「英語の会議に参加したけれど、議事録を任されてどう書けばいいかわからない」
「ネイティブの会話が早すぎて聞き取れず、正確な記録を残せるか不安だ」
「失礼のないメール文面で関係者に議事録を共有したい」
グローバルなビジネス環境において、英語での議事録作成(Taking Minutes)は避けては通れない重要なスキルです。
PMI(米国プロジェクトマネジメント協会)のレポートによると、プロジェクト失敗の要因の多くはコミュニケーション不全にあると指摘されています。議事録はそのリスクを防ぐための第一歩です。 合わせてご覧ください。 https://www.pmi.org/learning/library/en-2013-pulse-high-cost-low-performance-13512
しかし、単に英語力があれば書けるというものではなく、特有のフォーマットや決まり文句が存在するため、多くの人が頭を悩ませています。
本記事では、英語議事録の基本構成から、そのまま使えるテンプレート、会議中の頻出フレーズ、そして送付時のメール文面に至るまでを網羅的に解説しました。
また、2025年時点で最新のAI技術を活用した効率化テクニックについても触れています。この記事を読めば、英語の議事録作成に対する苦手意識がなくなり、自信を持ってタスクを完了できるようになるはずです。ぜひ最後までお役立てください。
英語の議事録における基本構成とフォーマット【テンプレート付】
英語の議事録を作成する際、まず押さえておくべきなのは「世界共通の標準的な型」があるということです。日本の議事録は時系列や発言録に近い形式が好まれることもありますが、英語の議事録(Minutes)は、決定事項とネクストアクションがひと目でわかる構成が求められます。
ここでは、基本となる3部構成の考え方と、コピーしてすぐに使える標準テンプレート、そして間違いやすい日付や参加者の表記ルールについて詳しく解説します。これらをマスターするだけで、ドキュメントとしての質がグッと高まります。
英語の議事録(Minutes)は「ヘッダー・ボディ・フッター」の3部構成が基本
英語の議事録をきれいにまとめるコツは、全体の構造をヘッダー、ボディ、フッターの3つのブロックに分けて考えることです。これらが整っていると、読み手は必要な情報にすぐにアクセスできます。
まずヘッダー部分には、会議の基本情報を記載します。会議の名称、日時、場所、参加者リストなど、その文書が何の記録であるかを特定するための管理情報です。ここが抜けていると、後からファイルを検索する際に非常に苦労することになります。
次にボディ部分は、議事録の核となるセクションです。議題ごとの議論内容、合意された決定事項、そして誰がいつまでに何をするかというアクションアイテムが含まれます。欧米のビジネススタイルでは、この部分がいかに簡潔(Concise)で明確(Clear)であるかが最も重要視されます。だらだらと長い文章を書くのではなく、要点を絞る必要があります。
最後にフッター部分です。ここには次回の会議予定や、議事録作成者の署名、承認者のサイン欄、添付資料のリストなどを配置します。また、会議が終了した時間(Adjournment)もここに記載するのが一般的です。この3部構成を意識するだけで、プロフェッショナルな見た目の議事録が完成します。
ビジネス文書の記録管理に関しては、国際規格であるISO 15489でもその要件が定義されています。グローバルスタンダードな管理手法について関心がある方は参考にしてください。 https://safetyculture.com/topics/iso-15489/
【コピペOK】そのまま使える英語議事録の標準テンプレート
一からフォーマットを作るのは時間がかかるため、以下のテンプレートをコピーして、必要に応じてカスタマイズして使用することをおすすめします。シンプルな形式ですが、ビジネスに必要な要素はすべて網羅されています。
Meeting Minutes
Date: [Month Day, Year]
Time: [Start Time] – [End Time]
Location: [Meeting Room Name / Online Tool Link]
Attendees:
[Name 1], [Title]
[Name 2], [Title]
…
Absentees:
[Name], [Title]
Agenda:
- [Topic A]
- [Topic B]
- [Topic C]
Discussion & Decisions:
- [Topic A]
- Discussion summary…
- DECISION: [The conclusion reached]
- [Topic B]
- Discussion summary…
- DECISION: [The conclusion reached]
Action Items:
- [Task description] assigned to [Name] (Due: [Date])
- [Task description] assigned to [Name] (Due: [Date])
Next Meeting:
[Date and Time] at [Location]
Recorded by: [Your Name]
このテンプレートをWordやドキュメントツールに貼り付け、[]の部分を埋めていくだけで、標準的な英語議事録が完成します。特にAction Itemsの欄は、責任の所在を明確にするために非常に重要ですので、必ず設けるようにしましょう。
日時(Date)や参加者(Attendees)の正しい書き方と表記ルール
英語で日時や参加者を記載する際には、日本とは異なる特有のルールやマナーが存在します。これを知らずに書いてしまうと、誤解を招いたり、プロフェッショナルではない印象を与えたりする可能性があります。
