「Excelの業務を効率化したいけれど、VBAのコードを書く知識がない」
「ChatGPTにVBAを書いてもらったけれど、エラーばかりで動かない」
こういった悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
実は、ChatGPTへの指示出し(プロンプト)には「型」があり、それを少し意識するだけで、プログラミング未経験者でも実務で使えるVBAツールを簡単に作成できるようになります。
本記事では、コピペで使える具体的な10個のプロンプト実例と、エラーが出た際の対処法、そしてChatGPTの最新モデル(GPT-5.2)を活用した精度の高いコード生成のコツについて解説しました。
生成AIを活用した業務効率化コンサルティングを行っている弊社が、実際に現場で使用しているテクニックのみをご紹介します。
きっと毎日のルーティンワークを劇的に短縮する役に立つと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
ChatGPTにVBAを書かせるメリットと基本の「型」
ChatGPTを活用してVBAを作成することは、単なる時短テクニックではありません。それは、プログラミングの専門知識がないビジネスパーソンでも、自分専用の業務効率化ツールを開発できる「エンジニア」になれることを意味します。
ここでは、なぜ知識ゼロでもVBAが作れるのか、そして失敗しないためのプロンプトの基本構成について解説します。
プログラミング知識ゼロでも業務自動化ができる理由
かつてVBAを扱うには、変数、配列、ループ処理、条件分岐といったプログラミング特有の概念を数ヶ月かけて学習する必要がありました。しかし、ChatGPTの登場により、このハードルは完全になくなりました。
私たちがやるべきことは「日本語でやりたいことを伝える」だけです。例えば「A列にあるデータの中から、重複しているものだけを赤色に塗って」と伝えれば、ChatGPTはその意図を理解し、適切な構文に変換してくれます。
特に、2025年12月にリリースされたOpenAIの最新モデル「GPT-5.2」は、思考時間の自動切替機能を搭載しています。これにより、複雑なVBAのロジックを組む際にも「Thinking(長考)」モードが自動で作動し、人間が考えるのと同じように論理的な整合性を確認しながらコードを生成してくれます。
そのため、プログラミングの文法を覚える必要はなく、どのような業務フローを自動化したいかという「設計図」さえ頭にあれば、誰でも高度な自動化が可能になるのです。
そもそもExcelがどのような構成要素(オブジェクト)で成り立っているのか、公式の構造を一度見ておくと理解が早まります。興味がある方はマイクロソフトの公式ドキュメントも参考にしてください。 https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/vsto/excel-object-model-overview?view=visualstudio
【コピペ推奨】VBA生成で失敗しない基本のプロンプトテンプレート
ChatGPTに精度の高いVBAコードを書いてもらうためには、曖昧さを排除した指示を出すことが重要です。思いついたことをそのままチャット欄に入力するのではなく、以下のテンプレートに沿って入力することをお勧めします。
このテンプレートは、ChatGPTが情報を処理しやすい構造になっています。
プロンプトテンプレート:
#役割
あなたは熟練したExcel VBAのエンジニアです。
#目的
以下の要件を満たすVBAマクロを作成してください。
#処理の要件
・対象シート:Sheet1
・処理内容:A列の最終行を取得し、B列に「完了」と入力する
・エラー処理:エラーが発生した場合はメッセージボックスで通知する
#制約条件
・コードには日本語でコメントを入れてください
・初心者でも分かりやすいシンプルな記述にしてください
この型を使うことで、ChatGPTは「誰として振る舞い」「何をすべきで」「どんなルールを守るべきか」を明確に認識できるため、一発で動くコードが生成される確率が格段に上がります。
VBAに限らず、AIへの指示(プロンプト)の基本的な作り方や、そのまま業務で使える日本語のテンプレート集をこちらの記事で紹介しています。合わせてご覧ください。
無料版(GPT-4o/gpt-5.2-mini)と有料版(GPT-5/GPT-5.2)の精度の違い
