「ChatGPTに指示を出しても、なかなか意図した通りの回答が返ってこない…」
「結局、自分で修正する手間がかかってしまい、かえって時間がかかっている気がする」
このように感じて、ChatGPTの活用を諦めかけている方も多いのではないでしょうか?
ChatGPTは非常に優秀なAIですが、こちらの意図を100%汲み取ってくれる魔法の杖ではありません。
しかし、伝え方ひとつでそのパフォーマンスは劇的に変化します。
最新のGPT-5.2モデルであっても、やはり重要なのは人間側からの「適切な指示出し」なのです。
本記事では、ChatGPTを思い通りに動かすための基本原則から、すぐに使える具体的なプロンプトの型、そしてシーン別の活用事例までを網羅的に解説しました。
上場企業への生成AI導入コンサルティングを行っている弊社が、実務で検証を重ねたノウハウのみをご紹介します。
この記事を読めば、明日からChatGPTがあなたの最高のパートナーへと変わるはずです。
ぜひ最後までご覧いただき、日々の業務にお役立てください。
なぜ思った通りの回答が来ない?指示出しの基本原則
ここからは、なぜChatGPTが思った通りの回答をしてくれないのか、その根本的な原因と解決のための基本原則について解説します。
ChatGPT 指示の出し方において最も重要なことは、AIの特性を理解し、人間同士のコミュニケーションとは異なるアプローチを取ることです。
曖昧な指示は、曖昧な回答を生む最大の原因となります。
まずは、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
- ChatGPTは「具体的で明確な指示」がないと動けない
- うまくいかない「ダメな指示」と「良い指示」の具体的な違い
これらを理解することで、AIに対する認識が変わり、指示の質が一段階上がります。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
ChatGPTは「具体的で明確な指示」がないと動けない
ChatGPTなどの大規模言語モデルは、膨大なテキストデータから言葉の確率的なつながりを予測して文章を生成しています。
ChatGPTなどの大規模言語モデルが、人間の指示に従うように調整された仕組み(InstructGPT)については、こちらの論文で詳しく解説されています。 https://arxiv.org/abs/2203.02155
人間のように文脈や空気を読んで、「言わなくてもわかるだろう」と察してくれることはありません。
そのため、具体的で明確な指示を与えることが、精度の高い回答を引き出すための必須条件となります。
たとえば、部下に仕事を頼むときを想像してみてください。
「いい感じの資料を作っておいて」とだけ伝えても、期待通りの資料が出来上がってくることは稀でしょう。
目的は何なのか、誰に向けたものか、いつまでに必要なのか、どのような形式が良いのか。
これらを詳細に伝えることで初めて、部下は適切な動きができます。
ChatGPTに対してもこれと同じことが言えます。
特に、最新のGPT-5.2では、思考時間の自動切替機能などがさらに洗練され、複雑な推論能力が飛躍的に向上しています。
最新モデルであるGPT-5.2の機能やリリース情報、前モデルとの具体的な違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 合わせてご覧ください。
しかし、どんなにモデルが賢くなっても、入力される指示(プロンプト)が曖昧であれば、AIは何を優先すべきか判断できません。
AIの能力を最大限に引き出すためには、私たち人間側が「何を求めているのか」を言語化し、解像度高く伝えるスキルが求められるのです。
まずは「察してもらう」という期待を捨て、すべてを言葉にする意識を持ちましょう。
うまくいかない「ダメな指示」と「良い指示」の具体的な違い
では、具体的にどのような指示が「ダメ」で、どのような指示が「良い」のでしょうか。
ここでは、実際にありがちな失敗例と、それを改善した成功例を比較しながら解説します。
この違いを理解するだけで、日常的な指示出しの質が大きく向上します。
まず、「ダメな指示」の典型例は、情報量が圧倒的に不足しているケースです。
例えば、「SEOの記事を書いて」というだけの指示です。
これでは、どのようなテーマで、誰に向けた記事なのか、文字数はどれくらいか、文体はどうするのかといった情報が一切ありません。
