
株式会社サイバーエージェントは、10月18日に2026年までに現在のオペレーション業務を6割削減することを目的とした生成AI活用推進組織の「AIオペレーション室」を設立したことを発表しました。
参考:サイバーエージェント
これまでの取り組み
サイバーエージェントは、2016年にAI研究組織の「AI Lab」を設立しました。そして、今年の5月には独自の日本語LLM(大規模言語モデル)を開発・公開しました。これにより、広告効果や業務生産性の向上を目指す生成AI技術の研究開発が進行中です。
さらに、10月には広告オペレーションの作業を効率化する「ChatGPTオペレーション変革室」やアニメーション、ゲーム業界専門のにおける生成AI研究開発組織の「アニメーションAI Lab」「ゲームAI Lab」も新たに設立されています。
このようにサイバーエージェントは、産業・ビジネスにおける生成AI活用に積極的に取り組んでいます。
AIオペレーション室の展望
今回新設された「AIオペレーション室」は、今後もより一層の発展・需要拡大が見込まれる生成AI分野において、全社員の生成AIリテラシー向上とともに、誰もが生成AIを業務で活用できる環境整備を推進を目指しています。
生成AI活用強化に向けた取り組み事例として、「賞金総額1,000万円!生成AI徹底活用コンテスト」を開催されました。その結果、業務効率化やコスト削減、既存サービス改善や新規事業案などの約2,200件のアイデアが集まりました。
グランプリには、強化学習を使ったスケジュール調整により、月間6万時間の時間削減を見込む「AIを活用したスケジュール自動調整ツール」、準グランプリには、顧客やユーザーの発言を考慮して、人間同様に深掘った質問や共感が可能な「顧客・ユーザーインタビューの価値・最大化を実現する、AIインタビューツール」が選ばれています。
コンテストにはAI研究者やエンジニアからの提案も多く、20以上の施策が「AIオペレーション室」により進行予定です。

引用元:サイバーエージェント
11月からは、全社員を対象としたeラーニングプログラム「生成AI徹底理解リスキリング for Everyone」がスタートします。これは、ChatGPTや独自日本語LLMの活用方法、さらには法務・セキュリティに関する知識など、全社員の基本リテラシーの向上が見込まれます。
今後の方針
サイバーエージェントは、生成AIに関する研究や業務効率の推進、そして人材の育成を「AI Lab」と「AIオペレーション室」を中心に、業務効率推進や人材育成、コーポレート部門を含む各事業における生成AIの徹底活用に努めることで、さらなる価値創出に向けて加速させる方針を明らかにしています。
業務に生成AIを活用する例
生成AIは様々な業務領域での利用が進んでいます。その一例として次のような使い方が考えられます。
①コンテンツ制作
生成AIを使用して、文章、画像、音楽、動画などのコンテンツを自動生成します。例として、ニュース記事の自動作成やデザイン案の提案などをサポートしてもらえます。
②カスタマーサポート
顧客からの問い合わせに対して、生成AIが自動的に適切な返答を生成します。
③広告の最適化
生成AIを活用し、ターゲットに合わせた広告文やデザインを自動生成して、広告効果を最大化します。
④メールマーケティング
顧客の過去の購買履歴や行動データを基に、生成AIがパーソナライズされたメールコンテンツを生成します。
⑤eコマース
顧客の好みや購買履歴を元に、生成AIが推薦商品のリストやカスタマイズされたプロモーションコンテンツを生成します。