Gemini CLI vs Claude Code 徹底比較!開発者におすすめなAIコーディングツールはどっち?

「ターミナルから直接AIを使ってコーディングを効率化したいけど、Gemini CLIとClaude Codeってどう違うの?」

「Windows環境でも使えるんだろうか…。」

「結局、自分の開発スタイルにはどっちが合っているんだろう?」

こういった悩みを持っている開発者の方も多いのではないでしょうか?

本記事では、Googleの「Gemini CLI」とAnthropicの「Claude Code」という、ターミナル上で活躍する2大AIコーディングツールを徹底比較します。

それぞれの基本的な特徴から、機能、コスト、導入のしやすさ(特にWindows対応)まで、開発者が本当に知りたいポイントを網羅的に解説しました。

どちらのツールがあなたの開発フローを加速させるか、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ今、AIコーディングツール(Gemini CLI・Claude Code)が注目されるのか?

ここからは、開発現場でGemini CLIやClaude CodeのようなAIコーディングツールが急速に普及している背景と、それぞれのツールの基本的な特徴について解説します。

  • 開発現場におけるAIコーディング支援の必要性
  • Gemini CLIとClaude Codeとは?基本的な特徴を紹介

AIをターミナルに統合することで、IDE(統合開発環境)を開かずに、コードの生成、デバッグ、リファクタリング、さらにはGit操作まで完結できるようになりつつあります。

それでは、1つずつ順に見ていきましょう。

開発現場におけるAIコーディング支援の必要性

現代の開発現場は、アジャイルな開発サイクル、複雑化する技術スタック、そして迅速な市場投入へのプレッシャーに常にさらされています。

このような環境下で、開発者の生産性をいかにして最大化するかは、企業にとって死活問題です。

AIコーディングツールは、この課題に対する強力な解答となります。

従来は開発者が時間をかけて行っていた定型的なコード(ボイラープレート)の作成、複雑な正規表現の記述、エラーログの解読、適切なテストケースの考案といった作業を、AIが瞬時に代行します。

これにより、開発者はアルゴリズムの設計やアーキテクチャの検討、コードレビューといった、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。

特にGemini CLIやClaude Codeのようなターミナルベースのツールは、マウス操作を必要とせず、キーボード中心の開発フローを妨げないため、多くの開発者に好まれています。

こちらはGoogle版ChatGPT「Gemini」の使い方や料金、できることを解説した記事です。 合わせてご覧ください。

Gemini CLIとClaude Codeとは?基本的な特徴を紹介

Gemini CLIとClaude Codeは、どちらもターミナル(CLI)から強力なAIモデルを利用できる、開発者向けのツールです。

Gemini CLIは、Googleが提供する公式のオープンソースAIターミナルアシスタントです。

npm (Node.jsのパッケージマネージャー) を通じて簡単にインストールでき、Googleアカウントでログインするだけで、強力な無料枠(例:Gemini 2.5 Pro、1Mコンテキスト利用可能で1日1000リクエストなど)の恩恵を受けられるのが最大の特徴です。

コードの生成やデバッグはもちろん、Google検索やファイルシステム操作、マルチモーダル(画像入力)にも対応しています。

こちらはGemini CLIの公式GitHubリポジトリです。具体的なインストール方法や最新の機能について確認できます。 https://github.com/google-gemini/gemini-cli

一方、Claude Codeは、Anthropicが提供する公式のエージェント型コーディングツールです。

こちらも npm でインストールできますが、利用にはAnthropicのAPIキーが必要となります。

最大の特徴は、単なるコード生成に留まらず、Git操作、テスト駆動開発(TDD)の支援、プロジェクト全体の文脈理解に基づいた自律的なタスク実行が可能な「エージェント機能」にあります。

最新のClaude 4.5 Sonnetモデルの高いコーディング性能を背景に、複雑なタスクをAIに委任できる点が強みです。

Claude Code(Anthropic)の公式ドキュメントやAPIリファレンスへは、こちらのポータルからアクセスできます。 https://www.claudelog.com/faqs/claude-code-docs/

【結論から】Gemini CLIとClaude Code、あなたへのおすすめは?