その結果、ChatGPTは一般的な情報を羅列しただけの、当たり障りのない文章を出力することになります。
これでは実務で使えるレベルには到達しません。
一方で、「良い指示」には、制約条件や背景情報が明確に含まれています。
「ターゲットは30代のビジネスパーソンで、初心者向けにSEOの基礎を解説する記事を書いてください。文字数は3000文字程度、専門用語はできるだけ使わず、具体的な例え話を交えて親しみやすい文体で作成してください」
このように具体的な指示を与えることで、ChatGPTはターゲットや目的に合わせた文章を生成することができます。
さらに、「見出し構成案を作成してから執筆して」といったプロセスを指定することも有効です。
良い指示とは、AIが迷う余地をなくし、ゴールまでの道筋をはっきりと示すものだと言えるでしょう。
回答精度が劇的に上がる!指示の出し方7つのコツ
ChatGPTへの指示の出し方には、知っているだけで回答の精度が劇的に向上するいくつかの「コツ」が存在します。
漫然と質問を投げかけるのではなく、意図的にプロンプトを工夫することで、ChatGPTはより賢く、より役に立つ回答を返してくれるようになります。
ここでは、プロも実践している7つの重要なテクニックを紹介します。
- プロの編集者やコンサルタントなどの「役割」を与える
- 誰に向けた文章か「ターゲット」と「背景」を詳細に伝える
- 表形式や箇条書きなど「出力形式」を明確に指定する
- 理想の回答例(サンプル)を提示してパターンを学習させる
- 「#命令書」や「#制約条件」を使って指示を構造化する
- 複雑な作業は一度に行わず手順を分けて指示する
- 一度で諦めずに追加質問で修正指示(フィードバック)を出す
これらのコツを組み合わせることで、あなたの指示力は確実にレベルアップします。
それでは、それぞれのテクニックを詳しく解説していきましょう。
プロの編集者やコンサルタントなどの「役割」を与える
ChatGPTに対して「あなたは〇〇のプロフェッショナルです」という役割(ロール)を与えることは、回答の品質を高めるための非常に効果的なテクニックです。
これを「ロールプレイプロンプト」と呼びます。
役割を定義することで、ChatGPTはその立場にふさわしい知識、視点、言葉遣いを選択して回答するようになります。
例えば、マーケティングの戦略を立てたい場合、単に「マーケティングのアイデアを出して」と聞くのと、「あなたは世界トップクラスのマーケティングコンサルタントです」と前置きしてから聞くのとでは、出力される内容の深さが異なります。
役割を与えられたChatGPTは、その専門家としての振る舞いをシミュレーションし、より専門的で戦略的な観点からの提案を行うようになるのです。
これは、AIが学習データの中から関連性の高い文脈を優先的に呼び出すためです。
役割の設定は具体的であればあるほど効果的です。
「優秀なライター」とするよりも、「IT業界に精通し、難解な技術を初心者にもわかりやすく解説することに定評のあるテック系ライター」と設定する方が、より意図に沿った文章が生成されます。
また、「辛口の編集者として記事を批評してください」と指示すれば、改善点を厳しく指摘してもらうことも可能です。
どのような視点からの回答が欲しいのかを明確にし、AIにその「仮面」を被ってもらうことで、回答の精度をコントロールしましょう。
ペルソナ(役割)を設定することでLLMの能力が引き出される効果については、こちらの研究論文でも実証されています。合わせてご覧ください。 https://arxiv.org/abs/2310.00746
誰に向けた文章か「ターゲット」と「背景」を詳細に伝える
文章作成やアイデア出しを依頼する際、その成果物を「誰」が見るのか、どのような「背景」で必要なのかを伝えることは極めて重要です。
同じテーマであっても、読み手が小学生なのか、経営者なのかによって、使うべき言葉や説明の深さは全く異なるからです。
ターゲット設定が抜けていると、ChatGPTは誰にでも当てはまるような平均的な回答しかできません。
例えば、新入社員向けの研修資料を作成する場合を考えてみましょう。
「ビジネスマナーについての資料を作って」という指示だけでは、内容が堅苦しすぎたり、逆に簡単すぎたりする可能性があります。
