ゲスト
AIと人のハイブリッドで新たな出会いを創出!
タメニー株式会社 広報 平田さん

2016年に広報としてタメニー株式会社へ入社し、現在に至る。
タメニー株式会社は「婚活」と「カジュアルウェディング」をメイン事業として展開。
結婚相談所の仲人システムにいち早くAIを導入し、現在ではその自社開発システムを各地方自治体の結婚支援・婚活支援事業にも提供している。
この事例のポイント
- 条件や固定観念にとらわれず、より良いマッチングを実現する方法: AIによる「価値観マッチング」を導入し、データに基づくフラットで新たな出会いを創出した
- 回答者の離脱を防ぎつつマッチングの質を担保する方法: 専門家と協議し、当初200問以上あった設問を、マッチング精度を維持できる必要最低限の112問まで絞り込んだ
- AIと人間の役割分担の切り分け方: AIで相性の良い相手を抽出しつつ、条件の細かいニュアンスや最終判断は、事前面談の温度感を把握する人間(仲人)が担うハイブリッド体制を構築した
AIが人の先入観を排除。価値観を重視したマッチングで新たな出会いを創出
Q. タメニー株式会社ではどのようなAI活用を行っているのか、プロジェクトの概要と導入の背景を教えてください。
A. 結婚相談所の仲人システムにAIを導入し、成婚の決め手となる「価値観」をクロスさせています
平田さん: 弊社が運営している結婚相談所で、仲人が使用するシステムにAIを導入しています。現在では、当社の相談所だけでなく、結婚支援や婚活支援を行っている各地方自治体様にもこのシステムをご利用いただいています。
パートナーに求める価値観をそれぞれクロスしてマッチングさせ、相性の良い2人を導き出す機能を持っています。
導入の背景には、表面的な条件だけにとらわれない、より良いマッチングをいかに実現するかという課題がありました。実際にご成婚される方は、多くの方が最終的には「価値観が合った」とおっしゃいます。年収や容姿は入り口としては大事ですが、最終的な決め手は価値観になることが多いです。
Q. AIを導入したことで、実際にどのような効果が得られましたか。
A. AIが人の先入観を排除することで、これまでは難しかった新たな出会いを生み出しています
平田さん: 大きなプラスの効果として、先入観の排除が挙げられます。人がお相手を紹介する際、どうしても「この2人は合わないのではないか」といった先入観を持ってしまう部分が少なからずありました。しかし、AIはそうした人の先入観を一切組み込みません。そのため、これまでの人間の判断だけではマッチングが難しかった方々にも、データに基づいた新たな出会いの創出ができるようになりました。
また、こうした数々の実績が評価され、複数の自治体様にシステムを導入いただいています。日本の少子化といった課題解決に当社のシステムを使っていただいているのは、非常に喜ばしいことだと思っています。
離脱を防ぐための設問厳選と、人間による最終判断のハイブリッド
Q. 価値観をアセスメントしてマッチングさせる「裏側の設計」はどのようになっているのでしょうか。
A. 専門家と協議を重ね、当初200問以上あった設問を、マッチング精度を維持できる必要最低限の112問まで削減
平田さん: 自分が大事にしている価値観を聞く質問と、相手に求める価値観を聞く質問の2部構成になっており、合計で112問あります。相手に何を求めているかのウェイトが重く、60問を超えています。
導入当初はもっと質問数が多く設計されていたのですが、100問を超えたあたりで回答者がしんどくなってしまうという問題にぶつかりました。「200問を超えるとそもそも回答者がいなくなるのではないか」という強い懸念があったため、共同開発したコミュニケーション学の専門家の先生と議論を重ねました。結果として、必要な情報を得られる最低値まで絞り込む作業を行い、現在の112問に落ち着きました。これにより、離脱を防ぎつつマッチングの質を担保しています。


Q. 価値観は合っても、身長など他の条件にズレがある場合はどのようにしているのでしょうか。
A. 事前面談での条件の温度感を元に、最終的には人間(仲人)が判断しフォローを入れています
平田さん: まさにおっしゃる通りで、最終的には「人」が判断する部分になります。
ご入会時の事前面談である程度の状況を把握しているため、例えば「身長170cm以上」という条件に対して、絶対に譲れないのか、「できればあった方がいい」という温度感なのかを人間が聞き取っています。後者の場合、AIのデータ上で身長が少し希望に満たなくても、人が「少し身長は希望には満たないのですが」という枕詞を添えてご紹介を出すケースは多々あります。ここは人間だからこそできるサポートです。
日常業務での生成AI活用と組織内での情報共有
Q. これまで独自のAIシステムのお話を伺いましたが、日常業務での生成AIはどのように活用されていますか。
A. 会社推奨のGeminiに加え、用途に応じて複数のAIを使い分けています
平田さん: 会社の推奨ツールはGeminiですが、実態としては個人の力量に委ねられている部分が大きいです。私は広報という職業柄、AIをかなり使っています。
AIにはそれぞれ性格や得手不得手があると思っています。例えば、画像生成は別のAIにお願いし、文章の作成ならClaude、アイデアの壁打ちならChatGPTといったように、用途によって使い分けています。
Q. 社内でのノウハウ共有などはどのように行われているのでしょうか。
A. 利用ユーザー同士で情報交換を行い、成功体験を積極的に共有しています
平田さん: 社内でよくAIを使っているメンバーとは、「最近これを使ったけど良かったよ」といった情報交換を適宜行っています。成功体験の共有は社内で積極的に行うようにしています。組織内でも約10年近く前からシステムの議論や推進に取り組んできた経緯があり、少しずつ活用が浸透してきている印象です。
今後の展望:人とAIのハイブリッドの究極系を目指し、自治体展開も拡大
Q. 今後の全社的なAI推進や、お客様に届けたい価値について展望をお聞かせください。
平田さん: 会社全体として生産性や利益率の向上が謳われている中、数年後には消滅する職種も出てくると言われてますよね。時代の変化についていくためにも、全社的なDX化やAI推進は必須だと考えています。日常的にAIを活用して仕事を進める時代が、すぐそこまで来ていると感じています。
ただ、婚活や結婚式といった当社の事業は「感情」の要素が強く、人生の大きな岐路に立ち会うサービスです。特性上、すべてをAIに任せることはできません。だからこそ、AIを活用しつつ、人間が感情の機微に寄り添う「人とAIのハイブリッドの究極系」を目指していくことが、お客様にとっても当社にとっても最高の形になると考えています。
Q. 最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
平田さん: 現在、各自治体様で導入されているシステムには他社様のものもありますが、結婚相談所や婚活会社が自社で開発したシステムを提供しているのはタメニー株式会社だけです。
もともと当社のシステムは、AIの導入も含めて「成婚という成果がちゃんと出るもの」を外注せずに自社で作ったものです。それを自治体様向けにカスタマイズして提供しています。本当に成果が出やすいAIが組み込まれていますので、少子化対策や婚活支援で成果を出していかなければならないフェーズにある自治体の皆様には、ぜひご検討いただければ幸いです。