VBA作成において、使用するモデルの選び方は非常に重要です。簡単な処理であれば無料版でも対応可能ですが、実務レベルのコードを求める場合は有料版の利用を推奨します。
現在、標準で提供されている「GPT-5.2」は、以前のモデルと比べて推論能力が飛躍的に向上しています。特にVBAのようなコード生成においては、以前のモデルで見られた「存在しない構文をでっち上げる(ハルシネーション)」現象が大幅に減少しました。
APIや有料プランで使用できるGPT-5は、複雑な質問に対してじっくり考えて回答する能力を持っています。例えば、複数のシートを跨ぐ集計や、外部ファイルとの連携といった難易度の高いVBAを作成する場合、GPT-5は内部で論理検証を行ってからコードを出力します。
一方で、無料枠の範囲内や、処理速度優先の「gpt-5.2-mini」を使用する場合は、単純なデータ転記や書式設定などのシンプルなタスクに限定して利用するのが賢い使い分けです。エラー修正の手間を考えると、最初から高性能なモデルを使うことが結果的に最大の時短になります。
【実務直結】VBAコードを一発で生成するプロンプトの書き方・5つのコツ
ChatGPTにVBAを依頼する際、少しの工夫で出力されるコードの品質は大きく変わります。何度も修正のやり取りをする時間を減らすために、初回で完璧に近い回答を引き出すための5つの重要なポイントを紹介します。
- 「やりたいこと」は箇条書きで手順化して伝える
- 処理対象のデータ構造(シート名・セル範囲)を具体的に明示する
- 「エラー処理」の追加を必ず指示に含める
- コード内のコメント解説を要求してメンテナンス性を高める
- 「深津式プロンプト」をVBA生成に応用するテクニック
これらを意識することで、ChatGPTはあなたの意図をより深く理解し、手戻りのないコードを提供してくれるようになります。一つずつ詳細を見ていきましょう。
1. 「やりたいこと」は箇条書きで手順化して伝える
人間同士の会話のように「A列を見て、もし空白なら削除して、そうでなければB列に移動させて…」とダラダラと文章で書くと、AIは処理の優先順位や論理構造を見失うことがあります。
VBAは手続き型の言語ですので、指示出しも手続きの流れ(アルゴリズム)に沿って箇条書きにするのがベストです。
悪い例:
A列のデータを見て重複があったら消してほしいんだけど、その前にデータを並び替えておいて。
良い例:
- A列のデータを昇順で並び替える
- A列のデータを上から順に確認する
- 重複するデータが見つかった場合、その行全体を削除する
このようにステップごとに区切って指示を出すことで、ChatGPTは各工程をコードのブロックとして認識しやすくなり、ロジックの破綻を防ぐことができます。特に「GPT-5.2」の思考モードを活用する場合、この箇条書きが論理推論のガイドラインとなり、より正確なコード生成につながります。
2. 処理対象のデータ構造(シート名・セル範囲)を具体的に明示する
VBAのエラーで最も多い原因の一つが「指定したシートやセルが存在しない」ことです。ChatGPTはあなたのパソコン画面を見ることはできません。そのため、具体的なデータ構造を言葉で説明する必要があります。
具体的には以下の情報を必ず含めるようにしましょう。
- シート名(例:「売上管理」シート、またはアクティブなシート)
- ヘッダー行の位置(例:1行目は見出し、データは2行目から)
- データの最終行(例:データの行数は可変であるため、自動で最終行を取得する)
- 対象の列(例:判定はC列、書き込みはE列)
例えば「表のデータを集計して」とだけ伝えると、ChatGPTは「A1セルから始まる表」を勝手に想定してコードを書きます。しかし、実際の表がB3セルから始まっていた場合、そのコードは動きません。「データはB3セルから始まり、F列まで続きます」と明示することで、実務環境に即した修正不要なコードが得られます。
3. 「エラー処理」の追加を必ず指示に含める
業務で使用するマクロにおいて、エラー処理(エラーハンドリング)は必須です。これがないと、予期せぬデータが含まれていた場合にマクロが突然停止し、デバッグ画面が表示されてユーザーが混乱してしまいます。
プロンプトには必ず「エラーが発生した場合は処理をスキップする」や「エラー内容をメッセージボックスで表示するコードを含めてください」といった一文を加えましょう。
具体的には、コードの冒頭に On Error GoTo ErrorHandler といった記述を自動的に追加してもらうよう指示します。これにより、例えば指定したファイルが見つからなかった場合でも、VBAが強制終了することなく「ファイルが見つかりませんでした」という親切なメッセージを出して安全に終了するようになります。
