会議議事録の書き方完全ガイド!上司が納得する構成・例文とAI活用術

「議事録の作成に毎回時間がかかってしまい、残業の原因になっている…」

「頑張って書いても、上司から『何が決まったのか分からない』と突き返されてしまう。」

会議のたびに発生する議事録作成業務において、このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?

議事録は単なる発言の記録ではなく、プロジェクトを前に進めるための重要な合意形成ツールです。

しかし、正しい書き方や構成を教わる機会は意外と少なく、自己流で苦戦しているケースが後を絶ちません。

日本企業の会議による経済的損失は年間15億円に上るという調査結果もあります。現状の課題把握として参考にしてください。 https://rc.persol-group.co.jp/news/201809060935/

本記事では、上司やクライアントが一発で納得する議事録の書き方、すぐに使える構成テンプレート、そして最新AIを活用した時短テクニックについて解説しました。

企業の業務効率化支援や生成AIコンサルティングを行っている弊社が実践しているノウハウのみを厳選してご紹介します。

明日からの会議ですぐに役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

議事録に必ず盛り込むべき基本項目とフォーマット

質の高い議事録を作成するためには、ゼロから文章を考えるのではなく、決まったフォーマットに情報を当てはめていくことが重要です。

読み手が知りたい情報は共通しているため、以下の項目を漏れなく記載することで、誰が読んでも分かりやすい議事録になります。

ここでは、議事録の骨組みとなる5つの必須項目について解説します。

基本情報(日時・場所・参加者・欠席者)

まず冒頭に記載すべきなのは、その会議がいつ、どこで、誰によって行われたかという基本情報です。

これは後から議事録を見返した際に、情報の検索性を高めるために不可欠な要素となります。

日時については、年号(2025年など)から記載し、開始時間と終了時間を正確に記録してください。

会議室で行ったのか、Zoomなどのオンライン形式だったのかという開催場所の情報も重要です。

参加者については、社内と社外(クライアントなど)を明確に分け、役職が高い順に記載するのがビジネス上のマナーです。

特に重要な意思決定を行う会議の場合、決裁権を持つ人物が参加していたかどうかが、その後のプロジェクト進行に大きく関わります。

また、欠席者も忘れずに記載しましょう。

誰がその場にいなかったのかを記録しておくことで、決定事項を後から誰に共有すべきかが明確になります。

基本情報は議事録の信頼性を担保する部分ですので、正確な記述を心がけてください。

議題(アジェンダ)と決定事項

議事録の中で最も重要なのが、この「議題(アジェンダ)」と、それに対する「決定事項」のセットです。

多くの人が失敗しがちなのが、決定事項が埋もれてしまい、結局何が決まったのかが分からないというケースです。

アジェンダごとに、結論として何が決まったのかを簡潔に記載しましょう。

「承認された」「継続検討となった」「却下された」など、ステータスがはっきりと分かる言葉を選ぶことがポイントです。

もし、その場で結論が出なかった場合は、「決定しなかったこと(保留事項)」として明記する必要があります。

曖昧なまま終わらせず、何がボトルネックとなって決定に至らなかったのかを記録に残すことで、次回の会議での議論の出発点が明確になります。

アジェンダの有効性と重要性に関する検証記事です。アジェンダ設定が会議の質にどう影響するか、より詳しく知りたい方はご覧ください。 https://www.flowtrace.co/collaboration-blog/meeting-agenda-effectiveness-why-validation-matters

上司や関係者が議事録を読む際、最初に目を通すのがこの決定事項です。

忙しい相手でも数秒で内容を把握できるよう、箇条書きを用いて結論ファーストで記述することを強く推奨します。

議論の要点・経緯

決定事項に至るまでに、どのような意見が出され、どのようなロジックでその結論になったのかを記録するのが「議論の経緯」です。

ここでは、すべての発言を書き起こす必要はありません。

重要なのは、決定事項を支える根拠となる発言や、対立した意見、懸念点として挙がったリスクなどをピックアップすることです。

なぜA案ではなくB案が採用されたのか、その背景にはどのような制約条件や市場データがあったのかを記述します。

この項目がしっかり書かれていると、会議に参加していなかった人が読んだ時でも、決定のプロセスを追体験することができます。

また、数ヶ月後に「なぜこの仕様にしたんだっけ?」と振り返る際にも、この経緯の記録が役立ちます。

発言者を特定して記載する場合は、「A氏:〜という懸念があるため反対」「B氏:コスト面でのメリットから賛成」といった形式で書くと、議論の対立軸が明確になります。

あくまで要点を整理し、構造化して記載することを意識してください。

次回までの宿題(タスク・担当者・期限)

