「Notion AIで議事録を自動作成できるらしいけど、具体的にどうやるの?」
「毎回、会議のZoom録画を見返して文字起こしするのが面倒…。」
こういった悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
2025年5月にリリースされたNotion AIの「AIミーティングノート」機能により、議事録作成は劇的に変わりました。
本記事では、Notion AIを使った議事録の自動作成方法、ZoomやGoogle Meetとの連携(システム音声の録音)、料金プラン、そしてAIを最大限に活用するためのコツについて、具体的な手順を交えて解説します。
上場企業をメインに生成AIコンサルティング事業を展開している弊社が、実際の業務で検証した活用法をご紹介します。
こちらは生成AIの企業活用について、メリットから導入の注意点までを徹底解説した記事です。 合わせてご覧ください。
きっと役に立つと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
Notion AIで議事録作成はどう変わる?AI機能とメリット
Notion AI、特に「AIミーティングノート」機能の登場により、これまで議事録作成にかけていた多くの時間が不要になります。
会議の参加者は、面倒な作業から解放され、より本質的な議論や次のアクションに集中できるようになります。
主なメリットは以下の4点です。
- 会議の「文字起こし」「要約」「タスク抽出」をAIが自動化
- 議事録作成にかかる時間を大幅に短縮できる
- 客観的な要約で会議の重要ポイントを逃さない
- フォーマット統一で検索や管理が楽になる
それでは、1つずつ順に解説します。
会議の「文字起こし」「要約」「タスク抽出」をAIが自動化
AIミーティングノートは、会議中の会話をリアルタイムで文字起こしします。
会議が終了すると同時に、AIがその膨大な文字起こしデータ全体を解析し、自動で要約を作成します。
単に要約するだけでなく、議論の中で発生した「誰が」「何を」「いつまでに」行うのか、といった具体的な「アクションアイテム(タスク)」を自動で抽出し、チェックボックス形式でリストアップしてくれます。
これにより、議事録担当者が必死にメモを取る必要がなくなり、会議の議論そのものに参加しやすくなります。
議事録作成にかかる時間を大幅に短縮できる
従来の議事録作成は、会議後の大きな負担でした。
録音や録画データを聞き直し、発言を文字に起こし、要点をまとめ、タスクを整理する作業には、会議時間と同じか、それ以上の時間がかかることも珍しくありませんでした。
Notion AIを使えば、会議終了とほぼ同時に文字起こしと要約、タスクリストが完成しています。
担当者が行う作業は、AIが生成した内容を確認し、必要に応じて修正するだけです。
この自動化により、議事録作成にかかる時間を90%以上削減できるケースも報告されており、生産性の向上に直結します。
こちらは生成AIの導入が労働生産性に与える影響について調査したレポートです。AIユーザーは週平均2.2時間の労働時間を節約していると報告されています。 合わせてご覧ください。 https://www.stlouisfed.org/on-the-economy/2025/feb/impact-generative-ai-work-productivity
客観的な要約で会議の重要ポイントを逃さない
人間が手作業で議事録を作成すると、どうしても個人の解釈や重要だと思うポイントに偏りが生じがちです。
また、議論が白熱すると、重要な決定事項やタスクをメモし忘れることもあります。
Notion AIは、全ての発言をテキストデータとして客観的に処理し、その中からアジェンダに基づいた決定事項やタスクを公平に抽出します。
「言った・言わない」といった水掛け論を防ぎ、会議に参加できなかったメンバーにも、客観的な事実に基づいた正確な情報を共有できる点が大きな強みです。
フォーマット統一で検索や管理が楽になる
議事録のフォーマットが人によって異なると、後から情報を探し出すのが困難になります。
Notion AIは、設定したテンプレートや指定したフォーマット(例:決定事項、議論内容、アクションアイテム)に基づいて、常に一貫した形式で議事録を生成します。
