年間200社の研修知見をAIに実装。新人の本音を可視化し、定着まで支援する組織開発プロダクトのリアル

新入社員のオンボーディング施策を実施しているものの、「現場に本当に定着しているのか分からない」「一人ひとりの本音をどう拾えばよいのかわからない」といったようなお悩みを抱えていませんか?

株式会社NEWONEが提供する「PANAI サーベイシリーズ」は、新入社員の状態や変化をデータとして可視化し、現場での定着を支援するプロダクトです。
同社は年間200社以上の企業研修を通じて蓄積してきた組織開発の知見を、分析ロジックや生成AIに実装。近年リリースした個別レポート機能では、定量データと定性コメントを組み合わせ、一人ひとりの状態に踏み込んだ示唆出しを実現しています。
また、チーム状態を可視化する「Cocolabo(ココラボ)」でもAI活用を進めており、カスタマーサポートの応答高速化や工数削減といった成果も出始めています。
本記事では、こうしたプロダクト開発の背景にある顧客課題や、他社ツールとの決定的な違い、そして組織開発×AIによってどのような価値を生み出そうとしているのかについて、代表の上林さんとCTOの和田さんに伺いました。

▼上林さん

▼和田さん

組織開発の知見×テクノロジー。人と組織の変革を後押しする2つのAIプロダクト

Q. まずは貴社の事業内容について教えてください。

上林さん: 当社は、組織開発や人材育成の支援を行っています。ファシリテーションを通じて変革を支援することもあれば、テクノロジーを活用して組織状態を可視化し、変化の後押しをする事業も展開しています。

和田さん: 弊社では主に2つのプロダクトを展開しております。1つはチーム状態を可視化し改善を支援する「Cocolabo(ココラボ)」、もう1つは、新人オンボーディング(職場への定着・立ち上がり支援)研修の効果を可視化する「PANAI サーベイシリーズ」です。今回はこの両方で進めているAI活用についてお話しできればと思います。

顧客を待たせないカスタマーサポートを実現する「Cocolabo」におけるAI活用

Q. Cocolaboの概要と、AI活用の状況について教えてください。

和田さん: Cocolaboはチームの状況を可視化し、改善アクションにつなげるチームビルディングツールです。従来は、ユーザーからの質問に対して営業メンバーを経由して回答していたため、どうしてもタイムラグが発生していました。
そこで、過去の問い合わせやナレッジをもとにAIを活用し、オンライン上で即時回答できる取り組みを始めました。いわゆるチャットボットに近い形ですが、実際の運用データを学習させている点が特徴です。本格的なRAGの構築はこれからですが、ユーザーをお待たせする時間を減らし、同時に社内の対応工数も削減できています。

Q. 今後、Cocolaboのプロダクト自体にAIを組み込むことで、どのような価値が生まれるのでしょうか?

和田さん: お客様と弊社の社員、両方に大きなメリットがあると考えています。
これまでは「どう使うと、どんな結果につながるか」という説明を人が行っていましたが、そこをAIに置き換えられると、情報提供の自動化が進み、社員の工数削減につながります。
さらにユーザーにとっても、ツールを使って何が良かったのか、どのように次に活かせばいいのかといった示唆やアドバイスを提示できるようになります。
単なる可視化ツールではなく、「使うことで改善が進む」プロダクトにしていきたいと考えています。

「個人の状態を深く知りたい」という声から生まれた個別レポート機能(PANAIサーベイシリーズ)

Q. 続いて、PANAI サーベイシリーズの概要と、新たに開発された「個別レポート機能」の背景についてお聞かせください。

和田さん: PANAI サーベイシリーズは、各企業様で実施されている新人のオンボーディング施策(職場への定着・立ち上がり支援)が本当にうまくいっているかどうかをデータで可視化し、効果検証ができるプロダクトです。ダッシュボード上で、本人と上司から取得したサーベイをもとに、様々な設問項目に対する良し悪しを数値で出します。
従来、組織全体の傾向を把握する機能が中心でしたが、「個人単位での状態を知りたい」という声が寄せられました。
例えば「Aさんは順調なのか」「どこに課題があるのか」といった点です。

そこで、個別のサーベイデータをもとにレポートを生成する機能を昨年リリースしました。

上林さん: 全体を俯瞰して見るサービスから、個別にもう少し踏み込んだ方が、より人と組織が変わるのではないかというインサイトがありました。お客様のニーズも非常に高かったことと、個人に踏み込むことで、より実際の行動変容に繋がると考え、和田に実装を進めてもらったという背景があります。