会議で決まったことを実行に移すために欠かせないのが、ネクストアクション(宿題)の管理です。

決定事項があっても、誰がいつまでにやるかが決まっていなければ、プロジェクトは進みません。

タスクを記載する際は、「誰が(担当者)」「いつまでに(期限)」「何を(具体的なアクション)」するのかをセットで記述します。

特に期限は「来週中」といった曖昧な表現ではなく、「11月25日まで」と具体的な日付を入れることが鉄則です。

また、タスクのボールを持っているのが自社なのか、クライアント側なのかも明確にしておきましょう。

議事録を共有する際、このタスク一覧があることで、各メンバーは自分のやるべきことを即座に認識できます。

完了条件も合わせて記載しておくと親切です。

「資料を作成する」だけでなく、「資料を作成し、部長の承認を得てチャットで共有する」まで書けば、認識のズレを防げます。

次回会議の予定

議事録の最後には、次回の会議予定を記載します。

定例会議であれば次回の日時を、不定期の会議であれば、日程調整の方法や目処を記しておきましょう。

会議の最後には必ず「次回の開催はどうしますか?」と確認する癖をつけるのがおすすめです。

その場で日時が決まれば、参加者のスケジュールをすぐに確保でき、調整の手間が省けるからです。

もし日時が決まらなかった場合でも、「〇〇日までに日程調整ツールで候補日を連絡する」といったタスクとして残しておきます。

会議は連続性のあるものなので、今回の議論を次回にスムーズにつなげるためのブリッジとしての役割を、この項目が担っています。

ここまで書くことで、一つの会議が完全にクローズしたと言えるでしょう。

そもそも議事録の正しい書き方がわからないという方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。議事録のテンプレートも無料でダウンロードできます。