Notionの強力なデータベース機能と組み合わせることで、過去の議事録をプロジェクトごと、あるいは日付や参加者で瞬時に検索・フィルタリングできるようになります。
これにより、過去の経緯の確認や、タスクの進捗管理が格段に効率化されます。
Notion AIの議事録機能でできること
Notion AIの議事録機能、具体的には「AIミーティングノート」は、会議の音声処理に特化した強力なツールです。
この機能が具体的にどのようなタスクを実行できるのか、その中核となる4つの能力を見ていきましょう。
- 【自動作成】会議の音声・動画ファイルから議事録を生成
- 【要約】長い文字起こしや議論内容を瞬時に要約
- 【文字起こし】リアルタイムまたは録音データから書き起こし
- 【タスク抽出】議論中の「次にやること」をAIが自動で抜き出す
それぞれ詳しく解説します。
【自動作成】会議の音声・動画ファイルから議事録を生成
Notion AIは、会議の音声データを基に、議事録ページを自動で生成します。
AIミーティングノート機能を使えば、会議の開始と同時に録音と文字起こしがスタートし、終了時には要約とタスクが記載されたページが完成しています。
この機能は、Notionデスクトップアプリ(Windows/Mac)で利用でき、ZoomやGoogle Meetなど、PC上で実行されている会議ツールの「システム音声」を直接拾って処理します。
そのため、特定のツールとの複雑なAPI連携設定なしに、あらゆるオンライン会議に対応できるのが特徴です。
【要約】長い文字起こしや議論内容を瞬時に要約
1時間にわたる会議の文字起こしは、数万文字に及ぶこともあります。
その全てを読み返すのは現実的ではありません。
Notion AIは、会議終了後に、膨大な文字起こしデータから「会議の主なトピック」「議論された主要な点」「最終的な決定事項」を自動で抽出し、簡潔な要約を生成します。
さらに、「セールスコール」「チームミーティング」といった会議の目的に合わせて要約のスタイルを変更することも可能です。
これにより、会議の概要を数分で把握できます。
【文字起こし】リアルタイムまたは録音データから書き起こし
AIミーティングノートの最大の特徴は、リアルタイム文字起こし機能です。
会議中にNotionのデスクトップアプリで録音を開始すると、話された内容がリアルタイムでテキスト化されていきます。
これにより、会議に参加している全員が、議論の経過を視覚的に確認しながら進めることができます。
また、構成案にある「録音データのアップロード」については、AIミーティングノートの直接機能ではありませんが、既存の音声ファイル(mp3など)をNotionにアップロードし、サードパーティの文字起こしツール(例:Nottaなど)と連携させるか、または文字起こし後のテキストをNotionに貼り付けてAIに要約させる、といった使い方が可能です。
こちらはChatGPTを使った文字起こしの具体的な方法や活用事例について解説した記事です。 合わせてご覧ください。
【タスク抽出】議論中の「次にやること」をAIが自動で抜き出す
会議で「これはAさんが来週までにやっておいてください」といった発言があった場合、Notion AIはそれを「アクションアイテム(タスク)」として認識します。
要約が生成される際、これらのタスクは自動的に抽出され、NotionのToDoリスト(チェックボックス)形式でリストアップされます。
担当者名や期限が明確に発言されていれば、それらの情報もタスクに付加されます。
これにより、会議後のタスク漏れを劇的に減らすことができ、決定事項を確実に行動に移すためのサポートとなります。
こちらはAIによる「Action Item Detection(タスク抽出)」の仕組みについて解説した技術記事です。 合わせてご覧ください。 https://ddimri.medium.com/action-items-detection-system-971100105d33
Notion AIで議事録を自動作成する使い方
Notion AIの「AIミーティングノート」機能を使った議事録の自動作成は、驚くほど簡単です。
ここでは、基本的な使い方と、会議のシチュエーションに合わせた2つのパターンを解説します。