機能や料金を比較する前に、まず結論として、あなたがどちらのツールを選ぶべきかの指針を示します。

  • Gemini CLIがおすすめな開発者・シチュエーション
  • Claude Codeがおすすめな開発者・シチュエーション
  • 両者を賢く使い分ける方法

自分の利用環境や求める機能レベルに応じて、最適なツールを選択しましょう。

Gemini CLIがおすすめな開発者・シチュエーション

Gemini CLIは、以下のような開発者やシチュエーションに特におすすめです。

まず、Windows環境でより手軽にCLIツールを使いたい開発者です。

Gemini CLIはNode.jsが動作すればWindowsのコマンドプロンプトやPowerShellで直接動作します。Claude Codeも現在はWindowsネイティブ動作に対応しましたが、Gemini CLIはGoogleアカウント認証だけで無料枠が使えるため、導入の手軽さで優位です。

また、コストを最小限に抑えたい、あるいは強力な無料枠で試したい方にも最適です。

Googleアカウント認証だけで1日1000リクエストといった寛大な無料枠が利用できるのは大きな魅力です。

さらに、100万トークンという巨大なコンテキストウィンドウを活用して、大規模なコードベース全体を読み込ませたい場合や、マルチモーダル機能(例:UIのスクリーンショットを読み込ませてHTML/CSSを生成)を活用したい場合にも、Gemini CLIが適しています。

Claude Codeがおすすめな開発者・シチュエーション

Claude Codeは、以下のような開発者やシチュエーションで真価を発揮します。

最も大きな理由は、現時点で最高水準のコーディング性能(推論・デバッグ能力)を求める場合です。

Claude 4.5 Sonnetモデルは、多くのコーディングベンチマークでGPT-4oやGemini 1.5 Proを凌駕する結果を出しており、特に複雑なロジックの生成や難解なバグの特定に優れています。

最新のClaude 4.5 Sonnetモデルは、多くのコーディングベンチマークでGPT-4oやGemini 2.5 Proを凌駕する結果を出しており、特に複雑なロジックの生成や難解なバグの特定に優れています。

また、単なるコード片の生成ではなく、AIに自律的にタスクを実行させたい場合です。

「この機能のテストを書いて、実行して、パスしたらコミットして」といった、Git操作やTDDを含む一連のワークフローを自然言語で指示できるエージェント機能は、Claude Codeの強力な武器です。

ただし、利用にはAPIキー(従量課金)が必須である点は理解しておく必要があります。

両者を賢く使い分ける方法

両方のツールを導入し、特性に応じて使い分けるのが最も賢明な選択かもしれません。

例えば、日常的なちょっとしたコード生成、スニペット検索、設定ファイルの作成、ターミナルでの調べ物(Google検索連携)には、手軽で無料枠が強力な「Gemini CLI」を利用します。

一方で、プロジェクト全体の複雑なリファクタリング、難解なバグのデバッグ、テストコードの網羅的な作成、TDDの実施といった高度なタスクには、コーディング性能とエージェント機能に優れる「Claude Code」を利用する、といった使い分けが考えられます。

Gemini CLIの1Mコンテキストウィンドウを活用してリポジトリ全体を分析させ、その結果を基にClaude Codeに具体的な修正作業を指示する、といった連携も将来的には可能になるでしょう。

【機能別】Gemini CLIとClaude Codeの対応力比較

ここでは、Gemini CLIとClaude Code(主に最新のClaude 4.5 Sonnetを利用)の具体的なコーディング支援機能を、開発現場の一般的なタスクに沿って比較します。

  • コード生成・補完:どちらが正確で高速か
  • デバッグ支援:エラー原因の特定と修正案の精度
  • リファクタリング:既存コードの改善提案の質
  • テストコードの自動生成
  • プロジェクト全体の理解度(リポジトリ参照)
  • ターミナルや外部ツールとの連携機能

ツールの得意・不得意を理解することで、より適切な使い分けが可能になります。

コード生成・補完:どちらが正確で高速か

コード生成と補完は、AIコーディングツールの最も基本的な機能です。

速度面では、Gemini CLIで利用できるGemini Flashモデルが非常に高速なレスポンスを提供します。

一方で、コードの品質や正確性、特に複雑なアルゴリズムや新しいフレームワークの記法に関しては、Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)が優位に立つ場面が多いです。

HumanEvalなどの主要なコーディングベンチマークにおいて、Claude 4.5 SonnetはGemini 2.5 ProやGPT-4oを上回るスコアを記録しています。

こちらは、実際のソフトウェアエンジニアリングタスクでAIのコーディング性能を比較した「SWE-bench Pro」のリーダーボードです。 https://scale.com/leaderboard/swe_bench_pro_public

簡単なスニペットや定型コードはGemini CLI、複雑なビジネスロジックの実装はClaude Code、といった使い分けが有効です。

デバッグ支援:エラー原因の特定と修正案の精度

エラーメッセージやスタックトレースを貼り付けて原因を特定させるタスクは、AIの推論能力が試される領域です。

この点においても、Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)の高度な推論能力は強力です。

単にエラーメッセージを解説するだけでなく、コード全体の文脈を読み解き、根本的な原因を特定し、具体的な修正案を提示する能力に長けています。

Gemini CLIももちろんデバッグ支援は可能ですが、複数のファイルにまたがるような複雑な依存関係が絡むバグの場合、Claude Codeの方が的確な回答を返す可能性が高いです。

