「AI OCRを導入したいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」
「シェアが高いサービスなら安心だと思うけど、具体的な順位や違いを知りたい」
業務効率化のためにAI OCRの導入を検討していても、このような悩みを持っている担当者の方も多いのではないでしょうか?
市場には数多くのツールが存在するため、自社に最適な製品を見極めるのは簡単ではありません。
本記事では、最新の市場シェア動向に基づいたおすすめのAI OCRツール12選と、シェアが高い製品を選ぶメリット、比較検討のポイントについて解説しました。
多くの企業で導入されている実績豊富なツールを中心に紹介します。
失敗しないAI OCR選びのために、ぜひ最後までご覧いただき、導入検討にお役立てください。
最新のAI OCR市場規模とシェア動向
ここでは、AI OCRの導入を検討する上で知っておきたい市場の全体像について解説します。
- 国内市場の拡大背景
- 現在のシェアトップ企業
- 提供形態によるトレンドの違い
市場の動きを理解することで、今後長く使い続けられる安定したサービスを選ぶための判断材料になります。
それでは、最新の市場データに基づいた動向を順に見ていきましょう。
国内AI OCR市場の現状と将来性
国内のAI OCR市場は、近年急速な右肩上がりで拡大を続けています。
その背景には、労働人口の減少による業務効率化への強いニーズに加え、電子帳簿保存法の改正対応やインボイス制度の運用定着といった法的な要請が大きく関わっています。
紙の帳票をデジタルデータ化する需要は、大手企業だけでなく中小企業にも波及しており、これまでOCRを利用していなかった層の導入も進んでいます。
従来のOCR技術では読み取りが難しかった手書き文字や、非定型なフォーマットの帳票でも、AI技術の進化によって高精度に認識できるようになったことが普及を後押ししています。
市場調査会社のデータを見ても、AI OCRの市場規模は毎年二桁成長を記録しており、今後もこの傾向は続くと予測されています。
特に、単なる文字認識にとどまらず、RPA(Robotic Process Automation)や会計システムと連携して業務プロセス全体を自動化するソリューションとしての価値が高まっており、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進における重要なツールとしての地位を確立しています。
現在では、生成AIとの融合により、読み取ったデータの内容理解や要約、チェック業務の自動化など、さらに高度な機能を持つ製品が標準化しつつあります。
こちらは2030年までの世界市場規模予測について触れた調査レポートです。 合わせてご覧ください。 https://www.gii.co.jp/report/ires1338870-ai-ocr-market-forecast-global-trends-analysis.html
現在シェアNo.1のサービスと主要ベンダーの勢力図
AI OCR市場におけるベンダーの勢力図を見ると、特定のサービスが高いシェアを誇っている現状があります。
デロイト トーマツ ミック経済研究所などの調査によると、AI inside株式会社が提供する「DX Suite」が長年にわたり市場シェアNo.1を獲得し続けています。
DX Suiteは、日本語の手書き文字認識において圧倒的な精度を誇り、ユーザーインターフェースの使いやすさも相まって、多くの企業や自治体で採用されています。
この「DX Suite」を筆頭に、市場にはいくつかの主要プレイヤーが存在し、激しい競争を繰り広げています。
たとえば、株式会社Cogent Labsの「SmartRead」や、ウイングアーク1st株式会社の「invoiceAgent」なども、特定の業種や用途において高い評価を得ており、シェア上位に位置しています。
また、LINE WORKSなどのコミュニケーションツールと連携したAI OCRや、複合機メーカーであるリコーやキヤノンなどが提供するソリューションも、既存の顧客基盤を活かしてシェアを伸ばしています。
現在は、圧倒的なシェアを持つトップベンダーに対し、特定の機能や低価格を売りにした新興ベンダーや、業界特化型のソリューションを提供する企業が追随する構図となっています。
導入実績数は信頼性の証でもあるため、シェア上位のベンダーを知っておくことは、製品選定における重要な指針となります。
こちらはDX Suiteの導入企業数や実績について紹介されている公式ページです。 合わせてご覧ください。 https://dx-suite.com/lp-003
クラウド型 vs オンプレミス型のシェア比率
