チャットボット無料おすすめ15選【ずっと0円】自作方法や費用相場も解説

「お客様からの問い合わせ対応を自動化したいけれど、予算がかけられない」

「無料で使えるチャットボットを導入したいが、どれが自社に合っているのか分からない」

「自作ツールや海外製の無料プランなど選択肢が多すぎて迷ってしまう」

このような悩みを持っている担当者の方も多いのではないでしょうか?

チャットボットには、期間制限なしでずっと無料で使えるものから、高度なAI機能を搭載したトライアル版まで、多種多様なサービスが存在します。

本記事では、コストをかけずに導入できるおすすめの無料チャットボット15選と、失敗しない選び方、さらにはGoogleや最新AIを活用して自作する方法まで徹底解説しました。

企業のDX支援やAI導入コンサルティングを行っている知見をもとに、本当に使えるツールだけを厳選してご紹介します。

貴社の課題解決に役立つ最適なツールがきっと見つかりますので、ぜひ最後までご覧ください。

チャットボットの無料版と有料版の違いは?タダでどこまで使えるか解説

「無料のチャットボットといっても、結局は使い物にならないのではないか?」と不安に思う方もいるかもしれません。

しかし、近年のチャットボットは無料版であっても、基本的な自動応答機能やシナリオ設定など、実務で十分に活用できるレベルのものが増えています。

まずは、完全無料のタイプと有料版の違い、そして無料でどこまでの機能が利用できるのか、その境界線を明確にしていきましょう。

仕組みを正しく理解することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。

完全無料タイプと制限付き無料プラン(フリーミアム)の違い

無料で利用できるチャットボットには、大きく分けて2つのタイプが存在します。

1つ目は、期間や機能の制限がなく「永年無料」で利用できるタイプです。これはオープンソースソフトウェア(OSS)や、WordPressのプラグインなどが該当します。自社サーバーに設置する必要がある場合もありますが、ランニングコストを完全にゼロにできるのが最大のメリットです。

2つ目は、有料ツールの下位プランとして提供される「フリーミアム」タイプです。初期費用や月額費用は無料ですが、月間のチャット回数や登録できるシナリオ数、有人対応機能などに制限が設けられています。

多くの企業向けツールはこのフリーミアムモデルを採用しており、HubSpotなどが代表例です。このタイプは、ツール自体の完成度が高く、管理画面も使いやすい傾向にありますが、利用頻度が増えると有料プランへの移行が必要になるケースがあります。

導入を検討する際は、今の運用規模で無料枠内に収まるのか、あるいは将来的に課金する価値があるツールなのかを見極めることが重要です。

無料チャットボットで「できること」と「できないこと」

無料チャットボットで「できること」の代表例は、定型的な質問への自動回答です。

あらかじめ設定したシナリオに沿って、「営業時間を知りたい」「料金プランを見たい」といったよくある質問に対して、24時間365日休まずに応答させることが可能です。また、簡単なアンケートの収集や、Webサイト上の特定のページへの誘導なども無料の範囲内で行えます。

一方で、「できないこと」として挙げられるのが、高度な分析や複雑な外部連携です。

例えば、ユーザーとの過去の会話履歴に基づいたパーソナライズされた提案や、CRM(顧客管理システム)と深く連携して自動で商談を作成するといった機能は、有料プラン限定である場合がほとんどです。

また、デザインのカスタマイズ性にも制限があることが多く、自社のブランドカラーに合わせてチャットウィンドウを自由に変更したり、企業ロゴを大きく配置したりすることができない場合もあります。

「まずは問い合わせ数を減らしたい」というシンプルな目的であれば無料版で十分ですが、マーケティングデータを詳細に分析したい場合は、機能不足を感じる可能性があるでしょう。

AI型かシナリオ型か?無料で使える機能の差

チャットボットには、ルールベースで動く「シナリオ型」と、自然言語処理を用いる「AI型」の2種類があります。

無料で提供されているチャットボットの多くは「シナリオ型」です。これはフローチャートのように会話の分岐を事前に設定する仕組みで、設定が簡単で挙動が予測しやすいというメリットがあります。ユーザーが選択肢を選んで進む形式なので、表記ゆれによる回答ミスも起きません。

一方、「AI型」は、ユーザーが入力した自由な文章を理解し、適切な回答を生成または検索して提示します。

従来、高性能なAI型チャットボットは高額な費用がかかるのが一般的でしたが、最近では状況が変わってきました。

ChatGPTなどの生成AI技術の普及により、APIを活用して安価または無料でAIチャットボットを自作できる環境が整いつつあります。

例えば、2025年現在ではGPT-5などの最新モデルが登場しており、これらを組み込んだオープンソースのチャットボット開発ツール(Difyなど)を使えば、無料で極めて高度なAIチャットボットを構築することも夢ではありません。

