「ChatGPTに指示を出しても、なんとなく平凡な回答しか返ってこない」
「もっと精度の高い文章や構成を一発で出力させたいけれど、どう書けばいいのかわからない」
生成AIを活用する中で、こうしたもどかしさを感じている方は多いのではないでしょうか?
実は、ChatGPTは高性能なAIですが、指示の出し方一つでその出力結果は天と地ほどの差が出ます。
特にビジネスシーンにおいては、曖昧な指示は手戻りの原因となり、生産性を下げる要因にもなりかねません。
本記事では、プロンプトエンジニアリングの中でも特に回答精度が高いとされる「七里式プロンプト」について、その核心である「8+1の公式」を中心に解説します。
実際に成果を出しているプロンプトの構成要素を分解し、誰でもすぐに使えるテンプレートもご用意しました。
最新のGPT-5.2のようなモデルであっても、指示の明確さは依然として重要です。
2025年のプロンプトエンジニアリングの最新トレンドや、AIへの指示出しの包括的なガイドラインについては、以下の海外記事でも詳しく論じられています。 https://medium.com/@cpjrinfoandnews/prompt-engineering-in-2025-a-guide-to-crafting-powerful-chatgpt-prompts-549e9ebb3e48
この記事を読めば、あなたのAI活用スキルは一段階上のレベルへと引き上げられるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、日々の業務にお役立てください。
七里式プロンプトの基本と核となる「8+1の公式」
七里式プロンプトは、単にAIに質問をするのではなく、AIに対して「どのような要素を含めるべきか」を徹底的に定義する手法です。
多くの人がChatGPTに対して会話形式で依頼をするのに対し、七里式ではまるでプログラミングコードを書くかのように、必要な要件をブロックごとに積み上げていきます。
これにより、AIの解釈の揺れを防ぎ、意図した通りの成果物を高い確率で得ることができるようになります。
ここでは、その基本概念と、構成の核となる公式について詳しく見ていきましょう。
七里式プロンプトとは?なぜ他の型よりも高品質な回答が出るのか
七里式プロンプトが他のプロンプト作成術と一線を画しているのは、その「定義の細かさ」と「論理的な構造」にあります。
一般的なプロンプトでは「〇〇について記事を書いて」というシンプルな指示になりがちですが、これではAIが学習データの中から確率的に最もありそうな言葉を繋ぎ合わせるだけになってしまいます。
一方で七里式プロンプトは、AIが回答を作成する際に考慮すべき変数をあらかじめ全て指定します。
例えば、誰に向けた文章なのか、どのようなトーンで書くべきか、出力形式はどうするかといった前提条件をガチガチに固めるのです。
これにより、AIは無限にある回答の選択肢の中から、ユーザーが求めている「正解」の領域にピンポイントで着地できるようになります。
また、最新のGPT-5.2などのモデルは推論能力が飛躍的に向上していますが、それでも指示が曖昧であれば、AIは「空気を読んで」無難な回答を生成しようとします。
七里式を用いることで、AIの推論能力を最大限に引き出し、ビジネスレベルでそのまま使える高品質なアウトプットを引き出すことが可能になるのです。
七里式プロンプトの具体的なメカニズムや、開発者による設計思想についてより深く知りたい方は、こちらの解説記事も参考になります。 https://logicalyze.com/shichirishiki-prompt/
最新モデルであるGPT-5.2の機能やリリース情報、前モデルとの具体的な違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 合わせてご覧ください。
構成の全体像「8+1の公式」一覧チェックリスト
七里式プロンプトを実践する上で必ず押さえておきたいのが「8+1の公式」です。
これはプロンプトを構成する要素を8つの基本項目と、仕上げの1項目に分解したものです。