【作成手順】質の高い議事録は「準備」で9割決まる

議事録作成に時間がかかっている人の多くは、会議が終わってから「さて、何を書こうか」と考え始めています。

しかし、効率的に質の高い議事録を作るためには、会議が始まる前の準備が勝負の9割を決めていると言っても過言ではありません。

ここでは、会議前から会議後までの理想的な作成フローを4つのステップで解説します。

会議前にアジェンダとフォーマット(骨組み)を用意しておく

会議が始まる前に、議事録の「枠」を完成させておくことが最大のコツです。

白紙の状態で会議に臨むのではなく、日時、参加者予定、そしてアジェンダの項目をあらかじめ入力したファイルを用意しておきましょう。

アジェンダが事前に共有されている場合は、それをそのまま見出しとして設定します。

さらに、想定される論点や、決めるべき事項についても空欄を作っておくと、会議中に埋めていくだけで議事録のベースができあがります。

もし過去の議事録がある場合は、それをコピーして日付などを書き換えるだけで、フォーマット作成の時間を短縮できます。

この事前準備をしておくだけで、会議中のメモ取りが格段に楽になり、聞き漏らしを防ぐ余裕も生まれます。

事前に骨組みができていると、会議の進行役(ファシリテーター)としても動きやすくなります。

議論が脱線した際に、「本日のアジェンダはこの3点ですので、話を戻しましょう」と軌道修正しやすくなるメリットもあります。

会議中は「発言の記録」よりも「決定事項」のメモに集中する

会議中、真面目な人ほど一言一句を書き留めようとしてしまいますが、これは非効率です。

PCへの入力に集中しすぎて議論の内容が頭に入ってこない、という本末転倒な事態になりかねません。

会議中のメモは、完全な文章にする必要はありません。

キーワードや箇条書きで十分ですので、「何が決まったか(決定事項)」と「誰がやるか(タスク)」の2点だけは絶対に逃さないように集中してください。

議論の細かいニュアンスや発言の全容は、後述する録音ツールやAIにお任せすれば良いのです。

人間の脳は、文脈の理解や、その場の空気感から読み取れる重要度の判断に使うべきです。

「今の決定事項は〇〇ということでお間違いないでしょうか?」と、その場で口頭確認しながらメモを取ると、精度の高い記録になります。

自分の理解が正しいかを確認する行為自体が、会議の質を高めることにもつながります。

会議終了直後に不明点をその場で確認する

会議が終わった瞬間、PCを閉じて「お疲れ様でした」と言って退出するのは避けましょう。議事録作成において最も危険なのは、自分の解釈が合っているか不安な箇所を、そのままにして持ち帰ってしまうことです。

会議終了直後の数分間は、不明点を解消するためのゴールデンタイムです。

「先ほどのB案の件ですが、期限は来月末で確定でしょうか?それとも仮置きでしょうか?」など、メモを見返して曖昧な部分をその場で主要メンバーに確認してください。

後からチャットやメールで確認しようとすると、相手も記憶が薄れていますし、返信を待つ時間が発生して議事録の完成が遅れます。

その場で確認が取れれば、自信を持って「確定事項」として記載することができます。

この「居残り確認」を行うだけで、上司からの「これ本当に合ってる?」という指摘を劇的に減らすことができます。

ほんの1〜2分の手間を惜しまないことが、結果的に大幅な時短につながります。

記憶が新しいうちに清書して24時間以内に共有する

議事録の鮮度は、作成スピードにかかっています。人間の記憶は1時間後には約56%を忘れてしまうと言われています。

翌日や数日後に書こうとすると、録音を聞き直したり、記憶を呼び起こしたりするのに余計な時間がかかってしまいます。

学習と記憶保持のメカニズム(エビングハウスの忘却曲線)について解説したレポートです。なぜ即時の記録が重要なのか、科学的背景を知りたい方はご覧ください。 https://www.indegene.com/what-we-think/reports/understanding-science-behind-learning-retention

