SNS企画を構造化し品質を均一化するAI「KIKAKUN」

「SNSの企画作成に膨大な時間がかかる」「担当者のセンスに依存しており、投稿の品質にバラつきが出てしまう」自社のSNSマーケティングにおいて、そんな悩みを抱えていませんか?

KURO HOLDINGSが提供する「KIKAKUN」は、現場の属人化を解消し、SNSの企画を構造的に自動生成する画期的なAIプロダクトです。一般的な生成AIによる単なる「アイデア出し」とは異なり、同社が数百社の支援で培ってきた「ジョブ理論」や「勝ち負けのパターン」など4軸の独自データをもとに、SNSで勝つための黄金比を出力するのが最大の特長です。

本記事では、初期設定において自社の価値を整理するプロセスを重視しつつ、AI入力支援で工数を大幅に圧縮した独自の「引き算の設計思想」や、導入企業にもたらされた工数削減と教育的効果、そして動画生成の全自動化までを見据えた今後の展望について、同社代表取締役の永山さんと「KIKAKUN」の開発統括である取締役の菅原さんにお話を伺いました。

▼永山さん

▼菅原さん

自社SNS運用の原体験と”品質のバラつき”が開発の出発点

Q. まずは貴社の事業内容と、お二人の役割について教えてください。

永山さん: KURO HOLDINGSは設立から今期で6期目になります。メインとなるのはデジタル領域でのマーケティング支援事業です。それとは別軸で、インテリアの販売業者としてECで顧客に商品を流通させる事業も展開しています。共通しているのは「デジタル領域でマーケティングをして社会にデリバリーしていく」という大きな枠組みで、支援と自社での供給の2軸をやっているのが現状です。

菅原さん: 私は取締役として、メインは開発領域を担当しております。現場のエンジニアリングとマネジメントを両立しており、今回の「KIKAKUN」に関しても開発統括という立場で、開発の監修やエンジニアへの指示などを担っています。

Q. AIを用いて企画を生成するプロダクト「KIKAKUN」の概要と、開発に至った背景を教えてください。

永山さん: KIKAKUNは、一言で言えば「企画を構造で自動生成するAI」です。開発の背景には、自社のインテリアメーカー事業での原体験があります。私たちはInstagramなどのSNSを使ってマーケティングを行っており、ずっと内製でコンテンツの企画を作っていました。しかし、真面目に企画を練ろうとすると非常に時間がかかってしまう上に、企画の良し悪しが個人の主観に委ねられ、品質が均一化しないという課題があったのです。

そこから、AIを活用して品質の均一化を目指し、かつ投稿したものが売上につながる構造まで作ってしまおうと考えたのが出発点です。実際に実装してみると、リソースが軽減されるのはもちろんですが、それ以上に「品質が均一化されること」と「デリバリーしたものが売上につながること」のインパクトが非常に大きいことがわかりました。マーケティングを感覚でやるのではなく、構造化していくべきだという私たちの思想を社会にリリースしていきたいと考え、外販に至りました。

4軸の独自データで「アイデア出し」に留まらない勝つための構造を出力

Q. 生成AIを活用した類似サービスが多く存在する中で、本プロダクトの独自性はどのような点にあるのでしょうか?

永山さん: 世の中の生成AIサービスの多くは、プロンプトを組んで「アイデア出しをしましょう」というところまでがゴールになっていると思います。しかし私たちがこだわっているのは、マーケティング会社としてこれまで数百社を支援して蓄積してきた独自のデータを組み込んでいる点です。

蓄積したデータは大きく4つあります。1つ目はジョブ理論というマーケティングの基本理論、2つ目は市場構造に関するデータ、3つ目は企画でどう勝ってきたか・負けてきたかという勝ち負けのパターンの実績、そして4つ目が実際にアウトプットしたクリエイティブの構造です。

これら4軸のデータを体系化し、構造としてAIに学習させて企画を生成するエンジンになっています。単なる企画文章を作るのではなく、「誰に、どんな理論で、どんな文脈でデリバリーするのか」がしっかりと設計されていることが、コアな価値であり最大の差別化ポイントです。

AI入力支援で初期設定を大幅に圧縮。本質を突く”引き算のUX”を追求

Q. 実際のユーザーが利用する一連の流れや、UI/UXの設計でこだわっているポイントを教えてください。

永山さん: 実は、企画を生成するという行為自体には大した労力はかかりません。私たちが求めているのは、サービスを導入した最初の段階での会社情報の登録です。ここでは現在のサービスの状況、課題、今後のマーケティング戦略など、およそ40箇所ほどの必須項目を設定していただきます。

自社のプロダクトやSNSマーケティングを拡張していくための課題を厳密に言語化していただく必要があるのですが、直近のUIリニューアルにより「AI入力支援」機能を追加し、この工数は大幅に圧縮されました。従来のように1項目ずつ手動で設定する方法に加え、AIからの質問に答えていくだけでアカウントの初期設定が完了するようになっています。

ただ、この初期設定さえ終われば、企画を出すインターフェースはとてもシンプルです。商品名やURLを入力し、選択しているジョブ理論に対して「企画を出して」とボタンを押すだけでアウトプットされます。初期設定をおろそかにすると企画の精度が落ちるため、最初に自社の価値を整理していただくことが、明確な利用のステップになっています。

