「画像生成AIを使ってみたけれど、指の数や背景の文字がどうしても崩れてしまう」
「以前に生成したキャラクターと同じ顔で、別のポーズを作りたいのにうまくいかない」
こういった画像生成に関する悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
これまでの画像生成AIは、創造的な絵を作るのは得意でも、細かい指定を守ったり、文字を正確に入れたりするのは苦手とされてきました。しかし、今回紹介する最新モデルは、そうした常識を覆す性能を持っています。
本記事では、OpenAIの最新画像生成モデル「GPT Image 1.5」について、その革新的な新機能や具体的な使い方、思い通りの画像を生成するためのプロンプトのコツを解説します。
生成AIを活用したクリエイティブ事業を展開している弊社が、実務で検証したノウハウを詰め込みました。
これからの画像生成のスタンダードとなる本モデルについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
GPT Image 1.5の概要と前モデルからの進化点
ここでは、OpenAIが新たにリリースした画像生成モデル「GPT Image 1.5」の基本的なスペックと、前モデルであるDALL-E 3から具体的に何が進化したのかを解説します。
基本的な描画能力の向上はもちろん、これまでユーザーが不満に感じていた「制御の難しさ」が大幅に解消されているのが特徴です。
こちらは海外テックメディアによるGPT Image 1.5のリリース報道記事です。市場の反応や速報的な詳細がまとめられています。 https://www.cnet.com/tech/services-and-software/openai-new-chatgpt-images-model/
まずは、基本スペックと登場の背景から見ていきましょう。
GPT Image 1.5の基本スペックと登場背景
GPT Image 1.5は、2025年のGPT-5リリースに合わせて最適化された、OpenAIの最新画像生成モデルです。前モデルであるDALL-E 3は、ChatGPTとの対話形式で画像を作れる手軽さが評価されていましたが、細部の描き込みやフォトリアリスティックな表現においては、他社の特化型モデルに譲る場面もありました。
今回のGPT Image 1.5では、GPT-5の高度な言語理解能力と統合されることで、プロンプトの意図をより深く汲み取れるようになっています。特に、これまでのモデルでは無視されがちだった「画像内の論理的な整合性」や「物理法則の再現」が強化されました。
また、モデル自体の軽量化技術も導入されており、サーバー負荷を抑えつつ高解像度な画像を生成できるようになったのも大きな特徴です。これにより、モバイル版アプリでも以前よりスムーズに画像生成が行えるようになっています。
登場の背景には、クリエイターやビジネスユーザーからの「もっと業務で使えるレベルの正確さが欲しい」という強い要望がありました。単なるお遊びの画像生成ではなく、デザインの現場でそのまま使えるクオリティを目指して開発されたのが、このGPT Image 1.5なのです。
モデルのアーキテクチャや技術的な仕様については、OpenAIの公式ドキュメントで詳細が確認できます。 https://platform.openai.com/docs/models/gpt-image-1.5
指示追従性と生成スピードの向上について
GPT Image 1.5の最大の特徴の一つが、圧倒的な指示追従性(プロンプト・アドヒアランス)の向上です。
以前のモデルでは、長いプロンプトを入力すると、後半の指示が無視されたり、複数の要素を配置する際に位置関係がめちゃくちゃになったりすることがありました。しかし、GPT Image 1.5では、GPT-5の言語処理能力を借りることで、複雑な指示も一つひとつ分解して理解し、忠実に画像へ反映させることが可能になっています。
たとえば、「青い帽子の少年と赤い服の少女が、公園のベンチで本を読んでいる。背景には桜が咲いていて、空には飛行機雲がある」といった複合的な指示でも、すべての要素を漏らさず描画できます。
生成スピードに関しても改善が見られます。GPT-5のアーキテクチャと同様に、画像の難易度に応じてリソース配分を自動調整する仕組みが導入されました。シンプルなアイコン作成などは数秒で完了する一方で、複雑な風景画などは時間をかけて丁寧に描画するなど、効率的な生成プロセスが実現されています。
Nano Banana Proなどの競合モデルと画質を比較