- Notion AIのミーティングノート機能の開始方法
- 【パターン1】会議中にリアルタイムで文字起こし・要約する
- 【パターン2】会議後の録音・録画データをアップロードして使う
この手順を覚えるだけで、議事録作成の効率が飛躍的に向上します。
Notion AIのミーティングノート機能の開始方法
AIミーティングノート機能は、Notionのデスクトップアプリ(MacまたはWindows)からのみ開始できます。ブラウザ版では利用できないため、事前にインストールしておきましょう。
- Notionのデスクトップアプリで、議事録を作成したいページを開きます。
- ページの任意の場所で、半角スラッシュ
/に続けてmeetと入力します。(または/aiでも可) - メニューから「AIミーティングノート(AI meeting note)」を選択します。
- ミーティングノートの専用ブロックが表示されます。
これが議事録作成の基本のスタート地点です。
【パターン1】会議中にリアルタイムで文字起こし・要約する
これがAIミーティングノートの最も強力な使い方です。ZoomやGoogle Meetでの会議中に実行します。
- 前項の手順で「AIミーティングノート」ブロックを挿入します。
- Zoomなどの会議が始まったら、ミーティングノートブロック内の「録音」ボタンをクリックします。
- (初回のみ)PCのシステム音声へのアクセス許可を求められるので、許可します。
- 参加者への同意確認が求められます。Notionが用意する同意文をコピーして会議チャットに貼り付けるか、口頭で同意を得て「同意しました」にチェックを入れます。
- 録音とリアルタイム文字起こしが開始されます。文字起こしは「文字起こし」タブで確認できます。
- 会議が終了したら、「録音停止」ボタンをクリックします。
- AIが自動的に文字起こし全体を処理し、「要約」タブに要約とアクションアイテムが生成されます。
【パターン2】会議後の録音・録画データをアップロードして使う
構成案にあるこのパターンですが、現状(2025年11月時点)、Notionの「AIミーティングノート」機能には、MP3やMP4ファイルを直接アップロードして文字起こしする機能は搭載されていません。この機能は主にリアルタイムのシステム音声を対象としています。
では、録音データをどうするか。代替案は以下の2つです。
- 他のツールで文字起こしし、テキストをNotion AIで要約する
- 別の文字起こしAIツール(例: Notta, Vrewなど)を使って、録音・録画ファイルからテキストデータ(.txt)を作成します。
- そのテキスト全文をNotionのページに貼り付けます。
- 貼り付けたテキストを選択し、Notion AI(スペースキーまたは
/ai)を呼び出し、「要約する」「アクションアイテムを抽出する」などを指示します。
- 録音データをPCで再生し、AIミーティングノートで録音する
- 少し強引な方法ですが、PC上で録音データを再生します。
- NotionデスクトップアプリでAIミーティングノートを開始し、「録音」ボタンを押します。
- PCのシステム音声(=再生中の録音データ)をAIミーティングノートがリアルタイムで文字起こしします。
最も効率的なのは1の方法です。AIミーティングノートはリアルタイム用、録画データは別ツールで文字起こし+Notion AIで要約、と使い分けるのが現実的です。
ZoomとNotion AIを連携した議事録作成
Notion AIの議事録機能(AIミーティングノート)は、ZoomやGoogle Meetと「連携」すると言われますが、これはAPIで直接繋ぎ込むものではありません。
PCの「システム音声」を録音する、という仕組みを理解することが重要です。
こちらはNotion AIの議事録機能についてレビューした記事です。特定のアプリに依存せず「コンピュータのシステム音声」を録音する方式であると指摘されています。 合わせてご覧ください。 https://www.eesel.ai/blog/notion-ai-meeting-notes
- Zoomミーティングと連携して議事録を自動作成する設定
- Google Meetの録画データを活用して議事録を作成する
- 他ツール(Microsoft Teamsなど)のデータは使える?