そこで、「ターゲットは今年入社したばかりのZ世代の新入社員です。彼らはデジタルネイティブですが、電話対応や対面でのコミュニケーションには不安を感じています。共感を呼びつつ、実践的なスキルが身につく内容にしてください」と背景を伝えます。
すると、ChatGPTはターゲットの特性や抱えている課題を考慮し、より響きやすいトーンや内容で構成してくれるでしょう。
背景情報には、その作業を行う目的や、現状の課題、最終的なゴールなども含めるとさらに効果的です。
「なぜこの文章が必要なのか」「これを読む人にどうなってほしいのか」という文脈を共有することで、ChatGPTは単なる文字情報の生成ではなく、目的達成のためのパートナーとして機能し始めます。
AIをチームの一員として扱い、プロジェクトの背景を共有するような感覚で指示を出してみましょう。
表形式や箇条書きなど「出力形式」を明確に指定する
ChatGPTからの回答が見にくい、整理されていないと感じる場合は、出力形式の指定が不足していることが多いです。
人間にとって読みやすい形式と、AIが自然に出力する形式は必ずしも一致しません。
そのため、どのような形で回答が欲しいのかを具体的に指示する必要があります。
例えば、複数の案を比較検討したい場合は、「表形式で出力してください」と指示するのがベストです。
さらに、「列には『メリット』『デメリット』『コスト』『実施難易度』の項目を作ってください」と指定すれば、そのまま資料として使えるレベルの比較表が瞬時に作成されます。
文章でダラダラと説明されるよりも、一目で情報を把握できるため、意思決定のスピードも上がります。
また、手順書やマニュアルを作成させたい場合は、「箇条書きで、ステップ1、ステップ2という形式で書いてください」と指示したり、プログラミングコードが必要な場合は「コードブロックで出力し、各行にコメントを入れてください」と指定したりすることも可能です。
CSV形式やJSON形式など、他のツールで読み込むためのデータ形式での出力も指定できます。
「テキスト形式で」「マークダウン形式で」といった細かいフォーマット指定も有効です。
出力後の加工の手間を減らすためにも、最初から理想の形式を指定する癖をつけましょう。
理想の回答例(サンプル)を提示してパターンを学習させる
これは「Few-Shotプロンプティング」と呼ばれる手法で、非常に強力なテクニックの一つです。
例示を与えることで学習させる「Few-Shot」プロンプティングの基礎となったGPT-3の論文はこちらです。より深く知りたい方はご覧ください。 https://arxiv.org/abs/2005.14165
指示文の中で、期待する回答の例(サンプル)をいくつか提示することで、ChatGPTに回答のパターンや法則性を学習させることができます。
言葉で説明するのが難しいニュアンスや形式も、例を見せることでAIは直感的に理解してくれます。
例えば、商品のキャッチコピーを考えさせたい場合、「面白いキャッチコピーを考えて」と言うよりも、以下のように指示する方が効果的です。
「以下の例を参考に、新商品のエナジードリンクのキャッチコピーを5つ考えてください。
例1:『翼をさずける』(短くてリズミカル)
例2:『ファイト一発!』(力強さを表現)
例3:『24時間戦えますか』(ビジネスマンへの問いかけ)」
このように例を示すことで、ChatGPTは「短くて、インパクトがあり、比喩や問いかけを用いたフレーズが良いのだな」と理解し、そのトーンに合わせた回答を生成します。
また、データの抽出や整理を行わせる際にも、入力データと出力データの例をセットで提示することで、処理の精度が格段に上がります。
特に、GPT-5.2のような高性能なモデルであっても、独自のルールや特殊なフォーマットを遵守させるには、この「例示」が最も確実な方法です。
「百聞は一見に如かず」は、対AIコミュニケーションにおいても真理なのです。
「#命令書」や「#制約条件」を使って指示を構造化する
複雑な指示を出す場合、文章だけでダラダラと書いてしまうと、AIが指示の一部を見落としたり、優先順位を誤ったりすることがあります。
これを防ぐためには、プロンプト自体を構造化し、整理されたフォーマットで記述することが有効です。
一般的には、「#命令書」「#制約条件」「#入力文」「#出力文」といった見出しを使い、情報をブロックごとに区切って記述します。
構造化されたプロンプトの例を見てみましょう。
「#命令書
あなたはプロの要約ライターです。以下の文章を要約してください。
#制約条件
・文字数は300文字以内