プロが書くコードには必ずこのエラー処理が含まれており、ChatGPTにこれを要求することで、ツールの品質と安全性が一気に高まります。
4. コード内のコメント解説を要求してメンテナンス性を高める
生成されたVBAコードは、作ったその時は理解できていても、半年後に見返したときに「ここは何をしている処理なのか?」が分からなくなることがよくあります。また、エラーが起きた際に修正箇所を特定するためにも、コードの可読性は重要です。
プロンプトには「各処理のブロックごとに、日本語で何をしているかコメントを記述してください」と指示を入れましょう。
ChatGPTは非常に丁寧なコメントを書いてくれます。
例えば Range(“A1”).Value = “Test” という行に対して、 ‘A1セルにTestという値を入力する といった注釈を入れてくれます。
このコメントがあることで、後から微修正を加えたい場合(例えばA1セルをB1セルに変えたい場合など)に、VBAの知識が浅い人でもどこを書き換えれば良いかが直感的に分かるようになります。自分以外のチームメンバーがマクロを使う場合にも、非常に親切な設計となります。
5. 「深津式プロンプト」をVBA生成に応用するテクニック
AI界隈で有名な「深津式プロンプト」の形式は、VBA生成においても非常に強力です。これは「命令」「制約条件」「入力文」「出力文」を明確に分ける記述方法です。
VBA生成用にアレンジすると、以下のような構成になります。
#命令書
以下の要件に基づいてExcel VBAを作成してください。
#制約条件
・変数の宣言を強制してください(Option Explicit)
・画面更新を停止して高速化してください
#入力データ
・シート名:「Input」
・A列:商品ID
・B列:売上金額
#出力イメージ
・シート名:「Summary」
・商品IDごとに売上金額を合計する
このように構造化して渡すことで、ChatGPTは情報の解像度を最大限に高めることができます。特に「制約条件」の項目で、コードのスタイルやパフォーマンスに関する指示(高速化のテクニックなど)をまとめて指定できるのがメリットです。これにより、単に動くだけでなく、処理速度や品質も考慮されたプロレベルのコードが生成されます。
こちらはVBA生成にも応用可能な「深津式プロンプト」の仕組みや、具体的な活用事例について詳しく解説した記事です。合わせてご覧ください。
【目的別】コピペで使えるChatGPT×VBAプロンプト実例10選
ここからは、実務で頻繁に発生する業務を自動化するための、具体的なプロンプト事例を10個紹介します。
これらのプロンプトは、そのままChatGPT(GPT-5.2推奨)に貼り付けて使用できます。ただし、シート名や列番号などは、ご自身のExcelファイルに合わせて適宜書き換えてください。
ChatGPTを業務で最大限に活用するための具体的な事例40選や、導入を成功させる秘訣については、こちらのガイドで徹底解説しています。合わせてご覧ください。
【データ転記】特定の条件に合うデータを別シートに転記する
条件抽出と転記は、最も基本的かつ需要の高いタスクです。フィルター機能を使うよりも、ボタン一つで別シートにリストアップされる方が業務効率は格段に上がります。
プロンプト例:
「Sheet1」にあるデータリスト(1行目は見出し、A列からF列まで)の中から、D列の値が「完了」となっている行のみを抽出し、「Sheet2」に転記するVBAコードを作成してください。
転記する際は、「Sheet2」の既存データはクリアしてから貼り付けてください。また、データ量が多い場合も想定して、処理速度が速い配列を使用した方法で記述してください。
【集計・分析】売上データを月別・担当者別に自動集計する
ピボットテーブルを作るまでもない、あるいは定型的な報告フォーマットに合わせて集計値を流し込みたい場合に便利です。
プロンプト例:
「売上データ」シートのA列に日付、B列に担当者名、C列に売上金額が入力されています。
このデータをもとに、担当者ごとの月別売上合計を算出し、新しいシートを作成して表形式で出力するVBAコードを書いてください。
新しいシートの1行目には月(1月、2月…)、A列には担当者名を配置するクロス集計のような形式にしてください。
【ファイル操作】フォルダ内のファイル名一覧を取得してリスト化する
