「紙の請求書や手書きの日報をkintoneに入力するのが毎日大変…」
「OCRを導入してみたけれど、読み取り精度が低くて結局手修正している」
業務効率化のためにkintoneを導入したものの、紙の書類からのデータ入力作業に追われている担当者の方は少なくありません。
従来のOCRでは難しかった手書き文字や非定型帳票も、GPT-5.1をはじめとする最新のAI技術なら高い精度でデジタル化し、kintoneへ直接連携させることが可能です。
本記事では、kintoneと連携可能なAI OCRプラグイン・ツールのおすすめ8選と、失敗しない選び方のポイント、具体的な活用シーンについて解説します。
数多くの企業のDX支援を行ってきた知見をもとに、現場で本当に使えるツールのみを厳選しました。
日々の入力業務を劇的に削減するヒントが詰まっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
kintoneとAI OCRを連携させるメリットと解決できる課題
kintoneは柔軟なデータベース機能を持っていますが、情報の入り口となる「入力作業」がボトルネックになりがちです。ここにAI OCRを組み合わせることで、kintoneは単なるデータ管理ツールから、自動化された業務プラットフォームへと進化します。
AI OCRとの連携によって解決できる具体的な課題とメリットについて、詳しく見ていきましょう。
紙の帳票からの手入力工数を削減・入力ミス防止
紙の帳票を見ながらキーボードで数値を打ち込む作業は、単純でありながら非常に集中力を要する業務です。件数が増えれば増えるほど担当者の負担は大きくなり、コア業務に割くべき時間が奪われてしまいます。
kintoneとAI OCRを連携させる最大のメリットは、この入力工数の劇的な削減です。スキャンした画像データをAIが自動でテキスト化し、適切なフィールドにデータを格納してくれるため、人が行うのは最終確認のみとなります。
また、人間が入力する際に起こりうるタイプミスや、行の読み間違いといったヒューマンエラーも防止できます。特に金額や日付などの重要データにおいて、転記ミスがなくなることは業務品質の向上に直結します。精神的な負担も軽減され、より生産的な業務にリソースを集中できるようになります。
業務効率化をさらに推し進めるDXの進め方や成功事例については、こちらのガイドで詳しく解説しています。 合わせてご覧ください。
従来のOCRとAI OCRの違い(手書き・クセ字・非定型への対応)
これまでの一般的なOCR(光学文字認識)は、あらかじめ「ここからここまでを読み取る」という座標定義が必要なものがほとんどでした。そのため、活字の定型帳票には強くても、少しでもレイアウトがずれたり、手書き文字が含まれていたりすると、認識精度が著しく低下するという課題がありました。
一方でAI OCRは、ディープラーニング(深層学習)技術を用いることで、文字の特徴を学習し、文脈を理解する能力を持っています。これにより、従来は読み取りが困難だった手書き文字やクセ字、修正印が重なった文字なども高い精度で認識できるようになりました。
さらに、請求書のように取引先ごとにレイアウトが異なる「非定型帳票」であっても、AIが「これは日付」「これは合計金額」と項目を自動で特定して読み取ることが可能です。この柔軟性が、AI OCRが現場で重宝される大きな理由です。
AI OCRにも活用されているLLM(大規模言語モデル)の概要や、ChatGPTとの違いについて解説した記事もございます。 合わせてご覧ください。
電子帳簿保存法・インボイス制度対応の効率化
電子帳簿保存法やインボイス制度の施行から時間が経過し、現在は法対応業務の「完全自動化」が求められています。電子帳簿保存法への対応では、受領した国税関係書類をスキャナ保存する際に、取引年月日や取引金額、取引先名などで検索できる状態で保存することが義務付けられています。
AI OCRとkintoneを連携させれば、紙で届いた請求書や領収書をスキャンするだけで、必要な検索要件となる項目を自動抽出し、kintone上の台帳に登録することが可能です。手入力でインデックスを作成する手間が不要になります。