ただし、AI型を無料で運用する場合、API利用料が従量課金で発生することがあるため、完全無料とはいかないケースがある点には注意が必要です。

生成AIへの支出額は急速に拡大しており、今後も多くの企業で導入が進むと予測されています。市場の動向については、Gartnerの最新予測データも参照してください。 https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2025-03-31-gartner-forecasts-worldwide-genai-spending-to-reach-644-billion-in-2025

失敗しない無料チャットボットの選び方3つのポイント

無料だからといって、安易に導入を決めてしまうのは危険です。

たとえコストがかからなくても、設定に膨大な時間を費やした挙句、自社のWebサイトでうまく動作しなかったり、必要な機能が欠けていたりすれば、それは大きな損失となります。

数ある無料チャットボットの中から、自社に最適なツールを選び抜くために、必ず確認すべき3つの視点をご紹介します。

導入目的で選ぶ(問い合わせ自動化・CV獲得・社内FAQ)

チャットボットを導入する目的は企業によって異なりますが、大きく分けて「問い合わせ対応の自動化」「コンバージョン(CV)獲得」「社内FAQ」の3つがあります。

問い合わせ対応の自動化が目的であれば、Q&Aを簡単に追加・修正できる管理画面の使いやすさが重要です。質問数が多い場合は、キーワード検索に対応しているツールを選ぶと良いでしょう。

CV獲得、つまり資料請求や来店予約を増やしたい場合は、チャットボットから直接フォーム入力ができる機能や、魅力的なポップアップ表示ができる機能が求められます。

ユーザーの購買意欲が高まったタイミングで能動的に話しかける機能があれば、成果に繋がりやすくなります。

社内FAQとして利用する場合は、セキュリティと情報の検索性が最優先です。社外秘の情報を含む可能性があるため、データが学習に利用されない設定ができるか、アクセス制限がかけられるかを確認する必要があります。

無料ツールの中には、商用利用は可能でも社内利用向けのセキュリティ要件を満たしていないものもあるため、利用規約をよく確認しましょう。

ChatGPTに社内データを学習させる方法や、学習利用を避けるための設定については、こちらの記事で詳しく解説しています。 合わせてご覧ください。

設置場所で選ぶ(Webサイト・LINE・WordPress)

チャットボットをどこに設置したいかによって、選ぶべきツールは限定されます。

最も一般的なのは、自社のWebサイト(HTMLサイト)への設置です。この場合、JavaScriptのタグを1行埋め込むだけで表示できるクラウド型のツールが便利です。

もし、自社サイトがWordPressで構築されているなら、WordPress専用のプラグインを選ぶのが最も手軽です。プラグインであれば、コードを編集することなく、管理画面からインストールして有効化するだけで導入が完了します。

また、Webサイトではなく「LINE公式アカウント」でチャットボットを運用したいというニーズも増えています。

LINEは日本国内で圧倒的な利用率を誇るため、BtoCビジネスにおいては非常に有効です。LINE公式アカウント自体にも基本的な応答機能は備わっていますが、より複雑なシナリオを組みたい場合は、LINEと連携できる外部の無料ツールを選ぶ必要があります。

設置場所とツールの相性が悪いと、デザインが崩れたり、スマートフォンで正しく表示されなかったりするトラブルの原因になります。

実装難易度で選ぶ(ツール利用・プラグイン・自作開発)

チャットボットの導入難易度は、ツールによって天と地ほどの差があります。

最も簡単なのは、クラウド型のチャットボットツールを利用することです。これらは「ノーコード」で作れるように設計されており、マウス操作だけでシナリオを作成できます。ITスキルに自信がない担当者でも、当日から運用を開始できるでしょう。

次に簡単なのが、WordPressプラグインです。既存のWordPress環境があればスムーズですが、プラグイン同士の競合や設定項目が英語である場合などのハードルが少しだけあります。

最も難易度が高いのが、APIやフレームワークを使った自作開発です。

GoogleのDialogflowや、MicrosoftのAzure AI Bot Serviceなどは、非常に高機能ですが、プログラミングの知識やクラウドサーバーの構築スキルが求められます。

自作開発は自由度が無限大ですが、保守管理も自分たちで行う必要があるため、社内にエンジニアがいる場合を除いて、まずはノーコードで使えるツールから検討することをおすすめします。