手作業で行うと非常に面倒なファイル名のリスト作成も、VBAなら一瞬です。ファイル整理や台帳作成に役立ちます。
プロンプト例:
マクロを実行しているExcelファイルと同じフォルダ内にある、すべてのファイル名(拡張子を含む)を取得し、アクティブシートのA列に一覧表示するVBAコードを作成してください。
B列にはそのファイルの最終更新日時、C列にはファイルサイズ(KB単位)を出力してください。サブフォルダの中身は含めなくて良いです。
このプロンプトでは、VBAの「Dir関数」を利用してファイル名を取得する処理が行われます。関数の詳細な挙動については、以下の公式リファレンスで確認できます。 https://learn.microsoft.com/en-us/office/vba/language/reference/user-interface-help/dir-function
【ファイル結合】複数のExcelブックを1つのシートに統合する
各支店から送られてきた複数のExcelファイルを、一つのマスターデータにまとめる作業は、手動でやるとコピペミスの温床になります。
プロンプト例:
指定したフォルダ(パスはコード内で指定できるように変数にしておく)に保存されている全てのExcelファイル(.xlsx)を開き、その中の「Sheet1」のデータを、マクロ実行ブックの「統合」シートに縦に連結していくVBAを作成してください。
各ファイルの1行目は見出しなので、最初の1ファイル目以外はコピーしない(2行目以降のデータのみコピーする)ように制御してください。
【PDF化】請求書シートをPDFに変換して自動保存する
Excelで作成した請求書や見積書をPDFにして保存する作業も自動化可能です。ファイル名に日付や宛名を入れることも指示できます。
プロンプト例:
「請求書」シートをPDF形式でエクスポートするVBAを作成してください。
保存場所はマクロと同じフォルダとし、ファイル名は「請求書_(B2セルの値)_(本日の日付yyyymmdd).pdf」となるように設定してください。
B2セルには宛先名が入っています。保存完了後はメッセージボックスで「PDF保存が完了しました」と表示させてください。
【メール送信】Outlookを起動してメールを一斉送信する下書き作成
Excelの顧客リストをもとに、Outlookでメールの下書きを一括作成します。誤送信を防ぐため、いきなり送信ではなく「下書き保存」または「表示」にするのがポイントです。
プロンプト例:
Excelのリスト(A列:会社名、B列:氏名、C列:メールアドレス)を上から順に読み込み、Outlookを起動してメールを作成するVBAを書いてください。
件名は「【重要】夏季休業のお知らせ」、本文は「(A列の会社名) (B列の氏名)様 いつもお世話になっております。…」という定型文を入れてください。
メールは送信せず、下書き状態で表示(Display)させてください。Outlookが起動していない場合のエラー処理も考慮してください。
VBAからOutlookを操作する際は、Outlook専用のオブジェクトを使用します。生成されたコードの仕組みをより深く知りたい方は、こちらの技術仕様書が役立ちます。 https://learn.microsoft.com/en-us/office/vba/api/outlook.application.createitem
【Web連携】指定したURLから情報を取得する(スクレイピング)
Web上の情報をExcelに取り込むことも可能ですが、サイトの構造変化に弱いため、シンプルな構造のサイトやAPI利用が推奨されます。
プロンプト例:
指定したURL(コード内の定数で設定)にアクセスし、ページ内のタイトル(<title>タグの中身)と、すべてのH2タグのテキストを取得して、Sheet1のA列とB列に書き出すVBAを作成してください。
HTTPリクエストを使用し、IEやSeleniumを使わない方法(XMLHTTPなど)で実装してください。
※注:スクレイピングは対象サイトの利用規約を必ず確認してください。
【書式設定】条件に基づいてセルの色や罫線を自動変更する
条件付き書式が増えすぎるとExcelが重くなるため、VBAで値として色をつける方が動作が軽快になる場合があります。
プロンプト例:
「管理表」シートのD列(ステータス)を確認し、値が「未着手」なら行全体を灰色に、「進行中」なら黄色に、「完了」なら青色に背景色を変更するVBAを作成してください。