理想は会議終了直後、遅くともその日のうちに清書を終わらせることです。

鉄は熱いうちに打てと言うように、議論の熱量や文脈が頭に残っているうちに文章化したほうが、圧倒的に早く、かつ正確に書けます。

そして、完成した議事録は原則として24時間以内に関係者に共有しましょう。

共有が遅れると、参加者は会議の内容を忘れ始め、タスクへの着手が遅れます。

スピード重視で共有することで、「仕事が早い」という評価にもつながります。

もし完璧に仕上げるのに時間がかかりそうなら、まずは「決定事項」と「タスク」だけの簡易版を速報として流し、詳細は後追いで共有するという方法も有効です。

とにかく情報を寝かせないことが重要です。

読みやすくわかりやすい議事録に仕上げる文章のコツ

同じ内容を伝えていても、文章の書き方一つで「分かりやすい」と評価されるか、「読みづらい」と思われるかが分かれます。

ビジネス文書である議事録には、小説のような起承転結や情緒的な表現は不要です。

ここでは、読み手の負担を最小限にし、情報を正確に伝えるためのライティングテクニックを5つ紹介します。

結論(決定事項)を最初に書く「PREP法」を意識する

ビジネスライティングの基本である「PREP法」は、議事録でも非常に有効です。

PREPとは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字を取ったものです。

議事録においては、まず「決定事項(結論)」を書き、その後に「理由・経緯」を続ける構成にします。

読み手は忙しい中で情報を探しているため、冒頭に結論があることで、読むべきかどうかの判断を瞬時に行うことができます。

例えば、「A案とB案の比較検討について」という見出しの下に、ダラダラと議論の内容を書くのはNGです。

「【決定】コスト優位性のあるA案を採用する」と最初に明記し、その下に「なぜならB案は納期に懸念があるため」と理由を続けましょう。

この順序を守るだけで、議事録の説得力と可読性が格段に向上します。

結論が最後に来る文章は、最後まで読まないと何が言いたいのか分からず、読み手にストレスを与えてしまいます。

一文を短くし、箇条書きを活用して視認性を高める

読みやすい議事録の特徴は、パッと見た時の「視認性」が高いことです。

一文が長く、句読点が何度も続くような文章は、内容が頭に入ってきづらくなります。

一文は40文字〜60文字程度を目安にし、長くても80文字以内には収めるように意識しましょう。

また、3つ以上の要素を列挙する場合は、必ず箇条書きを使います。

「Aについては〇〇で、Bについては△△で、Cについては××という意見が出ました」と繋げるのではなく、以下のように整理します。

  • Aについて:〇〇
  • Bについて:△△
  • Cについて:××

このように箇条書きにすることで、情報は整理され、スキャンするように読むことが可能になります。

インデント(字下げ)を使って階層構造を作ると、さらに情報の親子関係が明確になり、理解しやすくなります。

「読む」文章ではなく、「見る」だけで内容が入ってくる文章を目指しましょう。

スキャン可能なコンテンツと箇条書きが読者に与える心理学的効果についての解説です。読みやすい文章構成の参考にしてください。 https://yoast.com/the-psychology-of-scannable-content-and-bullet-points/

「事実(発言)」と「解釈(所感)」を明確に書き分ける

議事録作成者が陥りやすい罠の一つが、事実と自分の解釈を混同して書いてしまうことです。

議事録は客観的な記録であるべきですが、作成者の主観が入ってしまうと、事実が歪曲されて伝わる恐れがあります。

例えば、「部長が怒っていた」と書くのは解釈です。

事実は「部長より、スケジュールの遅延に対して強い懸念が示された」となります。

感情的な表現や、作成者の感想は極力排除し、誰がどのような発言をしたのかという事実に焦点を当ててください。

もし、補足として自分の所感や考察を入れる必要がある場合は、「【作成者メモ】」や「【所感】」という項目を別枠で設け、事実とは明確に切り離して記載しましょう。

これにより、読み手はどこまでが会議での合意事項で、どこからが個人の意見なのかを区別して読むことができます。

情報の透明性を保つことは、議事録の信頼性を守る上で非常に重要です。

5W1H(誰が・いつ・何をなど)を省略せずに記載する

会議に参加していた人にとっては自明のことでも、欠席者や後から見返す人にとっては分からないことが多々あります。そのため、5W1H(Who, When, Where, What, Why, How)を省略せずに書く癖をつけましょう。

特に「Who(誰が)」と「When(いつ)」の省略は致命的です。

「資料を作成することになった」ではなく、「鈴木氏が11/30までに提案資料を作成することになった」と具体的に書きます。

主語が抜けていると責任の所在が曖昧になり、タスクが宙に浮いてしまう原因になります。

また、「Why(なぜ)」という背景情報も重要です。

単に「仕様を変更する」とだけ書くのではなく、「ユーザーからの要望増加に対応するため、仕様を変更する」と理由を添えることで、決定の正当性が伝わります。

言葉を惜しまず、文脈を知らない人が読んでも理解できるレベルの具体性を保つことが大切です。

曖昧な表現(これ、あれ、なるべく)は具体的な言葉・数値に直す

口頭での会話では、「これをなるべく早くやっておいて」といった曖昧な指示が飛び交います。しかし、これをそのまま議事録に書いてはいけません。

指示語(こそあど言葉)や曖昧な副詞は、具体的な名詞や数値に変換して記録する必要があります。

「これ」とは「前回の定例会で提出された見積書」のことなのか、「現在画面に映しているスライド」のことなのかを特定して書き換えます。

「なるべく早く」は「本日中」なのか「今週中」なのか、その場で確認して具体的な期限に置き換えます。

「少し」「かなり」「徹底的に」といった程度を表す言葉も、人によって受け取り方が異なります。

可能な限り、「10%増」「全社員対象」「毎日チェックする」などの定量的な表現や具体的な行動レベルに落とし込んで記載しましょう。

この「翻訳」作業こそが、議事録作成者の腕の見せ所であり、会議の成果を確実なものにするための重要なプロセスです。

ChatGPTを活用して文章の誤字脱字や表現を効率的に校正・添削する方法について解説した記事もございます。 合わせてご覧ください。

【シーン別】そのまま使える議事録の書き方・文例

議事録と一口に言っても、会議の種類によって求められる粒度やフォーマットは異なります。

進捗報告だけの会議で詳細な発言録を作っても読まれませんし、重要な意思決定の場で簡易的なメモでは証拠能力が不足します。

ここでは、ビジネスシーンでよくある4つのパターンと、避けるべきNG例について具体的に解説します。

定例会議・進捗報告会の議事録(シンプル)