菅原さん: UXの細かい部分は、シンプルな導線を維持しながら開発を進めています。私たちがテーマにしたいのは「UXの本質」です。機能の拡充は社会インフラとして当たり前のことなので、むしろ引き算の思想を大事にしています。サービスや機能が多い状態にするのではなく、ユーザーがどういうトリガーで使ってくれるか、有用性を感じてくれるかが重要です。購買効果などの心理を活用しながら、より成果が実現できるような設計をこれからの改修で搭載していく予定です。

Q. 初期設定の重要性を保ちつつ、工数削減に踏み切った背景について教えてください。

永山さん: 私たちは単にお金が稼げるツールを出したいわけではありません。情報を入力し、自社の価値のコアな部分を整理するという行為自体が、私たちが提供してきたマーケティング価値の根幹だからです。

ただ、理念にこだわりすぎて導入の決定的なハードルになってしまっては元も子もありません。そこで、「自社の価値を整理する」という本質的なプロセスはしっかり残しつつ、UIリニューアルによるAI入力支援で入力負担を軽減するチューニングを行いました。これにより、ユーザーに過度な労力をかけることなく、精度の高い企画を生み出すための土台作りができるようになっています。

自由入力におけるプロンプトハッキングの課題と対策

Q. 開発を進める中で、AI文脈において特に苦労されたポイントはありますか?

菅原さん: システム開発における普遍的なセキュリティ関連の対応はもちろんですが、AI特有の課題として苦労したのは「プロンプトハッキング」への対策です。

ユーザーさんの自由入力の領域がどうしても存在するため、本来のツールの目的にそぐわないような使われ方をされてしまう可能性があります。その部分をシステムとしてどうハンドリングしていくかについては、当初からエンジニアと議論を重ね、知見のある方に相談しながら対策を講じてきました。

テスト導入十数社。リソース削減と”SNSネイティブ”を育成する教育的効果

Q. 現在テスト導入されている企業において、具体的にどのような課題が解決され、どのような成果が出ているのでしょうか?

永山さん: まだリリースして間もなく、テストステータスで導入してくれている企業が十数社いる段階ですが、すでに大きく2つの反響をいただいています。

1つ目は、現場の担当者のリソース削減です。企画を考えるための頭のカロリーや物理的な時間が圧倒的に削減できるという、表層的ですが確実な便益を感じていただいています。

2つ目は、SNSでコンテンツをデリバリーする際の「普遍的な構造」を学べるという点です。意外と皆様、SNSで勝ちに行くための構造をご存知ありません。当社のツールでは、「フックに何秒でどういうテキスト」「ボディに何秒でどういうテキスト」「エンドの締めに何秒でどういうテキスト」といった黄金比の構造でアウトプットが出ます。そのため、SNSネイティブではない担当者が、ツールを使うことで自然とマーケティングの構造を学べるという、教育的な作用があるという声をいただいています。

Q. ターゲット層について、当初想定していた企業規模や業界と現状に違いはありますか?

永山さん: 元々私たちがメインのターゲットにしたいと考えていたのはスモールBの企業様でした。しかし実際にテストを始めてみると、意外とビッグBやミドルBの大手企業様からも利用したいというお声をいただいたため、一旦はセグメントを切らずにリリースしていく方針です。

また、業界や職種についても切りすぎないようにしたいと考えています。実は私たちがベンチマークにしていた市場の一つが、食べログやホットペッパービューティーといったプラットフォームです。これらはお金によって露出が決まる「箱ビジネス」の構造を持っています。しかし現在の認知経路の主戦場はSNSです。資本力で露出を買うのではなく、私たちのツールで作った「企画力」という本質的なマーケティングパワーによってSNSで戦う。そんな風にプレイスメントを変えていけないかというのが、元々の構想としてありました。

5000パターンのジョブ理論学習から動画生成まで。目指すのは”マーケティングOS”

Q. 最後に、プロダクトや会社全体として今後の展望を教えてください。

永山さん: 今後の展望は大きく3つあります。

1つ目は、サービスの価値を高めるための「ジョブ理論の大規模学習」です。現在は5000パターンほどのジョブ理論が学習されていますが、本当に精度の高い企画を出そうと思ったら、まだまだ足りません。業界別にたくさんのデータを蓄積し、学習を徹底的に拡大していきたいと考えています。

2つ目は、コンテンツ作成までの全自動化です。今は企画のアウトプットが最終段階ですが、そこから動画や画像の生成など、コンテンツをデリバリーする直前までを一気通貫でできるようにしたいですね。

そして3つ目は、少しウィル的な話になりますが「マーケティング教育のOSになること」です。日本の企業の約90%はスモール企業であり、高いお金を払って高いマーケティング成果を得られる会社ばかりではありません。そうした企業がちゃんと対価を払い、自ら活動して成果を得られる構造を作りたい。彼らにとってのマーケティングOSになれればと考えています。

Q. コンテンツ作成までの自動化とは、人の手を介さずに投稿直前の状態まで作り上げるということでしょうか?

永山さん: はい、おっしゃる通りです。投稿する直前まで、撮影もなしの状態で全部AIで行うことを目指しています。私たちが出す企画は言わば「台本」です。その台本にのっとった画像や動画が生成され、編集済みの状態で納品されるところまでを実現していきたいと考えています。マーケティングのインパクトとしてどこまで返せるかはまだ未知数な部分もありますが、利便性は圧倒的に上がるはずです。

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