また、データが入っている範囲全体に格子状の罫線(細線)を引く処理も追加してください。データ行数は毎回変わるため、最終行を自動取得してください。
【重複削除】リストから重複データを削除しデータを整える
「データの重複の削除」機能をVBAで実装し、さらに前後のデータ整形の処理も組み合わせることができます。
プロンプト例:
Sheet1のA列(顧客ID)をキーとして、重複しているデータがある場合、行ごと削除してデータをユニークにするVBAを作成してください。
重複判定はA列で行いますが、削除する前に、重複していたデータの数をカウントし、処理終了後に「〇件の重複を削除しました」とメッセージボックスで報告するようにしてください。
Excelの「重複の削除」機能は、VBAでは RemoveDuplicates というメソッドで実行されます。引数の設定など、細かい仕様はこちらで解説されています。 https://learn.microsoft.com/en-us/office/vba/api/excel.range.removeduplicates
【画像挿入】指定フォルダの画像をセルに合わせて一括挿入する
商品台帳などで、指定したセル範囲に画像をピッタリ収めて貼り付ける作業は非常に手間がかかります。これを自動化します。
プロンプト例:
A列に入力されているファイル名(例:item001.jpg)を参照し、同フォルダにある該当画像をB列のセル内にぴったり収まるサイズで挿入するVBAを作成してください。
画像の縦横比は固定したまま、セルの高さまたは幅に合わせて縮小してください。画像が見つからない場合は、C列に「画像なし」と出力してください。
ChatGPTが書いたVBAが動かない・エラーが出た時の対処法
どれほど高性能なGPT-5.2を使用しても、環境依存の原因などでエラーが出ることはあります。しかし、エラーが出た時こそChatGPTの真価が発揮されます。
エラーメッセージは「失敗」ではなく、AIに対する「修正のための追加情報」と捉えましょう。ここでは冷静に対処するための手順を解説します。
エラーメッセージと該当コードをそのままChatGPTに投げる
VBA実行時に「実行時エラー ‘1004’: アプリケーション定義またはオブジェクト定義のエラーです」のようなポップアップが出たら、そのメッセージと、黄色くハイライトされたコードの行をコピーします。
そして、ChatGPTに次のように投稿してください。
「先ほどのコードを実行したところ、以下のエラーが出ました。
エラー箇所:Range("A1").Value = ...
エラー内容:実行時エラー '1004'
修正したコードを提示してください」
これだけで、AIは原因(例えばシートの保護がかかっている、シート名が違うなど)を推測し、修正版を提示してくれます。
コードが途中で止まる時は「続きを書いて」と指示する
長いコードを生成させた場合、文字数制限でコードが途切れることがあります。以前のモデルに比べGPT-5.2では頻度が減りましたが、それでも発生する場合があります。
その際は「コードが途中で止まっています。続きから書いてください」や「Sub ○○ の続きからお願いします」と指示すれば、残りの部分を出力してくれます。生成された2つのパーツをつなぎ合わせれば完成です。
意図と違う動きをする時は「修正指示」ではなく「要件の再定義」を行う
エラーは出ないが、思った通りの結果にならない(例:抽出条件が逆になっている)場合、「ここを直して」と部分的に指示すると、他の部分がおかしくなることがあります。
その場合は、面倒でも要件定義のプロンプト(「入力データ」と「期待する出力」)をもう一度見直し、「修正指示」ではなく「正しい仕様を再度全体的に伝える」方が確実です。
「前回のコードは〇〇という挙動でした。正しくは××となるように、コード全体を書き直してください」と依頼しましょう。
どうしても直らない時に試すべき「デバッグ用プロンプト」の例
何度修正しても動かない場合、どこで処理が止まっているかを特定する必要があります。ChatGPTにデバッグ用のコードを埋め込んでもらいましょう。
プロンプト例:
「コードが想定通り動きません。変数の値や処理の進行状況を確認したいので、イミディエイトウィンドウにログを出力する Debug.Print を要所に追加したコードに書き換えてください」
これにより、VBAエディタの下部画面に処理の経過が表示されるようになり、どこでおかしくなっているかを人間が特定しやすくなります。その情報をまたChatGPTに伝えれば、解決の糸口が見つかります。