現在、画像生成AIの分野には多くの競合モデルが存在します。特に、写実的な表現で評価が高い「Nano Banana Pro」や、芸術的な画風が得意なモデルなどと比較して、GPT Image 1.5はどのような立ち位置にあるのでしょうか。
Nano Banana Proは、特に肌の質感や光の反射といった「写真としてのリアリティ」において非常に強力なモデルです。一見すると実写と見分けがつかないレベルの画像を生成しますが、直近の更新で描写能力は向上していますが、特定の構図を指定したり、チャット形式で直感的に修正を行ったりする制御面においては、GPT Image 1.5ほどの柔軟さはありません。
一方、GPT Image 1.5は「意図通りに動かす」という点で他を圧倒しています。画質そのものの解像感や美しさもNano Banana Proに肉薄していますが、それ以上に「ユーザーが指定した通りのレイアウトで作れる」「修正が容易である」という使い勝手の良さが際立っています。
ビジネス用途でバナーを作ったり、資料用の挿絵を作ったりする場合、単に絵が綺麗なだけでは不十分です。構図や要素をコントロールできるGPT Image 1.5は、実務において最もバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
比較対象となっているGoogleのNano Bananaモデルについては、こちらの公式ドキュメントをご参照ください。 https://ai.google.dev/gemini-api/docs/nanobanana
GPT Image 1.5の目玉となる新機能
GPT Image 1.5には、これまでの画像生成AIの常識を変えるような便利な新機能が多数搭載されています。
特に「編集」「文字入れ」「一貫性」の3点においては、これまでのモデルとは比較にならないほどの進化を遂げています。
それぞれの機能について、具体的に何ができるようになったのかを解説します。
細部を違和感なく修正できる「高度な編集機能」
これまでの画像生成では、生成された画像の一部だけを直したい場合でも、プロンプトを少し変えて再生成すると、画像全体がガラッと変わってしまうことがよくありました。
GPT Image 1.5では、生成された画像の特定のエリアを指定して、そこだけを修正する「インペインティング機能」がチャット形式で直感的に行えるようになっています。
たとえば、生成された人物の服装だけを変えたい場合、「この画像の服を青いスーツに変更して」と指示するだけで、顔や背景、ポーズはそのままに、服だけが自然に差し替わります。
この機能の凄いところは、修正した境界線が非常に自然であることです。光の当たり方や影の落ち方まで再計算されるため、まるで最初からそのように描かれていたかのような仕上がりになります。これにより、納得いくまで細部を詰められるようになりました。
画像内に正確な文字を入れる「テキストレンダリング」
画像生成AIにとって、画像の中に「読める文字」を入れることは長年の課題でした。看板の文字が謎の記号になったり、スペルが間違っていたりするのが当たり前でした。
しかし、GPT Image 1.5では「テキストレンダリング」能力が飛躍的に向上しています。プロンプトで「看板には『SALE 50% OFF』と書いて」と指示すれば、指定した通りのスペルとフォント感で文字が描画されます。
英語はもちろん、アルファベット以外の言語への対応も進んでおり、デザインの一部として文字を組み込んだロゴ作成や、ポスター制作が容易になりました。
これは、GPT-5の言語モデルが文字の形状を正しく認識し、画像生成プロセスに直接介入することで実現しています。後からPhotoshopなどで文字を合成する手間が省けるため、SNSの投稿画像や広告クリエイティブの制作効率が格段に上がります。
キャラクターや画風を一貫させる「参照維持機能」
物語の挿絵や漫画、またはブランドのキャラクターを作るときに困るのが、「同じキャラクターを別のシーンで描けない」という問題でした。生成するたびに顔が変わってしまっては、連続性のあるコンテンツは作れません。
GPT Image 1.5で導入された「参照維持機能(Character Reference)」は、この問題を解決します。一度生成したキャラクターの画像や、自分がアップロードした画像を「参照元」として設定することで、そのキャラクターの特徴(顔立ち、髪型、服装など)を維持したまま、別のポーズや背景で描画させることができます。