まず日付の表記ですが、アメリカ式とイギリス式で順序が異なります。アメリカ式は「月・日・年(August 7, 2025)」の順、イギリス式は「日・月・年(7 August 2025)」の順です。社内の公用語や取引先の国に合わせて統一する必要がありますが、混乱を避けるために月を数字ではなく英単語で書くのが無難です。
次に時間の表記です。24時間表記(14:00)も使われますが、一般的には12時間表記(2:00 PM)が好まれる傾向にあります。開始時間と終了時間を明確に記し、また国際会議の場合は必ずタイムゾーン(JST, EST, GMTなど)を併記することを忘れないでください。
参加者リスト(Attendees)については、基本的には役職の高い順、もしくはアルファベット順に記載します。社内会議の議事録であれば、Mr.やMs.といった敬称(Honorifics)は省略し、フルネームのみを記載するのが一般的です。ただし、外部のクライアントが含まれる場合は敬称をつけることもあります。欠席者(Absentees)や、遅れて参加した人、早退した人についても記録しておくと、情報の共有漏れを防ぐことができます。
項目別に見る英語議事録の具体的な書き方のポイント
プロジェクトマネジメントの観点から見た、効果的なアジェンダ設定やアクションアイテムの書き方については、以下の大学によるガイドも参考になります。 https://www.ohio.edu/engineering/engineering-tech/academics/project-management/resources/how-set-meeting-agendas
テンプレートが用意できたら、次は中身の記述です。英語の議事録では、美しい文学的な表現は求められません。求められるのは「事実」と「結論」を、誰が読んでも誤解のないように伝える技術です。
ここでは、主要な項目である「議題(Agenda)」、「決定事項(Decisions)」、「次のアクション(Action Items)」について、具体的にどのような英語表現を用いて記述すればよいのか、そのテクニックを紹介します。
議題(Agenda)は箇条書きでシンプルに記載する
議題(Agenda)のセクションは、その会議で何が話し合われたかの目次となる部分です。ここでは完全な文章(Full sentences)を書く必要はありません。名詞止めや動名詞を使ったフレーズで、簡潔に箇条書きにするのが鉄則です。
例えば、「来年度の予算について話し合う」という議題であれば、”Discussion regarding the budget for the next fiscal year” と書くよりも、単に “Budget for Next Fiscal Year” や “Review of FY2026 Budget” と書く方が好まれます。
また、動詞から始めるスタイルもよく使われます。その場合は、”Reviewing marketing strategy” や “Approving new vendor list” のように現在分詞(-ing)を使うか、”Review marketing strategy” のように原形を使うか、ドキュメント内で統一感を出すようにしましょう。
アジェンダの書き方が整理されていると、読み手は「この会議では何が決まったのか」を予測しながら読み進めることができます。もし会議中に予定になかった議題が飛び入りで話し合われた場合は、”Other Business” という項目を設けて、そこに追記するのがスマートな方法です。
決定事項(Decisions)は結論ファーストで明確にする
議事録の中で最も重要なのが、決定事項(Decisions)の記述です。ここでは「誰が何を言ったか」というプロセスの詳細よりも、「最終的に何が決まったのか」という結論(Outcome)を明確に記す必要があります。
英語表現のポイントとしては、受動態が頻繁に使われる点が挙げられます。例えば、”The manager decided to hire a new engineer.” と書くよりも、”It was decided that a new engineer will be hired.” や “Motion carried to hire a new engineer.” と書くことで、個人の意見ではなく、会議としての公式な決定であることを強調できます。
また、決定事項を目立たせるために、本文中に埋もれさせず、”DECISION:” や “AGREED:” といったラベルを太字で(テキスト形式では大文字で強調するなどして)冒頭につけるのも効果的です。
曖昧な表現は避けるべきです。”We might consider…”(検討するかもしれない)といった表現ではなく、”Approved”(承認された)、”Rejected”(却下された)、”Tabled”(先送りされた)など、ステータスがはっきりわかる単語を選びましょう。これにより、後日「言った言わない」のトラブルを防ぐことができます。
次のアクション(Action Items)は「誰が・いつまでに」を必ず含める
会議をしたのに何も進まない、という状況を避けるために不可欠なのがアクションアイテム(Action Items)です。英語の議事録では、ここが曖昧だと仕事ができないと見なされるほど重要なパートです。
記述の際の絶対ルールは、「Who(担当者)」と「When(期限)」をセットで書くことです。英語では “Action” や “To Do” という見出しの下に表形式や箇条書きでまとめます。
具体的な書き方の例としては、動詞から書き始める命令形のようなスタイルが一般的です。”Update the project timeline by Friday.” のように書きます。そして、その横や括弧書きで担当者の名前と日付を添えます。