コード生成だけじゃない!VBA業務を楽にするChatGPT活用術
ChatGPTの活用法は、ゼロからコードを書くことだけにとどまりません。既存の業務ですでに使われているVBAのメンテナンスや、学習ツールとしても非常に優秀です。
ここでは、コード生成以外の便利な使い方を3つ紹介します。
自分が書いたコードのバグを見つけて修正してもらう
自分で書いたコードや、前任者から引き継いだコードが動かない場合、そのコードをChatGPTに貼り付けて「このコードのバグを見つけて修正してください」と頼むことができます。
文法的なミスだけでなく、「Forループの閉じ忘れ」や「変数の型不一致」など、人間が見落としがちなミスを一瞬で指摘してくれます。いわば、優秀なペアプログラミングの相手が常に隣にいるようなものです。
難解なVBAコードの意味を解説してもらう(解読)
職場の共有フォルダにある「昔の誰かが作った謎のマクロ」。触るのも怖いような複雑なコードも、ChatGPTに貼り付けて「このコードが何をしているのか、初心者にもわかるように解説してください」と頼めば、日本語で翻訳してくれます。
「ここからここまでがデータの読み込み」「ここで集計処理」といった具合に構造を分解してくれるため、ブラックボックス化したマクロの解読作業が劇的に楽になります。
古いコードをリファクタリング(整理・高速化)してもらう
「動くことは動くけれど、処理に10分かかるマクロ」があれば、高速化のチャンスです。
ChatGPTにコードを渡し、「このコードの処理速度を上げるために、画面更新の停止や配列処理などを用いてリファクタリング(最適化)してください」と指示しましょう。
特にGPT-5.2は効率的なアルゴリズムを知っているため、非効率なセルへの書き込み処理をメモリ上の処理に置き換えるなどして、処理時間を数秒にまで短縮してくれることも珍しくありません。
ChatGPTでVBAを扱う際の注意点とリスク対策
最後に、業務でChatGPT×VBAを活用する上で、絶対に守るべきセキュリティとリスク管理についてお伝えします。
便利な反面、使い方を誤ると情報漏洩やデータ消失のリスクがあります。
生成AIをビジネスで安全に導入・活用する際の情報漏洩リスクや、企業がとるべき具体的なセキュリティ対策については、こちらの記事で徹底解説しています。合わせてご覧ください。
社外秘データや個人情報をプロンプトに入力しない(マスキング方法)
ChatGPTに入力した情報は、モデルの学習データとして利用される可能性があります(設定でオフにできる場合や、法人向けプランを除く)。
そのため、顧客名簿や売上データなどの機密情報は絶対にそのまま入力してはいけません。プロンプトを作る際は、以下のように固有名詞をダミーに置き換えてください。
- 「株式会社トヨタ」→「A社」
- 「山田太郎」→「B氏」
- 「1,000,000円」→「数値」
あくまで「データの構造(どの列に何があるか)」と「処理のロジック」だけを伝えれば、VBAコードは作成できます。
※参考情報にもある通り、セキュリティを重視する法人の場合は、「ChatSense」のようなデータが学習に使われない法人向けサービスの利用を検討してください。
AI活用におけるセキュリティリスクは世界的に議論されており、OWASP(Open Web Application Security Project)からも「LLMアプリケーションのトップ10リスク」が公表されています。リスク管理の参考にしてください。 https://www.evidentlyai.com/blog/owasp-top-10-llm
必ずバックアップを取ってから実行する
VBAによる操作(特にセルの削除や上書き)は、Excelの「元に戻す(Ctrl+Z)」ボタンで戻せないことがほとんどです。
生成されたコードを初めて実行する際は、必ず対象のExcelファイルをコピーしてバックアップを取ってから行ってください。一瞬で大事なデータが消えてしまうリスクを常に想定しておきましょう。
また、近年はセキュリティ強化のため、インターネットから取得したファイルのマクロ実行がデフォルトでブロックされる仕様になっています。マクロが動かない場合は、Microsoftのセキュリティ設定に関するページもご確認ください。 https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365-apps/security/internet-macros-blocked