リファクタリング:既存コードの改善提案の質

既存のコードを読み込ませ、より効率的で保守性の高いコードへと改善させるリファクタリング作業は、AIの得意分野の一つです。

このタスクでは、AIがどれだけ深くコードの「意図」を理解できるかが鍵となります。

Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)は、その高い推論能力を活かし、コードの可読性、パフォーマンス、ベストプラクティスへの準拠といった観点から、質の高い改善案を提示します。

一方、Gemini CLIは、Gemini 2.5 Proの100万トークンという巨大なコンテキストウィンドウを活かし、非常に大規模なコードベース全体を一度に読み込ませて、広範囲にわたるリファクタリングを指示できる可能性があります。

テストコードの自動生成

テストコードの自動生成は、開発工数を大幅に削減できる機能です。

両ツールとも、特定の関数やクラスに対する単体テストコードの生成は可能です。

特にClaude Codeは、「テスト駆動開発(TDD)支援」を機能として謳っており、テストの作成、実行、失敗の確認、実装、再テストといったTDDのサイクルをエージェント機能でサポートできます。

テストの網羅性や、エッジケースを考慮したテストケースの考案能力においても、Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)のコーディング性能が有利に働くことが多いでしょう。

プロジェクト全体の理解度(リポジトリ参照)

現代の開発では、単一のファイルではなく、プロジェクト全体の文脈を理解した上での支援が求められます。

この点で、Gemini CLIはGemini 2.5 Proの「100万トークン」という圧倒的なコンテキストウィンドウ(入力可能量)を持っています。

理論上は、中規模のリポジトリ全体を丸ごと読み込ませて、プロジェクト横断的な質問や修正依頼が可能です。

一方、Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)のコンテキストウィンドウは20万トークンとGeminiに劣りますが、Claude Codeはファイルシステムを操作し、必要なファイルを自ら読み解き、全体像を把握しようと試みるため、トークン量以上の文脈理解を発揮する可能性があります。

ターミナルや外部ツールとの連携機能

CLIツールとしての使い勝手も重要です。

Gemini CLIは、Google検索(@google)、ファイルシステム操作(@file)、シェルコマンドの実行など、ターミナル作業を補完する多彩な機能を備えています。

対してClaude Codeは、「コーディングエージェント」としての側面に特化しています。

最大の特徴はgitコマンドとの連携です。AIが自らコードを修正し、git addgit commit を行うといった、開発ワークフローに深く統合された操作が可能です。

ターミナル作業全般のアシスタントとしてはGemini CLI、コーディングとバージョン管理に特化したエージェントとしてはClaude Code、という棲み分けができます。

【実用面】Gemini CLIとClaude Codeを7つの軸で比較

機能面に加え、コストや導入のしやすさといった実用面での比較は、ツール選定において非常に重要です。

  • 1. 料金プランとコストパフォーマンス(無料枠含む)
  • 2. 回答スピードと生成されるコードの品質
  • 3. 一度に扱えるコード量(コンテキストウィンドウ)
  • 4. 対応OSと導入のしやすさ(Windows対応など)
  • 5. 得意なプログラミング言語や技術スタック
  • 6. セキュリティとデータプライバシー(コードの学習利用は?)
  • 7. マルチモーダル(画像入力など)への対応

これらの軸で、両者の違いを明確にします。

1. 料金プランとコストパフォーマンス(無料枠含む)

コストパフォーマンスにおいて、現状ではGemini CLIに圧倒的な優位性があります。

Gemini CLIは、Googleアカウントでログインするだけで、Gemini 2.5 Pro(1Mコンテキスト)を含む強力なモデルを、1日1000リクエストまでといった非常に寛大な無料枠内で利用できます。

個人開発者や学生、AIを試してみたいライトユーザーにとっては、ほぼ無料で最先端のAI支援を受けられることになります。

Gemini APIの具体的な料金体系や強力な無料枠の詳細については、こちらの公式ページをご覧ください。 https://ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing

一方、Claude CodeはAnthropicのAPIキーが必要であり、利用は基本的にAPIの従量課金制となります。

Claude 4.5 SonnetのAPI料金は、Geminiの最高性能モデル(2.5 Pro)と同水準か、それ以上になる傾向があり、決して安価ではありません。

ただし、無料のAPIクレジットが提供される場合もあるため、初期費用なしで試すことは可能です。

Claude APIの各モデル(Opus, Sonnet, Haiku)の利用料金については、こちらの料金計算機(外部サイト)が参考になります。 https://invertedstone.com/calculators/claude-pricing