このリストに沿って情報を埋めていくだけで、抜け漏れのない完璧な指示書が完成します。
- 前提(Constraint):プロンプト全体を支配するルールや背景情報
- 対象(Target):その成果物を誰が読むのか、誰に向けたものか
- 参考(Reference):参照すべき情報やデータ、Webサイトの内容
- 名詞(Noun):最終的に何を作成するのか(記事、メール、コードなど)
- 動詞(Verb):その名詞をどう処理するのか(作成する、要約する、翻訳するなど)
- 形容詞(Adjective):どのような雰囲気やトーンで出力するのか
- 出力形式・文章(Format – Text):箇条書きか、論文調か、会話調か
- 出力形式・フォーマット(Format – Structure):表形式、コードブロック、見出し付きなど
これら8つの要素に加え、最後に「+1」として「スタイル(人格・役割)」を加えることで、AIの回答の質をコントロールします。
このチェックリストは、プロンプトを作成する際の設計図として機能します。
プロンプトを要素分解して構造化する考え方は、プロンプトエンジニアリングの基礎として非常に重要です。エンジニアリングの全体像を学びたい方はこちらもご覧ください。 https://www.mihaileric.com/posts/a-complete-introduction-to-prompt-engineering/
【図解イメージ】要素を分解して組み立てる仕組み
プロンプトを作成する際は、料理のレシピをイメージすると分かりやすいでしょう。
「美味しいカレーを作って」と頼むだけでは、相手が欧風カレーを作るのか、インドカレーを作るのか分かりません。
七里式プロンプトにおける「8+1の公式」は、このレシピの材料と手順を細かく指定する作業に似ています。
まず「前提」という鍋を用意し、「対象」という食べる人を決めます。
そこに「参考」という具材を入れ、「名詞」と「動詞」で調理法を指定します。
さらに「形容詞」でスパイスを加えて味を整え、「出力形式」でお皿への盛り付け方を指示するのです。
このように要素を分解して組み立てることで、AIは各工程で何をすべきかが明確になります。
特に重要なのが、これらの要素がお互いに矛盾しないようにすることです。
例えば、対象が「小学生」なのに、形容詞で「専門的で難解な」と指定してしまっては、AIは混乱してしまいます。
要素分解は、自分の指示に論理的な破綻がないかを確認するプロセスでもあります。
この組み立て作業を丁寧に行うことが、理想的な回答を得るための近道となります。
「8+1の公式」各要素の具体的な書き方とポイント
前述した「8+1の公式」は、ただ項目を埋めれば良いというわけではありません。
それぞれの要素には、AIに的確に意図を伝えるための書き方のコツがあります。
ここでは、実際にプロンプトを書く際に、各要素をどのように記述すれば効果的なのかを具体的に解説します。
曖昧な表現を避け、AIが迷わずに処理できる言葉選びを意識することが重要です。
それでは、3つのグループに分けて詳細を見ていきましょう。
【内容を決める5要素】前提・対象・参考・名詞・動詞
まずは、成果物の土台となる「内容」を決定する5つの要素についてです。
これらはプロンプトの骨格となる部分であり、ここがブレると全く異なる回答が返ってきてしまいます。
「前提」では、このタスクがどのような背景で行われるのかを記述します。
例えば「あなたはプロのマーケターです。以下の制約条件を守って出力してください」といった宣言を含めます。
「対象」は、読み手のペルソナ設定です。「30代の忙しいビジネスマン」や「プログラミング初学者」など、具体的に設定することで、AIは適切な用語レベルを選択します。
「参考」には、AIに読ませたいテキストデータやURL、あるいは過去の事例などを入力します。
最新のGPT-5.2などのハイエンドモデルはコンテキストウィンドウが広いため、長文の参考資料も高精度に読み込めます。
