広報活動の効果をどう経営層に報告すべきか悩んでいる。手作業でのメディア露出の集計に膨大な時間を奪われ、本来の戦略立案に手が回らない——そんな課題を抱えていませんか?
「AIで、PRを進化させる。」そんなメッセージを掲げ、新たに「AIネイティブPRカンパニー」としての歩みを始めたビルコム株式会社。同社が提供するクラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer®」は、新機能「AI報道分析レポート」を搭載し、広報業務の効率化と可視化を実現します。導入企業の中には、3人で34時間かかっていた集計作業を大幅に削減し、リーチ数や広告換算費を用いた定量的な成果報告へとシフトした事例も生まれています。
本プロダクトの最大の特徴は、PRエージェンシーとしての豊富な知見をAIモデルの設計やカスタマーサクセス(CS)の伴走支援に直接組み込んでいる点にあります。本記事では、開発の背景にある課題意識、他ツールとの決定的な違い、そして導入企業がつまずきやすいポイントとその支援体制について、CTOの横山達彦さんに伺いました。

広報のブラックボックス化と膨大な手作業からの脱却が開発の原点
Q. 事業紹介および「PR Analyzer®」の開発チームの体制について教えてください。
横山さん: 我々の事業の柱は大きく3つあります。総合型PRコンサルティング事業、メインで提供しているSaaSであるクラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer®」のPR Tech事業、そして広告主・広告会社と媒体社をつなぐマッチングプラットフォーム「メディアデータオンライン(通称:MDO)」です。PR Analyzer事業に関わるメンバー全体は40人規模で、ビジネス側とプロダクト開発チームでだいたい20名ずつに分かれています。私はPR Techソフトウェアである「PR Analyzer®」の開発責任者を担っております。
Q. どのような経緯や背景からこのサービスを開発されたのでしょうか?
横山さん:「PR Analyzer®」をリリースしたのは2016年です。当時、PR・広報業界は膨大な「手作業」に追われていました。
かつては新聞や雑誌の掲載を目視で確認し、切り抜いてファイリングする。Webが主流になってからは、キーワード検索でヒットした媒体名やURLを1つずつExcelにコピー&ペーストしてレポートを作成する、といった作業を多くの広報担当者が泥臭く行っていたのです。
また、広報は昔から「成果が見えにくい」と言われており、掲載件数や広告換算費などの指標を使って、事業への貢献度を必死に証明しようとしてきた歴史があります。
こうした「作業の効率化」と「成果の可視化」という2つの課題を解決するため、クリッピングの自動化や、掲載記事の論調を自動分析する機能を備えたサービスとして開発しました。
昨今では、SNSの波及数やリーチ数など、見るべき指標がさらに多様化しています。経営層からも「広報が事業にどう貢献しているか」が厳しく問われる時代です。単にデータを集計するだけでなく、「そのデータが何を意味しているのか」「自社にどんな課題があるのか」を分析し、表現できるツールとして、私たちは今も進化を続けています。
PRコンサルの知見をAIに集約し、可視化から戦略提案までを自動化
Q. 新しく追加された「AI報道分析レポート」とはどのような機能なのでしょうか。
横山さん: 今までは報道データの結果をもとに、手作業で資料作成やプレスリリースの評価、次月の改善策の整理などを行っていました。新機能の「AI報道分析レポート」は、これら一連のプロセスを、あらかじめ設定したルールに基づいて自動化することができます。
この機能は、かつて「PR Analyzer®」がクリッピング作業を手動から自動化した時に近いインパクトがあると考えています。広報担当者がよりクリエイティブな「戦略立案」に集中できるようになることが最大のメリットです。数字の可視化だけでなく、広報担当者の思考を支援し、より良い意思決定を後押しする機能となっています。

Q. 近年AIを活用した広報ツールが増えていますが、類似サービスと比較した際の違いや強みは何でしょうか?
横山さん: テレビ、雑誌、Web、新聞の4マスに加えて、Xといった幅広いところからデータを取得できる点です。さらに過去の情報も蓄積しているため、それらを複合的に用いて分析してレポーティングできるところが一番の強みになっています。
Q. モデルの選定やプロンプトの設計で特にこだわったポイントはありますか?
横山さん: 我々が培ってきたPRエージェンシーとしてのノウハウをAIに集約させた点です。開発に当たっては複数のモデルを試し、PRコンサルティングの分析知見を組み込み、現場の担当者が最もアウトプットとして使えるものを厳選しました。さらに、出力の精度に関しても、社内のPRコンサルティングチームの声を聞き、「これなら実際の報告に使えるか」「広報担当者としてどういう情報が足りないか」といった議論を重ねました。現場のプロの目線を落とし込みながら、AI報道分析レポート機能を作り上げていきました。