・小学生でもわかる言葉を使う
・重要なポイントを3つ箇条書きにする
・断定的な口調にする
#入力文
(要約したい文章)
」
このように区切ることで、ChatGPTはどこが命令で、どこが守るべきルールで、どこが処理対象のテキストなのかを明確に識別できます。
記号(#や■など)を使って視覚的に区切ることは、AIにとっての「読みやすさ」を向上させる効果があります。
特に制約条件は箇条書きにすることで、一つひとつの条件が独立して認識されやすくなり、指示漏れのリスクが減ります。
長いプロンプトになるときほど、この構造化テクニックを活用し、AIが処理しやすい形に情報を整理してあげることが重要です。
これはプログラミングのコードを書く感覚に近いかもしれません。
プロンプトをプログラムコードのように構造化して扱う手法については、こちらの論文が参考になります。 https://arxiv.org/abs/2102.07350
複雑な作業は一度に行わず手順を分けて指示する
人間がいっぺんに多くのことを言われると混乱するように、ChatGPTも一度に複雑すぎる指示を与えられると、処理の精度が落ちることがあります。
特に、論理的な思考が必要なタスクや、複数のステップを踏む作業の場合は、指示をいくつかに分割して、段階的に対話を進める方が確実です。
これを「Chain of Thought(思考の連鎖)」プロンプティングの応用とも言えます。
思考の過程を出力させることで推論能力を高める「Chain-of-Thought」プロンプティングの原典となる論文はこちらです。 https://arxiv.org/abs/2201.11903
例えば、「競合調査をして、SWOT分析を行い、それに基づいたマーケティング戦略を立案して、プレゼン資料の構成案まで作って」という指示を一度に出すと、各工程が浅くなってしまいがちです。
これを防ぐために、まずは「競合他社を3社リストアップして特徴をまとめて」と指示します。
その回答を確認した上で、「次に、それぞれのSWOT分析を行って」と指示し、さらに「その分析結果をもとに戦略を立案して」と進めていきます。
このように手順を分けることで、各ステップでの回答品質を確認・修正しながら進めることができます。
もし途中で方向性がずれても、その段階ですぐに軌道修正が可能です。
最新のGPT-5.2では「Thinking」モードなどにより、複雑なタスクを一気に処理する能力も格段に向上していますが、それでも確実性を求めるならステップバイステップのアプローチが有効です。
「まずは〇〇をして。それが終わったら教えて」と伝え、対話を重ねながらゴールを目指しましょう。
一度で諦めずに追加質問で修正指示(フィードバック)を出す
どんなに優れたプロンプトを使っても、一発で100点満点の回答が得られるとは限りません。
多くの人は、最初の回答がイマイチだと「使えない」と判断して諦めてしまいますが、それは非常にもったいないことです。
ChatGPTの真価は、対話を通じた「修正力」にあります。
回答が意図と違う場合は、どこがどう違うのか、どう直してほしいのかをフィードバックしましょう。
「内容は良いですが、もう少しカジュアルな文体に書き直してください」
「具体例が少し古いので、最新の事例に差し替えてください」
「3つ目のポイントについて、もっと詳しく掘り下げて解説してください」
このように具体的な修正指示を出すことで、ChatGPTは前の文脈を理解した上で、回答をブラッシュアップしてくれます。
対話を重ねるごとに、あたかも新人アシスタントが成長していくかのように、あなたの好みを学習していきます。
また、なぜそのような回答になったのか理由を聞くのも有効です。
「なぜこの案を推奨したのですか?」と聞くことで、AIの思考プロセスを確認でき、納得感を高めたり、新たな気づきを得たりすることができます。
最初から完璧を求めず、キャッチボールをしながら徐々に理想の回答に近づけていく姿勢が、ChatGPTを使いこなすための重要なマインドセットです。
あきらめずに、粘り強く対話を続けてみてください。
言語的なフィードバックを通じてエージェントが自己改善を行う「Reflexion」という手法については、こちらの論文で詳しく論じられています。 https://arxiv.org/abs/2303.11366
【保存版】誰でも一定の成果が出せる指示出しの「型」
ChatGPTへの指示出しには、すでに多くの先人たちが開発し、効果が実証されている「型(フレームワーク)」が存在します。