例:
Update sales report (John / Due: Nov 25)
Send the contract to the client (Mary / Due: Nov 22)
期限については、”By next meeting”(次回の会議まで)や “ASAP”(なるべく早く)といった表現も使われますが、可能な限り具体的な日付を入れるのがベストです。担当者が複数いる場合は、責任の所在をはっきりさせるために、メインの担当者を一人指定するか、それぞれの役割を明記することをおすすめします。
【シーン別】議事録の中で頻出する英語フレーズ・表現集
英語の議事録作成をスピードアップさせる鍵は、使える「定型フレーズ」の引き出しを増やしておくことです。会議の進行にはパターンがあり、それぞれの場面で使われる英語表現もお決まりのものが多いからです。
ここでは、会議の開始から議論、未決事項の扱い、そして終了に至るまで、シーン別にそのまま使える便利なフレーズを厳選して紹介します。これらを辞書登録しておくだけでも、作業効率は格段に上がります。
会議の目的や開始を記録する時のフレーズ
会議の冒頭部分では、会議が正式に始まったことや、その会議の開催目的を記録します。
まず、開始を告げる定番の表現は “The meeting was called to order at [Time] by [Chairperson].” です。「Call to order」は「開会を宣言する」という意味の決まり文句です。もう少しカジュアルな会議であれば、”The meeting started at [Time].” でも問題ありません。
会議の目的を記述する際は、”The purpose of the meeting was to discuss…” や “The meeting was held to review…” といったフレーズを使います。
例:
The meeting was called to order at 10:00 AM by Mr. Smith.
The purpose of the meeting was to finalize the marketing plan for Q4.
また、前回の議事録の承認が行われた場合は、”The minutes of the previous meeting were approved.” と記載します。もし修正があった場合は、”approved with corrections” と書き添えます。
議論の内容や決定事項を記録する時のフレーズ
議論の中身や決定事項を記録する際は、簡潔かつ客観的な表現を選びます。
提案がなされた場合は、”Mr. Tanaka proposed that…” や “It was suggested to…” を使います。
全員が同意した場合は、”It was agreed that…” や “Unanimously agreed.”(満場一致で合意)という表現が便利です。
決定事項を強調するフレーズ:
The motion was carried.(動議は可決された)
The proposal was accepted/approved.(提案は承認された)
It was decided to proceed with Plan A.(プランAで進めることが決定した)
逆に、反対意見や懸念が出たことを記録する場合は、”Concerns were raised regarding…”(~に関して懸念が示された)や “Mr. Jones objected to the plan due to cost.”(コストを理由に反対した)のように記述します。感情的な言葉は避け、事実として反対があったことを淡々と記録するのがポイントです。
未決定事項や次回への持ち越しを記録する時のフレーズ
すべての議題がその場で解決するわけではありません。時間が足りなかったり、情報不足で結論が出なかったりした場合の記録も重要です。
議題を先送りにすることを、英語では “Table” を動詞として使います。”The topic was tabled for the next meeting.” と言えば、「その議題は次回に持ち越された」という意味になります。
他にも以下のような表現が役立ちます:
Decision was deferred until further data is available.(詳細なデータが出るまで決定は延期された)
The item is pending approval from the CEO.(その項目はCEOの承認待ちである)
Discussion on this matter was suspended.(この件に関する議論は中断された)
「Pending(保留中)」や「Outstanding issues(未解決の課題)」という言葉も、アクションアイテムリストの中で頻繁に登場します。ステータスを明確にすることで、誰がボールを持っているかがはっきりします。
次回の会議予定や閉会を記録する時のフレーズ
会議の最後には、次回の予定と閉会時間を記録します。
次回の会議が決まっている場合は、”The next meeting will be held on [Date] at [Time].” と書きます。もし決まっていない場合は、”The next meeting is to be determined.” と記載します。
閉会に関しては、”The meeting adjourned at [Time].” というフレーズが最も正式で一般的です。「Adjourn」は「閉会する・散会する」という意味のフォーマルな単語です。
例:
The next meeting is scheduled for December 1st at 2:00 PM via Zoom.