たとえば、「画像Aのキャラクターが、カフェでコーヒーを飲んでいる様子を描いて」と指示すれば、画像Aと同一人物がカフェにいる画像が生成されます。
この機能はキャラクターだけでなく、画風やトーンの統一にも使えます。「この画像の画風を真似して」と指示すれば、ブランドイメージに合った統一感のある画像を量産することが可能です。
日本語テキスト生成の精度と修正ポイント
テキストレンダリング機能に関連して、特に日本のユーザーにとって嬉しいのが「日本語テキスト」への対応強化です。
以前のモデルでは、ひらがなや漢字を含めようとすると、文字が崩れてしまったり、中国語のような字体になってしまったりすることが多くありました。GPT Image 1.5では、学習データの最適化により、簡単な日本語であればかなり正確に描写できるようになっています。
たとえば、「『こんにちは』と書かれた黒板」や「『営業中』の看板」といった指示であれば、違和感なく生成されます。
ただし、画数の多い複雑な漢字や、長文の日本語になると、まだ一部崩れることもあります。その場合は、一度生成させてから前述の「高度な編集機能」を使って、文字部分だけを修正するように指示を出すと、成功率が高まります。
「文字が少し間違っているから、ここを『受付』という漢字に直して」と対話的に修正できるのも、GPT Image 1.5ならではの強みです。
こちらはAIのハルシネーション(もっともらしい嘘)を防ぐためのプロンプトや、具体的な対策について解説した記事です。 合わせてご覧ください。
GPT Image 1.5の料金プランとコストパフォーマンス
高機能になったGPT Image 1.5ですが、利用するための料金体系はどうなっているのでしょうか。
ChatGPT経由で利用する場合と、API経由で利用する場合でコストの考え方が異なります。
ここでは、それぞれの料金プランと、旧モデルや他社ツールと比較した際のコストパフォーマンスについて解説します。
ChatGPT(Plus/Pro)での利用料金
一般ユーザーが最も手軽に利用する方法は、ChatGPTの有料プラン(Plus、Team、またはPro)を契約することです。
現在、GPT Image 1.5は、ChatGPT Plus(月額20ドル)以上のプランに含まれており、追加料金なしで利用可能です。ただし、1日に生成できる枚数には上限(キャップ)が設けられています。
2025年8月の改定により、PlusユーザーはGPT-4oやGPT-5の利用枠と共通、もしくは画像生成専用の枠内で利用することになります。通常利用の範囲であれば十分な枚数が生成できますが、大量に生成したい場合は、より上位のプランや制限緩和を待つ必要があります。
Proプランなどの上位ライセンスでは、生成上限が大幅に緩和されているほか、生成スピードが優先される「Fastモード」が利用できる場合があります。業務で頻繁に画像を作る方は、上位プランの検討も視野に入れると良いでしょう。
Image Generation API(gpt-image-1.5)の価格
開発者がアプリに組み込んだり、大量に自動生成したりする場合は、APIを利用します。APIのモデル名は「gpt-image-1.5」として提供されています。
APIの料金体系は、1画像あたりの従量課金制です。解像度(Standard / HD)やサイズ(1024×1024など)によって価格が異なります。
GPT Image 1.5のAPI価格は、DALL-E 3のリリース当初の価格と比較して、コストパフォーマンスが改善されています。特に、標準画質の生成コストは抑えられており、トライアンドエラーがしやすくなっています。
また、新機能である「編集(Inpainting)」のためのAPIコールも用意されており、画像全体を再生成するよりも安価なコストで修正を行える場合があります。これにより、アプリケーション側での実装の幅が広がっています。
最新のAPI価格設定やトークン単価については、以下の公式料金ページで詳しく公開されています。 https://openai.com/api/pricing/

旧モデルや他社ツールとのコスト比較
DALL-E 3や、Midjourneyなどの他社有料ツールと比較した場合、GPT Image 1.5のコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
Midjourneyは月額サブスクリプション制で、生成枚数に応じたプランを選ぶ必要がありますが、Web上で完結するChatGPT Plusであれば、高性能な言語モデル(GPT-5)と画像生成の両方を月額20ドルで利用できるため、総合的なお得感があります。