毎回ゼロから指示文を考えるのではなく、これらの型に当てはめて作成することで、誰でも簡単に、かつ一定以上の品質で回答を得ることができます。
ここでは、特に汎用性が高く、ビジネスシーンですぐに使える3つの代表的な型を紹介します。
テンプレートとして保存し、日常業務でコピペして使えるようにしておくと便利です。
それぞれの型の特徴を理解し、目的に応じて使い分けましょう。
- 汎用性が高く基本となる「深津式プロンプト」
- 必要な要素を埋めるだけの「要素指定型プロンプト」
- ゴールから逆算して対話する「ゴールシークプロンプト」
汎用性が高く基本となる「深津式プロンプト」
note株式会社の深津貴之氏が考案したこのプロンプト形式は、日本国内で最も有名で広く使われている型の一つです。
AIに対して役割を与え、入力文と制約条件を明確に区切り、出力をコントロールするという、これまで解説してきた基本要素がすべて凝縮されています。
非常に汎用性が高く、文章作成、要約、アイデア出しなど、あらゆるタスクに応用可能です。
基本的な構成は以下のようになります。
「#命令書」で役割と目的を定義し、「#制約条件」で守るべきルールを箇条書きにし、「#入力文」で処理対象のテキストを与え、「#出力文」で最終的な成果物を求めます。
この型の最大の特徴は、AIの解釈のブレを最小限に抑える構造になっている点です。
「最高の回答を出力してください」といった一文を加えることも、AIのパフォーマンスを引き出すための工夫として知られています。
実際に使用する際は、この型を辞書登録しておき、中身の条件や入力文だけを書き換えて使うのがおすすめです。
型が決まっていることで、指示出しにかかる時間を短縮できるだけでなく、指示漏れを防ぐ効果もあります。
まずはこの深津式プロンプトをマスターすることが、プロンプトエンジニアリングの第一歩と言えるでしょう。
AIへの指示(プロンプト)の基本的な作り方や、そのまま業務で使える日本語のテンプレート集をこちらの記事で紹介しています。 合わせてご覧ください。
迷ったらまずはこの型を使ってみることを推奨します。
必要な要素を埋めるだけの「要素指定型プロンプト」
要素指定型プロンプトは、あらかじめ用意された項目(パラメータ)を埋めるだけで、精度の高い指示が完成するテンプレート形式の型です。
料理のレシピのように、必要な材料を入れるだけで料理が出来上がるイメージです。
特に、毎回同じようなタスクを繰り返す場合や、チーム内でプロンプトを共有する場合に非常に便利です。
具体的な項目としては、「役割」「ターゲット」「目的」「文体」「文字数」「フォーマット」などが挙げられます。
例えば、以下のようなテンプレートを用意しておきます。
「
[役割]: SEOコンサルタント
[ターゲット]: 20代の美容に関心のある女性
[テーマ]: 夏の紫外線対策
[構成]: 導入、原因、対策3選、まとめ
[文体]: 親しみやすく、共感できるトーン
[出力]: ブログ記事の構成案
」
このように項目を埋めて渡すだけで、ChatGPTはそれぞれの要素を考慮した回答を生成します。
この型のメリットは、プロンプト作成の属人化を防げる点です。
誰が指示を出しても、必須項目さえ埋まっていれば、一定のクオリティが担保されます。
企業で生成AIを導入する際には、業務ごとにこのようなテンプレートを作成し、社員に配布するのが効果的です。
メール作成用、議事録要約用、企画書作成用など、業務に合わせた専用のテンプレートを作ってみましょう。
ゴールから逆算して対話する「ゴールシークプロンプト」
ゴールシークプロンプトは、最初から完璧な指示を出すのが難しい場合に、ChatGPT自身に「何が必要か」を質問させるという逆転の発想を用いた型です。
「ゴール(達成したいこと)」だけを伝え、そのために必要な情報が不足していれば、AIから人間に質問するように指示します。
対話型の生成AIならではの特性を最大限に活かした手法です。
具体的な指示としては、「あなたはこのタスクを達成するために必要な情報を、私に質問してください。情報が揃うまで回答を作成しないでください」といった内容を含めます。
例えば、「素晴らしいキャッチコピーを作りたい」というゴールだけを伝え、ゴールシークプロンプトを使うと、ChatGPTは「ターゲットは誰ですか?」「商品の特徴は何ですか?」「競合他社はどこですか?」といった質問を返してきます。