The meeting adjourned at 11:30 AM.
これらの定型句を組み合わせて使うことで、最初から最後まで一貫性のある、読みやすい議事録を作成することができます。
書き上げた議事録をメールで送付・共有する時の英語メール文面
議事録は書き上げて終わりではありません。関係者に速やかに共有し、内容に間違いがないか確認してもらい、ネクストアクションを促すところまでが仕事です。
ここでは、英語で議事録を送付する際のメールの書き方を紹介します。件名の付け方から本文の構成、修正依頼のフレーズまで、失礼がなく、かつ要件が伝わるメール作成のコツを押さえましょう。
【件名】ひと目で議事録とわかるSubjectの付け方
ビジネスメールにおいて件名(Subject)は非常に重要です。受信者は毎日大量のメールを受け取っているため、件名を見ただけで「何の会議の議事録か」「いつのものか」がわかるようにする必要があります。
基本の形は「Meeting Minutes」という言葉を先頭か目立つ位置に入れ、会議名と日付を続けるスタイルです。
良い件名の例:
Meeting Minutes: Weekly Sales Meeting – Nov 18, 2025
Minutes: Project X Kick-off (Nov 18)
[Minutes] Q4 Strategy Meeting – 11/18/2025
このように「Meeting Minutes」や「Minutes」を明記することで、受信者は後で検索しやすくなります。日付を入れることも忘れないでください。継続的な会議の場合、日付がないといつの回かわからなくなってしまいます。
【本文】議事録ファイルを添付して送る時の基本テンプレート
メール本文は、シンプルかつ丁寧な構成を心がけます。ファイルを添付していることを伝え、主要な決定事項やアクションアイテムがある場合は、本文にサマリーとして箇条書きすることもあります。
以下は標準的なテンプレートです。
Subject: Meeting Minutes: [Meeting Name] – [Date]
Dear Team, (or Attendees,)
Thank you for your time/participation today.
Please find attached the minutes from the [Meeting Name] held on [Date].
Key decisions and action items are included in the document. Ideally, please review your assigned tasks.
If you have any questions, please let me know.
Best regards,
[Your Name]
「Please find attached…」は「添付ファイルをご覧ください」という意味の定番フレーズです。親しいチーム内であれば、「Here are the minutes from today’s meeting.」ともっとカジュアルに書くこともあります。
【本文】内容の確認や修正依頼をお願いする時のフレーズ
議事録の内容に誤りがある可能性を考慮し、参加者に確認と修正を促す文言を入れておくのが一般的です。これを一行入れておくだけで、後々のトラブルを回避できます。
よく使われるフレーズ:
Please let me know if there are any corrections or additions by [Date].
(修正や追加がある場合は、[日付]までにお知らせください。)
Kindly review the attached minutes and inform me of any discrepancies.
(添付の議事録をご確認いただき、相違点があればお知らせください。)
Please review and send your feedback by this Friday.