また、インボイス制度においても、登録番号の照合や税率ごとの区分けなど、確認事項が複雑化しています。AI OCRの中には、インボイス制度に対応した項目抽出が可能なものもあり、法対応に伴う事務負担の増加を最小限に抑えるための強力なサポーターとなります。
kintone連携に対応したおすすめAI OCRプラグイン・ツール比較
ここからは、実際にkintoneと連携して利用できるおすすめのAI OCRプラグインやツールを8つ紹介します。
それぞれ得意とする帳票タイプや機能、コスト感が異なるため、自社の課題に最もマッチするものを見極めることが重要です。それぞれの特徴を順に解説していきます。
1. AI-OCRプラグイン for kintone(低コストで手軽に導入)
AI-OCRプラグイン for kintoneは、kintone上で手軽にAI OCR機能を利用できるプラグインです。最大の特徴は、初期費用がかからず、月額費用も比較的安価に設定されている点にあります。高額な専用システムを導入することなく、スモールスタートで業務改善を始めたい企業に適しています。
kintoneの画面上で画像ファイルをアップロードするだけで、指定したフィールドに文字情報が自動入力されるシンプルな操作性が魅力です。複雑な設定やプログラミング知識が不要なため、現場の担当者だけでも運用を開始できます。
主に定型帳票の読み取りを得意としており、社内申請書類やアンケート用紙など、決まったフォーマットの書類を大量に処理する場合に力を発揮します。コストパフォーマンスを重視しつつ、まずはkintoneでのOCR活用を試してみたいというニーズに応えるプラグインです。
AI-OCRプラグイン for kintone」の詳細な機能や連携仕様については、こちらのページで確認できます。 https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/k&isolutions004.html
2. ATTAZoo AI OCR パック(kintoneプラグインセットの一部として活用)
ATTAZoo AI OCR パックは、kintoneの機能を拡張するプラグインセット「ATTAZoo+」を提供しているJBアドバンスト・テクノロジー株式会社のソリューションです。このツールは、kintoneアプリへのデータ入力を効率化することに特化しており、手書き帳票や活字帳票の読み取りに対応しています。
特に手書き文字の認識率が高く、現場で記入された作業報告書や点検シートなどのデータ化に強みを持っています。また、確認・修正画面のUIが優れており、読み取った画像とテキストを見比べながら直感的に修正作業が行えるため、運用担当者のストレスを軽減します。
すでにATTAZooシリーズの他のプラグインを利用している企業であれば、導入や管理がスムーズに行える点もメリットです。kintoneの標準機能だけでは手が届かない部分を補完し、入力業務全体のフローを最適化したい場合に適した選択肢と言えます。
「ATTAZoo AI OCR」を含む、業務改善プラットフォームの具体的な導入事例はこちらからご覧いただけます。 https://jbsol.jbcc.co.jp/casestudy/
3. mojula for kintone(PDF帳票の読み込みに強み)
mojula for kintoneは、特にPDF帳票の読み込みとデータ連携に強みを持つサービスです。複合機などでスキャンして生成されたPDFファイルを、特定のフォルダに保存するだけで自動的にkintoneへデータ登録する仕組みを構築できます。
このツールの特徴は、帳票のレイアウト定義が非常に柔軟であることです。一度設定を行えば、大量の帳票を一括で処理できるため、月末に集中する請求書処理や注文書処理などの業務負担を大幅に削減できます。PDFファイル自体もkintoneの添付ファイルフィールドに自動保存されるため、原本管理も容易になります。
また、読み取り精度の向上に向けたサポート機能も充実しており、認識結果の信頼性を高める工夫がなされています。日常的にPDF形式での書類やり取りが多い企業や、フォルダ監視による完全自動化を目指したい企業におすすめのツールです。
