供する生成AI「Gemini(ジェミニ)」は、議事録の文字起こしと要約にも活用できます。
Googleアカウントがあれば、Web版のGemini(旧Bard)で音声ファイルをアップロードして利用できます。
使い方は、Geminiのチャット画面で、MP3, M4A, WAVなどの音声ファイル(または動画ファイル)をアップロードし、プロンプト(指示文)で「この音声を文字起こししてください」と依頼するだけです。AIが音声を解析し、テキストを出力してくれます。
Geminiの強みは、単なる文字起こしに留まらない点です。
文字起こしさせた後、続けて「このテキストを話者Aと話者Bに分離してください」「議事録の形式で、決定事項とToDoを箇条書きでまとめてください」といった追加の指示(プロンプト)を与えることで、AIが議事録の清書まで行ってくれます。
無料プランでは、アップロードできるファイルサイズや利用回数に制限がある可能性がありますが、高機能なAIを手軽に試せる「実用型」ツールとして非常に強力です。
Google Meetとの連携機能も強化されており、会議の自動メモ作成なども可能になっています。
Geminiを活用した業務効率化やプロンプトの具体的な活用事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。 合わせてご覧ください。
【ツール⑨】MyEdit:無料文字起こし機能の特徴
MyEdit(マイエディット)は、動画編集ソフトなどで知られるCyberLink社が提供する、ブラウザベースのAIツールスイートです。
画像生成や音声加工など多彩な機能の一つとして、「AI文字起こし」機能が搭載されています。
無料プランでもこの文字起こし機能を試すことが可能です。音声ファイル(MP3, WAVなど)や動画ファイル(MP4など)をアップロードすると、AIがテキストを抽出します。
ただし、無料プランの制限は厳しく設定されています。
1日に利用できる「クレジット」に上限があり(例:1日3クレジット)、文字起こし1分あたり1クレジット程度を消費します。
また、アップロードできるファイルも「最大100MBまたは5分まで」「1日のダウンロード(保存)は1回まで」といった強い制限があります。
高精度なAIモデルを使用できるとされていますが、無料プランはあくまで機能の「お試し」であり、日常の議事録作成に「実用型」として使うのは難しいでしょう。
【ツール⑩】Word (Web版):無料文字起こし機能の使い方
Microsoft 365のアカウント(無料)を持っていれば、Web版(ブラウザ版)のWordで、高機能な文字起こし機能を無料で利用することができます。
Web版Wordの文字起こし機能は2種類あります。
- ディクテーション機能:Google ドキュメントの音声入力と同様、マイクに向かって話した内容をリアルタイムで文字起こしします。こちらは基本的に時間制限なく無料で利用できます。
- トランスクリプト機能:こちらが非常に強力です。録音済みの音声ファイル(MP3, WAV, M4Aなど)をアップロードすると、AIが自動で文字起こしを行い、さらに「話者分離」まで行ってくれます。テキスト化された内容は、タイムスタンプ付きでWord文書に挿入できます。
この高機能な「トランスクリプト機能」は、無料プランでは「1ヶ月あたり合計300分(5時間)まで」という上限が設けられています。
月5時間までという制限はありますが、話者分離機能まで無料で使える「実用型」ツールとして、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢と言えます。
Microsoft製品のエコシステムでAIを活用できるCopilotは、Wordを含む様々な場面で業務効率化に役立ちます。 こちらの記事で活用事例から導入方法まで解説しています。 合わせてご覧ください。
議事録AI文字起こし無料ツール10選|機能と無料枠の比較一覧表
ここまで紹介した10個のツールについて、