AI OCRの提供形態には、大きく分けて「クラウド型(SaaS)」と「オンプレミス型」の2種類がありますが、現在の市場シェアにおいてはクラウド型が圧倒的な割合を占めています。
クラウド型が選ばれる最大の理由は、導入のハードルの低さにあります。
専用のサーバーを自社で構築する必要がなく、インターネット環境があればすぐに利用を開始できるため、初期費用を抑えたい企業や、スモールスタートで検証を始めたい企業にとって魅力的です。
また、AIの学習モデルがクラウド上で常にアップデートされるため、ユーザーは特に意識することなく最新の認識精度を享受できるというメリットもあります。
一方、金融機関や官公庁など、極めて高いセキュリティ要件が求められる組織においては、データを社外に出さないオンプレミス型の需要も根強く残っています。
しかし、近年ではクラウドサービスにおけるセキュリティ対策も高度化しており、IPアドレス制限や通信の暗号化、閉域網接続などが一般化したことで、これまでオンプレミスを必須としていた企業でもクラウド型への移行が進みつつあります。
シェア比率で見ると、クラウド型が市場の大半を占める傾向は今後さらに強まると考えられますが、特定のニッチなニーズに応える形でオンプレミス型やハイブリッド型のソリューションも一定のシェアを維持し続けるでしょう。
シェアが高いAI OCRツールを選ぶ3つのメリット
次に、シェアが高いAI OCRツールを選ぶことの具体的なメリットを3つ紹介します。
- 成功事例の参照しやすさ
- 安心できるサポートとセキュリティ
- 他システムとの連携実績
多くの企業に選ばれているツールには、それだけの理由があります。
単に「人気があるから」というだけでなく、実務運用におけるリスクを減らし、導入効果を最大化するための要素が詰まっています。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
導入実績が豊富で、自社に近い成功事例が見つかりやすい
シェアが高いツールを選ぶ最大のメリットは、豊富な導入実績に基づいた知見を活用できる点です。
利用者が多いということは、それだけ多様な業種・業界、さまざまな規模の企業での活用事例が存在することを意味します。
自社と同じ業界や、似たような業務フローを持つ企業が、どのようにそのツールを活用して業務効率化を実現したかという情報は、導入検討時に非常に貴重な判断材料となります。
多くのベンダーは、シェアの高さを背景に多数の導入事例記事やインタビューを公開しており、具体的な削減時間や運用方法、工夫したポイントなどを詳細に知ることができます。
また、ユーザーコミュニティが形成されている場合もあり、既存ユーザー同士で情報交換を行ったり、運用上の悩みを相談したりできる環境が整っていることもあります。
マイナーなツールの場合、前例のないトラブルや運用課題に直面した際、手探りで解決策を見つけなければなりませんが、シェア高いツールであれば、すでに誰かが経験した課題である可能性が高く、解決策がすぐに見つかる安心感があります。
結果として、導入後の定着までの期間を短縮し、早期に投資対効果を得ることが期待できます。
サポート体制やセキュリティ基準が成熟している
多くの顧客を抱えるシェア上位のベンダーは、サポート体制やセキュリティ対策においても成熟している傾向があります。
数多くの問い合わせや要望に対応してきた実績があるため、ヘルプデスクの対応品質が高く、マニュアルやFAQなどのドキュメント類も充実しています。
初めてAI OCRを導入する場合、設定方法や帳票の定義方法でつまずくことが少なくありませんが、サポートが手厚いサービスであれば、オンライン会議での導入支援や、チャットによる即時対応などを受けることができ、スムーズに運用を開始できます。
また、サービスの継続性という観点でも、シェアが高く経営基盤が安定しているベンダーを選ぶことはリスクヘッジになります。
さらに、セキュリティ面においても、多くの大手企業や金融機関に採用されるためには厳しい審査基準をクリアする必要があります。
シェアが高いツールは、プライバシーマークやISMS(ISO 27001)などの第三者認証を取得していることが多く、データの取り扱いに関する信頼性が担保されています。
重要な顧客情報や取引情報を扱うAI OCRにおいて、セキュリティ基準が成熟していることは、選定における必須条件と言えるでしょう。
RPAや基幹システムとの連携ノウハウが蓄積されている
AI OCRは単体で使用するだけでなく、読み取ったデータをRPAや基幹システム(ERP)、会計ソフトなどに連携させることで、真の業務自動化を実現できます。
シェアが高いツールは、主要なRPAツール(UiPath、WinActorなど)や各種業務システムとの連携実績が豊富であり、標準で連携機能(コネクタやAPI)が提供されているケースが多くあります。