4. Smart at AI for kintone Powered by GPT(AIによる高度な解析が可能)
Smart at AI for kintoneは、LLM(大規模言語モデル)の技術を活用した先進的なプラグインです。単なる文字の読み取りにとどまらず、AIが文章の内容を理解し、要約や分類、特定の情報の抽出を行うことができます。
OpenAI社の最新モデル「GPT-5.1」等を活用しており、簡単な質問には素早く、複雑な推論が必要なタスクには深く考えて回答するといった、極めて高度な処理能力の恩恵を受けることが可能です。例えば、フリーフォーマットの文章から「顧客の要望」や「クレーム内容」だけを抜き出してkintoneに登録するといった使い方ができます。
従来のOCRでは対応しきれなかった、文脈判断が必要な非定型データの処理において圧倒的なパフォーマンスを発揮します。単に文字をデータ化するだけでなく、そのデータが持つ意味を解析して業務に活かしたいと考える企業にとって、非常に強力なツールとなります。
「Smart at AI for kintone」を活用した具体的な設定方法や活用ブログはこちらです。合わせてご覧ください。 https://smartat.jp/blog/5539/
5. モジトリ(iPad等を活用した現場入力に特化)
モジトリは、スマートフォンやタブレットでの利用に特化したAI OCRアプリです。kintoneのモバイル画面からカメラを起動し、その場で撮影した書類やタグ、メーターなどを読み取ってデータを登録することができます。
このツールは、建設現場や製造現場、物流倉庫など、PCを開くのが難しい環境での入力業務に最適です。例えば、配送伝票の番号や機器のシリアルナンバーなどを手入力する代わりに、カメラで撮影するだけで一瞬で入力が完了します。手袋をしていて入力しづらい状況でもスムーズに作業が進みます。
iPadなどのタブレット端末との相性も良く、現場での点検業務や報告業務のスピードアップに貢献します。事務所に戻ってから紙を見ながら入力し直すという二度手間をなくし、リアルタイムな情報共有を実現するための現場特化型ソリューションです。
「モジトリ」の導入事例や詳しい機能紹介については、こちらで解説されています。 https://www.fcs.co.jp/case_cat/case_cat_03/mojitori/
LINE WORKS OCR連携プラグイン(LINE WORKSの技術による高い日本語認識精度)
LINE WORKS OCR連携プラグインは、LINE WORKS(旧LINE CLOVA)が提供する世界最高水準のAI技術をkintoneで利用できるプラグインです。日本語の読み取り精度が極めて高く、横書きだけでなく縦書きの文章や、丸囲み文字、チェックボックスの読み取りにも対応しています。
特に、日本特有の複雑な書類フォーマットや、崩れた手書き文字の認識において強みを発揮します。医療機関の診断書や役所の申請書など、正確性が求められるドキュメントの処理において信頼性の高い結果を返してくれます。
定型帳票はもちろん、レイアウトが異なる非定型帳票(特化型OCR)にも対応しており、レシートや請求書から必要な項目だけを賢く抽出します。日本国内で開発されたエンジンであるため、日本のビジネス習慣に即した細やかな認識が可能であり、精度の高さを最優先したい企業に推奨されます。
「CLOVA OCR」を活用した本プラグインの開発背景や詳細機能については、こちらのブログが参考になります。 https://www.joyzo.co.jp/blog/16527
7. SmartRead連携プラグイン(様々なドキュメントの仕分けから自動化)
SmartRead連携プラグインは、多種多様なドキュメントの「仕分け」から「読み取り」までを一気通貫で自動化できる強力なツールです。異なる種類の帳票が混在したPDFファイルをアップロードしても、AIが自動で「これは請求書」「これは注文書」と判別し、それぞれの定義に従って読み取りを行います。