特に、「プロンプトを考える手間」や「失敗した画像を修正する手間」までをコストとして考えると、対話形式で修正できるGPT Image 1.5は、時間単価の面でも優れています。
外部ツールで画像編集ソフトを別途契約する必要がなくなるケースもあり、クリエイティブ作業全体のコスト削減に寄与するでしょう。
GPT Image 1.5の使い方と「ChatGPT Images」の活用法
GPT Image 1.5を利用するには、通常のチャット画面だけでなく、画像生成に特化したインターフェースを活用するとより便利です。
ここでは、専用ホーム画面の使い方や、自分の画像をアップロードして編集する手順など、実践的な操作方法を解説します。
直感的に操作できる画面構成になっているため、初心者でもすぐに使いこなせるはずです。
専用ホーム「Images」へのアクセスと画面構成
ChatGPTのインターフェースには、画像生成に特化した「Images」という機能(または専用のGPTs)が用意されています。サイドバーやメニューからこれを選択することで、画像生成に最適化されたモードに入ることができます。
この画面では、通常のチャット欄に加えて、生成された画像がギャラリーのように表示されるエリアや、アスペクト比(縦横比)をボタンで選択できるオプションなどが表示されることがあります(UIはアップデートにより変更される可能性があります)。
通常のチャット画面でも画像生成は可能ですが、専用ホームを使うことで、過去に生成した画像の一覧性が高まり、プロンプトの履歴管理もしやすくなります。特に、連続して何枚も生成して比較したい場合は、このモードを使うのがおすすめです。
自分の画像をアップロードして編集する方法
GPT Image 1.5の強力な機能の一つに、ユーザーが持っている画像の編集があります。
チャット欄のクリップアイコンから、手持ちの写真をアップロードし、「この写真の背景を海に変えて」や「このイラストのキャラクターを3D風にして」といった指示を出すことができます。
このとき、プロンプトで「元の画像の構図を保ったまま」と付け加えることで、アップロードした画像のアウトラインを維持した変換が可能です。
また、商品写真などをアップロードして、「この商品をリビングのテーブルに置いたイメージ画像を作って」と指示すれば、自然な合成画像を作成することもできます。ECサイトの運営者などには非常に便利な機能です。
チャット形式で段階的に修正を行う手順
一度で完璧な画像を生成しようとするのではなく、チャット形式で徐々に完成に近づけていくのが、GPT Image 1.5の賢い使い方です。
手順としては以下のようになります。
- まず、大まかなイメージを伝えて初稿を生成する。例:「未来都市の風景を描いて。サイバーパンクな雰囲気で」
- 生成された画像を見て、追加したい要素や修正したい点を伝える。例:「全体的にもっと暗くして、空には赤い月を浮かべて」
- 細部を調整する。例:「右下の建物の看板に『NEON BAR』という文字を入れて」
このように、対話を重ねることで、AIが文脈を理解し、前の画像の情報を引き継ぎながら修正を行ってくれます。一発で長いプロンプトを書くのが苦手な方でも、この方法なら直感的に理想の画像を作ることができます。
思い通りの画像を出すためのプロンプト作成のコツ
GPT Image 1.5は指示追従性が高いとはいえ、やはり指示の出し方(プロンプト)によってクオリティには差が出ます。
AIに伝わりやすい言葉選びや、情報の整理の仕方を覚えるだけで、生成される画像の質は劇的に向上します。
OpenAIが公開している公式のプロンプトガイド(Cookbook)には、より実践的なテクニックや事例が掲載されています。合わせてご覧ください。 https://cookbook.openai.com/examples/multimodal/image-gen-1.5-prompting_guide
ここでは、誰でもすぐに実践できるプロンプト作成のテクニックを3つ紹介します。
構図やレイアウトを箇条書きで指定するテクニック
複雑な絵を作りたいとき、文章ですべてを説明しようとすると、AIが要素を混同してしまうことがあります。そのような場合は、要素を箇条書きにして整理して伝えると効果的です。
例えば、以下のように指定します。
「以下の要素を含むイラストを作成してください。
- 主題:オフィスのデスクで働く女性
- 構図:斜め上からのアングル(俯瞰)
- 背景:窓の外には高層ビル群と夕日