「無料プラン」でできること、特に「文字起こし時間の上限」と
「主な機能制限」を表にまとめます。
- タイプ:
- 実用型: 継続して無料で利用可能(利用枠の上限あり)
- お試し型: 利用期間や回数が限定的(有料プランの試用)
- CLOVA Note: サービス終了のため比較から除外し、参考情報を記載します。
【一覧表】文字起こし時間・機能制限の比較
| ツール名 | タイプ | 無料プランの文字起こし時間(上限) | 主な無料機能・制限 |
| 【特化型】 | |||
| ① tl;dv | 実用型 | 無制限(リアルタイム会議) | ○ 録画・文字起こし無制限 ○ AI要約(無制限) × 音声ファイルインポート(生涯3回) △ AIノート・クエリ(月10回) |
| ② Notta | お試し型 | 月120分(1回3分まで) | ○ リアルタイム・インポート対応 ○ 話者分離対応 △ AI要約(月10回) × 1回の時間が短すぎ実用不可 |
| ③ Fireflies.ai | お試し型 | 総量800分(ストレージ上限) | ○ Web会議連携 × ストレージ上限あり × AI要約・連携機能(制限あり) |
| ④ スマート書記 | お試し型 | 14日間無料トライアル | ○ トライアル中は全機能利用可 × 継続利用不可 |
| ⑤ AI議事録取れるくん | お試し型 | 7日間無料トライアル | ○ トライアル中は機能利用可 × 継続利用不可 × 期間が短い |
| 【汎用型】 | |||
| ⑥ Google ドキュメント | 実用型 | 無制限(リアルタイム) | ○ リアルタイム文字起こし無制限 × ファイルインポート不可 × 話者分離・要約機能なし |
| ⑦ CLOVA Note | (終了) | (サービス終了) | (2025年7月末でサービス完全終了。新規利用不可) |
| ⑧ Gemini | 実用型 | 制限あり(上限非公開) | ○ ファイルインポート対応 ○ AI要約・議事録作成(プロンプト次第) × 話者分離は自動では不可 △ 利用回数・ファイルサイズに制限あり |
| ⑨ MyEdit | お試し型 | 1日3クレジット(数分程度) | ○ ファイルインポート対応 × 時間・ファイルサイズ(5分)・DL回数(1日1回)の制限が厳しい |
| ⑩ Word (Web版) | 実用型 | 月300分(ファイルインポート) | ○ ファイルインポート対応 ○ 話者分離機能あり ○ リアルタイム(ディクテーション)は無制限 |
結局、どの無料プランを選ぶべき?
上記の比較表から、あなたの目的に合わせて選ぶべき無料ツールが見えてきます。
- Web会議(Zoom, Meetなど)がメインで、継続的に無料で使いたい場合:「① tl;dv」 が最適です。リアルタイムの文字起こしと録画、AI要約が無制限で使えるのは非常に強力です。ただし、過去の録音データを文字起こししたいニーズには応えられません。
- 録音済みの音声ファイルを、話者分離も含めて無料で文字起こししたい場合:「⑩ Word (Web版)」 が最適です。月300分(5時間)の上限はありますが、無料で話者分離まで対応している「トランスクリプト機能」は非常に価値があります。
- とにかくAIで文字起こしや要約を試してみたい場合:「⑧ Gemini」 が手軽です。手持ちの音声ファイルをアップロードし、プロンプト(指示)次第で要約や議事録形式への変換まで柔軟に試すことができます。
- 有料プラン導入を検討しており、高機能なツールを試したい場合:「④ スマート書記」 (14日間)のトライアルで、法人向けの日本語議事録ツールの最高峰の機能を体験するのが良いでしょう。
議事録AIの文字起こしは無料で十分?有料プランとの違い
無料プランでも高機能なツールが増えていますが、業務で本格的に利用するとなると、無料プランの「上限」がネックになるケースがほとんどです。
無料プランで十分なケースと、有料プランを検討すべきケースの違いについて解説します。
無料プランで困りがちなケースとは?