(今週の金曜日までにご確認の上、フィードバックをお送りください。)
特に期限(by [Date])を設けることは重要です。期限がないと確認作業が後回しにされ、次の会議の直前になって「実は前回の内容が違っていた」という事態になりかねないからです。
英語での議事録作成を劇的に効率化するAIツール・アプリ
英語のリスニングやライティングに自信がない場合でも、最新のテクノロジーを活用すれば、高精度な議事録を作成することが可能です。特に2025年現在、AIによる音声認識と要約の精度は飛躍的に向上しています。
ここでは、英語会議の録音から文字起こし、翻訳、要約までをサポートしてくれる強力なAIツールと、ChatGPT(最新モデル)を活用したプロンプト術を紹介します。これらを使いこなせば、議事録作成にかかる時間を半分以下に短縮できるでしょう。
ChatGPTの業務活用や事例について、こちらの記事で詳細に解説しています。合わせてご覧ください。
英語会議の録音・文字起こしに強い「Otter.ai」
英語の議事録作成において、世界中で最も利用されているツールの一つが「Otter.ai」です。このツールの最大の特徴は、圧倒的な英語音声認識の精度と、話者識別機能にあります。
会議中にアプリを起動しておくだけで、リアルタイムに音声をテキスト化してくれます。「誰が(Speaker A, Speaker B…)」話しているかも自動で判別して分けてくれるため、後から「この発言は誰だったか?」と迷うことがありません。
また、キーワード検索機能も優秀で、聞き取れなかった単語や重要なトピックをテキストから検索して、その部分の音声だけをピンポイントで再生することができます。ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールとも連携可能で、オンライン会議の強い味方です。
リアルタイム翻訳と記録ができる「AI GIJIROKU」
日本の企業が開発した「AI GIJIROKU」は、英語が苦手な日本人ビジネスパーソンにとって非常に心強いツールです。最大の特徴は、精度の高いリアルタイム翻訳機能です。
相手が英語で話している内容を、瞬時にテキスト化し、同時に日本語に翻訳して画面に表示してくれます。これにより、会議の内容をその場で理解しながら参加することが可能になります。
金融や医療、ITなど、専門用語が多い業界向けの辞書機能も充実しており、固有名詞の誤変換が少ないのもメリットです。作成されたテキストはそのまま議事録として編集・出力できるため、翻訳の手間を大幅に省くことができます。
多言語対応で要約まで可能な「Notta」
「Notta」は、多言語対応の文字起こしサービスとして人気があります。英語や日本語だけでなく、中国語や韓国語など多くの言語に対応しているため、多国籍メンバーが参加する会議で重宝します。
Nottaの強みは、AIによる要約機能です。長時間の会議音声を全てテキスト化した後、AIが自動的に「議論のポイント」「決定事項」「TODOリスト」などを抽出してまとめてくれます。
録音データをインポートするだけで、ドラフト版の議事録が数分で出来上がるため、あとは人間が微調整をするだけで済みます。スマホアプリ版も使いやすく、対面会議での利用にも適しています。
主要なAI文字起こしツールであるOtterとNottaの機能比較については、以下のレビュー記事で詳しく解説されています。自社に最適なツール選定の参考にしてください。 https://tripleareview.com/notta-vs-otter/
ChatGPTを活用してメモを議事録形式に整えるプロンプト例
生成AIであるChatGPTを活用する方法も非常に有効です。特に、推論能力が強化されたOpenAIの最新モデル(o1シリーズなど)は、複雑なコンテキストの理解に優れており、議事録作成においてもその威力を発揮します。
AIが思考プロセスを経て回答を出力する仕組みにより、会議の乱雑なメモ書きを渡すだけで、文脈を深く理解し、適切なビジネス英語に整形してくれます。また、学習データとして利用されない「ChatGPT Enterprise」や、法人向けサービスの「ChatSense」などを利用すれば、データセキュリティも担保されます。
Microsoft 365 CopilotなどのAIツールを導入することで得られる経済的なインパクトや生産性向上については、Forresterの調査レポートが詳しいです。 合わせてご覧ください。 https://tei.forrester.com/go/microsoft/M365Copilot/?lang=en-us
以下は、自分が取った箇条書きのラフなメモを、整った議事録に変換するためのプロンプト例です。
プロンプト例:
「あなたはプロの秘書です。以下の会議メモをもとに、英語の正式な議事録(Minutes)を作成してください。
フォーマットは【Date/Attendees/Agenda/Decisions/Action Items】の構成にしてください。
英語は簡潔でフォーマルなビジネス表現を使用してください。
[ここに会議のメモを貼り付ける]」
このように指示するだけで、断片的な単語の羅列が、きれいな文章に生まれ変わります。最新モデルの高い推論能力により、メモに主語が抜けていても、文脈から補ってくれる精度が格段に向上しています。
ChatGPTを使った議事録作成に特化したプロンプトの活用事例はこちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
英語の議事録作成でよくある質問
最後に、英語で議事録を書く際によくある疑問や悩みに答えていきます。細かい文法や記載の粒度など、迷いやすいポイントをクリアにしておきましょう。
英語の議事録で主語は省略しても良いですか?