- 画風:水彩画風の柔らかいタッチ
- 詳細:デスクの上にはノートパソコンとコーヒーカップがある」
このように役割と要素を明確に分けることで、GPT Image 1.5はそれぞれの指示を正確に処理しやすくなります。特に要素が多い場合は、この書き方が最も安定します。
編集前提で「どこをどう変えるか」を伝える書き方
生成された画像を修正する場合、「なんか違う」という抽象的な感想ではなく、「どの部分を」「どうしたいか」を具体的に言語化するのがコツです。
良い修正指示の例:
「画像の左側にいる犬を消して、代わりに猫を描いてください」
「背景の空の色を、青空から星空に変更してください。それ以外は変えないでください」
特に「それ以外は変えないでください」という一言は重要です。これを付け加えることで、AIは変更箇所以外のピクセルを維持しようと努力します。
また、選択ツール(インペインティング)を使う場合も、選択範囲に対して「ここを〇〇にして」とシンプルに名詞と動詞で伝えるのがポイントです。
テキスト部分の誤字を防ぐための指示出し
文字入れ機能を使う際、誤字を防ぐためには、入れたい文字を明確に区別して伝える必要があります。
おすすめの方法は、入れたい文字を「」や””で囲むことです。
例:
「看板には『OPEN』と大きく書いてください」
「Tシャツの胸元に “Hello World” というロゴを入れて」
また、文字の種類(英語、数字、日本語)や、フォントの雰囲気(手書き風、ゴシック体、ネオン管風など)も合わせて指定すると、よりデザインに馴染んだ文字が生成されます。
もしスペルミスが発生した場合は、「スペルが間違っています。『OPEN』が正しいつづりです。修正してください」と指摘すれば、次は正しく生成してくれる確率が高まります。
【目的別】GPT Image 1.5の実践的な活用事例
機能や使い方がわかったところで、実際のビジネスや創作活動でどのように活用できるのかを見ていきましょう。
GPT Image 1.5の汎用性は非常に高く、デザイナーからマーケター、資料作成を行うビジネスパーソンまで、幅広い職種で役立ちます。
ChatGPTを業務で最大限に活用するための具体的な事例40選や、導入を成功させる秘訣については、こちらのガイドで徹底解説しています。 合わせてご覧ください。
ここでは4つの具体的な活用シーンを紹介します。
【デザイン】WebサイトやアプリのUIモックアップ作成
WebデザイナーやUI/UXデザイナーにとって、初期のアイデア出しは時間がかかる作業です。GPT Image 1.5を使えば、ラフなUIデザインを一瞬で生成できます。
「フィットネスアプリのホーム画面のUIデザインを作って。白と青を基調としたクリーンなデザインで、グラフや数値が表示されている」
このように指示すれば、配置や配色の参考になるモックアップが生成されます。これをベースにチームでブレインストーミングを行えば、ゼロから作るよりも遥かに効率的にイメージを共有できます。テキストレンダリング機能により、メニュー名などのダミーテキストもそれっぽく入るため、完成形のイメージがつきやすくなります。
【マーケティング】文字入りSNSバナー・広告クリエイティブ制作
InstagramやX(旧Twitter)などのSNS運用において、日々の投稿画像を作るのは大変です。
GPT Image 1.5なら、文字入りのバナーも作成可能です。
「『春の新作セール』という文字が入った、桜色の背景のInstagram用画像を作って。中央に化粧品のボトルを配置して」
と指示すれば、そのまま投稿できるレベルの画像が生成されます。参照維持機能を使って、ブランドのロゴやキャラクターを毎回登場させれば、統一感のあるアカウント運用が可能になります。
【EC・物販】商品画像の背景変更とバーチャル試着
ネットショップを運営している方にとって、商品撮影はコストがかかる業務です。
GPT Image 1.5を使えば、商品写真(例えば無地の背景で撮ったスニーカー)をアップロードし、「このスニーカーを、都会のストリートの背景に合成して」と指示するだけで、ロケ撮影をしたような画像が作れます。
また、マネキンの画像をアップロードして「この服を人間に着せ替えて」といった指示や、モデルの顔だけを生成AIで作った人物に差し替えるといった使い方も可能です。これにより、モデル撮影のコストを大幅に削減できます。
【資料作成】プレゼン資料用の図解・インフォグラフィック生成
PowerPointなどで資料を作る際、フリー素材サイトでイメージに合う画像を探すのに時間がかかっていませんか?