これに答えていくことで、自然とプロンプトに必要な条件が揃っていきます。
この方法は、自分自身でも要件が整理できていないときや、何から伝えればいいかわからないときに非常に有効です。
AIにコンサルタントになってもらい、ヒアリングを受けるような体験ができます。
壁打ち相手としてChatGPTを活用し、対話をしながら思考を深めていきたい場合には、このゴールシークプロンプトを試してみてください。
【コピペで完了】シーン別ChatGPTの指示出し例文集
理屈はわかったけれど、まずは手っ取り早く使える例文が欲しいという方のために、ビジネスシーンですぐに使えるプロンプト集を用意しました。
これらの例文は、そのままコピペして、[ ]で囲まれた部分をご自身の状況に合わせて書き換えるだけで使用できます。
日常業務で頻繁に発生するタスクをカバーしていますので、ぜひ活用してください。
ChatGPTを業務で最大限に活用するための具体的な事例40選や、導入を成功させる秘訣についてはこちらのガイドで徹底解説しています。 合わせてご覧ください。
プロンプトの効果を実感することで、独自のプロンプトを作る際の参考にもなるはずです。
- 【メール作成】失礼のない謝罪・依頼メールの下書き
- 【要約】長い議事録やニュース記事の要点を箇条書きでまとめる
- 【アイデア出し】新規事業やキャッチコピーのブレインストーミング
- 【文章作成】SEO記事の構成案やSNS投稿文の作成
- 【業務効率化】Excel関数やマクロのコード作成
- 【翻訳・校正】自然なビジネス英語への翻訳とネイティブチェック
- 【プログラミング】コードのバグ修正と解説
【メール作成】失礼のない謝罪・依頼メールの下書き
ビジネスメールの作成、特に謝罪や難しい依頼のメールは、文面に悩んで時間がかかってしまいがちです。
ChatGPTを使えば、状況に応じた適切なトーンのメール案を瞬時に作成できます。
Markdown
あなたはベテランの秘書です。以下の条件でメールの下書きを作成してください。
#条件
・相手:[取引先の〇〇部長]
・件名:[納期遅延のお詫び]
・状況:[システムトラブルにより、納品が当初の予定より2日遅れる見込み]
・こちらの対応:[担当者が手動で作業を進めており、最短での納品を目指している]
・トーン:[誠心誠意、丁寧にお詫びする]
・文字数:[300文字程度]
ビジネスメールとして失礼がなく、かつ相手に安心感を与える内容にしてください。
【要約】長い議事録やニュース記事の要点を箇条書きでまとめる
長文の議事録や記事を読む時間がないとき、要約プロンプトは強力な時短ツールになります。
重要なポイントだけを抽出させましょう。
Markdown
以下のテキストを要約してください。
#制約条件
・要点は箇条書きで3〜5点にまとめる
・結論を最初に述べる
・小学生でもわかる平易な言葉で解説する
・マークダウン形式で見やすく出力する
#テキスト
[ここに要約したい議事録や記事の本文を貼り付け]
【アイデア出し】新規事業やキャッチコピーのブレインストーミング
一人で悩んでいてもアイデアが出ないときは、ChatGPTをブレストの相手にしましょう。
質より量を重視してアイデアを出させるのがコツです。
Markdown
あなたは優秀な企画プランナーです。
[20代女性向けの新しいフィットネスアプリ]に関するアイデアをブレインストーミングしてください。
#制約条件
・斬新でユニークなアイデアを20個出す
・既存の概念にとらわれないこと
・それぞれのアイデアに、簡潔な説明(1行)をつける
・実現可能性は一旦無視してよい
リスト形式で出力してください。
【文章作成】SEO記事の構成案やSNS投稿文の作成
コンテンツ作成においても、構成案やドラフト作成を任せることで作業効率が上がります。
ターゲットとキーワードを指定することが重要です。
Markdown
あなたはプロのWebライターです。以下の条件でSEO記事の構成案を作成してください。
#キーワード
[テレワーク メリット デメリット]
#ターゲット
[これからテレワークを導入しようとしている中小企業の経営者]
#ゴール
[テレワーク導入ツールの資料請求につなげる]
#出力形式
H2、H3の見出し構成案を作成し、各見出しで何を書くか(意図)を簡単に添えてください。
【業務効率化】Excel関数やマクロのコード作成
Excelで「やりたいことは決まっているのに、関数がわからない」という経験はありませんか?