「名詞」と「動詞」はセットで考えます。「ブログ記事(名詞)」を「執筆する(動詞)」、「会議の議事録(名詞)」を「要約する(動詞)」といった具合です。
この5つを明確にするだけで、AIは「誰のために、何を元に、何をするのか」を完全に理解することができます。
【質を高める3要素】形容詞・出力形式(文章)・出力形式(フォーマット)
次に、成果物のクオリティや見栄えを調整する3つの要素です。
これらは、AIが生成したテキストが「そのまま使えるか」を左右する重要なパラメータです。
「形容詞」は、文章のテイストを指定します。
「論理的で説得力のある」「親しみやすく柔らかい」「簡潔で事実に基づいた」など、求めている雰囲気を言語化します。
ここを省略すると、AI特有の機械的で平坦な文章になりがちです。
「出力形式(文章)」では、文体や構成を指定します。
「です・ます調で」「結論から書くPREP法で」「専門用語には注釈を入れて」といった指示が該当します。
「出力形式(フォーマット)」は、見た目の構造指定です。
「マークダウン形式の見出しをつけて」「表形式で比較して」「CSV形式で出力して」など、後の利用シーンに合わせて指定します。
特にWordPressなどのCMSに直接貼り付けたい場合は、ここでHTMLタグやマークダウンの指定をしておくと、作業効率が格段に向上します。
【仕上げの+1要素】AIに人格を与える「スタイル」と追加指示
最後の「+1」は、プロンプト全体に魂を吹き込む工程です。
ここでは主に「役割(ペルソナ)の付与」と「念押しの追加指示」を行います。
役割の付与とは、AIに対して「あなたは世界最高峰のコピーライターです」や「SEO歴10年のベテランコンサルタントとして振る舞ってください」と定義することです。
GPT-5.2などの高度なモデルは、この役割定義に非常に敏感に反応します。
特定の役割を与えることで、その専門分野に特化した語彙や思考プロセスシミュレートし、回答の深度が増します。
また、追加指示として「重要な部分は太字にしてください」や「このキーワードは必ず含めてください」といった、絶対に外せない制約を加えることもあります。
さらに、回答が長くなりそうな場合には「まずは構成案だけを出力してください」とステップを区切る指示を入れるのも有効です。
この「+1」の要素があることで、画一的なAIの回答から、あなただけのオリジナリティある成果物へと変化します。
【コピペOK】七里式プロンプトの実践テンプレート例文
理論がわかったところで、実際にそのまま使えるプロンプトのテンプレートをご紹介します。
ご自身の状況に合わせて、[]で囲まれた部分を書き換えるだけで、すぐに高精度な出力を得ることができます。
ビジネスシーンで頻出する3つのパターンを用意しましたので、ぜひ試してみてください。
基本的な型をマスターした後は、様々な投稿サイトで公開されているプロンプト事例を見るのも勉強になります。こちらは実際のプロンプト投稿の一例です。 https://prompt.quel.jp/10005
ビジネスメール・謝罪文を作成するプロンプト例
顧客や取引先への謝罪メールは、言葉選びに細心の注意が必要です。
感情的にならず、かつ誠意が伝わる文章を作成するためのプロンプトです。
#前提
あなたはベテランのカスタマーサポート責任者です。
以下の状況に基づき、顧客の怒りを沈め、信頼回復に繋がる謝罪メールを作成してください。
#対象
納期遅延により損害を被った取引先の担当者(40代男性、厳格な性格)
#参考
・本来の納期:2025年12月20日
・遅延後の納期:2025年12月25日
・遅延理由:物流システムのトラブル
・補填案:次回の発注時に10%割引
#名詞
謝罪とお詫びのメール
#動詞
作成する
#形容詞
誠心誠意、丁重な、言い訳がましくない、プロフェッショナルな
#出力形式(文章)
・ビジネスメールの標準的な構成
・冒頭で結論(謝罪)を述べる
・対策と補填案を明確にする
#出力形式(フォーマット)
件名:
本文:
#スタイル
相手の感情に寄り添いつつ、解決策を論理的に提示する姿勢で書いてください。