この仕組みを理解すれば、あらゆるツールに応用が可能です。
Zoomミーティングと連携して議事録を自動作成する設定
ZoomとNotion AIを「連携」させるための特別な設定や、Zoomマーケットプレイスからのアプリ追加は不要です。
必要なのは、Notionデスクトップアプリをインストールしておくことだけです。
手順は「基本的な使い方」で解説した通りです。
- Zoomミーティングを開始します。(PCのスピーカーから音声が出る状態にします)
- Notionデスクトップアプリを開き、
/meetでAIミーティングノートを開始します。 - 「録音」ボタンを押します。
- Notion AIが、Zoomミーティングで話されている会話(システム音声)を自動で拾い、文字起こしを開始します。
重要なのは、Notion AIはZoomと「会話」しているのではなく、PCから流れてくる「音」を聴いているだけ、という点です。
Google Meetの録画データを活用して議事録を作成する
Google Meet(グーグルミート)の会議でも全く同じです。
リアルタイムの会議であれば、Google Meetで会議をしながら、裏側でNotionデスクトップアプリのAIミーティングノートを起動し、「録音」ボタンを押すだけです。
PCから流れるMeetの音声をNotion AIが文字起こしします。
もし会議後にGoogle Meetの「録画データ」(Google Driveに保存されるMP4ファイルなど)を活用したい場合は、前章の「パターン2」で解説した通り、現状のNotion AIは動画ファイルのアップロードに対応していません。
そのため、録画データをPCで再生し、そのシステム音声をNotion AIミーティングノートで録音(文字起こし)させるか、別のツールでテキスト化してからNotion AIで要約するのが最善策となります。
他ツール(Microsoft Teamsなど)のデータは使える?
結論から言えば、使えます。
Notion AIミーティングノートの仕組みは、特定のツール(ZoomやMeet)に依存しているわけではなく、PCのシステム音声(PCから聞こえる音)を録音するものです。
したがって、Microsoft Teams(チームズ)の会議であっても、PCのデスクトップアプリでTeams会議に参加し、音声が聞こえる状態であれば、Notionデスクトップアプリはその音声を拾って文字起こしできます。
同様に、Webex、Slackハドル、Discordなど、PC上で音声通話ができるツールであれば、ほぼ全てNotion AIによるリアルタイム議事録作成の対象にできます。
Notion AIの議事録利用と料金プラン
Notion AI、特に議事録作成(AIミーティングノート)は非常に強力ですが、利用には料金プランに応じた制限があります。
2025年5月の料金体系改定により、AI機能は各プランに組み込まれる形になりました。
- 無料プランで使えるAI機能の回数制限とは?
- 有料プラン(プラス・ビジネス)のAI機能と料金体系
- 議事録作成目的ならどのプランを選ぶべきか
本格的に活用する場合は、プランの選択が重要になります。
無料プランで使えるAI機能の回数制限とは?