【ずっと無料】期間制限なしで使えるおすすめチャットボット

ここからは、トライアル期間の終了を気にすることなく、永年無料で使い続けられるおすすめのチャットボットを紹介します。

機能制限こそありますが、小規模な運用や、まずはチャットボットの効果を検証したいというフェーズには最適です。

それぞれのツールの特徴を理解し、自社の環境に合うものを見つけてください。

IZANAI(イザナイ)

IZANAIは、プログラミング不要で直感的にシナリオを作成できる、国産の無料チャットボットツールです。

最大の魅力は、無料プランでありながら「シナリオ数無制限」である点です。多くの無料ツールがシナリオ数に上限を設けている中、IZANAIなら複雑な分岐条件を持つ会話フローも自由に作り込むことができます。

また、チャットウィンドウのデザインカスタマイズ性が高く、アイコンやカラーを自社サイトのトーン&マナーに合わせやすいのも特徴です。

ボタン形式の選択肢だけでなく、カード形式で商品を魅力的に見せるカルーセル表示なども可能で、視覚的に優れたUIを提供できます。

導入も簡単で、発行されるタグをWebサイトに貼るだけで完了します。

ただし、無料プランでは月間の会話数や、一部の高度な機能に制限がかかる場合があるため、アクセス数が非常に多い大規模サイトでの利用には注意が必要です。それでも、国産ツールならではの分かりやすい日本語マニュアルと管理画面は、初めて導入する企業にとって大きな安心材料となるでしょう。

HubSpot(ハブスポット)

HubSpotは、世界中で利用されているマーケティングプラットフォームであり、その機能の一部として非常に高機能なチャットボット作成ツール(Chatflows)を無料で提供しています。

このツールの最大の強みは、HubSpotの無料CRM(顧客関係管理)機能と完全に統合されている点です。

チャットボット経由で獲得したリード情報(名前やメールアドレスなど)は、自動的にCRMデータベースに保存されます。これにより、チャットでのやり取りを履歴として残し、後のメールマーケティングや営業活動にシームレスに繋げることが可能です。

チャットボットの作成も、ドラッグ&ドロップのビジュアルエディタで行えるため、専門知識は不要です。

あらかじめ用意されたテンプレートを使えば、問い合わせ対応やミーティング予約などのボットを数分で立ち上げることができます。

ただし、無料版ではHubSpotのロゴがチャットウィンドウに表示されることや、複雑な分岐ロジックの一部が有料プラン向けとなっている点には留意してください。顧客管理まで一元化したい場合には最強の選択肢と言えます。

HubSpotのチャットボット機能や無料CRMの詳細については、公式サイトの製品ページをご確認ください。 https://www.hubspot.com/products/crm/chatbot-builder

AI Engine(WordPressプラグイン)

AI Engineは、WordPressサイトにChatGPTなどの生成AIを簡単に組み込むことができる人気のプラグインです。

このプラグインを使えば、自分のWordPressサイト上に、AIが自動で応答するチャットボットを設置できます。

シナリオ型とは異なり、ユーザーの自由入力に対してAIが自然な文章で回答してくれるため、FAQの網羅性を気にすることなく、幅広い質問に対応可能です。

また、サイト内の記事や特定のテキストデータをAIに学習させる(コンテキストとして与える)機能もあり、「サイト内の情報に基づいて回答するボット」を作ることも可能です。

基本機能は無料で利用できますが、AIを動かすためのOpenAIのAPIキーが別途必要になります。

API利用料は従量課金ですが、GPT-4o miniや最新のGPT-5 API(gpt-5-miniなど)を利用すれば、コストを非常に低く抑えることができます。

WordPressを利用していて、かつ最新のAI技術を活用したチャットボットを低コストで導入したい方におすすめです。

プラグインのダウンロードや最新の対応バージョンについては、WordPress公式サイトのプラグインページで確認できます。 https://wordpress.org/plugins/ai-engine/

WPBot(WordPressプラグイン)

WPBot(ChatBot for WordPress)は、WordPress専用のチャットボットプラグインとして長く親しまれているツールです。

AI Engineが生成AIを活用するのに対し、WPBotは従来のシナリオ型やキーワード応答型の機能を基本としています(有料版でDialogflow連携なども可能)。