無料プランを「実用型」として使おうとした場合、以下のような壁にぶつかることが多いです。
- 時間・回数の上限に達してしまう:最も多いケースです。「Word (Web版)」の月300分(5時間)は、週に1回、2時間の会議があればすぐに上限に達してしまいます。「tl;dv」はリアルタイム無制限ですが、急に「この対面会議の録音データを文字起こしして」と頼まれた際に「インポートは生涯3回まで」の壁にぶつかります。
- 重要な機能が使えない:「Google ドキュメント」は手軽ですが、「話者分離」ができません。誰が話したか分からない議事録は、情報としての価値が半減してしまいます。また、AIによる高精度な「要約」や「ToDo抽出」機能は、無料プランでは制限されているか、利用できないことがほとんどです。
- セキュリティ要件を満たせない:無料プランでは、データがAIの学習に利用されたり、セキュリティレベルが保証されなかったりする場合があります。企業の機密情報や個人情報を含む会議内容を扱う場合、無料ツールの利用自体がセキュリティポリシー違反となる可能性があります。
有料プランのコスパをシミュレーション(月20時間利用の場合など)
では、有料プランに移行すると、どれくらいのコストがかかるのでしょうか。
例えば、「月に20時間(1,200分)」の会議を
AIで文字起こし・要約したい場合を考えてみましょう。
- Word (Web版)(Microsoft 365):無料プラン(月300分)では全く足りません。有料のMicrosoft 365 Personal/Businessプランに加入すると、Wordのトランスクリプト機能の上限が大幅に緩和される(または無制限になる)場合があります。(※プランにより異なる)
- Notta:プレミアムプラン(月額約2,000円程度)で、月1,800分の文字起こしが可能になります。AI要約や話者分離、インポート無制限など、無料プランでは使えなかった全機能が解放されます。月20時間の議事録作成工数を2,000円で削減できると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
- tl;dv:Proプラン(月額$20程度)にすると、音声ファイルのインポートが無制限になり、AIクエリの回数制限などもなくなります。
月に数時間の利用であれば無料プランで工夫できますが、月10時間(600分)を超えるあたりから、有料プラン(月額2,000円~3,000円程度)を導入した方が、機能制限に悩まされず、トータルの業務効率は格段に上がると言えるでしょう。
無料ツールで実践!効率的な議事録作成と活用のコツ
無料ツールは機能が限定的だからこそ、使い方に「コツ」が必要です。
AIの文字起こし結果を最大限に活かし、効率的に議事録を作成・活用するための3つのコツを紹介します。
- コツ1. 会議前にアジェンダを兼ねたフォーマットを準備する
- コツ2. AIの文字起こし結果を「決定事項」と「ToDo」に整理する
- コツ3. 文字起こしデータと関連資料をセットで保管・共有する
コツ1. 会議前にアジェンダを兼ねたフォーマットを準備する
AIは文字起こしや要約は得意ですが、「会議の目的」や「議論の背景」をゼロから理解することはできません。
会議を始める前に、必ずシンプルなアジェンダ(議題)を用意しましょう。
そして、議事録を残すドキュメント(Google ドキュメントやWordなど)に、
あらかじめそのアジェンダを書き込んでおきます。
<議事録フォーマット例>
- 会議名:
- 日時・場所:
- 参加者:
- アジェンダ(議題):
- 議題1:〇〇について
- 議題2:△△について
- (ここにAIの文字起こし結果を貼り付ける)
- 決定事項:
- (AIの要約を元に清書)
- ToDo(担当者・期限):
- (AIの要約を元に清書)
このように「型」を決めておき、AIの出力結果(文字起こしや要約)を適切な場所に「はめ込む」だけで、
議事録の体裁が整うように工夫します。
無料のAI要約機能(tl;dvやGemini)を使う場合も、
このアジェンダに沿って要約するように指示すると精度が上がります。
コツ2. AIの文字起こし結果を「決定事項」と「ToDo」に整理する
AIが生成した文字起こしテキストは、あくまで「素材」です。
特に無料ツールでは、話者分離が不正確だったり、
専門用語が間違っていたりすることが多々あります。
この「素材(生データ)」をそのまま共有しても、
読んだ人は「結局、何が決まったの?」と混乱してしまいます。
議事録作成者の最も重要な仕事は、
AIが生成したテキスト(またはAIによる要約)に目を通し、
「会議の結論」と「次にやるべきこと」を明確に抜き出すことです。
具体的には、
「決定事項」と「ToDo(誰が・いつまでに・何をするか)」
の2つの観点でテキストを整理し、
会議前に用意したフォーマット(コツ1参照)に清書します。
この「整理・清書」の作業さえ行えば、
たとえ無料ツールであっても、議事録としての価値は飛躍的に高まります。