Notionの無料プラン(フリープラン)でも、Notion AIの機能(AIミーティングノートを含む)を試すことができます。
ただし、厳しい回数制限があります。
無料プランのAI機能は、ワークスペース全体で合計20回までしか利用できません。
これは「1ヶ月に20回」ではなく、そのワークスペースを作成してから「累計で20回」です。
AIミーティングノートで1回録音・要約すれば「1回」とカウントされます。テキストの要約や翻訳をAIに指示しても「1回」です。
20回の上限に達すると、それ以降AI機能は一切使えなくなり、有料プランへのアップグレードを促されます。
お試しで数回使うことはできますが、日常の議事録作成に使うのは現実的ではありません。
有料プラン(プラス・ビジネス)のAI機能と料金体系
Notionの有料プランは主に「プラス」「ビジネス」「エンタープライズ」があります。
驚くべきことに、「プラスプラン」(月額8ドル程度〜)でも、AIの利用回数制限は無料プランと同じ「累計20回」です。プラスプランは、主にチーム利用でのブロック制限解除やファイルアップロード容量の増加が目的となります。
AI機能を実質的に無制限で使いたい場合、選択肢は「ビジネスプラン」(月額20ドル程度〜)以上となります。
ビジネスプランにアップグレードすると、AIミーティングノートを含むNotion AIの機能が回数無制限で利用できるようになります。
ただし、公式には「公平な利用のため」のポリシーがあり、短時間に異常な回数利用した場合は制限がかかる可能性はありますが、通常の議事録利用では問題ありません。
議事録作成目的ならどのプランを選ぶべきか
結論は明確です。
もしあなたが「Notion AIで議事録作成を自動化したい」と本気で考えているなら、「ビジネスプラン」一択です。
無料プランやプラスプランの「20回」という制限は、議事録作成という継続的な業務には全く足りません。
週に数回の会議があるだけで、1ヶ月も経たずに上限に達してしまいます。
初期投資としてビジネスプランの料金はかかりますが、議事録作成にかかる人件費や時間をAIで削減できる効果を考えれば、多くの企業にとって十分に元が取れる投資となるでしょう。
まずは個人で試してみて、効果を実感できたらチームでビジネスプランに移行するのが良いでしょう。
Notion AIを議事録に使うデメリット
Notion AIは議事録作成を劇的に効率化しますが、万能ではありません。
導入する前に知っておくべきデメリットや注意点が存在します。
- 文字起こしの精度は100%ではない(特に専門用語)
- 機密情報や個人情報の取り扱いに関するセキュリティポリシー
- 無料プランでは機能や回数に制限がある
これらの限界を理解した上で活用することが重要です。
文字起こしの精度は100%ではない(特に専門用語)
Notion AIの文字起こし精度は非常に高いレベルにありますが、完璧ではありません。
特に以下のような場合に精度が低下する傾向があります。
- 社内特有の専門用語や略語
- 固有名詞(人名、サービス名)
- 早口や複数の人が同時に話した場合
- ノイズが多い環境(カフェやオフライン会議での雑音)
また、現状のAIミーティングノートでは「話者の識別」ができません。
誰が発言したかが記録されず、全てのテキストが連続して表示されるため、後から「これは誰の発言か」を確認するのが難しい場合があります。
AIが生成した議事録は、必ず人間の目で最終確認し、専門用語の修正や話者の補足を行う作業が必要です。
こちらはAI文字起こしの精度に関する統計データです。専門用語や複数話者が存在する場合、精度が20%〜40%低下する可能性があると分析されています。 合わせてご覧ください。 https://www.transcribetube.com/blog/ai-transcription-accuracy
機密情報や個人情報の取り扱いに関するセキュリティポリシー
AIにデータを入力するということは、その情報がNotion(OpenAI)のサーバーに送信されることを意味します。
Notionは、ユーザーのデータをAIモデルの学習に使用しない(オプトアウトがデフォルト)と明言しており、高いセキュリティ基準を設けています。
こちらはNotion AIの公式セキュリティプラクティスです。デフォルトで顧客データをモデルのトレーニングに使用せず、サブプロセッサとの契約でもそれを禁止していると明記されています。 合わせてご覧ください。 https://www.notion.com/help/notion-ai-security-practices
しかし、企業のセキュリティポリシーによっては、未発表の製品情報、個人情報、クライアントの機密情報などを外部のAIサービスで処理すること自体を禁止している場合があります。