すでに多くの企業が連携を実現しているため、ベンダー側にも「どのシステムとどのように連携すればスムーズか」というノウハウが蓄積されています。
例えば、「読み取った請求書データをCSVで出力し、特定の会計ソフトにインポートする形式に自動変換する」といった設定も、シェア上位のツールであれば標準機能やテンプレートとして用意されていることがよくあります。
逆に、シェアが低いツールの場合、連携のために個別のスクリプト開発が必要になったり、APIの仕様が不十分で思ったような連携ができなかったりするリスクがあります。
システム連携を前提にAI OCRを導入する場合、周辺システムとの親和性が高く、連携事例が豊富なシェア上位製品を選ぶことで、開発コストや工数を大幅に削減できる可能性が高まります。
こちらはCopilotによる業務効率化の活用事例や導入方法について解説した記事です。 合わせてご覧ください。
シェア上位のAI OCRを比較検討する際のポイント
ここからは、実際にAI OCRツールを比較検討する際に注目すべき4つのポイントを解説します。
- 文字認識の精度
- コストパフォーマンス
- 現場での操作性
- 外部システムとの連携性
シェアが高いツール同士でも、それぞれ得意とする領域や料金体系には違いがあります。
自社の課題に最もマッチしたツールを選ぶために、これらの視点を意識して比較を行いましょう。
【精度】手書き文字や非定型帳票の読み取り率
AI OCR導入の成否を分ける最も重要なポイントは、やはり文字認識の精度です。
特に日本語の手書き文字は、崩し字やクセ字、訂正印との重なりなどがあり、認識が難しい領域ですが、シェア上位のツールは膨大な学習データを元に高い認識率を実現しています。
比較検討の際は、カタログスペックの「認識率99%」といった数字だけを鵜呑みにせず、自社で実際に使用している帳票を使ってトライアルを行うことが不可欠です。
活字の読み取りはどのツールも高精度ですが、手書き文字に関してはツールごとの差が出やすい部分です。
特に、フリーハンドで書かれた申込書やアンケート用紙などを読み取りたい場合は、手書き認識に特化した強みを持つツールを選ぶ必要があります。
また、請求書や領収書のように、発行元によってレイアウトが異なる「非定型帳票」の読み取り精度も重要です。
「どこに何が書いてあるか」をAIが自動で判断して抽出する機能の精度が高いと、事前の帳票定義設定の手間が省け、運用の負担が大幅に軽減されます。
トライアル期間中に、実際の業務で発生する「読み取りにくい帳票」をテストし、実用レベルに達しているかを確認しましょう。
【コスト】初期費用と月額料金のバランス
AI OCRの料金体系は、初期費用、月額基本料金、そして読み取り枚数や項目数に応じた従量課金で構成されるのが一般的です。
シェア上位のツールは機能が充実している分、コストも高めになる傾向がありますが、プランによっては中小企業でも導入しやすい価格設定が用意されている場合もあります。
比較の際は、単なる月額料金の安さだけでなく、費用対効果を見極めることが大切です。
例えば、月額料金が安くても、従量課金の単価が高ければ、処理枚数が増えたときにコストが跳ね上がってしまう可能性があります。
逆に、定額制のプランであれば、毎月のコストが固定化され予算管理がしやすくなりますが、あまり使わない月は割高になるかもしれません。
また、初期費用に含まれるサポート内容も確認が必要です。
導入時の帳票設定代行やトレーニング費用が含まれているのか、別料金なのかによって、トータルの導入コストは大きく変わります。
自社の想定する月間処理枚数を算出し、各社の料金シミュレーションに当てはめて、3年〜5年スパンでの総コストを比較することをおすすめします。
安さだけでなく、削減できる人件費や業務時間とのバランスを考慮して判断しましょう。
【操作性】現場担当者が使いこなせるUIかどうか
どれだけ高機能なAI OCRでも、現場の担当者が使いこなせなければ意味がありません。
特に、ITスキルに詳しくない担当者が日々の業務で操作する場合、直感的でわかりやすいユーザーインターフェース(UI)であることは非常に重要です。
シェア上位のツールは、ユーザーからのフィードバックを受けてUIの改善を繰り返しているため、洗練された操作画面を持っていることが多いです。
確認すべきポイントとしては、スキャンした画像のアップロード方法、読み取り結果の確認・修正画面の使いやすさ、帳票定義の設定のしやすさなどが挙げられます。
特に、読み取り結果に誤りがあった際、元の画像と照らし合わせながら簡単に修正できる画面設計になっているかは、作業効率に直結します。
また、管理画面の反応速度や、エラー発生時のメッセージのわかりやすさなども、日々のストレスを減らすために重要な要素です。