結論から言うと、はい、省略しても構いません。むしろ、議事録においては主語を省略して簡潔に書くスタイル(Telegram style)が好まれることさえあります。
例えば、”Mr. Smith reported that the sales increased.” と書く代わりに、”Reported sales increase.” と書くような形式です。ただし、誰の発言か、誰のアクションかが不明確になるような省略は避けるべきです。
特にAction Itemsでは、主語(担当者)を省略すると誰がやるべきかわからなくなるため、必ず名前を明記する必要があります。文脈が明らかな場合や、事実を羅列するセクションでは、”We” や “They” といった一般的な主語は省いて、動詞から書き始めるのが一般的です。
発言者ごとの細かい会話記録は必要ですか?
基本的には不要です。英語の議事録(Minutes)は、裁判の記録のような「発言録(Transcript)」とは異なります。求められているのは「誰が何を言ったかの一言一句」ではなく、「議論の要点と結論」です。
「Aさんがこう言い、次にBさんがこう反論し…」といった会話の流れをすべて書くと、かえって要点が見えにくくなります。
「議論の概要(Summary of Discussion)」として意見の対立点や主な論点をまとめ、最終的にどうなったか(Decision)に重きを置いて書くのが正解です。ただし、誰がその提案をしたか、誰が反対したかという「立場」の記録が政治的に重要な意味を持つ会議の場合は、名前と共に意見を記録することもあります。会議の性質に合わせて粒度を調整しましょう。
【警告】「なんとなく」の英語議事録が招く重大なビジネス損失
英語の会議に参加し、文脈をなんとなく理解しただけで満足していませんか。実は、非ネイティブスピーカー同士のビジネスコミュニケーションにおいて、情報の聞き漏らしやニュアンスの誤解は頻繁に発生しており、それがプロジェクトの遅延や重要な取引の失敗といった、目に見える損失につながるケースが後を絶ちません。
ITプロジェクトの成功率を調査した有名な「CHAOS Report」でも、多くのプロジェクトが予算超過や期限遅れに陥っている現状が報告されており、その背景には記録と管理の不備があります。 https://www.csus.edu/indiv/v/velianitis/161/chaosreport.pdf
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が行った調査によると、多くの企業幹部が、言葉や文化の違いによるコミュニケーションの障壁が、国境を越えた主要な取引の失敗や、プロジェクト完了の遅れの原因になっていると回答しています。議事録は、こうした「認識のズレ」を修正し、ビジネスを守るための最後の砦としての役割を持っています。
しかし、人間の能力だけで完璧な記録を残そうとするのは、多大な労力と精神的なストレスを伴う作業です。現代のグローバルビジネスにおいては、AIを単なる効率化ツールとしてではなく、リスク回避のための「客観的な記録係」として活用し、人間はより高度な「意思決定と実行」に集中するという分業スタイルが、成果を最大化するための最適解となりつつあります。
引用元:
The Economist Intelligence Unit (2012). “Competing across borders: How cultural and communication barriers affect business”. (異文化間のコミュニケーション障壁がビジネスの財務的成果や業務効率に与える影響についての調査報告)
まとめ
グローバル化が進む中、英語での議事録作成は避けては通れない重要な業務となりつつありますが、正確な記述やフォーマットの習得には高い英語力と多くの時間が必要です。
また、記事内で紹介されたような便利なAIツールを使いたくても、「セキュリティ規定で外部クラウドサービスの利用が制限されている」「新しいツールの操作が難しく、社内に定着しない」といった課題を抱える企業も少なくありません。
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