インストールするだけで、「Start」などの基本メニューが表示され、サイト内の記事検索や、メール送信フォームへの誘導などを自動で行ってくれます。

管理画面から「もしユーザーが『料金』と入力したら、『こちらのページをご覧ください』と返す」といった単純なキーワード応答ルールを簡単に設定できます。

また、ユーザーがボットとの会話を諦めた場合に、管理者へメール通知を送る機能なども備えています。

無料版でも十分に実用的ですが、英語ベースのプラグインであるため、設定画面の一部が英語表記となる点には慣れが必要です。

しかし、WordPressとの親和性は抜群で、動作も軽量であるため、サーバーへの負荷を気にせず導入できる点がメリットです。

AnyChat(エニーチャット)

AnyChatは、チャットボットだけでなく、有人チャット対応も含めた統合的なコミュニケーションツールです。

無料プランでも、Webサイトへのチャットボット設置が可能で、自動応答と有人対応の切り替え(ハイブリッド運用)ができる点が大きな特徴です。

例えば、ボットでは解決できない複雑な質問が来た場合に、管理画面からスタッフが会話を引き継いで直接対応するといった運用が可能です。

また、LINE公式アカウントやFacebookメッセンジャーとの連携機能も持っており、複数のチャネルからの問い合わせを一元管理したい場合に重宝します。

国産ツールであるため、サポートサイトやUIが完全な日本語対応しており、安心して利用できます。

ただし、無料プランでは月間の対応件数や、登録できるユーザー数に上限があります。

まずは小さく始めて、有人対応と自動応答のバランスを見極めたいという企業に適したツールです。

LINE公式アカウント

多くの企業が見落としがちですが、LINE公式アカウント自体も立派な無料チャットボットツールとして活用できます。

LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)には、「AI応答メッセージ」や「応答メッセージ」という機能が標準で備わっています。

これらを使えば、特定のキーワードに対して自動で返信したり、リッチメニューをタップした際に指定のメッセージを送ったりする簡易的なボットを作成可能です。

特に「カードタイプメッセージ」を活用すれば、商品の画像と説明をカルーセルで表示し、Webサイトへ誘導するといったリッチな表現も無料で実現できます。

国内で9,000万人以上が利用するLINEというプラットフォーム上で動くため、ユーザーにとって新たなアプリのインストールや操作学習の負担がありません。

Webサイト上のチャットボットではありませんが、顧客との接点としてLINEを重視している場合は、外部ツールを導入する前に、まずはLINE公式アカウントの標準機能を使い倒してみることをおすすめします。

LINE公式アカウントの効果的な活用テクニックについては、LINEヤフー株式会社が提供するこちらのコラム記事も参考になります。 https://www.lycbiz.com/jp/column/line-official-account/technique/20200204/

【Google・AI活用】高性能なチャットボットを無料で自作・開発する

市販のツールでは機能が足りない、あるいはもっと自由な発想でAIチャットボットを作りたいという場合は、開発プラットフォームを使って自作する方法があります。

「開発」といっても、最近はノーコードで構築できる環境が整っており、エンジニアでなくても挑戦できるようになってきました。

ここでは、GoogleやMicrosoft、そして最新の生成AIを活用した開発ツールを紹介します。

生成AIの社内開発を具体的に検討したい場合は、メリットや進め方を解説したこちらのガイド記事が参考になります。 合わせてご覧ください。

Dialogflow / Vertex AI Agent Builder(Google製)

Dialogflowは、Google Cloudが提供する対話型AIプラットフォームであり、現在は最新の生成AI機能を統合した「Vertex AI Agent Builder」の一部としても位置づけられています。

最大の特徴は、Googleの圧倒的なデータと技術力に裏打ちされた言語解析能力です。 従来型の「Dialogflow ES(Essentials)」であれば、無料枠内で小規模な運用が可能であり、ユーザーの曖昧な発言から「意図(インテント)」を正確に汲み取るルールベースのボット作成に適しています。

一方、最新の生成AIを活用したい場合は「Dialogflow CX」やVertex AIの機能を利用することで、より柔軟な会話が可能になります。 LINEやSlackなど多様なプラットフォームへの統合も容易で、Googleの最新技術を使いこなしたいエンジニア寄りの担当者におすすめです。

Dialogflowの具体的な料金体系や無料枠の条件については、Google Cloudの公式料金ページをご覧ください。 https://cloud.google.com/products/conversational-agents/pricing

Microsoft Copilot Studio(旧 Power Virtual Agents)

Microsoft Copilot Studioは、Microsoftが提供するローコードの対話型AI作成プラットフォームです。 Azure AIの技術を基盤としており、直感的な操作でチャットボット(Copilot)を作成でき、特にMicrosoft 365やTeamsとの連携に強みを持っています。