コツ3. 文字起こしデータと関連資料をセットで保管・共有する
議事録は、作成して終わりではありません。
後から見返したり、会議に参加していない人に共有したりして、
初めてその価値が生まれます。
無料ツールを使った場合、
データの保存期間に制限があったり(Nottaなど)、
ツール自体が分散しがちです(Word, Gemini, Google ドキュメントなど)。
そこで、作成した議事録(決定事項とToDoを清書したもの)と、
AIが生成した「文字起こしデータの全文(生データ)」、
そして会議で使用した「関連資料(PDF, スライドなど)」は、
必ず1つのフォルダや場所にまとめて保管・共有するようにしましょう。
例えば、社内のファイルサーバーやGoogle Drive, SharePointなどに、
「20251105_〇〇定例会議」といったフォルダを作成し、
その中にすべて格納します。
こうすることで、後から「あの会議の詳細はどうだったか」と確認したくなった時に、
清書された議事録だけでなく、
議論の全容(生データ)や関連資料にもすぐにアクセスできる状態になります。
無料の議事録AI文字起こしツール利用時の注意点
無料ツールは手軽で便利ですが、業務で利用する際には、いくつか注意すべき点があります。
特にパブリッククラウドにおけるセキュリティとプライバシーの指針として、米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドラインは世界的な基準となっています。合わせてご覧ください。 https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-144.pdf
特にセキュリティと情報の正確性については、利用者が意識して管理する必要があります。
- 機密情報・個人情報の取り扱いに注意する
- AIの文字起こし・要約結果は必ず人の目で確認する
機密情報・個人情報の取り扱いに注意する
無料のAI文字起こしツールを利用するということは、会議の音声データを、ツールの提供元(Google, Microsoft, OpenAIなど)のサーバーにアップロードすることを意味します。
多くの無料サービスでは、アップロードされたデータが、サービスの品質向上のため、あるいはAIの学習データとして利用される可能性があります。
(オプトアウト(学習拒否)設定ができない場合もあります)
もし会議の内容に、社外秘のプロジェクト情報、顧客の個人情報、未発表の財務情報などが含まれる場合、無料ツールを利用することで、意図せず情報漏洩のリスクを負うことになるかもしれません。
業務で利用する際は、必ず自社のセキュリティポリシーを確認し、「どのレベルの情報までなら無料ツールで扱って良いか」というルールを明確にしておく必要があります。
ChatGPTをはじめとする生成AIを企業で導入する際の料金やセキュリティ、活用事例については、こちらのガイドで網羅的に解説しています。 合わせてご覧ください。
AIの文字起こし・要約結果は必ず人の目で確認する
現在のAI文字起こしの精度は非常に高くなっていますが、「100%完璧」ではありません。
特に、専門用語、固有名詞(人名・会社名)、早口や複数人による同時発言、あるいはマイクの音質が悪い場合などは、認識ミス(誤字脱字)が発生しやすくなります。
AIによる要約機能も同様です。
AIは文脈や議論の重要性を完全には理解していないため、些細な発言を重要事項としてピックアップしてしまったり、逆に、重要な決定事項を要約から漏らしてしまったりする可能性があります。
AIが生成した文字起こしや要約は、あくまで「下書き」または「たたき台」として扱わなければなりません。
議事録として正式に共有する前には、必ず会議の参加者(または議事録作成者)が
人の目で全体をチェックし、事実と異なる点や、ニュアンスが違う部分を修正する「校正」のプロセスが不可欠です。
この一手間を惜しむと、間違った情報が共有され、大きなトラブルに発展する可能性があります。
現在のAI音声認識システムには、話し方や方言、文化的背景による認識精度の偏り(バイアス)が存在することも学術的に指摘されています。合わせてご覧ください。 https://arxiv.org/abs/2203.14995
あなたの脳はサボってる?ChatGPTで「賢くなる人」と「思考停止する人」の決定的違い
ChatGPTを毎日使っているあなた、その使い方で本当に「賢く」なっていますか?実は、使い方を間違えると、私たちの脳はどんどん“怠け者”になってしまうかもしれません。マサチューセッツ工科大学(MIT)の衝撃的な研究がそれを裏付けています。しかし、ご安心ください。東京大学などのトップ研究機関では、ChatGPTを「最強の思考ツール」として使いこなし、能力を向上させる方法が実践されています。この記事では、「思考停止する人」と「賢くなる人」の分かれ道を、最新の研究結果と具体的なテクニックを交えながら、どこよりも分かりやすく解説します。
【警告】ChatGPTはあなたの「脳をサボらせる」かもしれない