毎週行われるチーム定例や進捗報告会では、スピードと一覧性が重視されます。

詳細な議論の経緯よりも、「予定通り進んでいるか」「問題は何か」「誰がどう対処するか」が分かれば十分です。

【構成例】

  • 各担当の進捗状況: Aプロジェクトは予定通り完了。Bプロジェクトは部材遅れにより2日遅延見込み。
  • 課題・共有事項: Bプロジェクトの遅延対策として、代替ベンダーへの見積もりを依頼中。
  • 決定事項: 代替ベンダーの選定を金曜日までに行う。

このように、現状(Fact)と対策(Next Action)を中心に簡潔にまとめます。

ToDoリストのような形式で、完了したものは消していく運用にすると、タスク管理ツールとしても機能します。

長文を書く必要はなく、箇条書きを多用してサクサク読める構成を心がけましょう。

企画会議・アイデア出しの議事録

ブレインストーミングや企画会議では、決定事項だけでなく「どのようなアイデアが出たか」という発散のプロセス自体が資産になります。

採用されなかったアイデアも、将来的に役立つ可能性があるため、「アイデアリスト」として記録に残しておくことが重要です。

【構成例】

  • 採用案: ターゲットを20代女性に絞ったSNSキャンペーン。
  • 検討されたその他のアイデア:
    • 駅前でのサンプリング(コスト面で見送り)
    • インフルエンサーとのコラボ商品(納期が間に合わないため保留)
  • 今後のアクション: 採用案に基づき、来週までに具体的な投稿スケジュールを作成する。

なぜそのアイデアが選ばれ、他が見送られたのかという選定理由を簡潔に添えておくと、後から見返した時に納得感があります。

マインドマップツールなどを使って、議論の広がりを視覚的に記録した画像を添付するのも効果的です。

意思決定・役員会議の議事録(詳細)

経営に関わる重要な意思決定や、役員が出席する会議では、高い正確性と詳細な記述が求められます。

「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、発言者を明確にし、議論の分岐点となった発言は丁寧に記録する必要があります。

【構成例】

  • 議題1: 新規事業への投資予算について
  • 決定事項: 予算3,000万円の拠出を承認する。ただし、四半期ごとのレビューを条件とする。
  • 議論の経緯:
    • 田中取締役:市場の成長性を鑑みると、今投資すべきタイミングであると主張。
    • 佐藤監査役:リスク管理の観点から、撤退基準を設けるべきとの指摘あり。
    • ⇒ 結果として、撤退ラインを明確化した上で承認となった。

ここでは、誰がどのような条件を提示し、最終的にどのような合意形成がなされたかを論理的に記述します。

公式文書としての側面が強いため、敬体(です・ます)ではなく、常体(だ・である)で格調高く書くのが一般的です。

クライアントとの商談議事録

社外のクライアントとの商談議事録は、契約内容や納品物の仕様に関わる重要な証拠となります。

社内用語や略語は使わず、誰が読んでも誤解のない正式名称を用いるよう注意しましょう。

【構成例】

  • 確認事項: 納品形式はPDFおよびPowerPointの元データとする。
  • クライアント要望: デザイン案については、明るい色味(パステルカラー等)を希望されている。
  • 宿題事項(自社): 上記要望を反映したラフ案を3パターン、来週水曜日までにメール送付する。
  • 宿題事項(先方): 製品画像データを明日中に共有いただく。

