【OpenClawのMac mini設定手順まとめ】セットアップから常時稼働までの完全ガイド

「OpenClawをMac miniで動かしたいけど、セットアップって難しいの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

Mac miniはOpenClawの常時稼働環境として人気が高まっています。手元のファイルを直接操作でき、macOS限定の機能も活用できるのが魅力です。

今回は、OpenClawをMac miniにセットアップする手順を、実際の体験をもとにスクショ付きで解説します。セットアップはターミナルでのコマンド実行が中心ですが、ほぼコピペで完了します。VPSとの違いやコスト比較もまとめていますので、環境選びの参考にしてみてください。

目次

OpenClawとは

OpenClaw(オープンクロー)は、PC上で直接タスクをこなす「自律型AIエージェント」です。

SlackやTelegramなどのチャットアプリから自然言語で指示を出すだけで、ファイル操作・ブラウザ操作・メール送信・スケジュール管理などを24時間365日、自律的に実行してくれます。

OpenClawの基本的な仕組みや特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事

「OpenClawって最近よく聞くけど、実際何ができるの?」「ChatGPTやClaude Codeと何が違うの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。 OpenClawは、あなたの代わりにPCを操作しタスクを実行する、次世[…]

OpenClawをMac miniで動かす3つのメリット

OpenClawの動作環境としては、VPS(仮想サーバー)やMac miniなどの選択肢があります。初期費用を抑えてまず試してみるならVPS、本格的に日常運用するならMac miniがおすすめです。ここでは、Mac miniを選ぶメリットを3つご紹介します。

①手元のファイルに直接アクセスできる

Mac mini最大のメリットは、ローカルファイルに直接アクセスできる点です。

VPSの場合、OpenClawが操作できるのはサーバー内のワークスペースに限られます。手元のPCにあるファイルを扱うには、事前にサーバーへアップロードする必要があります。

一方、Mac miniなら「デスクトップにあるこのファイルを集計して」といった指示がそのまま通ります。実際に筆者もセットアップ後に「デスクトップにテキストファイルを作成して」とSlackから指示したところ、数秒でファイルが作成されました

そのほか、macOS環境でしか利用できないiMessage連携や、ローカルネットワーク上のNAS・スマートホームデバイスとの連携も可能です。

②目の前のターミナルで直接操作できる

Mac miniはSSH接続なしで、目の前のターミナルから直接操作できます。エラーが出てもその場で確認・修正でき、macOSのシステム設定やアクティビティモニタなどのGUIツールで状態を視覚的に把握できる点もメリットです。

VPS(Hostingerなど)でもSSH接続すればターミナルでの操作は同様に可能です。ただし、VPSのWebUI(管理画面)でできるのは環境変数の設定やチャットチャネルの接続程度で、細かい設定変更にはSSH接続が必要になります。Mac miniならその手間なく直接操作できます。

ローカルにコードリポジトリをcloneしておけば、普段の開発環境と同じ感覚でOpenClawを運用できます。筆者もセットアップはほぼコマンドのコピペだけで完了しました。

③macOS限定の機能が使える

Mac miniはmacOS上で動作するため、VPSでは利用できないmacOS限定の機能を活用できます。

機能 内容 VPSでの対応
iMessage連携 iMessageの送受信をOpenClawが代行 不可
スマートホーム制御 ローカルネットワーク上のデバイスを直接操作 VPN等の追加設定が必要
AppleScript連携 macOSアプリの自動操作 不可
ローカルLLM実行 Ollama等でAPI料金を削減 GPU VPSが必要(高額)

特にiMessage連携は、macOS環境でしか利用できないOpenClawのユニークな機能です。ローカルLLMについては、M4チップの16GBモデルで7〜8Bクラスのモデルが25〜35トークン/秒で動作しますが(Like2Byte)、クラウドAPIと比較すると回答精度が劣るため、用途に応じた使い分けが必要です。

【参考】Mac mini vs VPSのコスト比較

比較項目 Mac mini(M4 16GB) VPS(Hostinger KVM2)
初期コスト 94,800円(税込) 0円
月額コスト 電気代 約100〜300円 ※1 約1,050円($6.99/月)
1年間の合計 約96,000〜98,400円 約12,600円
2年間の合計 約97,200〜102,000円 約25,200円