「ChatGPTに任せれば、頭を使わなくて済む」——。もしそう思っていたら、少し危険なサインです。MITの研究によると、ChatGPTを使って文章を作った人は、自力で考えた人に比べて脳の活動が半分以下に低下することがわかりました。
これは、脳が考えることをAIに丸投げしてしまう「思考の外部委託」が起きている証拠です。この状態が続くと、次のようなリスクが考えられます。
- 深く考える力が衰える: AIの答えを鵜呑みにし、「本当にそうかな?」と疑う力が鈍る。
- 記憶が定着しなくなる: 楽して得た情報は、脳に残りづらい。
- アイデアが湧かなくなる: 脳が「省Eネモード」に慣れてしまい、自ら発想する力が弱まる。
便利なツールに頼るうち、気づかぬ間に、本来持っていたはずの「考える力」が失われていく可能性があるのです。
引用元:
MITの研究者たちは、大規模言語モデル(LLM)が人間の認知プロセスに与える影響について調査しました。その結果、LLM支援のライティングタスクでは、人間の脳内の認知活動が大幅に低下することが示されました。(Shmidman, A., Sciacca, B., et al. “Does the use of large language models affect human cognition?” 2024年)
【実践】AIを「脳のジム」に変える東大式の使い方
では、「賢くなる人」はChatGPTをどう使っているのでしょうか?答えはシンプルです。彼らはAIを「答えを出す機械」ではなく、「思考を鍛えるパートナー」として利用しています。ここでは、誰でも今日から真似できる3つの「賢い」使い方をご紹介します。
使い方①:最強の「壁打ち相手」にする
自分の考えを深めるには、反論や別の視点が不可欠です。そこで、ChatGPTをあえて「反対意見を言うパートナー」に設定しましょう。
魔法のプロンプト例:
「(あなたの意見や企画)について、あなたが優秀なコンサルタントだったら、どんな弱点を指摘しますか?最も鋭い反論を3つ挙げてください。」
これにより、一人では気づけなかった思考の穴を発見し、より強固な論理を組み立てる力が鍛えられます。
使い方②:あえて「無知な生徒」として教える
自分が本当にテーマを理解しているか試したければ、誰かに説明してみるのが一番です。ChatGPTを「何も知らない生徒役」にして、あなたが先生になってみましょう。
魔法のプロンプト例:
「今から『(あなたが学びたいテーマ)』について説明します。あなたは専門知識のない高校生だと思って、私の説明で少しでも分かりにくい部分があったら、遠慮なく質問してください。」
AIからの素朴な質問に答えることで、自分の理解度の甘い部分が明確になり、知識が驚くほど整理されます。
使い方③:アイデアを無限に生み出す「触媒」にする
ゼロから「面白いアイデアを出して」と頼むのは、思考停止への第一歩です。そうではなく、自分のアイデアの“種”をAIに投げかけ、化学反応を起こさせるのです。
魔法のプロンプト例:
「『(テーマ)』について考えています。キーワードは『A』『B』『C』です。これらの要素を組み合わせて、今までにない斬新な企画の切り口を5つ提案してください。」
AIが提案した意外な組み合わせをヒントに、最終的なアイデアに磨きをかけるのはあなた自身です。これにより、発想力が刺激され、創造性が大きく向上します。
まとめ
「無料のAI議事録ツールを試したが、時間制限や機能制限で結局使えなかった」
「セキュリティが不安で、機密情報を含む会議にはどのツールを使えばいいか分からない」
「議事録作成だけでなく、他の業務にもAIを活用したいが、ツールがバラバラで非効率だ」
こうした課題を抱える企業も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。
Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用し、議事録作成はもちろん、メール作成や画像からの文字起こし、さらにレポート自動生成など、200種類以上の実用的なAIタスクをパッケージ化した生成AI活用プラットフォームです。
さまざまな業務を「アプリ」として選ぶだけで、誰でも直感的にAIを活用できます。
しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、データセキュリティが万全で、無料ツールで懸念される情報漏えいの心配もありません。
さらに、AIコンサルタントによる手厚い導入サポートがあるため、「何をどう使えばいいのかわからない」という初心者企業でも安心してスタートできます。
導入後すぐに効果を実感できる設計なので、複雑なプログラミングや高度なAI知識がなくても、すぐに業務効率化が図れる点が大きな魅力です。
まずは、Taskhubの活用事例や機能を詳しくまとめた【サービス概要資料】を無料でダウンロードしてください。
Taskhubで“最速の生成AI活用”を体験し、御社のDXを一気に加速させましょう。