トライアル時には、情報システム部門だけでなく、実際に業務を行う経理や総務の担当者にも触ってもらい、「これなら毎日使えそうか」という感触を確かめてもらうことが、定着への第一歩となります。
こちらは生成AI導入の具体的な手順や成功事例について解説した記事です。 合わせてご覧ください。
【連携】CSV出力やAPI連携の柔軟性
前述のメリットでも触れましたが、読み取ったデータをその後どう活用するかによって、必要な連携機能が変わってきます。
AI OCRはあくまで「データ化」の入り口であり、その後の業務システムへの入力までを自動化して初めて大きな効果を発揮します。
比較検討の際は、出力されるCSVデータのフォーマットをどれだけ柔軟に設定できるかを確認しましょう。
連携先のシステム(会計ソフトや給与計算ソフトなど)が要求する形式に合わせて、列の並び順やヘッダーの有無、日付の形式などをAI OCR側で変換できれば、後工程での加工の手間をなくすことができます。
また、RPAや自社開発システムとリアルタイムに連携したい場合は、APIの仕様や提供範囲も重要なチェックポイントです。
API連携によって、画像ファイルを特定のフォルダに入れるだけで自動的にOCR処理が走り、結果をシステムに返すといった完全自動化フローを構築することも可能です。
シェア上位ツールの中には、主要な会計ソフトやSFA(営業支援システム)専用の連携コネクタを用意しているものもあり、これらを利用すればノンプログラミングで簡単に連携を実現できます。
【シェア上位】おすすめAI OCRツール比較12選
ここからは、市場で高いシェアを誇り、評価されているおすすめのAI OCRツール12選を紹介します。
- DX Suite
- SmartRead
- SmartOCR
- LINE WORKS OCR
- invoiceAgent
- AIRead
- CaptureBrain
- DEEP READ
- DAiKO OCR with AI inside
- RICOH受領納品書サービス
- eas
- Bill One
それぞれの特徴や強みを解説しますので、自社のニーズに合うものを探してみてください。
DX Suite(AI inside株式会社)
「DX Suite」は、国内AI OCR市場において圧倒的なシェアNo.1を誇る代表的なサービスです。
最大の特徴は、独自開発の文字認識AIによる極めて高い読取精度にあります。
特に、従来のOCRでは苦手とされていた手書き文字の認識に強く、乱筆や枠からはみ出した文字、訂正印が重なった文字であっても、驚くほどの精度でデジタルデータ化します。
ユーザーインターフェースも非常に直感的で、ITの専門知識がない担当者でも、「クリックして囲む」だけの簡単な操作で読み取り設定を行うことができます。
また、請求書や領収書、住民票など、様々な種類の帳票を自動で仕分ける「Elastic Sorter」や、非定型帳票に対応する「Multi Form」などの機能も充実しており、あらゆる帳票業務の効率化に対応します。
多くのRPAツールとの連携実績もあり、導入事例の多さとコミュニティの活発さも、No.1シェアならではの安心感につながっています。
こちらはSmartReadとTegakiの機能統合について解説した記事です。 合わせてご覧ください。 https://it.impress.co.jp/articles/-/22246
SmartRead(株式会社Cogent Labs)
「SmartRead」は、AI研究開発企業であるCogent Labsが提供する、次世代型のIDP(Intelligent Document Processing)サービスです。
同社の高精度な手書き文字認識エンジン「Tegaki」をベースにしており、手書き文字の認識率の高さはもちろんのこと、文書の種類の自動判別からデータ抽出、出力までを一気通貫で行える点が強みです。
特に、定型帳票と非定型帳票が混在している場合でも、AIが自動的に文書の種類を判断して適切な読み取りモデルを適用してくれるため、事前の仕分け作業が不要になります。
確認・修正画面のUIも優れており、確信度の低い箇所をハイライト表示してくれる機能など、人間のチェック作業を最小限に抑える工夫が随所に施されています。
API連携機能も充実しており、既存の業務システムへの組み込みもスムーズに行えるため、開発者からも高い評価を得ているツールです。
SmartOCR(株式会社インフォディオ)
「SmartOCR」は、スマートフォンアプリでの撮影画像や、歪んだ画像の読み取りに強いAI OCRソリューションです。
スキャナで綺麗にスキャンした画像だけでなく、スマホで撮影した際に生じる台形歪みや影などを自動で補正し、高い精度で文字を認識することができます。
これにより、外出先から経費精算のレシートを撮影してアップロードするといった運用が可能になります。