AIミーティングノートで機密性の高い会議を録音する前に、自社の情報セキュリティ部門にNotion AIの利用がポリシーに準拠しているかを確認する必要があります。
こちらは生成AIを企業で利用する際のリスクと対策について解説した記事です。 合わせてご覧ください。
無料プランでは機能や回数に制限がある
これは最大のデメリットの一つであり、料金プランのセクションでも触れた点です。
「Notion AIで議事録が自動化できる」と聞いて無料プランで試したものの、すぐに「20回」の上限に達してしまい、使えなくなるケースが非常に多いです。
無料プランやプラスプランは、あくまで「お試し」用です。
AIミーティングノートという強力な機能を業務で継続的に利用するためには、月額料金が発生する「ビジネスプラン」への加入が実質的に必須となります。
このコスト(月額20ドル程度/1ユーザー)を許容できるかどうかは、導入の大きな判断基準となるでしょう。
Notion AIの議事録をテンプレートで効率化
Notion AIの議事録機能は非常に強力ですが、Notionのもう一つの強みである「テンプレート」機能と組み合わせることで、その真価を最大限に発揮します。
AIが生成した要約を、あらかじめ用意したフォーマットに流し込むことで、さらに管理しやすく、読みやすい議事録が完成します。
- AI活用と相性の良いシンプルな議事録テンプレート紹介
- テンプレートとAI機能を組み合わせたおすすめワークフロー
このワークフローを導入すれば、議事録作成の「最後の仕上げ」までを自動化・効率化できます。
AI活用と相性の良いシンプルな議事録テンプレート紹介
AIミーティングノートは自動で「要約」や「アクションアイテム」を生成しますが、それ以外の「会議の基本情報」は人間が入力する必要があります。
AIと相性の良いテンプレートは、これらの基本情報と、AIの生成物を明確に分けて管理できるシンプルな構造のものです。
以下に一例を示します。
# 【会議名】(例:XXプロジェクト定例)
## 1. 会議の基本情報
- 日時: 2025年XX月XX日 10:00-11:00
- 場所: オンライン (Zoom)
- 参加者: @Aさん, @Bさん, @Cさん
- アジェンダ:
- 1. 先週の宿題確認
- 2. XX機能の進捗報告
## 2. AIによる要約
(ここに、AIミーティングノートが生成した要約をコピー&ペーストする)
## 3. AIによるアクションアイテム
(ここに、AIミーティングノートが生成したアクションアイテムをコピー&ペーストし、担当者や期限をDBプロパティとして設定する)
## 4. 人間による補足・決定事項
(AIが拾いきれなかったニュアンスや、特に重要な決定事項をここに手動で記載する)
## 5. (参考)AIによる文字起こし全文
<-- トグル(クリックで開閉)
(ここにAIミーティングノートの「文字起こし」タブの内容を全文コピー&ペーストする)
-->
このように、AIが担当する領域と人間が補足する領域を分けておくことがポイントです。
テンプレートとAI機能を組み合わせたおすすめワークフロー
AIミーティングノートの機能を、前項のテンプレートと組み合わせた際の、最も効率的なワークフローを紹介します。
- 会議前:
- Notionで議事録用データベースから新規ページを作成し、「シンプルな議事録テンプレート」を適用します。
- 「1. 会議の基本情報」のアジェンダや参加者を事前に記入しておきます。
- 会議中:
- テンプレート内の「2. AIによる要約」の下あたりで
/meetを実行し、AIミーティングノートを開始します。 - リアルタイムで文字起こしを実行させます。
- テンプレート内の「2. AIによる要約」の下あたりで
- 会議直後:
- AIミーティングノートが要約とアクションアイテムを生成します。
- 生成された「要約」をコピーし、テンプレートの「2. AIによる要約」の箇所に貼り付けます。
- 生成された「アクションアイテム」をコピーし、「3. AIによるアクションアイテム」の箇所に貼り付けます。
- (必要であれば)「文字起こし」タブの全文をコピーし、「5. (参考)AIによる文字起こし全文」のトグル内に貼り付けます。
- 議事録仕上げ:
- 担当者が「4. 人間による補足」を追記し、アクションアイテムの担当者(@メンション)や期限を明確にします。
- 議事録を関係者に共有します。
この流れを確立することで、会議終了からわずか数分で、精度の高い議事録の共有が可能になります。
Notion AIの議事録機能に関するFAQ
最後に、Notion AIの議事録機能に関して、多くのユーザーから寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 文字起こしの精度はどのくらいですか?