ブログ記事の構成案とタイトル案を出すプロンプト例
SEOを意識したブログ記事を作成する際、いきなり本文を書くのではなく、まずは構成案を固めることが重要です。
検索意図を網羅した構成を作成するためのプロンプトです。
#前提
あなたはSEO歴10年のコンテンツマーケターです。
指定されたキーワードでGoogle検索1位を獲得するための記事構成案を作成してください。
#対象
七里式プロンプトについて知りたいが、具体的な書き方がわからず困っているWebライター
#参考
キーワード:七里式 プロンプト検索意図:精度の高いプロンプトの型を知りたい、例文が欲しい
#名詞
記事のタイトル案(5つ)と見出し構成案
#動詞
提案する
#形容詞
網羅的な、初心者にもわかりやすい、論理的な
#出力形式(文章)
・H2とH3の階層構造
・各見出しに書くべき内容の要約を1行添える
#出力形式(フォーマット)
マークダウン形式
#スタイル
読者がすぐに実践したくなるような、魅力的で引きの強い言葉を選んでください。
企画書やプレゼン資料の骨子を作成するプロンプト例
新しいプロジェクトの企画書やプレゼン資料の構成を考える際、ゼロから作るのは時間がかかります。
まずはAIに骨子を作らせ、そこから肉付けしていくと効率的です。
#前提
あなたは大手広告代理店のプランナーです。
新規事業のプレゼンテーション資料の骨子を作成してください。
#対象
社内の決裁権を持つ役員(論理的思考を好み、数字を重視する)
#参考
事業内容:AIを活用した社内問い合わせ自動化ツール
ターゲット:従業員1000名以上の大企業
強み:GPT-5.2を活用した高い回答精度とセキュリティ
#名詞
プレゼンテーションのスライド構成
#動詞
設計する
#形容詞
説得力のある、簡潔な、インパクトのある
#出力形式(文章)
・スライドごとのタイトルと箇条書きのキーメッセージ
・全10枚程度
#出力形式(フォーマット)
スライド番号:
タイトル:
内容:
#スタイル
「なぜ今やるべきか」「投資対効果はどうか」が明確に伝わるストーリーにしてください。
深津式やシュンスケ式プロンプトとの違い・使い分け
プロンプトエンジニアリングの世界には、七里式以外にも著名な「型」が存在します。
特によく比較されるのが「深津式」と「シュンスケ式(ゴールシークプロンプト)」です。
これらはどれが優れているというわけではなく、目的や状況によって使い分けるのが正解です。
それぞれの特徴を理解し、自分のタスクに最適な手法を選べるようになりましょう。
ここでは、それぞれの違いと使い分けのポイントを解説します。
深津式プロンプトとの決定的な違いは「構成の緻密さ」
深津式プロンプトは、note株式会社の深津貴之氏が提唱した非常に有名なフレームワークです。
基本構造は「命令書」「制約条件」「入力文」「出力文」というシンプルな構成で成り立っています。
深津式の特徴は、シンプルでありながら汎用性が高く、誰でも覚えやすい点にあります。
七里式との最大の違いは、構成要素の細かさです。
深津式は、ざっくりとした枠組みを与えて、ある程度AIの自律性に任せる部分があります。
対して七里式は、前述の通り「8+1」の要素で細部までコントロールします。
例えば、日常的なメール作成やアイデア出しなど、スピード重視のタスクには深津式が向いています。
一方で、SEO記事の執筆や複雑な要件定義など、絶対に外したくない要件が多い場合には、七里式の緻密さが力を発揮します。
深津式プロンプトの特徴や具体的な活用シーンについては、こちらの記事で分かりやすく解説されています。合わせてご覧ください。 https://metaversesouken.com/ai/chatgpt/fukatsu-prompt/
シュンスケ式(ゴールシーク)との違いと併用のヒント
シュンスケ式プロンプトは、林駿甫氏が提唱する手法で、主に「ゴールシーク(目標探求)」型の対話を重視します。
これは、最初に完璧な指示を出すのではなく、AIとの対話を通じて徐々にゴール(正解)に近づいていくアプローチです。
「ゴールを達成するために必要な情報が足りなければ、私に質問してください」という指示を含めるのが特徴的です。