2. 回答スピードと生成されるコードの品質

回答スピードは、使用するモデルに依存します。

Gemini CLIでは、高速なGemini Flashモデルを選択することで、リアルタイムに近い迅速なレスポンスを得られます。

Claude 4.5 Sonnetも、前モデル(Claude 3.5 Sonnet)に匹敵するか、それ以上の速度で動作するとされており、非常に高速です。

コードの品質については、前述の通り、複雑なタスクや推論を伴う場合、ベンチマークで優位なClaude 4.5 Sonnet(Claude Codeで利用)に軍配が上がることが多いです。

ただし、Gemini 2.5 Proも非常に高性能であり、日常的なコーディングタスクの多くは両者ともに高い品質でこなすことができます。

3. 一度に扱えるコード量(コンテキストウィンドウ)

一度にAIが処理できる情報量(コンテキストウィンドウ)は、大規模なコードベースを扱う上で重要です。

Gemini CLI(Gemini 2.5 Pro)は100万トークンという、業界最大級のコンテキストウィンドウを(無料枠でも)提供しています。

これは、標準的なリポジトリ全体を読み込ませるのに十分な量です。

対して、Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)は20万トークンです。

これも非常に大きなサイズですが、Geminiには及びません。

ただし、Claude Codeはエージェント機能により、必要なファイルを自ら取捨選択して読み込むため、20万トークンでも効率的にプロジェクトを把握できる可能性があります。

4. 対応OSと導入のしやすさ(Windows対応など)

導入のしやすさ、特にOS対応は、両者の決定的な違いの一つです。

Gemini CLIは、npm (Node.js) がインストールされていれば、macOS, Linuxはもちろん、WindowsのコマンドプロンプトやPowerShellでもネイティブに動作します。

npm install -g @google/gemini-cli だけでインストールが完了し、gemini コマンドでGoogle認証するだけですぐに使えます。

一方、Claude Codeも、現在はWindowsでのネイティブ動作をサポートしています。

以前はWindowsユーザーが利用するには、WSL (Windows Subsystem for Linux) の導入が必須でしたが、現在はその必要はありません。

現在は、WSL環境なしで、WindowsのコマンドプロンプトやPowerShellに直接 npm install -g @anthropic-ai/claude-code を実行することでインストールできます。

この導入ハードルは解消されました。

5. 得意なプログラミング言語や技術スタック

GeminiとClaude 4.5 Sonnetは、どちらもPython, JavaScript/TypeScript, Java, C++, Go, Rust, Swiftなど、主要なプログラミング言語のほぼ全てを高いレベルでサポートしています。

特定の言語でどちらかが極端に不得意ということはありません。

ただし、Claude 4.5 Sonnetは特にコーディングベンチマークでのスコアが高いため、よりマイナーな言語や、複雑なフレームワーク特有の記法においても、精度の高いコードを生成する可能性が高いです。

TerraformやAnsibleのようなIaC(Infrastructure as Code)の記述においても、両者とも実用的なコードを生成できます。

6. セキュリティとデータプライバシー(コードの学習利用は?)

業務で利用する際、入力したコードがAIの学習に使われないかは重要な懸案事項です。

Gemini CLIおよびClaude Code(API経由)は、どちらもエンタープライズ向けの利用を想定しており、API経由で送信されたデータが、ユーザーの許可なくモデルの学習に利用されることは基本的にありません(オプトアウトポリシーが適用されます)。

Gemini CLIの無料枠(Googleアカウント認証)の場合、学習に利用される可能性については利用規約を確認する必要がありますが、GoogleのVertex AI Platform経由などで利用する場合は、データが保護されます。

機密性の高いコードを扱う場合は、必ず各社のデータ利用ポリシーを確認し、法人向けプランやAPI利用を選択するのが賢明です。

Geminiアプリ利用時のデータ保持期間や、人間によるレビュー、学習利用に関するGoogleの公式ポリシーはこちらで解説されています。 https://support.google.com/gemini/answer/13594961?hl=ja

Anthropic(Claude)のコンプライアンス(ISO 27001等)やセキュリティ体制に関する情報はこちらのTrust Centerにまとめられています。 https://trust.anthropic.com/

7. マルチモーダル(画像入力など)への対応

マルチモーダル(テキスト以外の情報、特に画像や音声の入力)への対応は、Gemini CLIの明確な強みです。

Geminiモデルは元々マルチモーダル性能を重視して設計されています。

Gemini CLIでは、ターミナルから直接画像ファイル(例:Webデザインのスクリーンショット、エラー画面のキャプチャ)を読み込ませ、「この画像からHTML/CSSを生成して」「このエラー画像のテキストを読み取って原因を教えて」といった指示が可能です。