「複雑なシステム連携の仕組みを表現する図解を作って。サーバーとPCがつながっているイメージで、アイソメトリックなイラストにして」
このように指示すれば、プレゼン資料のトーン&マナーに合ったオリジナルの挿絵を作成できます。抽象的な概念(例えば「シナジー効果」や「グローバル展開」など)も、視覚的にわかりやすいイラストにしてくれるため、資料の説得力が増します。
商用利用と著作権に関する注意点
ビジネスで利用する際に必ず確認しておかなければならないのが、商用利用の可否と著作権の問題です。
AIで生成した画像は誰のものになるのか、どのような点に気をつければよいのか、現在のルールに基づいて解説します。
OpenAIの商用利用ルールと権利規定
OpenAIの利用規約(Terms of Use)によると、有料プラン(ChatGPT Plus/Team/Enterprise)およびAPIを利用して生成されたコンテンツの所有権は、基本的にユーザーに帰属します。
つまり、GPT Image 1.5で作成した画像を、自社のWebサイトに使ったり、広告バナーとして配信したり、商品パッケージに使ったりすることは商用利用として認められています。クレジット表記なども基本的には不要です。
ただし、これはあくまで「ユーザーが作成した」と見なされる範囲においてです。無料プランの扱いなど、規約は変更される可能性があるため、大規模な商用展開の前には必ず最新の公式規約を確認することをおすすめします。
OpenAIのAPIで生成されたコンテンツの著作権や所有権に関する公式ヘルプ記事はこちらです。 https://help.openai.com/en/articles/5008634-will-openai-claim-copyright-over-what-outputs-i-generate-with-the-api
著作権侵害を避けるために気をつけるべきポイント
生成した画像の権利がユーザーにあるとしても、無条件に何でも許されるわけではありません。最も注意すべきなのは「既存の著作物への侵害」です。
プロンプトで特定の有名キャラクター名(例:「ピカチュウを描いて」)や、特定のアーティスト名、ブランドロゴなどを指定して生成した画像は、既存の著作権や商標権を侵害するリスクがあります。
OpenAI側でもフィルター機能によって、明らかな著作権侵害キャラクターの生成はブロックされるようになっていますが、完全に防げるわけではありません。
商用利用する場合は、以下の点に注意してください。
- 特定の既存キャラクターや作品名をプロンプトに入れない。
- 「〇〇風」といった特定の作家の画風を模倣する指示は避ける。
- 生成された画像が、既存の有名な作品と酷似していないか確認する。
独自のオリジナリティのあるプロンプトで生成された画像であれば、基本的には安全に利用できます。
生成AIを企業で利用する際の情報漏洩リスクや著作権の問題、具体的なセキュリティ対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。 合わせてご覧ください。
開発者向け:GPT Image 1.5 APIの利用ガイド
エンジニアや開発者の方に向けて、GPT Image 1.5をシステムに組み込むためのAPI利用について簡単に触れておきます。
実装に必要なパラメータやレスポンス形式については、APIリファレンスで網羅的に解説されています。 https://platform.openai.com/docs/api-reference/images
APIを活用することで、Webサービスやアプリの中に画像生成機能を実装することが可能です。
APIの実装手順とパラメータ設定
GPT Image 1.5のAPI(Images API)は、OpenAIの標準的なAPI形式に準拠しています。
基本的なエンドポイントに対して、以下のようなパラメータを指定してリクエストを送ります。
model: “gpt-image-1.5”prompt: 生成したい画像の説明size: “1024×1024” などの画像サイズquality: “standard” または “hd”style: “vivid”(鮮やか)または “natural”(自然的)response_format: “url” または “b64_json”
特にstyleパラメータは、生成される画像の雰囲気を大きく左右するため、用途に合わせて調整が必要です。マーケティング用途ならvivid、写真のようなリアルさを求めるならnaturalが適しています。
エンジニアが知っておくべき技術仕様とTips
API利用時の注意点として、プロンプトの自動修正(Rewrite)機能があります。
GPT Image 1.5は、ユーザーが入力した短いプロンプトを、より詳細なプロンプトに自動的に書き換えてから画像生成を行う仕組みになっています。これにより品質が安定するのですが、意図しない要素が勝手に追加されることもあります。
これを防ぎたい場合は、プロンプト内で「I need exactly what I wrote(私が書いた通りのものを厳密に出力して)」といった指示を含めるか、APIのオプション設定でリライト機能を制御できるかドキュメントを確認する必要があります。
また、画像生成はテキスト生成に比べてレイテンシ(待ち時間)が長いため、ユーザー向けのUIではプログレスバーを表示するなど、非同期処理を前提とした設計が求められます。
GPT Image 1.5に関するよくある質問
最後に、GPT Image 1.5に関してよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
無料版のChatGPTでも利用できますか?