事前の仕分け作業が不要になるため、郵送で届いた書類をまとめてスキャンし、そのままシステムに流し込むだけで処理が完了します。この「自動仕分け機能」は、書類の種類が多い総務部門や経理部門において絶大な効果を発揮します。
また、確認画面の使いやすさにも定評があり、AIが自信を持って読み取れなかった箇所をハイライト表示するなど、人の目によるチェックを効率化する機能が充実しています。大量かつ多種類の紙書類を扱う業務プロセス全体を効率化したい場合に最適なソリューションです。
「SmartRead」の機能詳細や、対応している帳票タイプについては公式サイトをご確認ください。 https://www.smartread.jp/
8. kintone for 生成AI(OCR以外の生成AI活用も視野に入れる場合)
kintone for 生成AIは、OCR機能を含め、kintone上での生成AI活用を総合的に支援するサービスです。画像からの文字認識機能に加え、生成AIを用いた文章作成、要約、翻訳、データ分析など、多岐にわたる機能を利用できます。
このツールの強みは、OCRで読み取ったデータに対して、さらに生成AIで付加価値をつけられる点にあります。例えば、OCRで読み取った日報の内容をもとに、AIが「改善提案」を自動生成したり、読み取ったアンケートの感想を「ポジティブ・ネガティブ」に分類したりすることが可能です。
最新のGPT-5.1モデルは、テキストだけでなく画像の内容も深く理解する「マルチモーダル能力」や推論能力が大幅に向上しています。
単なるデータ化ツールとしてだけでなく、kintoneを企業の「頭脳」として活用し、DXを加速させたい企業にとって、将来性のある選択肢となります。
「kintone for 生成AI」の製品詳細や、チャットワーク連携などの拡張機能についてはこちらをご覧ください。 https://www.comdec.jp/product/kintone-ai/
自社に合った連携ツールの選び方・比較ポイント
GPT-5.1の登場で選択肢が広がる中、自社に最適なものを選ぶには「何を」「誰が」「どのくらい」処理するのかを明確にする必要があります。
機能の豊富さだけで選ぶのではなく、実際の業務フローにフィットするかどうかを見極めるための4つの比較ポイントを紹介します。
読み取りたい帳票に対応しているか(定型・非定型・全文読取)
まず確認すべきは、自社が読み取りたい帳票の種類と、ツールの得意分野が合致しているかです。社内申請書のようにフォーマットが決まっている「定型帳票」であれば、座標指定型の安価なOCRでも十分な場合があります。
一方で、取引先ごとにレイアウトが異なる請求書や注文書を扱う場合は、「非定型帳票」に対応したAI OCRが必須です。また、契約書や報告書など、文章全体をテキストデータ化したい場合は「全文読取」に対応している必要があります。
最近では、AIが項目を自動探索してくれる機能を持つツールも増えていますが、ツールによって「請求書特化」「レシート特化」など得意領域が分かれていることもあります。トライアルなどを利用し、実際に自社の帳票を読み込ませて精度を確認することをおすすめします。
誰でも簡単に設定・運用できるUIか
導入後の運用を成功させるためには、現場の担当者が直感的に使えるUI(ユーザーインターフェース)であるかが極めて重要です。設定が複雑で、エンジニアしか扱えないようなツールでは、帳票のフォーマットが変わるたびに修正作業が属人化してしまいます。
kintoneの画面内で操作が完結するプラグインタイプなのか、外部の専用画面での操作が必要な連携ツールタイプなのかによっても、業務フローは変わります。日常的に利用するパートやアルバイトの方でも迷わずに操作できるか、確認・修正画面は見やすいかといった視点で選定しましょう。
特に、読み取り結果に誤りがあった場合の修正フローがスムーズかどうかが、実務における工数削減の鍵を握ります。
料金体系は従量課金か定額制か(枚数とコストのバランス)
AI OCRツールの料金体系は大きく分けて、月額固定の「定額制」と、読み取った枚数や項目数に応じて課金される「従量課金制」があります。コストパフォーマンスを最大化するためには、自社の月間処理枚数を正確に把握することが大切です。