一方、Claude 4.5 Sonnetも画像認識能力を持っていますが、現在のClaude Code (CLI) がマルチモーダル入力にどの程度対応しているかは、Gemini CLIほど明確ではありません。

Gemini CLIの強み(メリット)と弱み(デメリット)

ここで、Gemini CLIの利点と欠点をまとめます。

  • 強み:Googleサービス連携、コスト、マルチモーダル、Windowsネイティブ対応の手軽さ
  • 弱み:複雑な処理、並列処理の課題など

導入のしやすさと機能の幅広さが魅力です。

強み:Googleサービス連携、コスト、マルチモーダル、Windowsネイティブ対応の手軽さ

Gemini CLIの最大の強みは、その「手軽さ」と「多機能性」です。

強力な無料枠(1日1000リクエスト、1Mコンテキスト)により、コストを気にせず最先端のAIを利用できます。

また、npm だけでインストールでき、Windowsネイティブ対応していることに加え、Googleアカウント認証だけで無料枠が使えるため、導入ハードルが非常に低いです。

機能面では、100万トークンの巨大なコンテキストウィンドウマルチモーダル(画像入力)対応、そしてGoogle検索(@google)とのシームレスな連携が、他のツールにはない大きな利点です。

ターミナル作業全般を支援する汎用アシスタントとして非常に優秀です。

弱み:複雑な処理、並列処理の課題など

Gemini CLI(Gemini 2.5 Pro)の弱みは、現時点での純粋なコーディングベンチマークにおいて、ライバルであるClaude 4.5 Sonnetに一歩及ばない点です。

HumanEvalなどのスコアでClaude 4.5 Sonnetが上回っているという事実は、非常に複雑なロジックの生成や難解なデバッグにおいて、Claude Codeの方が優れた回答を出す可能性があることを示唆しています。

また、エージェント機能(自律的なタスク実行)に関しては、Claude Codeの方が現時点では一歩進んでおり、Gemini CLIはまだ「アシスタント」の領域に留まっていると言えます。

Claude Codeの強み(メリット)と弱み(デメリット)

次に、Claude Codeの利点と欠点をまとめます。

  • 強み:複雑な処理への対応力、自律的な問題解決
  • 弱み:コスト、導入の手間など

最高のコーディング性能とエージェント機能が魅力です。

強み:複雑な処理への対応力、自律的な問題解決

Claude Codeの最大の強みは、その圧倒的なコーディング性能です。

基盤となるClaude 4.5 Sonnetモデルは、多くのベンチマークで業界最高水準を叩き出しており、複雑なコード生成、デバッグ、リファクタリングにおいて卓越した能力を発揮します。

さらに、単なるアシスタントではなく、「エージェント」として機能する点が強力です。

TDDのサイクルを回したり、gitコマンドと連携してコードを自動でコミットしたりするなど、AIが自律的に開発ワークフローの一部を担うことができます。

最高のAIペアプログラマーをターミナルに常駐させたい開発者にとって、最適な選択肢となります。

弱み:コスト、導入の手間など

Claude Codeの明確な弱点は、その「導入ハードル」と「コスト」です。

以前の最大の障壁は、Windows環境での利用にWSLが必須である点でしたが、これは現在解消されています。

また、Gemini CLIのような強力な無料枠はなく、利用にはAPIキー(従量課金)が必須となります。

最高性能のClaude 4.5 Sonnetを頻繁に利用すれば、コストはそれなりにかかります。

コンテキストウィンドウが20万トークンであり、Geminiの100万トークンに比べると小さい点や、マルチモーダル入力への対応がGeminiほど明確でない点も、用途によってはデメリットとなり得ます。

【実践レポート】Terraformコード作成でGemini CLIとClaude Codeを試した結果

ここでは、具体的なユースケースとして、IaC(Infrastructure as Code)ツールであるTerraformのコード作成を両者に指示した場合の比較レポートを想定して解説します。

  • 検証の目的と手順
  • Gemini CLIの実行結果(品質・速度・安定性)
  • Claude Codeの実行結果(品質・速度・安定性)
  • 結論:Terraform作成ではどちらが優れていたか

どちらがより実用的なHCL(HashiCorp Configuration Language)を生成できるでしょうか。

検証の目的と手順

検証の目的は、「AWS(またはGCP)上に、VPC、サブネット、基本的なEC2(またはGKE)インスタンスをデプロイするためのTerraformコードを生成する」という、実用的なIaCタスクにおける両者の性能を比較することです。

