プロンプト作成の手間を大幅削減。50社が試す経営層向け「ばんそうPlatform」

株式会社ばんそうが提供する「ばんそうPlatform」は、経営課題の深掘りや補助金申請資料の作成支援など、企業を総合的に支える機能を持ったツールです。現在、幅広い業種の約50社にトライアルでご利用いただいており、経営層を中心に「プロンプト入力の手間を大幅に削減できる」と高く評価されています。

同ツールは、ビッグファーム出身者の知見を学習させた独自のアルゴリズムや、賛成派・反対派のAI同士を議論させる機能、さらには日々の会話から自社に最適な補助金を自動提案する機能など、一般的なLLMにはない経営層向けの独自機能を多数搭載しているのが特徴です。

本記事では、ばんそうPlatformが持つ独自の設計思想や複数LLMの使い分けといった技術的工夫、具体的な活用事例、そして開発の背景にある「日本の中小企業様に元気を与える」というビジョンについて、代表取締役の松田さん、執行役員の清水さん、営業担当の小松さん、エンジニアの岡田さんに伺いました。

ビッグファームの知見を学習し経営を総合的に支える

Q.まず、貴社の事業内容の紹介をお願いします。

松田さん: 弊社は「ばんそうPlatform」というプロダクトを提供をしております。AIとやり取りをする中で企業の課題を深掘りし、それをベースに銀行への提出資料や補助金申請の資料を簡単に作成するといった機能を備えたシステムです。複数の機能を組み合わせ、企業を総合的に支える仕組みを作ることが私たちの事業内容になります。

Q.サービスページでも打ち出されている3つのコア機能について、詳細を教えていただけますか?

小松さん: ばんそうPlatformのメインとなるのが「相談する」機能です。これはユーザーの抱える問題を因数分解して回答を生成する特徴があります。回答の生成にあたっては、外資系大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントと2年ほど会話を重ねてチューニングを行っており、非常に精度の高いものになっています。

続いて「学ぶ」機能は、いわばポケットMBAのようなものです。一般的なLLMは出所不明の情報を拾ってくることがありますが、ばんそうPlatformは、トップコンサルタントや大学教授に選定いただいた信頼できる文献・資料からのみ回答を生成します。さらにユーザー企業の情報をあらかじめ入力できるため、一般論だけでなく「御社であればどう活用できるか」という具体的な回答を出してくれます。学んで終わるのではなく、実務に活用できる機能です。

最後の「決断する」機能は、賛成派と反対派の2つのAIが回答を生成する機能です。通常のLLMはユーザーに寄り添った回答をしがちですが、この機能では2つの異なる意見を持つAIと議論を交わし、最終的な意思決定に役立てていただくことを想定しています。

複数LLMの回答比較機能と、文脈を理解させるプロフィールの事前設定

Q. メインの機能以外にも、独自の特徴的な機能があれば教えてください。

小松さん: 複数のAIモデルをばんそうAIの中で比較できる「調べる」という機能があります。「相談する」や「学ぶ」は弊社の独自のアルゴリズムを使用していますが、この「調べる」ではClaude、ChatGPT、Geminiを切り替え、何もアルゴリズムが入っていないプレーンなLLMを比較して使うことができます。お客様の中には複数のAIに同じ質問をして回答を比べたいというニーズが多いため、ばんそうPlatformの中で一通り完結できるよう設計しています。

また、複数名で利用いただくことを想定し、会話履歴をメンバー間で共有する機能や、ユーザープロフィールを事前にテキストで設定できる機能もあります。取締役の方と経理の方では求めている回答がまったく異なるため、プロフィールを設定しておくことで、AIがその文脈や前提条件を理解した上で、それぞれに最適な回答を生成できるようになっています。

複数モデルを適材適所で使い分ける裏側のシステム設計

Q. 「相談する」機能では複数のLLMを処理ごとに使い分けているとのことですが、裏側ではどのようなシステム設計になっているのでしょうか?

岡田さん: ユーザーの相談内容に対して「ロジックツリーを生成する」という部分が、最もコアで複雑な処理になっています。たとえば「利益が伸び悩んでいる」という相談を受けた際、売上とコストに分け、さらに飲食店ならこう、システム開発ならこう、というように分解していきます。この分解の仕方をどのように分類するのが最適かを判別する処理には、比較的生成スピードの速いGeminiを使用しています。

一方で、実際にロジックツリーを生成するという非常に重要なタスクに関しては、より賢いモデルであるClaudeを使用しています。その都度、モデルの状況に応じて最適なものに切り替えて対応しているのが、「相談する」機能のざっくりとした中身です。

Q. 複数社のAIモデルを組み合わせている理由について、詳しく教えていただけますか?

岡田さん: コストやスピード、そして賢さのバランスを考慮した結果です。現状ではGPTはあまり使っておらず、ClaudeとGeminiをメインにしています。安くて早いという点ではGeminiが非常に優秀なのですが、高度な推論が求められる場面では賢さが少し物足りないと感じることがあります。そのため、コンサルタントとの会話を通じた定性的な評価も含めて様々なモデルを検証した結果、現時点ではGeminiの安いモデルとClaudeの賢いモデルを組み合わせるのが最適だという判断に至りました。もちろん、今後のモデルの進化に合わせて柔軟に切り替えていく可能性はあります。