- 無料プランでも議事録の自動作成はできますか?
- セキュリティは安全ですか?データはどこに保存されますか?
- 対面(オフライン)の会議でも使えますか?
導入前の疑問点をここで解消しておきましょう。
文字起こしの精度はどのくらいですか?
非常に高いレベルですが、100%完璧ではありません。
静かな環境で明瞭に話された標準語であれば、高い精度で文字起こしされます。
しかし、専門用語、固有名詞、社内略語などは認識を誤ることがあります。
また、ノイズが多い環境や、複数の人が同時に発言した場合は、精度が著しく低下する可能性があります。
さらに、現状のAIミーティングノートは「話者の識別」(誰が話したか)に対応していません。
AIの生成結果は「下書き」と捉え、必ず人間による最終チェックと修正が必要だと考えてください。
無料プランでも議事録の自動作成はできますか?
はい、できます。
ただし、無料プラン(フリープラン)の場合、Notion AIの利用(AIミーティングノートの実行を含む)は、ワークスペース全体で「累計20回」までという厳しい制限があります。
これは「月間」ではなく「累計」であるため、お試しで数回使っただけで上限に達してしまいます。
議事録作成を継続的に業務で利用する目的であれば、AI機能が実質無制限となる「ビジネスプラン」以上へのアップグレードが必須となります。
セキュリティは安全ですか?データはどこに保存されますか?
Notionはセキュリティを非常に重視しています。
Notion AIに入力されたデータ(議事録の音声やテキスト)は、デフォルトでAIモデルの学習には使用されないと明言されています。データは暗号化されて送受信されます。
データはNotionのクラウドインフラ(主にAWSを利用)に保存されます。
ただし、企業のコンプライアンスによっては、外部のAIサービスに機密情報を送信すること自体が許可されていない場合もあります。
利用を開始する前に、自社のセキュリティポリシーを確認することをおすすめします。
こちらはNotionのセキュリティ体制について分析した記事です。保管時のAES-256暗号化、転送時のTLS 1.2暗号化、およびSOC 2、ISO 27001への準拠について言及されています。 合わせてご覧ください。 https://www.strac.io/blog/notion-dlp
対面(オフライン)の会議でも使えますか?
はい、工夫次第で利用可能です。
AIミーティングノートは、PCの「システム音声」を録音する仕組みです。
対面(オフライン)の会議室で、PCの内蔵マイクや外付けマイク(高品質なものが望ましい)をオンにし、そのマイクが拾った音をPCのシステム音声としてNotion AIが認識できれば、文字起こしは可能です。
具体的には、PCのサウンド設定でマイク入力をスピーカー出力にルーティングする(ステレオミキサー機能など)か、あるいは単純にマイクが拾った音をNotionデスクトップアプリが録音します。
ただし、会議室の反響音や雑音、PCからの距離によって精度が落ちやすいため、オンライン会議に比べると文字起こしの品質は低下する可能性があります。
Notion AIで議事録が自動化。でも、あなたの「会議力」は低下していませんか?