七里式が一発で100点の回答を目指す「スナイパー型」だとすれば、シュンスケ式は対話を重ねて120点を目指す「コンサルタント型」と言えます。
使い分けとしては、自分の中に明確な完成イメージがある場合は七里式が早いです。
逆に、自分でも何が正解かわからない、壁打ちをしながら考えを整理したいという場合は、シュンスケ式が適しています。
また、最初にシュンスケ式で要件を固め、その結果を元に七里式で最終出力を行うという併用技も非常に効果的です。
対話を通じてゴールを目指す「ゴールシークプロンプト(シュンスケ式)」の具体的な書き方やメリットについては、こちらで詳しく紹介されています。 https://miralab.co.jp/media/goal_seek_prompt/
結局どれを使うべき?目的別の選び方ガイド
これまでの内容を踏まえ、目的別にどのプロンプト形式を選ぶべきかを整理します。
まず、GPT-5.2のような最新モデルは、どの形式でも高い理解力を示しますが、モデルの特性を活かす選び方が重要です。
最新のGPT-5.2は推論能力が高く、意図を汲み取る力に長けていますが、業務利用では確実性が求められます。
- スピード重視、日常業務の効率化 → 深津式
(例:メールの返信、文章の要約、ブレインストーミング) - 品質重視、複雑な成果物の作成 → 七里式
(例:SEO記事執筆、プログラミングコード生成、詳細な仕様書作成) - 企画立案、問題解決、アイデアの壁打ち → シュンスケ式
(例:新規事業のアイデア出し、マーケティング戦略の策定、悩みの相談)
これらを柔軟に使い分けることで、AI活用の幅は大きく広がります。
一つの型に固執せず、状況に応じて最適な道具を選ぶ職人のような意識を持つことが、AI時代のビジネススキルとして求められています。
ChatGPTを業務で最大限に活用するための具体的な事例40選や、導入を成功させる秘訣についてはこちらのガイドで徹底解説しています。 合わせてご覧ください。
七里式プロンプトで期待通りの回答を得るためのコツ
七里式プロンプトを使っても、時として期待通りの回答が得られないことがあります。
それはAIの能力不足ではなく、プロンプト内の情報過多や、指示の矛盾が原因である場合がほとんどです。
AIは与えられた情報を忠実に処理しようとしますが、処理しきれないほどの情報量を一度に渡されると、重要な指示を見落とすことがあります。
ここでは、七里式プロンプトの効果を最大限に引き出し、エラーや低品質な回答を避けるための実践的なテクニックを紹介します。
要素を詰め込みすぎない!プロンプトが長くなる時の分割テクニック
「8+1の公式」を埋めようとするあまり、プロンプトが長大になりすぎることがあります。
特に「参考情報」として大量のテキストを貼り付けたり、複数のタスクを一度に依頼したりすると、AIの注意力(アテンション)が散漫になりがちです。
GPT-5.2などの最新モデルは長文の処理能力が向上していますが、それでも「1プロンプト1タスク」が原則です。
プロンプトが長すぎると感じたら、タスクを分割しましょう。
例えば、ブログ記事を書く場合、「構成案を作成するプロンプト」と「本文を執筆するプロンプト」に分けます。
まず構成案を出力させ、その内容を確認・修正した上で、その構成案を「参考情報」として入力し、本文を書かせます。
このように段階を踏む(チェーン・オブ・ソート)ことで、各工程の品質が担保され、最終的な成果物のクオリティが飛躍的に向上します。
回答の精度が低い時に見直すべき修正ポイント
出力された回答がイマイチだと感じた場合、修正すべきポイントは主に「形容詞」と「参考情報」です。
回答が平凡でつまらない場合は、「形容詞」の指定が弱い可能性があります。
「鋭い切り口で」「情熱的に」「反直感的な視点を入れて」など、より具体的で強い言葉に変更してみてください。
また、内容が事実と異なっていたり、求めている方向性と違う場合は、「参考情報」を見直します。
AIに与える情報が古かったり、曖昧だったりしませんか?