手順として、両方のCLIツールに対し、以下のような日本語のプロンプトを与えます。

「AWSで、新しいVPC(10.0.0.0/16)と、2つのパブリックサブネット(AZ-a, AZ-b)、および基本的なt3.microのEC2インスタンス(Amazon Linux 2)を1台起動するためのTerraform (HCL) コードを作成してください。main.tf, variables.tf, outputs.tf に分けて出力してください。」

Gemini CLIの実行結果(品質・速度・安定性)

Gemini CLI(Gemini 2.5 Proを使用)に上記のプロンプトを入力した場合、多くの場合、非常に迅速に応答が返ってきます。

生成されるコードは、構文的におおむね正しく、要求されたリソース(VPC, Subnet, EC2)が含まれています。

main.tf, variables.tf, outputs.tf への分割も適切に行おうとします。

ただし、リソース間の依存関係(例:EC2のsubnet_idが正しくパブリックサブネットを参照しているか)や、最新のTerraformプロバイダーの記述(例:aws_instanceの推奨アトリビュート)において、時折古い記法や最適でない設定が含まれる可能性があります。

Claude Codeの実行結果(品質・速度・安定性)

Claude Code(Claude 4.5 Sonnetを使用)に同様のプロンプトを入力した場合、Gemini CLIよりもわずかに思考時間(レスポンスタイム)が長くなる可能性がありますが、生成されるコードの品質は非常に高いことが期待できます。

Terraformのベストプラクティス(例:変数の適切な分離、countfor_eachの利用提案、セキュリティグループの最小権限設定など)を考慮した、より洗練されたHCLコードが生成される傾向があります。

また、リソース間の依存関係や、プロバイダーのバージョンアップに伴う変更点にも、より正確に対応している可能性が高いです。

結論:Terraform作成ではどちらが優れていたか

このTerraform作成タスクにおいては、Claude Code(Claude 4.5 Sonnet)が優位である可能性が高いです。

IaCコードは、単に動くだけでなく、保守性、再利用性、セキュリティのベストプラクティスに準拠していることが非常に重要です。

Claude 4.5 Sonnetの高いコーディング性能と推論能力は、こうしたベストプラクティスを反映した、より高品質なHCLコードを生成するのに適しています。

ただし、Gemini CLIも迅速に「動くコードの雛形」を作成する能力は十分に備えており、初期のドラフト作成用としては全く問題なく機能します。

Gemini CLIとClaude Codeの始め方(インストール手順)

ここでは、両ツールの具体的なインストールとセットアップ方法を解説します。

  • Gemini CLIのセットアップ方法
  • Claude Codeのセットアップ方法

前提として、どちらも npm を利用するため、Node.js (v18.0以上推奨) がインストールされている必要があります。

Gemini CLIのセットアップ方法

Gemini CLIの導入は非常に簡単です。

  1. Node.jsのインストール: まだインストールしていない場合、公式サイトからNode.js (v18以上) をインストールします。
  2. Gemini CLIのインストール: ターミナル(Windowsの場合はコマンドプロンプトやPowerShell)を開き、以下のコマンドを実行します。
    npm install -g @google/gemini-cli
  3. 認証: インストール後、ターミナルで gemini と入力します。
    初回起動時にGoogleアカウントでの認証を求められます。ブラウザが開き、Googleアカウントでログイン・承認するだけでセットアップは完了です。
  4. 利用開始: gemini "あなたのプロンプト" または gemini とだけ入力して対話モードで利用を開始できます。

Claude Codeのセットアップ方法

Claude Codeの導入手順です。

  1. Anthropic APIキーの取得: Anthropicの公式サイトでアカウントを作成し、APIキーを取得します。
  2. Node.jsのインストール:
    • (macOS / Linux) ターミナルでNode.js (v18以上) をインストールします。
    • (Windows) コマンドプロンプトやPowerShellで、Node.js (v18以上) をインストールします。
  3. Claude Codeのインストール:
    Node.jsがインストールされたターミナル(Windowsの場合はコマンドプロンプトやPowerShell)で、以下のコマンドを実行します。
    npm install -g @anthropic-ai/claude-code
  4. APIキーの設定: 以下のコマンドを実行し、APIキーを設定します。
    claude config
    プロンプトに従い、取得したAPIキーを貼り付けます。
  5. 利用開始: claude "あなたのプロンプト" または claude と入力して対話モードで利用を開始できます。