以前は「Bot Framework Composer」等の開発ツールが必要でしたが、現在はブラウザ上のグラフィカルな管理画面だけで完結します。 Webサイトや社内ドキュメントを指定するだけで、生成AIが自動で回答を作成する機能も標準搭載されており、開発工数を劇的に削減できます。

一部機能は有料ですが、開発者向けの無料プランやAzureの無料枠を活用することで、コストを抑えた検証や小規模運用が可能です。 社内のTeamsにボットを常駐させたい場合や、セキュリティ重視の企業利用において最適な選択肢となります。

Dify(最新の生成AIを活用)

Difyは、現在最も注目を集めているオープンソースのLLM(大規模言語モデル)アプリ開発プラットフォームの一つです。

ChatGPT(OpenAI)やClaude(Anthropic)、Gemini(Google)など、様々な最新AIモデルを簡単に切り替えて利用できるチャットボットを、ノーコードで作成できます。

特筆すべきは「RAG(検索拡張生成)」の構築が容易な点です。自社のPDFマニュアルやテキストデータをDifyにアップロードするだけで、その知識に基づいた回答をするAIボットがあっという間に完成します。

オープンソース版を自社サーバーやローカル環境に立ち上げれば、ツール自体の利用料は無料です(AIモデルのAPI利用料は別途発生します)。

GPT-5のような最新モデルが登場した際も、APIキーを設定するだけですぐにボットの頭脳をアップグレードできる柔軟性は、パッケージ型のツールにはない大きな魅力です。

社内ナレッジ検索や、高度な推論を必要とする業務支援ボットを作りたいなら、Difyは有力な候補です。

Difyのオープンソース版の仕様や、クラウド版の料金プランについては、公式サイトで詳しく解説されています。 https://dify.ai/pricing

Coze(ノーコードでAIボット作成)

Cozeは、TikTokを運営するByteDance社が提供している、次世代のノーコードAIボット作成プラットフォームです。

GPT-4やGPT-4oなどの高性能なモデルを無料で利用できる(利用制限やポリシーは変更される可能性があります)点が大きな話題となりました。

Cozeの凄さは、単なる会話だけでなく「プラグイン」や「ワークフロー」を組み合わせられる点にあります。

例えば、Google検索で最新ニュースを取得させたり、画像生成AIで絵を描かせたり、特定のWebサイトの内容を要約させたりといった複雑なタスクをこなすボットを、ブロックを並べるだけで作ることができます。

作成したボットは、DiscordやTelegram、LINEなどのメッセージアプリにワンクリックで公開可能です。

個人の趣味利用から、業務効率化のプロトタイプ作成まで、圧倒的な手軽さと高機能を両立しており、AIチャットボット自作の敷居を劇的に下げたツールと言えます。

【無料トライアルあり】安くて高機能なチャットボットおすすめ

「ずっと無料」にこだわらず、月額数千円程度の低コストであれば有料ツールも検討したいという方もいるでしょう。

有料ツールには、手厚いサポートや高度な分析機能、そして使いやすい管理画面が備わっています。

ここでは、無料トライアル期間が用意されており、実際に試してから導入を決められる、コストパフォーマンスの高いツールを紹介します。

ChatPlus(チャットプラス)

ChatPlusは、月額1,500円(税抜)からという業界最安水準の料金体系でありながら、機能の豊富さで支持されているチャットボットツールです。

ID発行数は20,000社を超えており、その実績が信頼の証です。

基本的な自動応答はもちろん、IPアドレスによる企業情報の判別、訪問者の行動履歴に基づいたアプローチ、チケット管理システムなど、マーケティングオートメーションに近い機能まで搭載しています。

JavaScriptタグを設置するだけで即日運用開始でき、初期設定もテンプレートが充実しているためスムーズです。

無料トライアル期間中にすべての機能を試すことができるため、自社の運用にフィットするかどうかをじっくり検証できます。

「とにかく安く、でも機能には妥協したくない」というワガママな要望に応えてくれるツールです。

さっとFAQ

さっとFAQは、その名の通り「FAQ(よくある質問)」の作成と運用に特化したチャットボットサービスです。

Excelで作成したQ&Aリストをアップロードするだけで、AIが自動的にチャットボットとFAQページを生成してくれます。

会話形式のボットだけでなく、検索窓付きのFAQサイトも同時に作れるため、ユーザーの自己解決率を大幅に向上させることが可能です。

学習機能も搭載しており、ユーザーの検索ログや評価ボタンの結果を分析して、回答精度を徐々に高めていくことができます。

30日間の無料トライアルがあり、管理画面の使い勝手や、Excel連携の手軽さを体験できます。

問い合わせ対応の工数削減が最大の目的である場合、余計な機能がない分、シンプルで運用しやすいツールです。

GENIEE CHAT

GENIEE CHAT(旧Chamo)は、Web接客ツールとして進化してきた背景を持つチャットボットです。

単に質問に答えるだけでなく、ユーザーの属性やサイト内での行動(どのページを何秒見たかなど)に合わせて、最適なタイミングでポップアップメッセージを表示することを得意としています。