現在のところ、GPT Image 1.5のような最新の画像生成モデルは、主に有料プラン(Plus、Team、Enterprise)向けに提供されています。無料版のChatGPTでは、GPT-4o miniなどの言語モデルは利用できても、画像生成機能(DALL-E 3やGPT Image 1.5)にはアクセスできない、もしくは機能が制限されている場合があります。
本格的に画像生成を利用したい場合は、月額20ドルのChatGPT Plusへの加入が推奨されます。
生成した画像は商用利用しても問題ないですか?
はい、有料プランで生成した画像は商用利用が可能です。ただし、前述の通り、既存のキャラクターやブランドを侵害するような画像の使用は避けてください。あくまでオリジナルの画像として生成されたものが対象です。
日本語のプロンプトでも高品質な画像は作れますか?
はい、作れます。GPT Image 1.5は日本語理解能力が非常に高いため、英語に翻訳しなくても、日本語のニュアンスを汲み取って高品質な画像を生成してくれます。
ただし、非常に専門的な用語や、日本特有の文化的な背景が強い要素(例:マイナーな日本の妖怪など)については、英語で補足説明を加えたほうが精度が上がることがあります。
「描ける」だけでは生き残れない?最新研究が示す画像生成AI時代の「真のクリエイティブ力」
GPT Image 1.5のような高性能な画像生成AIの登場は、私たちに「魔法の杖」をもたらしました。しかし、この魔法に頼りすぎることで、私たちの創造性が危機に瀕している可能性があることをご存知でしょうか。最新の研究データをもとに、AI時代に求められる「真のクリエイティブ能力」について解説します。
【警告】AIに頼りすぎると起きる「認知的萎縮」
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究者たちは、生成AIへの過度な依存が「認知的萎縮(cognitive atrophy)」を引き起こすリスクがあると指摘しています。AIが提示する美しい画像やアイデアを無批判に受け入れる癖がつくと、自らイメージを構想し、批判的に検証する脳の回路が弱まってしまうのです。これは、GPSに頼りすぎて道を覚えられなくなる現象の「創造性バージョン」と言えるでしょう。
【事実】アイデア出しでは、もはやAIに勝てない?
アーカンソー大学の研究(2024年)によると、創造性の指標となる「拡散的思考(divergent thinking)」のテストにおいて、GPT-4などの生成AIは人間の平均スコアを上回る結果を出しました。つまり、「たくさんのアイデアを出す」「意外な組み合わせを考える」という点において、人間はすでにAIに追い抜かれつつあるのです。では、私たちはAIに仕事を奪われるのをただ待つしかないのでしょうか?
【解法】「作る」から「選ぶ」へ。人間に残された最後の聖域
ResearchGateで公開された大規模調査によると、テキスト画像生成AIを使用することでクリエイターの生産性は約25%向上することが示されましたが、同時に重要な示唆も与えています。それは、AI時代における人間の役割が「ゼロから生み出すこと」から「膨大な選択肢から最適解を選び取る(Filtering)こと」へとシフトしているという事実です。
高機能なAIは、指示さえすれば無限に美しい画像を生成します。しかし、その中から「ブランドのメッセージに合致するのはどれか」「人の心を動かす文脈を持っているのはどれか」を判断できるのは、依然として人間だけです。これからの時代、クリエイターやビジネスパーソンに求められるのは、描画スキルそのものではなく、AIという優秀なパートナーを指揮し、その出力に対して責任を持つ「審美眼」と「ディレクション能力」なのです。
引用元:
- MIT Media Lab, “Impact of Generative AI on Critical Thinking and Cognitive Atrophy” (related discussions and findings, 2024-2025)
- University of Arkansas, “AI Outperforms Humans in Standardized Tests of Creative Potential” (Scientific Reports, 2024)
- ResearchGate, “Generative artificial intelligence, human creativity, and art” (2024)
まとめ
画像生成AIの進化により、誰でもプロ並みのクリエイティブを作成できる時代が到来しました。しかし、実際に業務で活用しようとすると、「プロンプトの作成が難しい」「著作権やセキュリティが心配」「どのツールを選べばいいかわからない」といった課題に直面する企業も少なくありません。
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