また、複雑なレイアウトの帳票や、表組みが含まれる明細書の読み取りも得意としています。
データ抽出機能が強力で、非定型な請求書から「請求日」「合計金額」「明細行」などの必要な項目だけをピンポイントで抜き出すことができます。
オンプレミス版やプライベートクラウド版も提供されており、セキュリティポリシーの厳しい金融機関や官公庁などでも導入実績が豊富なツールです。
こちらはSmartOCRの導入企業事例を業種別にまとめた一覧ページです。 合わせてご覧ください。 https://www.smartocr.jp/cases/
LINE WORKS OCR(LINE WORKS株式会社)
「LINE WORKS OCR」は、ビジネスチャットツールとして広く普及している「LINE WORKS」上で利用できるAI OCR機能です。
普段使い慣れているLINEのようなインターフェースで、トークルームに画像を送信するだけで文字認識が可能という手軽さが最大の特徴です。
特別なアプリのインストールや複雑な設定が不要で、現場の社員がスマホで撮影した書類や名刺をその場でデータ化し、共有することができます。
名刺やレシートに特化した読み取りモードがあり、入力の手間を大幅に削減します。
本格的な大量帳票処理というよりは、現場での報告業務や経費精算の補助、名刺管理の効率化など、手軽にAI OCRの恩恵を受けたい企業や、すでにLINE WORKSを導入している企業にとって最適な選択肢となります。
チャットボットと組み合わせることで、対話形式でのデータ入力なども実現可能です。
invoiceAgent(ウイングアーク1st株式会社)
「invoiceAgent」は、帳票基盤ソリューションで高いシェアを持つウイングアーク1stが提供する、文書活用ソリューションです。
単なるOCR機能だけでなく、文書の保管・管理(電子帳簿保存法対応)や、企業間での電子取引機能までを含めたトータルプラットフォームとして機能します。
AI OCR機能としては、5つの異なるOCRエンジンを搭載しており、読み取りたい項目や文字種に応じて最適なエンジンを選択・併用することで、認識精度を最大化させることができます(Distributor機能)。
また、読み取ったデータと既存システムのマスタデータを突合して自動補正する機能など、業務運用に即した実用的な機能が豊富です。
帳票の発行から受領、データ化、保管までを一元管理したい企業や、電子帳簿保存法への対応と合わせて業務効率化を進めたい企業に選ばれています。
こちらはinvoiceAgentの市場シェアや導入実績について発表されたプレスリリースです。 合わせてご覧ください。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000053341.html
AIRead(アライズイノベーション株式会社)
「AIRead」は、手書き・活字の読み取りに対応し、オンプレミス環境でも利用可能なAI OCRです。
最大の特徴は、提供形態の柔軟さとコストパフォーマンスの高さです。
SaaS型(クラウド)、パッケージ型(オンプレミス)、LGWAN(総合行政ネットワーク)対応版など、顧客の環境に合わせて最適な形態を選択できます。
特に、インターネットに接続できない閉域網での利用を希望する自治体や金融機関、製造業の工場などでの導入実績が豊富です。
また、読み取り定義の設定が直感的でわかりやすく、座標指定だけでなく、キーワードを基点とした相対座標指定も可能なため、多少の印刷ズレにも対応できます。
スタンドアローンでの利用から、大規模なシステム連携まで幅広く対応でき、比較的安価なライセンス体系も魅力の一つです。
FAX受注業務の自動化など、現場密着型のソリューションとして支持されています。
CaptureBrain(キヤノンITソリューションズ株式会社)
「CaptureBrain」は、キヤノンの長年の画像処理技術とAI技術を融合させたクラウド型AI OCRソリューションです。
キヤノングループならではの強みとして、スキャン画像の高品質な補正技術があります。
文字が薄い、ノイズが多いといった悪条件の画像でも、AI OCRに最適な状態へ前処理を行うことで、認識精度を向上させています。
独自のAIエンジンにより、手書き文字や活字の混在した帳票も高精度にデジタル化します。
また、コグニティブ(認知)技術を活用し、非定型帳票の読み取りや自動仕分けにも対応しています。
キヤノン製の複合機やドキュメントスキャナとの親和性が高く、スキャンからデータ化、保存までの一連のワークフローをシームレスに構築できる点が評価されています。
SIerとしての実績も豊富なため、個別の業務要件に合わせたカスタマイズやシステム連携の提案力も強みです。
DEEP READ(株式会社EduLab)