これにより、離脱しようとしているユーザーを引き留めたり、キャンペーン情報をプッシュしたりといった、攻めの運用が可能です。

EFO(入力フォーム最適化)機能も備えており、チャット画面内で住所や氏名を入力完了させることで、CV率の向上が期待できます。

無料トライアルで、その洗練されたUIと、Web接客による効果を実感してみてください。

ECサイトや、リード獲得を重視するBtoBサイトにおすすめです。

OfficeBot

OfficeBotは、社内問い合わせ対応(社内FAQ)に特化したAIチャットボットです。

人事・総務・経理などのバックオフィス部門に寄せられる「経費精算の方法は?」「有給申請の書式は?」といった社内からの質問を自動化することを目的に設計されています。

独自開発の「FAQ学習AI」により、想定質問(学習データ)を大量に用意しなくても、Q&Aデータを登録するだけで高い回答精度を実現します。

また、回答が見つからない場合に、SlackやTeamsなどのビジネスチャットを通じて担当者へスムーズに通知・エスカレーションする機能も充実しています。

無料トライアルを利用して、社内のドキュメントや規定集をどれくらい認識できるか、テスト導入してみると良いでしょう。

社内の業務効率化、DX推進の第一歩として非常に導入しやすいツールです。

GoogleのDialogflow(ES)でチャットボットを自作する手順

無料でありながら高性能なチャットボットを構築できるGoogleのDialogflow。

最新のVertex AIなどの基盤となりますが、ここでは基本構造を理解するために、無料で手軽に利用できる「Dialogflow ES」を使って、Webサイトに埋め込み可能なチャットボットを自作する手順を解説します。

専門用語が出てきますが、手順通りに進めれば誰でも作成可能です。

Googleアカウントでの登録と初期設定

まず、Googleアカウントを用意し、Dialogflowの公式コンソール(Dialogflow ES Console)にアクセスします。

「Sign-in with Google」でログインした後、「Create Agent(エージェントの作成)」ボタンをクリックします。

エージェントとは、チャットボットの頭脳にあたるプロジェクト単位のことです。

設定画面では、以下の項目を入力します。

  • Agent name: 任意のボット名(例: MyShopBot)
  • Default Language: Japanese – ja(日本語を選択)
  • Default Time Zone: (GMT+9:00) Asia/Tokyo

これらを入力して「Create」を押すと、数秒で新しいボットの箱が完成します。これでチャットボットを作る準備が整いました。

質問と回答(インテント)の登録方法

次に、会話の中身を作っていきます。Dialogflowでは、会話のペアを「Intent(インテント)」と呼びます。

左メニューの「Intents」をクリックし、「Create Intent」ボタンを押します。

ここでは例として、「営業時間」を尋ねられたときの返答を作成しましょう。

  1. Intent name: 「BusinessHours」(分かりやすい名前を英数字で)
  2. Training phrases(トレーニングフレーズ): ユーザーが話しそうな言葉を登録します。
    • 「営業時間は?」
    • 「何時からやってますか」
    • 「お店が開く時間」などを入力してEnterキーで追加していきます。これらをAIが学習し、似たような表現にも反応できるようになります。
  3. Responses(レスポンス): ボットの返答を登録します。
    • 「当店の営業時間は、平日9:00〜18:00です。」と入力します。

最後に画面右上の「Save」ボタンを押すと、AIの学習(Training)が始まります。完了したら、右側の「Try it now」というテスト欄に「営業時間は?」と入力してみましょう。設定した回答が返ってくれば成功です。

作成したボットをWebサイトへ埋め込む方法

作成したチャットボットを、実際のWebサイトで使えるようにします。

Dialogflowには「Integrations(統合)」という機能があり、様々なプラットフォームと連携できますが、Webサイトへの埋め込みには「Web Demo」または「Dialogflow Messenger」を使用します。