Q. この個別レポートは、具体的にどのような技術やフローで生成されているのでしょうか?

和田さん: PANAI サーベイシリーズで取得したデータすべてを単純にAIに投げているわけではありません。大きく分けて3つの処理を組み合わせています。
1つ目は、定量的な計算部分はPythonで実装した処理にかけて、改めて定量データを出します。
2つ目は、本人や上司から取得した定性コメントを掛け合わせ、統計分析の手法で相関を確認します。
3つ目は、生成AI(Gemini API)を使って示唆を整理し、PowerPointに出力してPDF化するという一連の流れをAIで処理しています。
PANAI サーベイシリーズで取得した数値と定性コメントに、弊社のオリジナルの考え方というエッセンスを踏まえて示唆を出す仕組みです。

Q. 実際に個別レポートを活用されている企業では、どのような課題があり、どんな成果が出ていますか?

和田さん: ある企業様では、新入社員研修とその後のオンボーディング(職場への定着・立ち上がり支援)施策が、本当に効果を生んでいるのかを検証するために、「PANAI サーベイシリーズ」を導入していただいています。
採用人数が少ない企業であっても、新入社員一人ひとりの中には、表に出にくい悩みや、言語化できていない課題が存在します。
こうした状態に対して、定量データと定性コメントを組み合わせた個別レポートを提供することで、上長が本人の状態をより具体的に把握し、適切なフォローや施策の見直しに繋げられるようになっています。

年間200社の研修ノウハウとAIを融合。他社システムには真似できない独自の示唆出し

Q. 他社との違いはどこにありますか?

和田さん: PANAI サーベイシリーズで用いる設問設計と分析ロジックがすべて自社オリジナルである点です。さらに、AIのプロンプトやロジックにも、これまでの支援で培った示唆パターンを組み込んでいます。
そのため、単なる一般論ではなく、その企業に即したアウトプットになっており、他社には簡単に真似できない部分だと感じています。

上林さん: 私たちはこれまでの8年間で、毎年200社以上のお客様の企業研修をご支援してきました。その中で得た「人がどういうときに何を感じ、どう変わるか」という知見をAIに反映しています。
また、ツールを単体で提供するだけでなく、新入社員向けやトレーナー向けの研修とセットで実施することが多いため、現場で得た定性的な情報とサーベイ結果を融合し、最終的に人事の皆様へ踏み込んだアドバイスができる点も、一般的なタレントマネジメントシステムとの明確な違いです。

「攻め」と「守り」の両輪で推進。AIが当たり前になる時代の組織開発の展望

Q. 今後、AIを活用しながらそれぞれのプロダクトや組織全体をどのように展開していきたいとお考えですか?

和田さん: 働く人は多様な個性や考えを持っていますから、いくつかのタイプに分類するような分析は時代遅れになっていくと思っています。働く方々の意志や思いを拾い上げ、より個別性に寄り添い、それぞれの強みを活かせる状態をつくるプロダクトにしていきたいです。
また、私たちは、AI活用を「攻め」と「守り」に分けて考えています。
攻めのAIは、PANAI サーベイシリーズやCocolaboのようなプロダクトに組み込んでいくこと。そして守りのAIは、社内でのリテラシー向上です。Microsoft 365のCopilotやPower Automateなどを使って独自のAIエージェントを多数作成し、手作業の業務を大幅に効率化する取り組みも進めています。
「AIを使うのが当たり前」という文化を作ることを目指しています。

上林さん: 今後はPANAI サーベイデータだけでなく、研修前後の変化なども含めて分析し、「人がいつ、どのように変わるのか」という動的なデータを取得し、より変化を促すためのAI支援へとフェーズを進めていきたいです。
さらにお客様自身がAIを活用できるような支援をしていくことも見据えています。

Q. 最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

上林さん: 私たちは、「人や組織が変わる支援をする」という領域に強みを持っています。その知見とAIを掛け合わせることで、今後さらに新しい価値を持つサービスを提供していきたいです。
こういった人と組織の変革、そしてAIの活用に興味を持ってくださる方々にぜひ集まっていただきたいですし、一緒にこの領域を広げていける方とお会いできたら嬉しいです。

×