OpenAIが開発したAIチャットボット、ChatGPTに「Custom instructions」という新機能が導入されました。
今回PROMPTYではそんな「Custom instructions」とはどんな機能なのか、設定方法、具体的な使い方と、「Custom instructions」を使用する際に役立つプロンプトのテンプレートについてご紹介していきたいと思います。
Custom instructionsとは
Custom instructionsは、ユーザーが事前に設定を行うことで、目的に応じた出力方法(回答)を設定できるようになる機能です。
最初の段階では、この新機能はChatGPT Plus(有料会員)の契約ユーザー向けに提供されています。しかし、OpenAIの発表によれば、将来的には全てのユーザーが利用可能となる予定です。
Custom instructionsの設定方法
Custom instructionsの活用には、以下の手順に従って設定を行う必要があります。
- まず、ChatGPT Plusの契約を行います。
- 次に、ChatGPTの画面左下にあるメニュー欄から「Settings」を選択します。
- 最後に、「Custom instructions」の設定を行うことで、機能が利用可能となります。
以上の手順により、ChatGPTがより使いやすく、柔軟なツールへと進化します。
①ChatGPT Plusの契約を行う
Custom instructions機能を仕様するためには、ChatGPT Plus(有料会員)の登録が必須です。他にも先日公開されたデモ機能「Code Interpreter」やより高性能なモデルGPT-4の仕様が可能なので、是非登録を行ってみてください。
ChatGPT Plusの登録方法は次の記事で詳細に紹介しています。
②Setting画面からCustom instructionsを有効化する
次に設定画面からCustom instructionsを有効化する必要があるので、その方法を説明していきます。

まずは、ChatGPTのホーム画面の左下にある、アカウント名の右の「…」ボタンをクリックします。(画像赤枠)

次に表示されるメニューの中にある「Settings & Beta」をクリックして、設定画面を開きます。

次に、Settingsの左タブから「Beta features」をクリックし、「Custom instructions」の項目をONにすることによってCustom instructionsの有効化が可能です。機能が有効になると、画像のように緑色の表示に切り替わります。
操作が完了した方はSetting画面を閉じていただいても構いません。
③Custom instructionsの設定を行う
Custom instructionsは、ユーザーが事前に設定を行うことで、目的に応じた出力方法(回答)を設定できるようになる機能です。最後にその「目的」と「出力方法」を設定する必要があります。

設定方法は、機能の有効化をした場合と同様にアカウント名の右にある「…」ボタンをクリックしてメニューを表示します。

正常に有効化ができている場合、メニュー欄に「Custom instructions」という新たな項目が追加されています。この項目をクリックすることによってCustom instructionsの設定が可能です。

Custom instructionsの使い方
それでは、次にCustom instructions機能の使い方について説明していきたいと思います。

上段には、GPTに事前に欲しい情報(事前情報)を入力します。例えば、以下のような情報を入力すると良いでしょう。
- 仕事の背景
- 拠点の場所
- 目標 など
下段には、「出力形式」を指定して入力します。
- 口調の指定(フォーマルなのか、タメ口なのか、敬語なのか、…)
- 応答の長さ(文字数)
- 中立に話して欲しいのか、別の立場になって話して欲しいのか など
2つの情報を入力した後は、画面下部にある「Save」ボタンをクリックしてください。
Custom instructionsの使用事例
③特定の情報レベルに特化させてChatGPTを使う

今回は、まず「ビジネスについて詳しくない方に向けて、分かりやすく説明するための資料作成」という事前情報を与えて、「表形式で」「例を交えて」という2つの出力形式を指定してGPTに文章を作成してもらいたいと思います。今回使用するモデルはGPT-4です。
入力文:
出力文(GPT-4):
新規事業を立ち上げるための手順は多岐にわたりますが、ここではその一部を簡単に説明した表を作成します。この表は、新規事業の作り方の大まかな流れを説明するためのものです。
ステップ | 内容 | 具体的な例 |
---|---|---|
1. アイデア生成 | 新規事業のアイデアを考える。新規のニーズや、既存の市場の問題点などからアイデアを生み出す。 | 例:「都市部の農業への関心が高まっている。しかし、スペースがない。都市農業を支えるための新規事業を考えよう」 |
2. マーケットリサーチ | 事業の可能性を探るために市場調査を行う。ターゲットのニーズ、競合の存在、市場の規模などを調査する。 | 例:「都市農業に関心がある人々の年齢、性別、収入などのデモグラフィックスを調査する。競合他社の製品やサービスを調査する」 |
3. 事業計画の作成 | ビジネスモデルを設計し、それを詳細に記述した事業計画を作成する。投資家やパートナーに説明するためのものでもある。 | 例:「都市農業をサポートするためのサービスや製品を具体的に定義し、それがどのように収益を生み出すかを記述する」 |
4. 資金調達 | 事業を開始するための資金を調達する。エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、銀行ローン、自己資金などが考えられる。 | 例:「ビジネスプランを元に、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金を調達する」 |
5. プロトタイプの開発 | 商品やサービスの初期バージョン(プロトタイプ)を作成する。これにより、商品やサービスの実際の動作や顧客の反応をテストする。 | 例:「都市農業をサポートする初期バージョンのサービスを開発し、実際の顧客に提供してフィードバックを得る」 |
6. フィードバックと改善 | 取得したフィードバックを基に製品やサービスを改善する。これは新規事業が成功するまで繰り返されるプロセスである。 | 例:「顧客からのフィードバックを元に、都市農業サポートサービスを改善し、新たに市場に投入する」 |
これらのステップは大まかなガイドラインであり、実際の事業立ち上げはこれらの各ステップに更なる詳細と工夫が必要となります。また、これらのステップは一方向ではなく、フィードバックに基づいて再び市場調査を行うなど、繰り返し行われるものもあります。
上記のように、実際に指定した出力形式に基づいて出力を行ってくれました。
②事前情報をインプットしてチャットボットサービスを作る
次に事前情報としてChatGPTは本来知らない「会社情報」をインプットして、会社紹介チャットボットとして使用してみます。

事前情報(Custom instructions設定上段):
出力形式(Custom instructions設定下段):
Custom instructionsで上記のような設定を行ってみました。実際にこれでChatGPTに対していくつか質問をしていきたいと思います。
入力文:
出力文(GPT-4):
入力文:
出力文(GPT-4):
このようにしっかりと###弊社情報 の中から回答をしてくれています。最後にきちんと、###弊社情報にはない内容について嘘をつかないかを検証してみたいと思います。
入力文:
出力文(GPT-4):
しっかりと嘘をつくことはなく、出力形式の「情報を聞かれた場合は弊社代表に直接連絡するよう、説明してください。」と命令した通り、直接連絡するように回答してくれました。
Custom instructionsのプロンプトテンプレート
①情報に特化したチャットボット
事前情報(Custom instructions設定上段):
出力形式(Custom instructions設定下段):
②口調や回答のスタイルを指定する
事前情報(Custom instructions設定上段):
出力形式(Custom instructions設定下段):
③論理的根拠を必ず話すように指定する
事前情報(Custom instructions設定上段):
出力形式(Custom instructions設定下段):
④回答のレベル、表形式での出力を指定する
事前情報(Custom instructions設定上段):
出力形式(Custom instructions設定下段):
まとめ
今回PROMPTYではChatGPTの新機能「Custom instructions」について説明してきましたがいかがだったでしょうか。
この機能はベータ版の機能なので、今後変更がある可能性がありますが、PROMPTYでは是非そのような最新アップデートの情報についても取り上げていくので、気になる方はブックマークの方をよろしくお願いします。