処理枚数が少ない、あるいは月によって変動が大きい場合は、従量課金制のプラグインが適しています。逆に、毎月数千枚単位でコンスタントに処理が発生する場合は、定額制プランの方がトータルコストを抑えられる可能性があります。
また、初期費用の有無や、読取箇所ごとの課金なのか帳票1枚ごとの課金なのかといった詳細な条件もツールによって異なります。将来的な処理量の増加も見越して、柔軟にプラン変更ができるかどうかも確認しておきたいポイントです。
kintoneアプリへのデータマッピング機能の柔軟性
OCRで読み取ったデータを、kintoneアプリのどのフィールドに、どのような形式で登録するかという「データマッピング」の柔軟性も重要な比較ポイントです。
単に文字列として転記するだけでなく、日付形式への変換や、数値としての登録、あるいは特定の条件に基づいたデータの加工ができるツールであれば、kintone側でのデータ活用がよりスムーズになります。例えば、明細行(テーブルデータ)の登録に対応しているかどうかも、請求書などの処理においては重要な機能差となります。
kintoneのルックアップ機能と連携し、OCRで読み取った顧客コードをもとにマスター情報を自動取得できるかなど、kintoneならではの機能を活かせる仕様になっているかを確認しましょう。
kintoneとAI OCR連携の具体的な活用シーン
kintoneとAI OCRの連携は、特定の部署だけでなく、全社的な業務改善に役立ちます。
ここでは、実際に多くの企業で効果を上げている具体的な活用シーンを4つ挙げ、どのように業務が変化するのかを解説します。
請求書・見積書からの明細データ自動登録
経理部門において最もニーズが高いのが、請求書処理の自動化です。郵便やPDFで届く請求書をAI OCRで読み取り、日付、取引先名、金額、そして明細データをkintoneアプリに自動登録します。
これにより、月末に集中する入力業務から解放されるだけでなく、電子帳簿保存法の要件に沿ったデータ保存も同時に完了します。インボイス制度への対応として、登録番号の有無をAIがチェックし、適格請求書かどうかを自動判定させるフローを組んでいる事例もあります。
kintoneのプロセス管理機能と組み合わせることで、データ登録から承認申請、そして会計システムへのCSV出力までをシームレスにつなぐことができ、経理業務全体のリードタイム短縮につながります。
手書きの作業日報や点検チェックシートの集計
製造現場や建設現場では、タブレット入力への移行が難しく、依然として紙の手書き日報や点検シートが使われているケースが多くあります。これらの紙情報をkintoneに入力し直す作業は、現場監督や事務員の大きな負担となっています。
AI OCRを活用すれば、手書きの日報をスキャンまたは撮影するだけで、作業時間や生産数、点検結果の○×などをkintoneに自動集計できます。クセのある手書き文字でもAIが高い精度で認識するため、転記の手間はほぼゼロになります。
データが即座にkintoneに反映されることで、本部側でもリアルタイムに現場の状況を把握できるようになり、迅速な意思決定やトラブル対応が可能になります。アナログな現場の良さを残しつつ、デジタルデータの利便性を享受できる活用法です。
名刺や運転免許証からの顧客情報・本人確認情報の登録
営業活動で交換した名刺や、サービス申込時に提示された運転免許証などの本人確認書類も、AI OCRの得意分野です。スマートフォンで撮影するだけで、氏名、会社名、住所、電話番号などを瞬時にテキスト化し、kintoneの顧客管理アプリに登録できます。
名刺情報の入力待ち時間がなくなることで、お礼メールの送信や次回の提案準備といった営業活動にすぐにとりかかることができます。また、入力ミスによる住所間違いや名前の間違いといった失礼を防ぐことにもつながります。
本人確認業務においては、目視での確認とあわせてAIによる読み取りを行うことで、確認漏れを防ぎ、厳格な情報管理体制を構築することができます。
FAXで届く注文書の受注管理アプリへの登録