左メニューの「Integrations」をクリックし、「Dialogflow Messenger」セクションを探して有効化(Enable)します。

すると、HTMLコードが表示されます。

<script src=”…”></script><df-messenger …></df-messenger> のような形式のコードです。

このコードをコピーして、自社のWebサイトのHTML(<body>タグ内の任意の場所)に貼り付けるだけで、画面右下にチャットボットのアイコンが表示されるようになります。

非常に手軽ですが、デザインを細かく変更したい場合はCSSの知識が必要になります。まずはこの方法で、自作ボットが動く感動を味わってみてください。

有料チャットボットの費用相場と料金比較

無料ツールを検討しつつも、将来的な拡張を見据えて有料ツールの相場感も知っておくことは重要です。

「高いツールは何が違うのか?」「安くても大丈夫なのか?」といった疑問に答えるべく、費用構造について解説します。

タイプ別に見る導入費用・月額料金の相場

チャットボットの料金は、提供形態によって大きく異なります。

1. クラウド型(SaaS):

最も一般的なタイプです。

  • 初期費用: 0円〜5万円程度
  • 月額費用: 1,500円〜10万円程度機能や会話数に応じてプランが分かれています。月額1万円以下のツールは「ミニマムな自動応答」、月額5万円以上になると「AI搭載」「有人連携」「分析機能」などが充実してくるイメージです。

2. 開発型(SI):

企業ごとにオーダーメイドで開発するタイプです。

  • 初期費用: 100万円〜数千万円
  • 月額費用: 保守費として数十万円〜大手金融機関や自治体など、独自のセキュリティ要件や複雑なシステム連携が必要な場合に選ばれます。

3. WordPressプラグイン(有料版):

  • 買い切り: 5,000円〜1万円程度
  • サブスク: 年額1万円程度比較的安価に導入できるのが魅力です。

料金が「安い」ツールと「高い」ツールの決定的な違い

価格差の最大の要因は、「AIの精度・種類」と「サポート体制」にあります。

安いツール(数千円程度)は、主にシナリオ型です。AIといっても簡易的なキーワードマッチングであることが多く、メンテナンスは全てユーザー自身で行う必要があります。

一方、高いツール(月額10万円〜)には、高性能な自然言語処理AIが搭載されています。表記ゆれの吸収や、文脈理解の能力が高く、正答率を維持するためのチューニング(学習データの調整)をベンダー側が代行してくれる「運用サポート」が含まれていることもあります。

また、Salesforceやkintoneなどの外部システムとの連携コネクタが標準装備されているかどうかも、価格に影響します。

AIチャットボットを安く導入するためのコツ

コストを抑えてAIチャットボットを導入するには、「スモールスタート」と「API活用」が鍵となります。

最初から全社展開を目指さず、まずは「特定の製品のFAQだけ」「採用サイトだけ」といった限定的な範囲で導入し、安いプランから始めましょう。

また、ツール自体は安価なものを選び、頭脳となるAI部分にChatGPTなどのAPI(従量課金)を利用するタイプを選ぶのも賢い方法です。

OpenAIのAPI料金は年々低下しており、例えばGPT-4o miniなどの軽量モデルを使えば、非常に高性能なAIボットを、従来のエンタープライズ製品の数分の一のコストで運用できる可能性があります。

「AI=高い」という常識は変わりつつあります。最新の技術トレンドを押さえたツール選びが、コスト削減の近道です。

無料チャットボット利用時に注意すべきリスクと対策

最後に、無料チャットボットを利用する上で避けて通れないリスクと、その対策についてお伝えします。

「タダより高いものはない」とならないよう、事前にしっかりと対策を講じておきましょう。

情報漏洩リスクとセキュリティ対策

無料のWebサービスを利用する際、最も懸念されるのがセキュリティです。

特に海外製の無料ツールや、個人開発のプラグインの中には、セキュリティ更新が滞っていたり、データの取り扱いポリシーが曖昧だったりするものも存在します。

入力されたチャットの内容が暗号化されずに送信されていたり、サービス提供側のAI学習データとして無断で利用されたりするリスクがあります。

対策として、以下の点は必ず確認してください。

  • 個人情報(氏名、電話番号、クレカ情報など)を入力させる運用は避ける。
  • プライバシーポリシーを確認し、データが第三者に提供されないかチェックする。
  • 社内利用の場合は、情報システム部門の承認を得る。

特に、ChatGPTなどの生成AIを利用する場合は、「API経由であれば学習に使われない」という仕様になっていることが多いですが(2025年現在、OpenAIのEnterprise版やAPI利用はデフォルトで学習利用なし)、各ツールの規約を個別に確認することが不可欠です。