意思決定を支える「賛成派と反対派」の対話

Q. 「決断する」機能についてですが、賛成派と反対派のAIが回答を出した後、人間がさらに深掘りして対話することはできるのでしょうか?

岡田さん: はい、可能です。最初に賛成派と反対派の両方の意見が出た後、片方のAIに対して「反対派はこう言っているけどどう思う?」と質問することができます。その際、通常のLLMによくある「確かにそうですね」とユーザーに同調してしまうようなことはありません。賛成派は賛成派として、反対派は反対派として立場を強く貫き、「相手の言っているこの部分は間違った見解です」としっかり反論してくれます。この一貫性を持たせている点は、通常のモデルにはできない独自の工夫です。

Q. 最終的な意思決定の際、両極端な意見をどう活用していくことを想定されていますか?

岡田さん: 経営者の方は、ご自身の中である程度方向性をお持ちのケースが多いと考えています。その上で、あえて反対意見も聞いてみたい、多角的に検証したいというニーズに応えるのがこの機能の目的です。そのため、AIの意見を聞いて意見が180度変わるというよりも、自分の中にある決断を下すための多角的なサポートとして活用していただくイメージで作っています。

日々の相談内容から最適な補助金やニュースを自動提案する付帯機能

Q. 画面上に補助金やニュースを提案する機能があるとのことですが、これはどのように情報を収集してサジェストしているのでしょうか?

岡田さん: ユーザーの会話内容を踏まえ、日次で内容を更新して提案しています。補助金に関しては専用のデータベースを活用しており、たとえば「人を採用したいけれど資金に困っている」といった会話があれば、翌日には採用に関連する補助金がサジェストされる仕組みになっています。ニュースに関しても同様で、前日までに出ている国内ニュースを収集し、会話内容や企業の属性にマッチした情報をレコメンドしています。

小松さん: 特に日本の中小企業様にとって、補助金の情報は非常に重要です。しかし、それらが一つにまとまったサイトはなかなかありません。ばんそうAIが日々の相談内容から最適な補助金を自動で見つけ出して提示してくれるこの機能は、ユーザー企業様からかなり高い評価をいただいています。

プロンプトの回数が激減。約50社がトライアルで実感する導入の成果

Q. 現在、どのような企業がばんそうPlatformを導入し、どのような成果が出ているのでしょうか?

小松さん: 現在、業種や規模を問わず、約50社のお客様にトライアルでご利用いただいています。1社あたり2〜3名での利用が多く、その90%以上が代表などの経営層や上位レイヤーの方々です。

活用事例として多いのは、経営の壁打ちです。経営会議のアジェンダを事前にばんそうPlatformに壁打ちして準備されるのですが、従来のLLMと比較して前提条件を深く掘り下げてくれるため、「プロンプトを入力する回数が大幅に減り、時短になった」というお声を多くいただいています。

また、特定の部署での活用事例として、法務部での契約書のドラフト作成があります。自社の状況に合った精度の高いドラフトを素早く作成できるため、従来の汎用AIを使ったケースよりもはるかに効率的に契約書作成業務を進められたと報告を受けています。

Q. 経営層以外では、どのような活用方法がありますか?

小松さん: 商工会連合会の経営指導員の方や、銀行の融資課の方などにもご利用いただいています。先ほどお話ししたユーザープロフィールの切り替え機能を活用し、複数の顧客企業の情報をばんそうPlatformの中に部屋として分けて登録しておくのです。そして、実際の経営相談や融資の面談に臨む前に、あらかじめばんそうAIを相手に壁打ちをしておくといった、事前準備のツールとして実践的に活用されています。

大企業のナレッジを中小企業へ。AI総合窓口を目指す今後の展望

Q. 最後に、ばんそうPlatformの機能拡充を含めた今後の展望や、貴社としてのビジョンを教えてください。

小松さん: 現在チャットベースの「テキスト生成」に留まっている部分を、事業計画書や中期経営計画書などの「実際のアウトプットの作成」までシームレスに繋げる「ばんそうBiz」を提供していく予定です。また、従来であれば数億円の費用がかかっていたような高度な専門人材に、スポットかつ定額でアクセスできる人材マッチングサービス「ばんそうPro」も構築していく予定です。

中長期的には、日本の中小企業様にとっての「AIの総合窓口」のような存在になりたいと考えています。弊社には「日本の中小企業様に元気を与える」というビジョンがあります。これまで大企業しかアクセスできなかったナレッジや知見を、短期間・少額で受けられるコンサルティングサービスとして展開することで、日本の中小企業様の足腰を強くしていくためのお力添えができればと思っています。

清水さん: 弊社には、岡田のようなAI・エンジニアリングの専門家と、小松のような営業・カスタマーサクセスの担当者が揃ったAIコンサルチームが存在します。ばんそうAIというプロダクトを使っていただくことはもちろんですが、「自社の課題を具体的にどうAIで解決していけばいいのか」といった個別のニーズにも適宜対応できる体制がありますので、ツールとコンサルの両面から中小企業様のAI活用を支援していきたいと考えています。

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