開発スピード2倍以上に向上。Ridge-iが実践する開発・営業の生成AI全社活用

ゲスト

AI活用をたった数ヶ月で成功に導いた!
株式会社Ridge-i 取締役 市來さん

カスタムAIソリューションを提供する株式会社Ridge-iにて取締役を務め、AI開発プロジェクトを統括。AIが出始めた2023年から社内での生成AI活用を本格化。エンジニアと営業が一体となり、CursorやClaude Codeなどを活用した開発効率化を全社的に推進している。

この事例のポイント

  • 営業が顧客へ提案するデモ作成の時間を大幅に削減する方法:Claude Codeを導入し、営業自身が数日でモックを開発できる体制を構築した
  • AIによる開発速度向上に伴うコードレビュー不足という課題を解決する方法:シニアエンジニアの評価観点や問題の切り分け方をプロンプトとして言語化し、共通スキルとして登録した
  • 部門間の情報格差をなくし全社でAI活用を定着させる方法:エンジニアの勉強会に営業も参加し、Slackでのナレッジ共有やマネージャー主導のベースプロンプト管理を徹底した

開発スピード2倍以上に向上。営業メンバーが数日でモック作成を完了

Q. 本格的な導入時期や使用ツール、そして特に効果が出た定量的な成果について教えていただけますでしょうか。

A. Claude Code等を導入し、営業主導で数日でのモック作成と開発スピード2倍以上の向上を達成

市來さん: AIが出始めた約3年ほど前から、本格的に業務への導入を進めてきました。現在は主に開発フローの中で、CursorやClaude Code、Codex、Copilotといったコーディングアシスタントを活用しています。これが一番業務の削減幅が大きい領域です。

AI活用の効果として、大きく2つの成果が出ています。

1つ目は、営業視点での効果です。以前は、お客様に提案するデモ(モック)を作るとなるとエンジニアの稼働が大きくかかっていました。しかし現在では、Claude Codeなどのコードライティング補助を使うことで、営業メンバー自身がデモを作れるようになっています。実際にお客様と壁打ちをしながら数日後にはプロトタイプをお見せし、商談が前に進む事例も出てきています。

2つ目は、開発視点での効果です。開発にClaude Codeなどのエージェントを導入したことで、導入前と比較して開発スピードが倍以上になっています。最終的にきちんとしたプロダクトに仕上げていくにはエンジニアの確かな力が必要ですが、PoC(概念実証)の段階で「とにかく動かす」というプロセスに関しては、かなり効率化されています。

AIの活用フローをどのように整備したのか

Q. 営業メンバーがClaude Codeを使って自らデモを作成するに至った経緯や、具体的な活用フローを教えてください。

A. 営業がClaude Codeへ的確な指示を出し、出力されたコードをレビューしながら進めるフローを構築

市來さん: 現在、営業メンバーは5〜6名いるのですが、デモ作成においては主にClaude Codeを使用しています。
デモ作成をAIで自動化するフローに至った背景ですが、当社は「新しいものに触るのが好きな人」が集まっているAIネイティブな企業です。全社的に「使えるものをガンガン使ってより効率的にやっていこう」という雰囲気があり、毎週「自分はこれを試したよ」と披露し合う場があります。そうした体験が積み重なり、自然とみんなが使うようになっていきました。

Claude Codeが登場する前も、エンジニア出身の営業担当であれば簡単なデータ分析のプロトタイプを作ることはできていました。しかし、「モックとして動くもの」を作るとなると、やはり高いハードルがありました。それが今、コーディングアシスタントが登場したことで大きく変わりました。作りたいもののイメージを持ち、的確に指示を出し、出力されたコードをレビューしながら進めるというフローを踏めば、AIがその通りに作ってくれます。お客様にすぐにお見せするレベルのものであれば、ずいぶんと作成のハードルが下がったと実感しています。作ったモックは、プロジェクト開始時にエンジニアへ引き継ぎ、過去のノウハウを共有しながら実際の開発へと進めています。

人や組織ではどのように推進をしたのか

Q. 開発効率向上に向けて全社展開を進める中で発生した課題や、組織での推進方法について教えていただけますでしょうか。

A. 開発高速化によるレビュー不足の壁を、シニア層の評価基準をプロンプトスキルとして言語化し共通登録して解決

 市來さん: もはや開発フローにAIを組み込まなければ競争力がなくなってしまうと考えているため、全社を挙げて推進しています。最初から全社的に導入を進めましたが、開発効率が目に見えて上がるという明確なメリットがあったため、現場からの懸念や反発の声はほぼありませんでした。

しかし、AIの導入によって「生成AIでコードの開発が早くなりすぎると、レビューが回らなくなる」という新たな壁が見えてきました。ここが開発効率化における一つのポイントです。

コードレビューの質をいかに担保するかというミクロな視点が必要になります。当社では、シニアやベテランが持っている「うまくいった時・いかなかった時の問題の切り分け方」や「こういう観点で確認してください」といった評価基準を、プロンプトの「スキル」として言語化し登録しています。これをベースラインとして共有しつつ、プロジェクトごとの細かな点は個別に調整するという運用を行っています。

また、組織全体での推進を支えるため、エンジニアの社内勉強会には営業メンバーも参加できるようにし、Slackに最新のニュースやTipsを投稿して全員の目に触れるようにしています。チームで使うClaude Codeのプロンプトに関しては、マネージャークラスがベースを作成し、チームの合意のもとで更新するフローにしています。純粋にその方が効率的で、成果につながるという全員の合意が取れているからこそ、今の運用が定着しています。

今後の展望:自社開発での業務効率化を見据え、お客様のAI導入支援に集中する

Q. AI活用が定着している現状を踏まえ、今後の展望やメッセージを教えていただけますでしょうか。

A. 人事評価等の管理部門システムを自社開発し効率化を図りつつ、本業の顧客向けAIソリューション提供を加速

市來さん: 今後の展望として、開発面では引き続き最先端の技術トレンドにキャッチアップし続けなければならないと考えています。

それに加えて注力したいのが、管理部門の業務自動化です。例えば人事評価のフローや、プロジェクトへの人材アサイン管理といった領域です。現在は外部のSaaSを使っていますが、ベンチャー企業ゆえに評価サイクルが早かったり特殊だったりするため、自社で作ってしまった方が良いのではないかという議論があります。AIの進化により、自社の強みにつながるシステムを内製するハードルが非常に下がっています。社内のリソースをうまく使いながら、管理部門の人たちが使いやすいツールを自社で開発し、業務効率化とクオリティの向上を両立させていきたいと考えています。

最後に、我々の本業は「お客様のAI活用を進めること」です。戦略策定から要件定義、実際の開発までをメイン事業としています。今回お話しした社内の活用事例はもちろん、世界的な先進事例も含めて、日々情報収集とプロジェクト経験を積んでいます。「AIを軸にして業務変革をしたい」という企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。

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