「生成AIを社内導入したものの、一部の社員しか使わない」「現場の業務が全く楽になっていない」そんな悩みを抱えていませんか。
株式会社Bocekが提供するAIエージェント構築サービス「Taskhub」は、2000件以上のDX・AI活用事例に基づく知見を活かし、通常20%程度と言われるAIの社内活用率を約80%まで引き上げる成果を出しています。Taskhubの強みは、単なるチャット型AIの導入に留まらず、既存ツールとノーコードで連携する「AIエージェント」を用いて業務フローそのものを刷新する点にあります。
今回は「Japan IT Week2026」で実施された、株式会社Bocek 取締役COO 松原奎人のセミナーレポート記事を公開します。
AI活用における理想と現実のギャップ、多くの企業がつまずく3つの壁、そしてツール導入に先立って考えるべき真の課題について解説をします。

「期待値を超えないAI」への課題感が開発の原点
Q.多くの企業が生成AIに関心を持っていますが、どれをどう使うべきか、選び方から悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
松原:正直なところ「AIはもういいよ」と感じている方も多いのではないでしょうか。世間ではAIの話題が盛り上がり、あらゆる場所で情報が溢れていますが、いざ自社にChatGPTやCopilotを導入しても、結局業務で使われていないという状況が多発しています。これは、AIの凄さに対する期待値を、現実の活用度合いが超えられなかったことに起因しています。
理想と現実のギャップが生まれる理由はシンプルです。果たして既存のAIツールだけで、皆さんが担当している業務のすべてをこなせるでしょうか。実際には、ほんの一部しか対応できません。また、日々の忙しい業務の中で具体的な活用事例を考える時間もなく、プロンプトを自分で書かなければならないというハードルもあります。

推進側の担当者がいくら研修を実施しても、結局今の業務フローより明らかに楽にならなければ、使い勝手が悪く活用されないまま終わってしまうのです。
チャット型ではなく「AIエージェント」で既存ツールと連携する
Q.単にAIを導入するだけでは実務にコミットするのが難しい中、具体的にどうすれば本当に業務に置き換えられるAIになるのでしょうか?
松原: チャット型のAIは、構成案を考えたり文章を作成したりする分には便利です。しかし、皆さんが本当に望んでいるのは、自律的に業務を遂行してくれる「AIエージェント」の存在です。

AIエージェントの最大の強みは、既存ツールとの連携にあります。社内で利用している様々なシステムやクラウドサービスのデータ間をうまく繋ぎ合わせることが、本質的な業務効率化に繋がります。例えば、SalesforceなどのSFAツールからデータを集計してレポートを作成し、上司に送信するところまで一貫して任せたい。あるいは、問い合わせメールの内容を自動で判定し、回答文を作成して、問題がなければそのまま返信まで実行してほしい。ここまで便利にして初めて、AIが業務に即したものになります。
弊社ではまさに、こうした業務フローを置き換えるためのサービスとして、ノーコードでAIエージェントを構築できる「Taskhub」を提供しています。

様々なツールを連携させながら業務をサポートするもので、必要な情報をプロンプトに入力するだけでAIが自律的に実行してくれます。高度な専門知識がなくても扱えるため、IT人材が不足して困っている企業とは非常に相性が良いサービスです。
真の課題は「ツール選定」ではなく「業務フローの刷新」
Q.すでに何らかのAIツールを導入している企業も多いと思いますが、既存システムとの兼ね合いや社内調整でつまずくケースも少なくないかと思います。
松原: AIツールを導入する際、既存システムを変更する大変さや、社内申請、セキュリティチェックの煩わしさに悩む気持ちは痛いほどわかります。毎日のようにDX担当者やシステム導入担当者とお話しする中で、そうした声は頻繁に耳にします。
しかし、本当の課題はツール選定ではありません。AIを入れることによって会社をどう作っていくか、つまり「業務フローの刷新」こそが本質なのです。先ほどのSalesforceの例もそうですが、様々な作業が連続して行われる一連の業務フローを、AIをベースとした新しい形に書き換える必要があります。ツールを入れてどうこうするのではなく、全体の方針を刷新しなければなりません。