生成されたコードの「無限ループ」リスクに注意する
AIが書いたコード、特に「Do While」などの繰り返し処理が含まれる場合、条件設定のミスで処理が永遠に終わらない「無限ループ」に陥ることがあります。こうなるとExcelが固まってしまい、強制終了するしかなくなります。
これを防ぐためのプロンプトとして、「ループ処理にはDoEventsを入れ、万が一のためにEscキーなどで中断できるようにしてください」や「ループ回数が1万回を超えたら強制終了する安全装置をつけてください」といった指示を加えると安心です。
「AIにコードを書かせる」はサボりではない?世界が注目する「市民開発者」という新たな働き方
「ChatGPTにVBAコードを書かせると、自分で考えなくなるのでは?」
もしあなたがそう感じているなら、それは大きな誤解かもしれません。実は、世界的なデータは逆の事実を示しています。AIにコーディングを任せることは「思考停止」ではなく、人間がより創造的な業務に集中するための「進化」なのです。
GitHubが実施した調査によると、AIコーディング支援ツール(GitHub Copilot)を使用した開発者は、使用しなかったグループに比べてタスク完了速度が55%も向上したという衝撃的な結果が出ています。さらに重要なのは、AIを使用した開発者の75%以上が「より仕事に充実感を感じている」と回答している点です。単純なコード記述という「作業」から解放され、どのようなロジックで問題を解決するかという「設計」に脳のリソースを使えるようになったためです。(GitHub Research, “Quantifying GitHub Copilot’s impact on developer productivity and happiness”, 2023)
この流れは、エンジニアだけの話ではありません。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのレポートによれば、生成AIはソフトウェア開発の生産性を20〜45%向上させると予測されており、これまでプログラミングスキルを持たなかった非エンジニア層が、自ら業務アプリやツールを開発する「市民開発者(Citizen Developer)」へと進化する未来を示唆しています。(McKinsey & Company, “The economic potential of generative AI”, 2023)
つまり、ChatGPTを使ってVBAを作成することは、単なる楽をする行為ではなく、あなたが現場の課題を最もよく知る「市民開発者」として、組織のDXを牽引する人材に変貌するための第一歩なのです。AIが下書きし、人間が監督・修正する。この協働スタイルこそが、これからのビジネスパーソンの標準スキルとなっていくでしょう。
まとめ
企業はDX推進や業務効率化のプレッシャーに直面していますが、現場では「VBAやPythonを使いこなせる人材がいない」「セキュリティの懸念から勝手なツール作成が禁止されている」といった壁にぶつかることが少なくありません。
VBAは強力ですが、属人化しやすく、メンテナンスができなくなるリスクも抱えています。
そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。
Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用し、200種類以上の実用的なAIタスクをパッケージ化した生成AI活用プラットフォームです。
たとえば、今回ご紹介したようなExcelマクロの生成はもちろん、メールの自動下書き、会議の議事録要約、契約書のチェック、SNS投稿文の作成など、あらゆる業務を「アプリ」として選ぶだけで実行できます。
自分でコードを貼り付けたりデバッグしたりする手間すら必要ありません。
しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、エンタープライズレベルの強固なセキュリティが担保されており、入力データがAIの学習に使われる心配もありません。
さらに、専任のAIコンサルタントによる導入サポートがついているため、「どの業務を自動化できるかわからない」という企業でもスムーズに運用を開始できます。
高度なプログラミング知識を学ぶことなく、明日からすぐに業務効率化を実現できるのがTaskhubの最大の強みです。
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