※1 消費電力8〜15W(BoilerplateHub)× 24時間 × 30日 × 電気料金単価約27円/kWhで算出

月額のランニングコストはMac miniのほうが安いものの、本体の初期投資(94,800円)を回収するには約9年かかります(月額差約850円で計算)。

コスト面ではVPSが有利です。Mac miniを選ぶ理由は、コストではなくローカルファイルアクセスやmacOS限定機能にあります。

OpenClawのMac miniセットアップに必要なもの

セットアップを始める前に、必要なハードウェアとアカウントを確認しましょう。

①OpenClawに最適なMac miniのスペック・価格

モデル チップ メモリ ストレージ 価格(税込) おすすめ度
エントリー M4 16GB 256GB 94,800円 ★おすすめ
ミドル M4 16GB 512GB 124,800円 ログ・データが多い場合
M4 Pro M4 Pro 24GB 512GB 218,800円 13B以上のローカルLLMを活用する場合

OpenClaw専用であれば、エントリーモデル(M4 16GB / 256GB)で十分です。筆者もこのモデルでセットアップを行い、問題なく動作しています。

②OpenClawのセットアップに必要なアカウントとAPIキー

必要なもの 用途 取得先
Anthropic APIキー OpenClawのAI処理に使用 Anthropicコンソール
Slackワークスペース OpenClawへの指示・操作用 Slack

2026年1月にAnthropicのOAuth認証が廃止されたため、現在はAPIキー(pay-as-you-go方式)が唯一の接続方法です

参考:OpenClaw公式ドキュメント

Anthropic APIの利用にはクレジットの購入が必要です。最低$5から購入でき、まずは$5〜10程度から始めるのがおすすめです。

OpenClawをMac miniにセットアップする手順【スクショ付き】

ここからは、実際にMac miniにOpenClawをセットアップした手順を紹介します。所要時間は約60〜90分です。

①Mac miniの初期設定(macOS設定)

Mac miniの電源を入れ、初期設定ウィザードを進めます。OpenClaw専用機として使う場合は、専用のユーザーアカウントを作成するのがおすすめです。

筆者は既存のアカウントとは別に「openclaw」という管理者アカウントを作成しました。既存アカウントにOpenClawの権限(フルディスクアクセス等)を付与するリスクを避けるためです。

アカウントが作成できたら、常時稼働に必要な3つの設定を行います。

スリープの無効化

Mac miniのエネルギー設定画面でスリープを無効化

「システム設定」→「エネルギー」を開き、「ディスプレイがオフのときに自動でスリープさせない」をオンにします。この設定により、モニターを外してもMac miniはバックグラウンドで動作し続けます。

停電後の自動起動

Mac miniの停電後自動起動設定

同じく「エネルギー」の画面で、「停電後に自動的に起動」をオンにします。停電やブレーカー落ちの後もMac miniが自動で復帰します。

自動ログインの有効化

「システム設定」→「ユーザとグループ」→「自動ログイン」でOpenClaw用のアカウントを選択します。この設定がないと、再起動後にログイン画面で止まり、OpenClawのgatewayが自動起動しません。

②OpenClawをMac miniにインストールする

ターミナルを開きます(`Command + Space`で「ターミナル」と検索)。

以下のコマンドを実行すると、OpenClawのインストールが始まります。

curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash

OpenClawインストール中のターミナル画面

インストールが完了したら、openclaw doctorコマンドで環境チェックを行います。

openclaw doctor

openclaw doctorの実行中に、いくつかの質問が表示されます。基本的には全てYes(またはEnter)で進めてOKです。

質問 回答 説明
Generate and configure a gateway token now? Yes 認証用トークンの生成
Create ~/.openclaw now? Yes 設定ディレクトリの作成
Tighten permissions on ~/.openclaw to 700? Yes セキュリティ強化
Create session store dir? Yes セッション保存先の作成
Enable zsh shell completion? Yes コマンド補完の有効化
Install gateway service now? Yes 常時稼働サービスの導入
Gateway service runtime Node(推奨) そのままEnter

③macOSの権限設定(セキュリティ)

OpenClawの機能によっては、macOSの権限設定が必要になる場合があります。

権限が不足している場合は、操作時にmacOSのダイアログが表示されるか、エラーが発生します。その際は「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」から該当する権限を許可してください。

権限 用途 必要になるタイミング
アクセシビリティ キーボード・マウス操作の自動化 GUI操作を指示した場合
画面収録 画面内容の読み取り 画面の内容を読み取る操作時
フルディスクアクセス ファイルの読み書き 特定ディレクトリへのアクセス時
自動化(AppleScript) アプリケーション間の連携 他のアプリを操作する場合

筆者の環境では、Slackからのファイル作成やブートストラップは権限を追加設定しなくても動作しました。まずはそのまま使い始めて、エラーが出たら該当する権限を許可するのがおすすめです。

セキュリティ対策として、OpenClawがアクセスできるディレクトリを制限することも推奨されています(公式ドキュメント)。OpenClawのセキュリティについて詳しくは、別記事でも解説予定です。