「DEEP READ」は、教育分野でのテスト採点業務などを通じて培われた、業界最高水準の手書き文字認識技術を持つAI OCRです。
もともと教育業界やBPO事業者の大量の解答用紙処理などで鍛え上げられたエンジンであり、クセの強い手書き文字の認識において卓越した性能を発揮します。
金融機関の申込書や、医療機関の問診票、アンケート用紙など、自由記述の手書き文字が多い帳票のデータ化において特に強みを持っています。
クラウド型だけでなく、オンプレミス型や、顧客の専用環境への構築など、セキュリティ要件に応じた提供形態も可能です。
汎用的なOCRでは読み取りが困難な特殊な手書き文字を扱う業務や、絶対にデータを外部に出せない厳格なセキュリティ環境下での利用を検討している企業にとって、有力な候補となります。
DAiKO OCR with AI inside(DAIKO XTECH株式会社)
「DAiKO OCR with AI inside」は、大興電子通信グループのDAIKO XTECHが、AI inside社の「DX Suite」をベースに提供しているOEMサービスです。
基本機能や認識精度は市場シェアNo.1のDX Suiteと同等ですが、DAIKOグループが持つSI(システムインテグレーション)ノウハウが付加されている点が特徴です。
単にツールを提供するだけでなく、導入前の業務分析から、RPAツールとの連携、基幹システムへのデータ連携開発まで、ワンストップでサポートを受けられるメリットがあります。
特に、中堅・中小企業向けの業務システム構築に強みを持っており、「DX Suiteを使いたいが、自社だけで設定や連携を行う自信がない」という企業に対して、手厚い導入支援とともに提供されるケースが多いです。
信頼性の高いエンジンと、SIベンダーのサポート力を両立させたサービスと言えます。
RICOH受領納品書サービス(株式会社リコー)
「RICOH受領納品書サービス」は、複合機メーカーであるリコーが提供する、納品書や請求書の処理業務に特化したAI OCRソリューションです。
リコーの複合機と直接連携し、紙の納品書をスキャンするだけで、AIが情報を自動抽出し、データ化を行います。
このサービスのユニークな点は、AIによる自動認識に加え、オペレーターによる確認・修正代行サービス(BPO)をオプションで組み合わせられることです。
これにより、現場での検算や修正の手間をほぼゼロにすることが可能になります。
また、読み取ったデータは商品マスタと照合して、社内品番への自動変換なども行えます。
購買管理システムや会計システムへの連携もスムーズで、特に製造業や卸売業など、日々大量の納品書処理に追われている現場の業務効率化に特化した実践的なツールです。
eas(株式会社ユニメディア)
「eas(イーズ)」は、AI OCRと「人(クラウドワーカー)」による入力を組み合わせたハイブリッド型のデータ化サービスです。
純粋なツール提供ではなく、データ入力のアウトソーシングに近い形態をとっています。
AIが一次処理を行い、自信がない箇所やAIが苦手な箇所を、セキュリティ教育を受けたクラウドワーカーが目視で補正・入力します。
これにより、「精度99.9%以上」という、AI単体では到達困難な極めて高いデータ品質を担保しています。
ユーザー側は、OCRの誤読を修正する作業から解放され、完成された正確なデータを受け取るだけになります。
「とにかく手間をかけずに、完璧なデータが欲しい」「修正作業をするリソースすらない」という企業にとっては、最強のソリューションとなり得ます。
納期も早く、急な大量データの処理にも柔軟に対応できる点が強みです。
Bill One(Sansan株式会社)
「Bill One」は、名刺管理で有名なSansanが提供する、請求書受領に特化したインボイス管理サービスです。
AI OCRとオペレーターによる確認を組み合わせることで、99.9%という極めて高いデータ化精度を担保しています。 汎用的なAI OCRツールではありませんが、請求書業務の効率化においては圧倒的なシェアと知名度を誇り、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も万全です。
特定の帳票(請求書)に課題が集中している場合、最も導入効果が高い選択肢として多くの企業に選ばれています。
AI OCRのシェアに関するよくある質問
最後に、AI OCRのシェアや選定に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- シェアNo.1製品について
- 無料・安価なツールについて
- 手書き文字の認識について
疑問点を解消して、納得のいくツール選定につなげてください。
AI OCRでシェアNo.1の製品はどれですか?