ChatGPTに自然言語でやりたいことを伝えれば、適切な関数やVBAコードを教えてくれます。
Markdown
Excelで以下の処理を行いたいのですが、適切な関数、またはVBAコードを教えてください。
#やりたいこと
[A列に入っている日付データから、「月」だけを抽出してB列に表示させたい。また、土日の場合はC列に「休日」と表示させたい]
初心者でもわかるように、手順と解説を加えてください。
【翻訳・校正】自然なビジネス英語への翻訳とネイティブチェック
翻訳ツールよりも文脈を理解した自然な翻訳が可能です。
また、自分が書いた英文の添削にも使えます。
Markdown
以下の日本語をビジネスメールに適した英語に翻訳してください。
#日本語
[先日はミーティングのお時間をいただきありがとうございました。提案いただいたプロジェクトについて社内で検討した結果、今回は見送らせていただくことになりました。]
#制約条件
・相手は海外の取引先
・断りのメールだが、今後につながるような丁寧な表現にする
・ネイティブが読んでも違和感のない自然なフレーズを使う
【プログラミング】コードのバグ修正と解説
エンジニアにとってもChatGPTは強力なパートナーです。
エラーの原因特定やコードの最適化を依頼できます。
Markdown
以下のPythonコードがエラーになります。原因と修正案を教えてください。
#コード
[ここにエラーが出るコードを貼り付け]
#エラーメッセージ
[ここにエラーメッセージを貼り付け]
なぜエラーが起きたのかの解説と、修正後のコードを提示してください。
さらに一歩進んだ指示を出すための応用テクニック
ここまで紹介した内容だけでも十分効果的ですが、さらに高度な使いこなしを目指す方のために、応用テクニックを2つ紹介します。
これらは、AIの思考プロセスに介入したり、出力の構造をより厳密に制御したりするための手法です。
GPT-5.2などの最新モデルの能力を最大限に引き出すためには、こうしたテクニカルなアプローチも知っておくと役立ちます。
少し難しそうに感じるかもしれませんが、やってみると意外とシンプルです。
- マークダウン記法を活用してAIに構成を理解させる
- 「思考のプロセス」を開示させて論理的な回答を導く
マークダウン記法を活用してAIに構成を理解させる
マークダウン記法とは、文章の構造を明示するための簡易的なマークアップ言語です。
見出しを「#」で表したり、箇条書きを「-」で表したりします。
ChatGPTはテキストデータで学習していますが、その多くがWeb上のデータであり、構造化されたテキストを好む傾向があります。
指示文(プロンプト)自体をマークダウンで見やすく記述することで、AIは「どこが見出しで、どこが本文か」「項目の親子関係はどうなっているか」を正確に理解できます。
これにより、指示の読み間違いや解釈ミスが減少し、結果として回答精度が向上します。
特に、階層構造のある複雑な指示を出す場合には、インデント(字下げ)や箇条書きを使って視覚的に構造を示すことが必須と言えます。
また、出力形式として「マークダウン形式で出力して」と指定することで、そのままWordpressなどのCMSやドキュメントツールに貼り付けられる形式で回答を得ることができます。
見出しや太字、リストなどが反映された状態で出力されるため、編集の手間が大幅に削減されます。
「見出しは##、小見出しは###を使って」と具体的に指定するのも良いでしょう。
「思考のプロセス」を開示させて論理的な回答を導く
これは「Chain of Thought(思考の連鎖)」と呼ばれる手法の一種で、回答だけでなく、その結論に至るまでの「考え方」を出力させるテクニックです。
通常、AIはいきなり答えを出そうとしますが、複雑な推論が必要な問題では、途中の計算や論理展開を間違えることがあります。
そこで、「答えを出す前に、ステップバイステップで考えてください」や「思考のプロセスも合わせて出力してください」と指示します。
「ステップバイステップで考えて」と指示するだけで推論精度が向上する「Zero-Shot Chain of Thought」に関する論文はこちらです。合わせてご覧ください。https://arxiv.org/abs/2205.11916
すると、ChatGPTは「まず、〇〇について考えます。次に、△△を検証します。したがって、結論は××です」というように、順を追って処理を行うようになります。
これにより、論理的な飛躍や計算ミスが減り、回答の信頼性が高まります。
また、出力された思考プロセスを読むことで、人間側も「なぜその結論になったのか」を検証できるようになります。
もし途中の考え方が間違っていれば、そこを指摘して修正させることも容易です。
GPT-5.2では標準で「Thinking」モードのような機能がさらに強化されていますが、明示的にプロセス開示を求めることは、依然として精度の高い回答を得るための有効な手段です。
ChatGPTへ指示を出す際に必ず守るべき注意点
最後に、ChatGPTを業務で利用する上で、必ず守らなければならない注意点についてお伝えします。
便利なツールである一方で、使い方を誤ると情報漏洩や権利侵害などのリスクを招く可能性があります。
企業として、あるいは個人として安全に活用するために、以下の3つのポイントは絶対に心に留めておいてください。
リスクを正しく理解し、コントロールすることが、AI活用の大前提となります。
- 機密情報や個人情報は絶対に入力しない
- 事実と異なる回答(ハルシネーション)がある前提で確認する
- 著作権を侵害するような生成指示は避ける
機密情報や個人情報は絶対に入力しない