最新のGPT-5.2は直近の情報まで学習していますが、社内固有の情報やニッチな知識はプロンプトで与える必要があります。
正しい前提知識を与えているか、誤解を招く表現がないかを再確認しましょう。
プロンプトは一度書いて終わりではなく、出力結果を見ながら微調整(チューニング)を繰り返すことで、自分だけの最強のツールに育っていきます。
こちらはAIのハルシネーション(もっともらしい嘘)を防ぐためのプロンプト対策や、回答精度を高めるコツについて解説した記事です。 合わせてご覧ください。
「なんとなく」の指示がAIの能力を殺している?七里式プロンプトで実現する「8+1」の思考整理術
ChatGPTなどの生成AIを導入しても、期待通りの成果物が得られず「使えない」と判断してしまうケースが後を絶ちません。しかし、その原因の多くはAIの能力不足ではなく、人間側の指示出し(プロンプト)の曖昧さにあります。プロンプトエンジニアリングの分野で注目される「七里式プロンプト」は、指示を言語化するプロセスを徹底的に論理化し、AIの推論能力を最大限に引き出す手法として知られています。このメソッドを活用することで、AIは単なるチャットボットから、専門家レベルのコンサルタントへと進化します。
七里式プロンプトの最大の特徴は、AIへの指示を「会話」ではなく「プログラム」のように捉える点にあります。一般的なプロンプトが「〇〇について書いて」という単一の命令で終わるのに対し、七里式では「8+1の公式」と呼ばれるフレームワークを用いて、前提条件やターゲット、出力形式などをブロックのように積み上げます。
具体的には、以下の8つの要素を定義します。
- 前提(Constraint):プロンプト全体を支配するルール
- 対象(Target):誰に向けた成果物か
- 参考(Reference):参照すべき情報源
- 名詞(Noun):作成するもの(記事、コードなど)
- 動詞(Verb):行う処理(作成する、要約するなど)
- 形容詞(Adjective):トーンや雰囲気
- 出力形式・文章(Format – Text):文体や構成
- 出力形式・フォーマット(Format – Structure):見た目の構造
これらに加え、最後に「+1」として「スタイル(人格)」を付与します。「あなたは優秀なマーケターです」といった役割を与えることで、AIの回答精度は飛躍的に向上します。この手法は、ビジネスメールの作成から複雑な企画書の骨子作成まで、あらゆる業務において手戻りを防ぎ、生産性を劇的に高める可能性を秘めています。
引用元:
七里式プロンプトは、プロンプトエンジニア七里信一氏によって提唱された手法であり、AIに対する指示を「8+1の要素」に分解・構造化することで、大規模言語モデル(LLM)の解釈揺れを防ぎ、意図した通りの高品質な回答を得ることを目的としています。(本記事「七里式プロンプトの基本と核となる『8+1の公式』」より)
まとめ
生成AIの活用は企業の競争力を左右する重要なテーマですが、現場では「プロンプトエンジニアリングが難しくて定着しない」「意図通りの回答を引き出すための教育コストが高い」といった課題に直面しがちです。
今回ご紹介した七里式プロンプトのように、高度な指示出しを習得するには一定の学習と慣れが必要です。
そこでおすすめしたいのが、Taskhub です。
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複雑なプロンプトを自分で考える必要はなく、「議事録作成」「メール作成」「企画書生成」といった業務ごとの「アプリ」を選ぶだけで、誰でも熟練のプロンプトエンジニアと同じ品質のアウトプットを出すことが可能です。
また、Azure OpenAI Serviceを基盤とした堅牢なセキュリティ体制を敷いており、企業内での利用も安心です。
さらに、AI活用のプロによる導入コンサルティングやサポートも充実しているため、社内にAI人材がいなくてもスムーズに業務への定着を図ることができます。
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