国内市場におけるAI OCRのシェアNo.1製品は、AI inside株式会社が提供する「DX Suite」です。
多くの市場調査レポートにおいて、数年連続でトップシェアを獲得しています。
その理由は、圧倒的な手書き文字の認識精度、誰でも使える直感的な操作性、そして豊富なAPI連携実績にあります。
ただし、シェアNo.1だからといって必ずしも自社に最適とは限らないため、機能やコストを比較検討することが重要です。
無料や安価で使えるAI OCRはありますか?
完全無料で業務利用できる高機能なAI OCRは少ないですが、Googleドライブ(Googleドキュメント)のOCR機能など、簡易的なものであれば無料で利用可能です。
安価な商用ツールとしては、「LINE WORKS OCR」などのチャットツール付帯機能や、従量課金制でスモールスタートできるクラウド型サービスがあります。
ただし、無料や極端に安価なツールは、セキュリティ面やサポート体制、読み取り枚数の制限、保存期間などに制約がある場合が多いため、本格的な業務導入には注意が必要です。
手書き文字の認識に最も強いツールはどれですか?
手書き文字認識に関しては、「DX Suite(AI inside)」や「SmartRead(Cogent Labs)」が業界トップクラスの精度を誇ります。
これらはディープラーニングを用いて大量の手書きデータを学習しており、崩し字やクセ字でも高い確率で正しく読み取ることができます。
また、教育分野で培われた「DEEP READ」も手書き認識に定評があります。
「最も強い」は読み取る帳票の種類(数字中心か、日本語文章かなど)によっても異なるため、実際の帳票を使ってトライアル比較を行うのが確実です。
「シェアNo.1なら安心」は思考停止?AI OCR導入で“現場が疲弊する”意外な落とし穴
「とりあえずシェアが高いツールを選べば失敗しないだろう」――。もしそう思ってAI OCRを選定しようとしているなら、少し危険なサインです。株式会社ハンモックの実態調査によると、AI OCRを導入した企業の約8割が運用に何らかの課題を感じており、そのうち約6割が「確認作業の手間がなくならない」と回答しています。
これは、ツール導入自体が目的化し、業務プロセス全体の見直しが追いついていない「DXの形式化」が起きている証拠です。この状態が続くと、次のようなリスクが考えられます。
- 検品地獄に陥る:「読取精度99%」でも、残り1%のミスを見つけるために、結局人間が全てのデータを目視確認しなければならない。
- コスト対効果が合わない:高額なツールを導入しても、修正作業にかかる人件費が減らず、トータルコストが下がらない。
- 現場が疲弊する:新しいツールの操作習得と、減らないアナログ作業の板挟みになり、現場のモチベーションが低下する。
便利なツールに頼るあまり、本来の目的である「業務時間の削減」がおろそかになり、逆に新たな作業を生み出してしまう可能性があるのです。
引用元:
株式会社ハンモックが実施した「AI OCR導入の実態調査」によると、導入企業の78.4%が課題を感じており、具体的な課題として「確認作業の手間がなくならない(56.9%)」が最多となりました。(株式会社ハンモック「AI OCR導入の実態調査」2022年)
まとめ
DX推進やペーパーレス化の切り札として、多くの企業でAI OCRの導入が進んでいます。
しかし、実際には「設定が難しく現場に定着しない」「読み取り後のデータ活用まで手が回らない」「確認作業の手間が減らない」といった理由で、導入効果が限定的になってしまう企業も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。
Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用し、200種類以上の実用的なAIタスクをパッケージ化した生成AI活用プラットフォームです。
単なる文字の読み取り(OCR)だけでなく、読み取ったデータの要約、メールドラフトの作成、レポート生成など、OCR後の業務までを含めた一連のフローを「アプリ」として選ぶだけで、誰でも直感的に自動化できます。
しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、金融機関レベルのデータセキュリティが万全で、機密情報の取り扱いも安心です。
さらに、AIコンサルタントによる手厚い導入サポートがあるため、「どの業務をどう自動化すればいいかわからない」という初心者企業でも迷わずスタートできます。
導入後すぐに効果を実感できる設計なので、複雑なシステム連携や高度なIT知識がなくても、すぐに業務効率化が図れる点が大きな魅力です。
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