ChatGPTに入力した情報は、デフォルトの設定ではAIの学習データとして利用される可能性があります。
つまり、あなたが入力した会社の売上データや顧客名簿、未発表の新商品情報などが、巡り巡って他社の回答として出力されてしまうリスクがあるということです。
これは企業にとって致命的な情報漏洩につながりかねません。
そのため、プロンプトには具体的な個人名、企業名、電話番号、パスワードなどの機密情報は絶対に入力しないでください。
どうしても具体的なデータを使った処理が必要な場合は、「A社」「商品B」のように固有名詞を伏せ字にするか、学習データとして利用されない設定(オプトアウトやエンタープライズ版の利用など)を確認してから行う必要があります。
「AIは社外の人」という認識を持ち、機密情報の取り扱いには細心の注意を払いましょう。
生成AIをビジネスで安全に導入・活用する際の情報漏洩リスクや、企業がとるべき具体的なセキュリティ対策についてはこちらの記事で徹底解説しています。 合わせてご覧ください。
事実と異なる回答(ハルシネーション)がある前提で確認する
ChatGPTは、もっともらしい嘘をつくことがあります。
これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。
こちらはAIのハルシネーションを防ぐプロンプトについて解説した記事です。 合わせてご覧ください。
AIは事実に基づいているかどうかよりも、確率的に「文章として自然かどうか」を優先して生成するため、存在しない判例や架空の論文、間違った数値を自信満々に回答することがあるのです。
GPT-5.2になり精度はさらに向上していますが、それでも確率はゼロではありません。
そのため、ChatGPTが出力した情報は、必ず人間がファクトチェックを行う必要があります。
特に、数値データ、歴史的事実、法律、医療に関する情報などは、一次情報をあたって裏付けを取るようにしましょう。
「AIが言っていたから正しい」と鵜呑みにするのは危険です。
あくまで「下書き」や「参考情報」として利用し、最終的な責任は人間が持つというスタンスが不可欠です。
著作権を侵害するような生成指示は避ける
生成AIと著作権の問題は、現在進行形で議論されている重要なテーマです。
特定の作家の文体を模倣させたり、既存の著作物(歌詞、小説、ニュース記事など)をそのまま入力して改変させたりする行為は、著作権侵害にあたる可能性があります。
「〇〇(有名作家)風の小説を書いて」といった指示や、他人のコンテンツを丸ごとコピーして「リライトして」と指示することは避けるべきです。
また、生成された画像や文章が、既存の著作物に偶然似てしまうリスクも完全には否定できません。
商用利用するコンテンツを作成する場合は、既存のものと酷似していないかチェックツールなどで確認することをおすすめします。
AIは便利な道具ですが、倫理観と法的な知識を持って使うことが、トラブルを避けて長く活用するための鍵となります。
AI時代の新たな格差「プロンプト・デバイド」とは?使いこなす者と使われる者の残酷な違い
生成AIの登場により、ビジネスの現場では静かですが確実な地殻変動が起きています。それは「AIを使える人」と「使えない人」の間で生じる生産性の格差、いわゆる「プロンプト・デバイド」です。ハーバード大学などの研究チームが行った実験によると、この格差は私たちが想像している以上に深刻なものであることが明らかになりました。
研究では、コンサルタントを対象に生成AIを使用してタスクを行わせたところ、AIを使用したグループは使用しなかったグループに比べて、タスクの完了速度が25%速くなり、成果物の質が40%以上も向上したという結果が出ています。しかし、ここで重要なのは「ただAIを使えばいい」というわけではない点です。
適切な指示(プロンプト)を出せる人は、AIを「優秀なパートナー」として扱い、自身の能力を拡張させます。一方で、曖昧な指示しか出せない人は、AIから平凡、あるいは誤った回答しか引き出せず、結果として修正の手間が増え、かえって生産性を落とす「AIに使われる状態」に陥ってしまいます。
この記事で解説されているような「役割の付与」や「出力形式の指定」、「思考プロセスの開示」といったテクニックは、単なる小手先の技術ではありません。これらはAIという強大なエンジンを正しく操縦するための免許証のようなものであり、今後のビジネスパーソンにとって必須の教養となりつつあります。適切な指示出し能力の有無が、今後のキャリアにおける年収や市場価値を決定づける要因になるかもしれません。
引用元:
ハーバード・ビジネス・スクール、MITスローン経営大学院、ペンシルベニア大学ウォートン校などの研究者とボストン・コンサルティング・グループ(BCG)による共同研究。「Navigating the Jagged Technological Frontier: Field Experimental Evidence of the Effects of AI on Knowledge Worker Productivity and Quality」(2023年)
まとめ
本記事では、ChatGPTへの適切な指示出し(プロンプトエンジニアリング)がいかに重要か、そしてその具体的なテクニックについて解説しました。
しかし、現場の視点に立つと「全社員に高度なプロンプトスキルを習得させるのは時間がかかる」「業務のたびに複雑な指示文を考えるのは面倒だ」という課題も浮き彫りになります。
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