④Anthropic APIキーの設定

OpenClawが使うLLM(大規模言語モデル)のAPIキーを設定します。

Anthropicコンソールにログインし、「API Keys」→「Create Key」でAPIキーを作成します。

Anthropic APIキー設定画面

②表示されたキー(sk-ant-...)をコピーします。このキーは一度しか表示されないので、パスワードマネージャーなどに保存しておきましょう。

③Mac miniのターミナルで、セットアップウィザードを実行します。

openclaw setup --wizard

ウィザードの中でAPIキーの入力を求められたら、コピーしたキーを貼り付けます。公式ドキュメントでは最新の最強モデルをプライマリに設定することが推奨されていますが、コストを抑えたい場合は「claude-sonnet-4-6」が多くのユーザーに利用されています

支出リミットの設定も忘れずに行いましょう。Anthropicコンソールの「Billing」→「Limits」→「Spend limits」で月額の上限金額(Monthly limit)を設定できます。上限に達するとAPIリクエストが停止するため、意図しない高額課金を防げます。

⑤OpenClawとSlackを連携する

OpenClawへの指示はチャットアプリ経由で行います。今回はSlackとの連携手順を紹介します。

Slack Appの作成

Slack APIにアクセスし、「Create New App」→「From scratch」を選択します。

②アプリ名(例:OpenClaw)とワークスペースを指定して作成します。

Slack App作成画面①

Slack App作成画面②

Slack App作成画面③

Socket Modeの有効化

③左メニューの「Socket Mode」を開き、有効化します。App Tokenの作成を求められるので、トークン名(例:openclaw-token)を入力し、スコープにconnections:writeを追加して「Generate」をクリックします。生成されたApp Token(xapp-...)をコピーして保存します。

Slack App作成画面④

Slack App作成画面⑤

Slack App作成画面⑥

Bot Token Scopesの設定

④左メニューの「OAuth & Permissions」を開き、「Bot Token Scopes」に以下を追加します。スコープは1つ追加するたびに画面のリロードが入るため、1つずつ追加→リロード完了を待ってから次を追加してください。連続でクリックしても反応しないことがあります。

スコープ 用途
chat:write メッセージの送信
channels:history / channels:read チャンネルの読み取り
im:history / im:read / im:write DM(ダイレクトメッセージ)
app_mentions:read メンションの受信

Slack App作成画面⑦

Slack App作成画面⑧

Slack App作成画面⑨

Slack App作成画面⑩

⑤ページ上部の「Install to Workspace」をクリックし、Bot Token(xoxb-...)をコピーします。

App Homeの設定

⑥左メニューの「App Home」を開き、「Allow users to send Slash commands and messages from the messages tab」をオンにします。これを忘れるとDMが送れません。

apphome設定①

apphome設定②

Event Subscriptionsの設定

⑦左メニューの「Event Subscriptions」を開き、「Enable Events」をオンにします。「Subscribe to bot events」にapp_mentionmessage.imを追加します。これでメンションに反応するようになります。

Event Subscriptionsの設定

OpenClaw側の設定

⑧Mac miniのターミナルで、Slackのトークンを~/.zshrcに登録します。こうすることで、Mac miniを再起動してもトークンが維持されます。

echo 'export SLACK_APP_TOKEN=xapp-(App Tokenを貼り付け)' >> ~/.zshrc
echo 'export SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-(Bot Tokenを貼り付け)' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc

⑨OpenClawのゲートウェイを起動します。

openclaw gateway

ターミナルに[slack] socket mode connectedと表示されれば、Slack連携は成功です。

ペアリングの承認

⑩SlackからOpenClawにDMを送ると、初回はペアリングコードが表示されます。

ターミナルで新しいタブを開き(Command + T)、以下のコマンドを実行して承認します。

openclaw pairing approve slack (表示されたペアリングコード)

⑥OpenClawの初回ブートストラップ(初期対話)

ペアリング承認後、SlackでOpenClawにメッセージを送ると、初回ブートストラップ(初期設定の対話)が始まります。

OpenClawが名前やキャラクター、対話言語などを聞いてきます。日本語で回答すれば、日本語で対応してくれます。

ポイントは、自分の役割や用途を具体的に伝えることです。例えば「開発者で、業務の自動化をお願いしたい」と伝えると、OpenClawがそれに合わせたキャラクターと応答スタイルを設定してくれます。

ブートストラップが完了すると、OpenClawが自分で名前を決めて挨拶してくれます。ここからは自由にタスクを依頼できる状態です。

openclawブートストラップの様子

OpenClawをMac miniで常時稼働させる設定方法

セットアップが完了したら、Mac miniの電源を入れたままにしておけばOpenClawは24時間動作します。ここでは、再起動時の自動復帰設定を紹介します。

launchdでOpenClawを自動起動する方法

macOSのlaunchd(サービス管理機能)を使えば、Mac miniの起動時にOpenClawが自動で立ち上がるように設定できます。

openclaw doctorのセットアップ中に「Install gateway service now?」でYesを選択していれば、既にlaunchdの設定は完了しています