ここ数年のトレンドとして、まずは試験的にAIを使ってみようという企業が急増しました。しかし、「使えるところは使えるね」という段階から、実際に業務へ落とし込んでいくフェーズに移った途端、多くの企業が悩み立ち止まっています。導入するより先の「使い方」を根本から考え直さなければ、AIは実務に定着しません。
AI導入を阻む「技術・構造化・推進力」の3つの壁
Q.AIありきではなく、全体の業務フローを見直すとなると、企業側にはどのようなハードルがあるのでしょうか?
松原: 業務フローの書き換えを実行するには、大きく3つの壁が存在します。
1つ目は「技術の知識」です。これはAIに限らず、既存ツールやデータベースの扱い方など、システム全体に対する幅広い知識が求められます。
2つ目は「業務の構造化」です。そもそもその業務をAIに置き換える意味があるのかを検討しなければなりません。もっと効率的な手段があるにもかかわらず、既存のやり方を少しAIで置き換えただけで満足してしまっているケースが非常に多いです。営業部門であれば、トップダウンで「営業はどうあるべきか」を定義し、そのために必要な業務フローを描き、そこへ適した技術やツールを当てはめていく必要があります。
実際に弊社へ「AIで効率化できないか」とご相談いただく案件のうち、約半分は「それ、AIを使う必要はないですよね」と率直にお伝えしています。実態が見えないままブラックボックス化しており、「よくわからないけれどAIを使えばうまくいくのではないか」と期待されているからです。そこを見直さない限り、本当の改善には繋がりません。
3つ目は「社内の推進力」です。AIを導入した後、経営層からは「どれだけ効果があったのか」「どれくらい人件費を削減できたのか」と問われますが、社員ごとの工数削減を細かく集計して費用対効果を証明できている企業はほとんどありません。その結果、一部の部署やメンバーだけが熱心に使い、全社展開しようとすると全く使ってくれない層が現れるという事態に陥ります。

「技術・構造化・推進力」の3つを兼ね備えたプロジェクトマネージャーがいる企業は皆無に等しく、優秀なDX人材の採用も極めて困難です。そのため、理想と現実のギャップを埋めきれずに苦戦する企業が後を絶たないのが現状です。
活用率8割を実現するツール提供とコンサルティングの両輪支援
Q.そうした複合的な課題を抱える企業に対し、御社ではどのようなアプローチで支援や伴走を行っているのでしょうか?
松原: まずAIの活用を推進するフェーズの企業には、先ほど紹介した「Taskhub」を自信を持ってお勧めしています。通常、AIツールの社内活用率は20%程度と言われていますが、Taskhubを利用している企業の活用率は約80%に達しています。費用対効果の検証もシステム上で行えるため、社内への報告にもしっかりと活用していただけます。
その上で、「AIを導入してみたものの、次にどうすればいいかわからない」「AIを活用して経営そのものを変革したい、新規事業を作りたい」という企業に対しては、コンサルティングサービスを提供しています。弊社は生成AIの導入支援やサービス開発に加え、DX推進者向けメディア「Taskhubマガジン」を運営しており、そこから得た2000件以上の事例と知見を持っています。

技術に強く、業務の構造化を徹底的に行い、社内と一緒になってどこまで巻き取れるか。この実運用に落とし込む伴走支援が我々の最大の強みです。業界ごとの事例も豊富に把握しているため、「同じような課題がありますか? ではこう進めましょう」と、本質的な課題を見つけ出し、具体的なプロジェクトへと昇華させることができます。
最後になりますが、いきなりツールを選んだり、システム開発を始めたりするのは非常に危険です。しっかりと目的意識を持ち、自社の課題解決に本当に必要なアプローチを見極めながら進めていくことが何よりも重要です。