Notion AIのミーティングノート機能で、議事録作成から解放されたと感じているかもしれません。しかし、その使い方を間違えると、会議への集中力や議論の質そのものが低下してしまう危険性があります。スタンフォード大学の研究では、自動化ツールへの過度な依存が人間の監視能力を鈍らせる可能性が示唆されています。この記事では、Notion AIを「便利な書記」で終わらせず、「会議の質を高める戦略パートナー」として使いこなすための、一歩進んだ活用法を解説します。
【警告】議事録AIがもたらす「会議の空洞化」
「どうせAIが全部文字起こししてくれるから、集中して聞かなくてもいい」——。そんな無意識の依存が「会議の空洞化」を招くかもしれません。議事録AIが普及することで、次のようなリスクが考えられます。
- 議論の核心を見失う: AIは「発言」を記録しますが、その裏にある「ニュアンス」や「熱量」までは汲み取れません。AIの要約だけを見て、議論の最も重要なポイントを見落とす可能性があります。
- 当事者意識の欠如: AIがタスクを自動抽出してくれるため、「自分が責任を持ってタスクを把握する」という意識が薄れ、会議後の行動が遅れる恐れがあります。
- 批判的思考の停止: AIの要約を鵜呑みにし、「本当にこの決定で良いのか?」「別の視点はないか?」と深く考えることを脳がサボってしまう状態です。
便利なツールに頼るあまり、会議に参加するメンバーの集中力や思考力が低下し、結果として会議の生産性自体が下がってしまうのです。
こちらはAIによる「抽象型要約」と「抽出型要約」を比較した記事です。Notion AIが用いる抽象型要約は、流暢である一方「ハルシネーション(幻覚)」のリスクがあると指摘されています。 合わせてご覧ください。 https://kroolo.com/blog/extractive-vs-abstractive-summarization
引用元:
スタンフォード大学人間中心AI研究所(HAI)の報告では、自動化システムへの過度な依存は「自動化バイアス(Automation Bias)」を引き起こし、人間の監視能力や例外的な状況への対応力を低下させる可能性が指摘されています。(Stanford HAI, “Automation Bias and Human Performance,” 2024年)
【実践】AIを「会議の戦略家」に変える3つの使い方
賢くAIを使う人は、Notion AIを単なる「書記」ではなく、「議論を深めるためのパートナー」として活用します。ここでは、今日から実践できる3つの使い方を紹介します。
使い方①:会議の「論点」をAIに予測させる
会議が始まる前に、アジェンダをAIに読み込ませ、議論を深めるための「壁打ち」をさせましょう。
プロンプト例:
「次のアジェンダで会議を行います。(アジェンダを貼付)。この議論において、見落とされがちな論点や、予想される反論を3つ挙げてください。」
これにより、議論の穴を事前に予測し、会議の質を高める準備ができます。
使い方②:AIの要約を「批判的に」レビューさせる
会議後、AIミーティングノートが生成した「要約」や「アクションアイテム」を、そのまま共有してはいけません。AIに「セカンドオピニオン」を求めましょう。
プロンプト例:
「(AIが生成したアクションアイテムを貼付)。このタスクリストを見て、担当者や期限が曖昧なもの、あるいは決定事項として不十分な点があれば指摘してください。」
AIにAIをレビューさせることで、タスクの実行精度が格段に上がります。
使い方③:文字起こしから「会議の改善点」を見つける
AIが生成した「文字起こし全文」は、議事録としてだけでなく、会議の進め方を改善するための「データ」の宝庫です。
プロンプト例:
「(文字起こし全文を貼付)。この議論の中で、最も発言が多かった参加者と、最も少なかった参加者を特定してください。また、議論が脱線している箇所があれば抜き出してください。」
これにより、ファシリテーションの改善や、参加者のエンゲージメント向上に役立てることができます。
まとめ
Notion AIのように、議事録作成を自動化するツールは業務効率化に非常に有効です。
しかし、実際には「Notionを導入・運用する体制が整っていない」「議事録以外の業務にもAIを使いたいが、ツールがバラバラで管理が大変」といった理由で、全社的なAI活用が進まない企業も少なくありません。
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たとえば、Notion AIが得意とする議事録作成や文字起こしはもちろん、メール作成や契約書のレビュー、さらにレポート自動生成など、さまざまな業務を「アプリ」として選ぶだけで、誰でも直感的にAIを活用できます。
しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、データセキュリティが万全で、情報漏えいの心配もありません。
さらに、AIコンサルタントによる手厚い導入サポートがあるため、「どの業務にAIを使えば効果的かわからない」という初心者企業でも安心してスタートできます。
導入後すぐに効果を実感できる設計なので、Notionのような特定ツールに習熟していなくても、すぐに全社的な業務効率化が図れる点が大きな魅力です。
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