ベテラン層のAI定着に悩む企業へ。30年の知見×AIでシニアの活躍を広げる特化型研修

社内のベテラン層・シニア層に生成AIを浸透させたいが、「新しい技術への抵抗感が強くなかなか現場に定着しない」と頭を抱えるDX推進担当者や人事・経営層は多いのではないでしょうか。

本記事では、日本でも珍しい「シニア世代×AI」に特化した教育・リスキリング事業を展開する株式会社BEYOND AGE代表取締役の市原さんにお話を伺いました。若者向けのカジュアルな内容とは異なる「シニアが実務ですぐ使える研修の設計思想」をはじめ、初期のハードルを下げる具体的なアプローチ、そして「30〜40年にわたって培った業界知見×AI」が生み出す中小企業向けAIコンサルタントという新たなキャリア展望に迫ります。ベテラン層のAI定着と活躍の場を広げるための実践的なヒントが詰まった必読の内容です。

若者向けとは異なる、シニアが仕事ですぐ活かせるAI研修の設計思想

Q. シニア世代に向けた生成AIのリスキリングにおいて、どのようなソリューションやサービスを展開されているのでしょうか?

市原さん: 私たちは、シニア世代に馴染みやすいAIの初級研修を提供しています。巷には若者向けのAI研修が溢れており、例えば「推し活」をテーマにするような内容も少なくありません。しかし、私たちはそうした内容ではなく、シニア世代の方々が今の仕事ですぐに活かせる実践的な内容にこだわっています。

Q. 具体的にはどのような内容で研修を行っているのでしょうか?

市原さん: 基本的には、生成AIの概況をご説明するところから始めます。その後、実際に少し使ってみるという流れになりますが、その際の事例は、シニア世代の方々が普段の仕事で今すぐにでも活かせるものを中心に用意しています。受講される方の目的は「何かしら仕事にプラスになると思って今の職場で頑張りたい」という方から、「AIのスキルを活かして独立したい」という方まで様々です。最終的なゴールは異なりますが、皆様に共通しているのは「スキルアップをして働き続けていきたい」という強い思いです。

「新しいことへの挑戦がしづらい」シニア層のハードルをどう越えるか

Q. シニア世代の方々を支援される中で、若者やAIネイティブ世代と比べて、AIを活用する際にどのような点が難しいと感じられますか?

市原さん: やはりシニア世代になればなるほど、新しいことへの挑戦がしづらくなる、あるいはしたくなくなるという傾向があります。そのため、最初は若者よりも全くAIを使っていない状態の方が多いのが実情です。ここが最大の課題だと捉えています。ですので、積極的に使いこなしているわけではない方々に対して、我々がキャリア面談などを通じて、地道にAIの活用の幅を広げている段階です。

Q. そうした「新しい一歩を踏み出しにくい」というハードルを越えるために、どのような工夫をされているのでしょうか?

市原さん: 本格的な研修を実施する前に、まずはセミナーなどの場で「ちょっと使ってみましょうよ」と促すことが非常に重要です。AIに対して「とっつきにくい」という印象を持たれている方でも、私たちが少し操作のお手伝いをして実際に使ってみると、「え、こんなに便利なの」と驚かれます。まずはその便利さに気づいてもらい、フラットにAIを使ってみる体験を作ることが、ハードルを下げる大きな第一歩になると考えています。

時間のゆとりを活かし、若者以上にAIを使いこなすシニアのリアル

Q. GeminiやClaudeなど、生成AIは常にアップデートされ、情報の波が激しい領域です。ステップバイステップで学習を進めるシニア世代の方々は、この変化にどう向き合っていけばよいとお考えでしょうか?

市原さん: 一口にシニア世代と言っても様々な年齢層がいらっしゃいますが、定年を迎えた後の60歳以降の方々は、現役の第一線から退いているため、実は時間が豊富にあるんです。日々忙しく働いている若者と比べると、新しいことを学ぶための時間を確保しやすいという強みがあります。そのため、一度興味を持ってキャッチアップを始めたシニアの方は、平日の夜などを活用して、忙しい若者以上にAIをしっかりと使いこなしているケースも少なくありません。

30〜40年の知見×AIで、中小企業のAIコンサルタント・顧問輩出を目指す

Q. 今後、シニア世代に向けた生成AIの支援を通じて、どのような展望を描かれていますか?

市原さん: 私たちの事業は、単にシニアの方々に研修をして勉強させ、そこから利益を得たいというものではありません。最大の目的は、シニアの方々が長く働き続けていくための武器としてAIを学んでいただくことです。そしてその先には、学んだ知識を活かしてAIのコンサルタントや顧問として様々な業界に入り込み、活躍の場をより広げていってほしいと考えています。

Q. シニアの方々がAIコンサルタントとして活躍する上で、どのような点が最大の強みになるのでしょうか?

市原さん: シニアの最大の強みは、何と言っても30年、40年にもわたって培ってきた業界の知見と経験です。この長年の経験に最新のAIスキルを掛け合わせることで、ご自身がかつて所属していた業界の中小企業などに対して、AIコンサルタントとして入り込める大きな余地が生まれます。日本で唯一とも言える「シニア×AI」という領域を攻める中で、シニア人材の豊かな知見を社会に還元していく仕組みを作っていきたいと考えています。

×