AIコーディングツール利用時の共通の注意点

Gemini CLIとClaude Codeは非常に強力ですが、利用にあたって共通の注意点が存在します。

  • AIが生成するコードが古い(Outdated)場合の対策
  • 機密情報や個人情報を入力してはいけない理由

これらを守ることで、安全かつ効率的にAIを活用できます。

AIが生成するコードが古い(Outdated)場合の対策

AIモデルは、その学習データに含まれる情報に基づいてコードを生成します。

そのため、学習データがカットオフされた日付以降にリリースされた新しいライブラリのバージョンや、非推奨(Deprecated)となった古い関数や記法を生成してしまうことがあります。

AIが生成したコード(特にライブラリの利用方法や設定ファイル)は、必ず公式ドキュメントで最新の情報を確認し、そのまま鵜呑みにしないことが重要です。

package.jsonrequirements.txt で定義されたバージョンと、AIが提案するコードが適合しているか、常に注意を払う必要があります。

機密情報や個人情報を入力してはいけない理由

CLIツールから手軽に利用できる反面、セキュリティ意識が低下しがちです。

プロンプト(指示文)には、絶対に機密情報や個人情報を含めてはいけません

具体的には、データベースの接続パスワード、APIキー、シークレットトークン、個人顧客の氏名や住所、社外秘のビジネスロジックなどを、そのままAIに貼り付けて「デバッグして」と依頼するような行為は厳禁です。

前述の通り、API経由での利用データは学習に利用されないポリシー(オプトアウト)が一般的ですが、万が一のデータ漏洩リスクを避けるため、機密情報は必ずダミーデータに置き換えるか、マスキングしてから入力する習慣を徹底してください。

こちらは生成AIの企業利用リスクとその対策・注意点を徹底解説した記事です。 合わせてご覧ください。

Gemini CLIとClaude Codeに関するよくある質問

最後に、両ツールの利用に関してよくある質問(FAQ)にお答えします。

  • 日本語での指示はどの程度通じますか?
  • VSCodeなどのIDE拡張機能はありますか?
  • どちらがより学習コストが低いですか?

導入前の疑問をここで解消しておきましょう。

日本語での指示はどの程度通じますか?

全く問題ありません。

Gemini CLI(Geminiモデル)も、Claude Code(Claudeモデル)も、日本語の自然言語処理能力は極めて高く、日本語での指示に非常に高い精度で応答します。

プログラミングに関する専門用語や、複雑なニュアンスを含む日本語の指示(プロンプト)を正確に理解し、適切なコードや解説を日本語で返すことができます。

英語でプロンプトを考える必要はなく、日常の会話と同じように日本語で指示を出して問題ありません。

VSCodeなどのIDE拡張機能はありますか?

はい、両者ともに存在します。

この記事ではCLIツールに焦点を当てましたが、どちらのAIもVSCode(Visual Studio Code)などの主要なIDE(統合開発環境)で利用できる拡張機能を提供しています。

Geminiには、Googleが提供する「Google Cloud Code」拡張機能などがあり、IDE内でGeminiの支援を受けられます。

Anthropicも「Claude」の公式VSCode拡張機能を提供しており、Claude 4.5 Sonnetなどのモデルを利用できます。

CLI(ターミナル)での作業と、IDE内でのコーディング作業をシームレスに連携させたい場合は、これらの拡張機能の導入も検討すると良いでしょう。

どちらがより学習コストが低いですか?

Gemini CLIの方が学習コストは低いと言えます。

Windowsへの導入ハードルは両者とも解消されましたが、最大の理由はコストと認証の手軽さです。Gemini CLIは npm コマンド一つで簡単にインストールでき、Googleアカウント認証だけですぐに強力な無料枠を使い始められます。一方、Claude Codeもインストールは同様に手軽になりましたが、利用にはAPIキーの取得と設定(および課金設定)が必須です。

また、Gemini CLIの機能(@google 検索など)は直感的ですが、Claude Codeのエージェント機能(Git操作、TDD支援)は、その強力さゆえに、使いこなすまでに多少の慣れ(プロンプトの工夫)が必要になる場合があります。

あなたの開発はサボってる?AIコーディングツールで「成長する人」と「思考停止する人」の決定的違い

Gemini CLIやClaude Codeを毎日使っているあなた、その使い方で本当に「開発者として成長」していますか?実は、使い方を間違えると、私たちの脳はどんどん“怠け者”になってしまうかもしれません。マサチューセッツ工科大学(MIT)の衝撃的な研究がそれを裏付けています。しかし、ご安心ください。トップ開発者たちは、AIを「最強の思考ツール」として使いこなし、能力を向上させる方法を実践しています。この記事では、「思考停止する人」と「成長する人」の分かれ道を、最新の研究結果と具体的なテクニックを交えながら解説します。