卸売業やメーカーなど、受発注業務においてまだFAXが主流という業界は少なくありません。FAXで届く注文書は手書きの場合も多く、受注システムへの入力作業が業務を圧迫しています。
複合機で受信したFAXデータを自動的にクラウドへ転送し、AI OCRで注文内容を読み取ってkintoneの受注管理アプリへ登録する仕組みを構築すれば、受注入力の自動化が実現します。
kintone上で在庫情報と照らし合わせたり、出荷指示を出したりといった後続の業務もスムーズになります。「FAXを見るために出社する」といった働き方から脱却し、テレワーク対応を進めるための切り札としても有効です。
導入前に確認すべき注意点とセキュリティ
AI OCRは非常に便利なツールですが、導入にあたっては留意すべき点もあります。特に企業の大切な情報を扱うため、セキュリティ面や運用ルールについては事前にしっかりとした設計が必要です。
導入後にトラブルにならないよう、事前に確認しておくべき2つの重要なポイントについて解説します。
機密情報・個人情報の取り扱いとデータ保持ポリシー
請求書や顧客リストなど、OCRで扱うデータには機密情報や個人情報が含まれています。そのため、選定するツールがどのようなセキュリティ対策を講じているかを確認することは必須です。通信の暗号化はもちろん、アップロードされた画像データがサーバー上にどのように保存され、いつ削除されるのかといったデータ保持ポリシーを確認しましょう。
特に、読み取ったデータがAIの学習用データとして二次利用されるか否かは重要なチェックポイントです。多くの法人向け有料サービスでは「学習に利用しない」設定が可能ですが、無料ツールや一部のサービスでは利用規約で学習利用が明記されている場合があります。
参考情報として、法人向けサービスの中には、データがAIの学習に使われず安全に活用できる環境を提供するもの(例:ChatSenseのような概念を持つサービス)も増えています。自社のセキュリティポリシーに合致したツールを選定してください。
生成AIを企業利用する際のリスクと、その具体的な対策については、こちらの記事で徹底解説しています。 合わせてご覧ください。
100%の精度ではない前提での「確認・修正フロー」の設計
AIの技術は日々進化していますが、それでもOCRの読み取り精度は100%ではありません。原本の汚れ、極端な崩し字、複雑なレイアウトなどによって、誤認識が発生する可能性は必ず残ります。
そのため、AI OCRを導入する際は「人間による確認・修正」を必ず業務フローに組み込む必要があります。「AIがやったから正しい」と思い込まず、kintoneに登録されたデータと原本画像を突き合わせて確認する工程を設けましょう。
重要なのは、その確認作業を含めても「従来の手入力より圧倒的に早い」状態を作ることです。確認しやすいUIを持つツールを選んだり、確認が必要な項目(金額など)と不要な項目(備考など)を分けたりするなど、運用面での工夫も成功の鍵となります。
kintoneとAI OCRに関するよくある質問
最後に、kintoneとAI OCRの導入を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
スマートフォンやタブレットでの撮影画像も読み取れますか?
はい、多くのAI OCRプラグインやツールがスマートフォンやタブレットで撮影した画像の読み取りに対応しています。特に「モジトリ」のようにモバイル利用に特化したツールであれば、撮影時の手ブレ補正や台形補正などの機能も備わっており、外出先や現場でもスムーズにデータ化が可能です。ただし、撮影環境(照明の反射や影)によっては認識精度が落ちる場合があるため、撮影時のコツをマニュアル化しておくと良いでしょう。
無料のOCRプラグインやトライアルはありますか?
完全無料で使い続けられる高精度なAI OCRプラグインは少ないですが、多くの有料ツールが「30日間の無料トライアル」や「月間〇枚まで無料」といったお試しプランを提供しています。導入前に実際の自社の帳票を使って、読み取り精度や操作感をテストすることは非常に重要です。まずは複数のツールのトライアルを申し込み、比較検討することをおすすめします。
手書きの崩れた文字でも認識されますか?