動作確認は以下のコマンドで行えます。

openclaw status

ゲートウェイが停止している場合は、以下のコマンドで再起動できます。

openclaw gateway stop && openclaw gateway

OpenClawが停止した時の自動復旧設定

OpenClawにはヘルスモニター機能が内蔵されており、Slackの接続が切れた場合は自動で再接続を試みます。筆者の環境でも、30分ごとにhealth-monitor: restarting (reason: stale-socket)というログが記録され、自動で再接続されていました。

停電後の復帰については、先ほど設定した「停電後に自動的に起動」「自動ログイン」とlaunchdの組み合わせにより、停電→Mac mini自動起動→自動ログイン→launchdがgatewayを起動、という流れで自動復帰が期待できます

Mac miniで実現するOpenClawのユースケース2選

Mac miniでOpenClawを常時稼働させると、どのようなことができるのでしょうか。Mac miniならではのユースケースを2つ紹介します。

①ローカルのコードリポジトリを直接操作する

Mac miniにリポジトリをcloneしておけば、Slackから直接コードの修正やデプロイを指示できます。

VPSの場合もリポジトリをcloneすれば同様のことは可能ですが、Mac miniなら普段の開発環境と同じディレクトリ構成でOpenClawを運用できるため、ファイルの場所や構成を把握しやすい点がメリットです。

「このファイルの○○を修正して」「テスト実行して結果をSlackに投稿して」など、開発作業の一部をチャット経由で依頼できます。

②ローカルファイルを使った日次レポートの自動生成

Mac miniのローカルファイルにアクセスできる利点を活かし、毎朝のレポート生成を自動化できます。

例えば、デスクトップに保存したExcelファイルの売上データを集計し、前日比をSlackに自動投稿するといった設定が可能です。OpenClawのcronジョブ(定期実行機能)を使えば、毎朝決まった時間に自動実行されます。

VPSの場合はサーバーにファイルをアップロードする手間が発生しますが、Mac miniなら普段使っているファイルをそのままレポートの素材にできます。

OpenClawのユースケースをもっと知りたい方は、以下の記事で30の活用事例を紹介しています。

関連記事

「OpenClawでは実際にどんなことができるの?」「自分の仕事にも使えるのかな?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。 「毎日のメール処理」「定型作業のルーティン」「情報収集」など、作業を誰かに依頼できたら[…]

OpenClawをMac miniで構築する際のよくある問題と解決策

セットアップ中や運用中に発生しやすい問題と、その解決策をまとめました。筆者が実際に遭遇した問題も含まれています。

問題 原因 解決策
Gatewayが起動しない(「gateway.mode is unset」) gateway modeが未設定 openclaw config set gateway.mode local を実行
深夜にOpenClawが落ちる(ECONNRESET) Wi-Fiルーターの再起動やネットワーク断 有線LAN接続に切り替える。復旧はopenclaw gateway stop && openclaw gateway
SlackでDMが送れない(「メッセージ送信はオフにされています」) App HomeのMessages Tabが無効 api.slack.com/apps → App Home → Messages Tabをオン
Slackでメンションしても反応しない Event Subscriptionsが未設定 Event Subscriptions → app_mentionを追加
スリープ後にOpenClawが停止する macOSのスリープ設定 「ディスプレイがオフのときに自動でスリープさせない」をオン
「LLM request rejected」エラー セッションの不整合 チャットで/newを送信してリセット
権限エラーでファイルにアクセスできない macOSの権限設定が不足 「プライバシーとセキュリティ」でフルディスクアクセスを許可

まとめ:OpenClaw × Mac miniで手軽にAIエージェントを常時稼働させよう

今回は、OpenClawをMac miniにセットアップする手順を、実際の体験をもとにスクショ付きで解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

Mac miniでOpenClawを構築するメリットは、以下の3点です。

  • 手元のファイルに直接アクセスでき、VPSではできない操作が可能
  • SSH接続なしで直接操作でき、GUIツールも活用できる
  • iMessage連携やスマートホーム制御などmacOS限定の機能が使える

セットアップ自体は、ターミナルでのコマンドのコピペと画面の指示に従うだけで完了します。コスト面ではVPSのほうが有利ですが、ローカルファイルを活用したい方やmacOS限定機能を使いたい方には、Mac miniがおすすめです。まずVPSで試してみて、本格的に日常運用したくなったらMac miniに移行するという進め方も検討してみてください。

OpenClaw セミナーバナー