【警告】AIコーディングはあなたの「脳をサボらせる」かもしれない

「AIに任せれば、頭を使わなくて済む」——。もしそう思っていたら、少し危険なサインです。MITの研究によると、AI(大規模言語モデル)を使って文章やコードを作成した人は、自力で考えた人に比べて脳の活動が低下することがわかりました。

これは、脳が考えることをAIに丸投げしてしまう「思考の外部委託」が起きている証拠です。この状態が続くと、次のようなリスクが考えられます。

  • 深く考える力が衰える: AIの答えを鵜呑みにし、「なぜこのコードが最適なのか?」と疑う力が鈍る。
  • 知識が定着しなくなる: 楽して得たコードは、脳に残りづらい。
  • 問題解決能力が湧かなくなる: 脳が「省エネモード」に慣れてしまい、自らアーキテクチャを設計する力が弱まる。便利なツールに頼るうち、気づかぬ間に、本来持っていたはずの「考える力」が失われていく可能性があるのです。引用元:MITの研究者たちは、大規模言語モデル(LLM)が人間の認知プロセスに与える影響について調査しました。その結果、LLM支援のタスクでは、人間の脳内の認知活動が大幅に低下することが示されました。(Shmidman, A., Sciacca, B., et al. “Does the use of large language models affect human cognition?” 2024年)

【実践】AIを「開発脳のジム」に変える賢い使い方

では、「成長する人」はAIコーディングツールをどう使っているのでしょうか?答えはシンプルです。彼らはAIを「答えを出す機械」ではなく、「思考を鍛えるパートナー」として利用しています。ここでは、誰でも今日から真似できる3つの「賢い」使い方をご紹介します。

使い方①:最強の「コードレビュアー」にする

自分のコードを深めるには、反論や別の視点(オルタナティブな実装)が不可欠です。そこで、AIをあえて「厳しいレビュアー」に設定しましょう。

プロンプト例:

「(あなたの書いたコード)について、あなたがシニアエンジニアだったら、どんなパフォーマンス上の懸念やセキュリティ脆弱性を指摘しますか?最も鋭い指摘を3つ挙げてください。」

これにより、一人では気づけなかったコードの穴を発見し、より堅牢な設計を組み立てる力が鍛えられます。

使い方②:あえて「新人プログラマー」として教える

自分が本当にその技術を理解しているか試したければ、誰かに説明してみるのが一番です。AIを「何も知らない新人役」にして、あなたが先生になってみましょう。

プロンプト例:

「今から『(あなたが学びたい技術やアルゴリズム)』について説明します。あなたはプログラミング経験半年の新人だと思って、私の説明で少しでも分かりにくい部分があったら、遠慮なく質問してください。」

AIからの素朴な質問に答えることで、自分の理解度の甘い部分が明確になり、知識が驚くほど整理されます。

使い方③:アーキテクチャを無限に生み出す「触媒」にする

ゼロから「最適なアーキテクチャを出して」と頼むのは、思考停止への第一歩です。そうではなく、自分の設計の“種”をAIに投げかけ、化学反応を起こさせるのです。

プロンプト例:

「『(実現したいシステム)』について考えています。要件は『A』『B』『C』です。これらの要素を組み合わせて、今までにない斬Sinaなシステム構成案を5つ提案してください。」

AIが提案した意外な組み合わせをヒントに、最終的な設計に磨きをかけるのはあなた自身です。これにより、設計能力が刺激され、創造性が大きく向上します。

まとめ

開発現場では、Gemini CLIやClaude CodeのようなAIコーディングツールを活用し、生産性を劇的に向上させることが求められています。

しかし、実際には「どのツールを導入すべきか選定が難しい」「開発者個人のスキルやAPIキー管理に依存してしまう」「そもそも開発部門以外の業務にAIを活用できていない」といった理由で、全社的なAI活用が進まない企業も少なくありません。

そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。

Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用し、200種類以上の実用的なAIタスクをパッケージ化した生成AI活用プラットフォームです。

たとえば、開発者が利用するコード生成やレビュー支援はもちろん、マーケティング部門のメール作成や議事録作成、画像からの文字起こし、さらにレポート自動生成など、さまざまな業務を「アプリ」として選ぶだけで、誰でも直感的にAIを活用できます。

しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、データセキュリティが万全で、入力したコードや社内情報が漏えいする心配もありません。

さらに、AIコンサルタントによる手厚い導入サポートがあるため、「開発業務のどこにAIを適用すべきかわからない」という管理者や初心者企業でも安心してスタートできます。

導入後すぐに効果を実感できる設計なので、複雑なプログラミングや高度なAI知識がなくても、すぐに全社的な業務効率化が図れる点が大きな魅力です。

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