商談後は、この議事録をメール本文や添付ファイルとして先方にも送付し、「内容に相違がないか」を確認してもらうのがベストプラクティスです。

これにより、相互の認識ズレを初期段階で防ぐことができます。

失敗しやすい「NGな議事録」の例

最後に、評価を下げるNGな議事録の特徴を知っておきましょう。

これを避けるだけでも、議事録の質は大きく向上します。

  1. 日記風議事録: 「今日は〇〇について話し合った。色々な意見が出た。」といった感想文のようなもの。決定事項が不明でビジネス文書として機能しません。
  2. 発言録そのまま: 「Aさん:えー、そうですね。あの件は…」といったフィラー(言い淀み)まで文字起こししているもの。読むのに時間がかかり、要点が掴めません。
  3. 専門用語だらけ: 一部のメンバーしか分からない略語や隠語が説明なしに使われているもの。関係部署に共有した際に理解されません。
  4. 「検討する」で終わっている: 具体的に誰がいつまでに何を検討するのか書かれていないもの。これは何も決まっていないのと同じです。

これらのNG例を反面教師にし、常に「読み手が次のアクションを起こせるか」という視点で作成してください。

議事録作成の時間を短縮するおすすめツールとAI活用

働き方改革が進む現代において、議事録作成をすべて手作業で行うのは過去の話になりつつあります。

音声認識技術とAI要約機能の進化により、議事録作成の時間は劇的に短縮可能です。

ここでは、弊社でも実際に活用しているおすすめのツールや、AIを用いた最先端の作成方法を紹介します。

Googleドキュメント(リアルタイム共同編集・音声入力)

最も手軽で、かつ強力なツールがGoogleドキュメントです。

無料で使用でき、複数人で同時に編集できるため、会議中に参加者がそれぞれの担当箇所のメモをリアルタイムで書き込むことができます。

会議が終わった時点で、全員のメモが集約された議事録がほぼ完成している状態を作れるのが最大のメリットです。

また、ツール内の「音声入力」機能も優秀です。

マイクをオンにしておくだけで、会議の内容をテキスト化してくれます。

精度は100%ではありませんが、メモの補助としては十分に機能します。

特別なアプリをインストールする必要がないため、導入のハードルが低いのも魅力です。

Notta(高精度な自動文字起こし・要約)

「Notta」は、会議の録音から文字起こし、要約までを一気通貫で行えるAI議事録作成ツールです。

日本語の認識精度が非常に高く、話者分離機能(誰が話しているかを識別する機能)も搭載されています。

ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールと連携させれば、自動で会議に参加して録音・文字起こしを行ってくれます。

会議終了後には、AIが自動で要点をまとめた要約文を生成してくれるため、人間はそれを確認して微修正するだけで済みます。

有料ツールではありますが、議事録作成にかかる工数を大幅に削減できるため、多くの企業で導入が進んでいます。

ChatGPTで長文の情報を効率的に要約するための具体的なプロンプトや活用事例について解説した記事もございます。 合わせてご覧ください。

ChatGPT・Gemini(メモの要約・整頓・誤字脱字チェック)

生成AIであるChatGPTやGeminiを活用することで、議事録の品質をさらに高めることができます。

殴り書きしたメモを貼り付けて「これをビジネス文書として整えてください」と指示すれば、綺麗な文章にリライトしてくれます。

特に注目すべきは、2025年8月7日にOpenAIがリリースした最新言語モデル「GPT-5」の活用です。

GPT-5は、簡単な質問には素早く、複雑な質問にはじっくり考えて回答する能力(思考時間の自動切替)を持っています。

この機能により、例えば「会議の全記録から、相反する意見の対立構造を分析し、決定に至った論理的背景を推論して要約して」といった高度な指示に対しても、精度の高い議事録案を作成してくれます。

以前のモデルでは難しかった文脈の深い理解が可能になったため、複雑な議論の整理には最適です。

また、誤字脱字のチェックや、敬語の修正などの校正作業もAIに任せることで、ヒューマンエラーをゼロに近づけることができます。

ChatGPTを使った会議議事録の作成方法について、より具体的なプロンプトや注意点を解説した記事もございます。 合わせてご覧ください。

Microsoft Teams / Zoomの自動文字起こし機能

普段使っているWeb会議ツールにも、強力な機能が標準搭載されています。

Microsoft TeamsやZoomには、リアルタイムで字幕を表示・保存する機能や、会議終了後に文字起こしデータを生成する機能があります。

特にTeamsは、Microsoft 365の「Copilot」と連携することで、会議の内容を要約したり、タスクを自動抽出したりすることが可能です。

社内のセキュリティ規定で外部ツールの使用が制限されている場合でも、これらの標準機能であれば利用できるケースが多いため、まずは設定を確認してみることをおすすめします。