生成AIの利用に伴うリスクや対策については、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開しているガイドラインも非常に有益ですので、一読をおすすめします。 https://www.ipa.go.jp/jinzai/ics/core_human_resource/final_project/2024/generative-ai-guideline.html

サポート対応の有無と運用工数の負担

無料ツールの多くは、電話やメールによる有人サポートを提供していません。

操作方法が分からなかったり、不具合が発生したりした場合でも、基本的にはオンラインのマニュアルやコミュニティフォーラムを見て、すべて自力で解決する必要があります。

システムに詳しい担当者がいれば問題ありませんが、そうでない場合、トラブル対応に膨大な時間が取られ、本来の業務を圧迫してしまう「見えないコスト」が発生します。

対策として、導入前にマニュアルが日本語で充実しているかを確認しましょう。また、どうしても解決できない場合に備えて、有料プランへのアップグレードでサポートが受けられるようになるツールを選んでおくと、保険になります。

運用工数の負担を甘く見ず、自社のリソースで管理しきれる範囲のツールを選ぶことが、長期的な成功の秘訣です。

生成AI・チャットボット依存で「思考力」は低下する?賢く使いこなすための3つの指針

チャットボットやChatGPTなどの生成AIツールは、業務効率を劇的に向上させる一方で、使い方を誤ると私たちの「考える力」を奪う諸刃の剣にもなり得ます。

マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究チームが行った実験では、生成AIを使用することで作業スピードと品質が向上する一方で、AIの回答を無批判に受け入れてしまう「思考の外部委託」が発生しやすいことが示唆されています。

特に、AIが誤った情報を提示した場合でも、人間がそれを見抜けずに採用してしまうリスク(幻覚への同調)が確認されており、これは脳が「省エネモード」になり、批判的思考プロセスを省略している証拠とも言えます。

便利なツールに頼りすぎることで懸念されるリスクは主に以下の3点です。

  • 批判的思考力の低下:AIの出力結果に対する検証がおろそかになり、「なぜそうなるのか」を深く考えなくなる。
  • 知識の定着率の低下:苦労して調べたり考えたりするプロセスが抜けるため、記憶として脳に定着しにくくなる。
  • 創造的意欲の減退:0から1を生み出す苦しみを避けるようになり、独自のアイデアを発想する「脳の筋力」が衰える。

しかし、トップレベルの研究者やビジネスパーソンは、AIを単なる「回答マシン」ではなく、自らの思考を拡張するための「スパーリングパートナー」として活用しています。

思考停止に陥らず、逆にAIを使って脳を活性化させるための具体的な3つの活用法をご紹介します。

活用法①:思考の「壁打ち相手」として批判させる

自分の企画やアイデアをより強固なものにするために、AIにあえて「辛口の批評家」を演じさせましょう。

「この企画案に対して、論理的な矛盾点や懸念されるリスクを厳しく指摘してください」と指示することで、自分では気づかなかった死角を発見できます。AIからの指摘に反論したり、案を修正したりするプロセスこそが、高度な思考トレーニングになります。

活用法②:あえて「無知な生徒」役になってもらう

「教えることは学ぶこと」と言われるように、誰かに説明することで自分の理解度は深まります。

AIに「あなたはこの分野の初心者です。私の説明を聞いて、分からないことがあれば質問してください」と設定し、講師役になってみましょう。AIからの素朴な質問に答えることで、知識の曖昧な部分が浮き彫りになり、体系的な理解が進みます。

活用法③:異質な要素を組み合わせる「触媒」にする

AIに「正解」を求めるのではなく、意外性のある「組み合わせ」を提案させましょう。

「この課題に対し、全く異なる業界の成功事例を応用した解決策を5つ挙げて」といったプロンプトを投げることで、自分の頭の中にはない視点を得られます。それをヒントに最終的なアイデアを練り上げるのは人間です。AIを触媒として化学反応を起こすことで、創造性は飛躍的に高まります。

引用元:

Noy, S., & Zhang, W. (2023). “Experimental evidence on the productivity effects of generative artificial intelligence”. Science. (MITの大学院生による、生成AIが専門職のライティングタスクに与える影響と、AIへの過度な依存に関する研究)

Dell’Acqua, F., et al. (2023). “Navigating the Jagged Technological Frontier: Field Experimental Evidence of the Effects of AI on Knowledge Worker Productivity and Quality”. Harvard Business School Technology & Operations Mgt. Unit Working Paper. (AIを使用することでパフォーマンスは向上するが、AIの誤りを見抜けなくなるリスクについてのBCGとハーバード大学等の共同研究)

まとめ

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