はい、最新のAI OCRはディープラーニング技術により、かなりの精度で手書き文字を認識します。多少の崩れ字やクセ字、枠からはみ出した文字であっても、前後の文脈などから推測して正しくデータ化できるケースが増えています。ただし、人間でも判読できないような文字はAIでも認識が難しいため、運用ルールとして「丁寧な記入」を現場に促すことも精度向上のためには有効です。
【警告】「AI OCR導入」が逆に現場を疲弊させる?見落とされがちな落とし穴
「AI OCRを入れたから、入力業務はこれで解決」――。もし経営層や管理職がそう安心しきっているなら、現場では静かな悲鳴が上がっているかもしれません。
株式会社ハンモックの実態調査によると、AI OCR導入企業の約6割が「確認作業の手間がなくならない」という新たな課題に直面していることが明らかになりました。
これは、AIが読み取ったデータを目視で一文字ずつチェックするという、本来不要なはずの「二重チェック業務」が発生しているためです。この状態が続くと、以下のようなリスクが生じます。
- 業務時間の肥大化: 自動化されたはずの入力作業に、人間が張り付いて監視し続ける矛盾。
- 現場のモチベーション低下: 「結局、手で打った方が早いのでは?」という不信感の蔓延。
- DXの停滞: ツール導入自体が目的化し、業務プロセスそのものの見直し(BPR)が進まない。
便利なツールを導入したはずが、かえって「確認」という名の新たな単純作業を生み出し、組織の生産性を停滞させてしまう可能性があるのです。
引用元:
株式会社ハンモックが実施した「AI OCR導入の実態調査」によると、導入企業の約8割が何らかの課題を感じており、そのうち56.9%が「確認作業の手間がなくならない」と回答しました。(株式会社ハンモック「AI OCR導入の実態調査」2022年)
【実践】「入力担当」から「データ管理者」へ。kintone×AIで実現する真の業務変革
では、成果を出している企業はAI OCRをどう活用しているのでしょうか?答えは、AIを単なる「文字起こしツール」ではなく、「業務プロセスを回す自律的なエージェント」として扱っている点にあります。
MM総研の調査によれば、AI OCR導入企業の8割以上が、データ作成時間の削減やミス発生率の改善に成功しています。成功企業に共通する「賢い」向き合い方は以下の通りです。
- 「100%の精度」を求めない運用設計人間でも読み間違えるような文字をAIに完璧に読ませようとするのは非効率です。「疑わしいデータだけを人間がチェックする」フローをkintone上で構築し、AIが得意な定型処理は完全に任せる割り切りが重要です。
- 入力の「前後」も含めた自動化単に紙をデータ化するだけでなく、kintoneと連携させて「注文データが入ったら在庫を引き当てる」「請求書が届いたら承認フローを回す」といった、データ入力後のアクションまで自動化することで、真の時短効果が生まれます。
- AIを「新人スタッフ」として育てる最新の生成AI搭載型OCRであれば、読み取りルールを学習させたり、文脈判断を教えたりすることが可能です。ツールを使い捨てにするのではなく、自社の業務を理解したパートナーへと育て上げる視点が、DX成功の鍵となります。
まとめ
企業は労働力不足や業務効率化の課題を抱える中で、生成AIの活用がDX推進や業務改善の切り札として注目されています。
しかし、実際には「どこから手を付ければいいかわからない」「社内にAIリテラシーを持つ人材がいない」といった理由で、導入のハードルが高いと感じる企業も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。
Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用し、200種類以上の実用的なAIタスクをパッケージ化した生成AI活用プラットフォームです。
たとえば、メール作成や議事録作成、画像からの文字起こし、さらにレポート自動生成など、さまざまな業務を「アプリ」として選ぶだけで、誰でも直感的にAIを活用できます。
しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、データセキュリティが万全で、情報漏えいの心配もありません。
さらに、AIコンサルタントによる手厚い導入サポートがあるため、「何をどう使えばいいのかわからない」という初心者企業でも安心してスタートできます。
導入後すぐに効果を実感できる設計なので、複雑なプログラミングや高度なAI知識がなくても、すぐに業務効率化が図れる点が大きな魅力です。
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