XMind(議論構造の可視化・マインドマップ)

文章だけの議事録では構造が見えにくい場合、「XMind」などのマインドマップツールが役立ちます。

会議中にリアルタイムで議論の構造をツリー状に可視化していくことで、論点のズレを防ぎ、全体像を俯瞰しながら話し合いを進めることができます。

作成したマインドマップはそのまま画像やPDFとして出力し、議事録に添付することができます。

特にアイデア出しの会議や、複雑な問題解決を行う会議において、テキスト情報以上の価値を提供してくれるツールです。

AIツールで議事録を作成する際の注意点

AIツールは非常に便利ですが、任せきりにするのは危険です。

AIはあくまで「支援ツール」であり、最終的な責任は人間が持つ必要があります。

便利な技術を安全かつ効果的に使うために、押さえておくべき3つの注意点を解説します。

専門用語や固有名詞の誤変換は必ず人の目で修正する

AIの音声認識や文章生成は飛躍的に進化していますが、それでも完璧ではありません。特に、業界特有の専門用語、社内用語、人の名前(固有名詞)などは誤変換される可能性が高いです。

例えば、社内のプロジェクトコード「Project-X」が「プロジェクトエックス」とカタカナになったり、全く別の言葉に置き換わったりすることがあります。

そのまま提出すると「確認していない」とみなされ、信頼を損なう原因になります。

出力されたテキストは必ず一度目を通し、特に名詞部分は重点的にチェックを行ってください。

機密情報や個人情報の入力にはセキュリティ対策が必要

ChatGPTなどのAIサービスに会議の音声をそのまま入力する場合、情報漏洩のリスクを考慮しなければなりません。無料版のAIツールなどでは、入力したデータがAIの学習に使われる設定になっている場合があります。

社外秘の情報や個人情報を含む会議データを扱う際は、データが学習に利用されない設定(オプトアウト)を行うか、「ChatSense」のようなセキュリティ対策が施された法人向けサービスを利用することが推奨されます。

会社のセキュリティガイドラインを必ず確認し、適切な環境で利用するようにしましょう。

ハーバード大学が公開しているAIアシスタントの利用ガイドラインです。組織としてどのようなセキュリティ基準を設けるべきか、参考としてご覧ください。 https://www.huit.harvard.edu/ai-assistant-guidelines

AIの要約が文脈を正しく捉えているかファクトチェックを行う

AIは文章を滑らかにまとめるのが得意ですが、時に「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を出力することがあります。

また、皮肉や冗談、文脈に依存するニュアンスを正確に汲み取れず、意図とは逆の内容で要約してしまうこともあり得ます。

AIが生成した要約文については、必ず「本当にそのような発言があったか」「決定事項に間違いはないか」というファクトチェックを行ってください。

「AIが書いたから正しいだろう」という思い込みを捨て、最終的な内容の正確性は人間が担保する必要があります。

AIのハルシネーション(幻覚)リスクに関する学術的な研究論文です。AIの回答精度とリスクについて、より専門的な知見を得たい方は参考にしてください。 https://www.frontiersin.org/journals/artificial-intelligence/articles/10.3389/frai.2025.1622292/full

会議議事録に関するよくある質問

最後に、議事録作成に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

ここでの疑問を解消し、自信を持って議事録作成に取り組んでください。

発言録と議事録の違いは何ですか?

発言録(トランスクリプト)は、会議中の発言を「誰が何を言ったか」そのまま記録したものです。

一方、議事録(ミニッツ)は、会議の「決定事項」と「今後のアクション」を中心に、情報を構造化・要約した文書です。

ビジネスにおいて求められるのは、基本的には後者の「議事録」です。

発言の証拠が必要な裁判や監査のような特殊なケースを除き、読む時間を奪わない要約された議事録が好まれます。

ICレコーダーで全録音する必要はありますか?

必ずしも全録音する必要はありませんが、初心者のうちは保険として録音しておくことをおすすめします。

聞き逃した箇所や、ニュアンスを確認したい時に役立ちます。

ただし、録音があるからといってメモを取らずにいると、後で聞き返すのに膨大な時間がかかります。

「録音はあくまでバックアップ」と割り切り、会議中はメモ取りに集中するのが基本スタイルです。

なお、録音する際は、トラブル防止のため冒頭で参加者に了承を得るようにしましょう。

上司からの修正指示を減らすにはどうすれば良いですか?

修正指示が多い最大の原因は、「認識のズレ」です。これを防ぐためには、記事内でも触れた「会議終了直後の不明点確認」と、「骨組み(ドラフト)段階での早めの共有」が有効です。

完璧に仕上げてから提出するのではなく、6割程度の完成度で「構成と決定事項はこれで合っていますか?」と一度確認を挟むことで、手戻りを最小限に抑えることができます。

また、上司が好むフォーマットや言い回しがある場合は、それをテンプレート化して使い回すのも賢い方法です。

【警告】「会議に出た」だけで満足していませんか?人間の脳は1時間で半分忘れる

「いい会議だったね」と満足して終わっても、翌日には何が決まったのか誰も正確に覚えていない——。もしそんな経験があるなら、あなたの組織は莫大な「見えないコスト」を払い続けているかもしれません。人間の記憶力に関する有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、私たちは新しい情報を得てからわずか1時間で約56%、翌日には約74%も忘れてしまうとされています。

つまり、会議の内容をその場ですぐに記録し、可視化(議事録化)しておかなければ、その会議に費やした人件費の大部分は、記憶の彼方に消え去ってしまうのと同じことなのです。

ハーバード・ビジネス・レビューなどの調査によると、管理職は週に23時間も会議に費やしていますが、そのうち約7割は「非生産的」だと感じているというデータもあります。決定事項が曖昧なまま記憶が風化し、「言った言わない」の水掛け論で再調整に時間を浪費する。この「会議のやりっ放し」こそが、日本企業の生産性を下げる大きな要因となっています。

しかし、だからといって「完璧な議事録」を人間が手作業で作ろうとすれば、今度は膨大な作成時間が奪われます。記憶の定着と業務効率の板挟みになり、多くのビジネスパーソンが疲弊しているのが現実です。このジレンマを解消し、会議を真の「資産」に変えるためには、人間の記憶力や根性に頼るのではなく、テクノロジーによる抜本的な仕組みの転換が必要です。

引用元:

ヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」(1885年)は、人間の記憶が時間とともにどのように減衰するかを示した心理学の基礎研究です。また、ハーバード・ビジネス・レビュー(2017年)等の調査では、エグゼクティブの会議時間とその生産性に関する課題が指摘されています。

まとめ

企業は労働力不足や業務効率化の課題を抱える中で、生成AIの活用がDX推進や業務改善の切り札として注目されています。

しかし、実際には「どこから手を付ければいいかわからない」「社内にAIリテラシーを持つ人材がいない」といった理由で、導入のハードルが高いと感じる企業も少なくありません。

そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。

Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用し、200種類以上の実用的なAIタスクをパッケージ化した生成AI活用プラットフォームです。

今回解説した「議事録作成」の業務においても、Taskhubなら録音データをアップロードするだけで、AIが自動で要点をまとめ、決定事項とネクストアクションを整理した完璧な議事録を一瞬で生成します。

ほかにも、メール作成や画像からの文字起こし、レポート自動生成など、さまざまな業務を「アプリ」として選ぶだけで、誰でも直感的にAIを活用できます。

しかも、Azure OpenAI Serviceを基盤にしているため、データセキュリティが万全で、会議内容などの機密情報漏えいの心配もありません。

さらに、AIコンサルタントによる手厚い導入サポートがあるため、「何をどう使えばいいのかわからない」という初心者企業でも安心してスタートできます。

導入後すぐに効果を実感できる設計なので、複雑なプログラミングや高度なAI知識がなくても、すぐに業務効率化が図れる点が大きな魅力です。

まずは、Taskhubの活用事例や機能を詳しくまとめた【サービス概要資料】を無料でダウンロードしてください。

Taskhubで“最速の生成AI活用”を体験し、御社のDXを一気に加速させましょう。

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