幅広い企業規模に対応する一方で、効果を出すための条件とは
Q. 「PR Analyzer®」はどのような業種や規模の企業を対象としていますか?
横山さん: 広報・PR担当の方をはじめ、一部マーケティング担当の方にも幅広くご利用いただいております。企業規模の大小に関わらず広報部門を持っている企業様でお使いいただいていますが、特に業務量の多い大企業様であれば、より効果が大きいと考えております。
Q. 逆に、現状では導入が合わない企業像はありますか?
横山さん: 現状ですと、社外への発信やメディア露出を強化し始めた企業様に最も価値を感じていただきやすいサービスとなっています。そのため、広報立ち上げ期で社内広報のみに注力されている段階や、PR活動にこれから着手するというフェーズの企業様ですと、少し機能を持て余してしまうかもしれません。
将来的には「専任の広報担当者がいない企業様でも、まるで優秀な広報担当者が社内にいるかのように活用できるSaaS」へと進化させていきたいと考えています。ゆくゆくは、まだPRに注力できていないフェーズの企業様も含め、すべての企業様の広報活動を力強く後押しできる存在になりたいです。
34時間かかっていた集計業務を大幅削減し、データに基づく効果測定を実現
Q. AI機能の導入前後で、担当者の業務フローや工数は具体的にどのように変化するのでしょうか?
横山さん: これまではデータが取得できても、その意味を担当者自身が考えなければなりませんでした。AI機能が加わったことで、自社の強み・弱みや次のアプローチのためのヒントまでが自動で導き出されるようになります。それをもとに担当者がさらに思考を深められるようになったのは大きな進歩です。「PR Analyzer®」の設定画面で分析対象ブランドと生成日を登録するだけで、毎月指定日にレポートを自動生成することが可能です。レポート作成に費やしていた数時間規模での工数削減が実現します。
広報担当者からはよく「これだけ費用をかけて露出したけれど、事業にどれだけ貢献したのか説明できない」という声をお聞きします。データを紐解いて次の戦略を考えるには数週間かかることもあります。「AI報道分析レポート」によってその部分がサポートされることで、ただデータを見るだけだった状態から、次の展開に向けた戦略が練りやすくなるという定性的な効果も生まれています。
Q. 実際の運用フローとしては、どのような手順で活用していくのでしょうか?
横山さん: まず、自社名や製品名を設定することで、世の中でどのように報道されているかの現状分析が可能です。競合比較もできるため、その結果を見て、「他社と比べてここが弱いから、こういう情報発信をしていこう」と次のアプローチを考えることができます。そして実際にイベントやプレスリリース配信といったPR施策を行い、それが狙ったメディアに露出できたか、どういった論調で報道されているのか、どれぐらいの人にその情報が届いてどう波及しているのかを分析します。当月の広報活動の「成果」と「課題」を整理し、全体を総括したレポートが自動で出力されます。


Q. 効果が出ている具体的な導入事例と成果について教えてください。
横山さん: 2社の事例をご紹介します。1社目は大手のインフラ企業様です。新規サービスの認知拡大に向けたPR効果測定と、上層部への報告・戦略立案のために導入いただきました。これまで目視で行っていたWebや新聞露出の把握を網羅的に自動化し、自社では算出が難しかったリーチ数や広告換算費を可視化できたことで工数を削減できました。また、単なる「掲載件数」の報告から、定量的データやGA連携を交えた成果報告へシフトし、自社サイトへの流入数と報道の相関関係を数値で確認できるようになったと評価いただいています。
2社目はウェルネスブランド様です。社内ステークホルダーへのレポート作成業務がメインでしたが、広報チーム3人で34時間かかっていた露出集計の手作業が大幅に削減され、正確なデータを自動取得できるようになりました。また、これまで指標が広告換算費しかなかったところから、リーチ数などの多角的な指標で報告できるようになったことで、契約アスリートやスポーツチームといったステークホルダーに対して、確かなデータを用いた効果検証が可能になっています。
「ただのクリッピング」で終わらせない。CSチームと開発チームの連携による伴走支援
Q. 導入後に成果が出る企業と、そうでない企業の違いはどこにあるのでしょうか?
横山さん: 成功するお客様は、単にレポーティングやクリッピングをするだけでなく、データから相関関係を読み解き、マーケティングデータと連携させています。そしてそれを経営層やマーケティング部門と共有し、横断的に振り返って改善のPDCAを回しています。例えばJAL様や森永製菓様は、反響要因を分析して勝ちパターンを生み出すことに成功されています。逆に効果が見えにくいお客様は、ただのクリッピングや件数確認だけで終わってしまっているケースが多いです。
広報は「特定の編集者との関係性」といった個人のスキルや人脈に基づく属人的な業務になりがちです。しかし持続的な成果を出すためには、どのような文脈で、どんなタイトルで、どの時間帯に出したのかを分析し、自社ならではの勝ち筋を見つけることが重要です。露出したURLを拾うだけの手作業の代替ツールとして使うのはもったいないです。だからこそ、その先にあるデータをどう戦略に活かすかというステップにおいては、弊社のCSチームが伴走してサポートしています。
Q. ツールを使いこなすための貴社のサポート体制について教えてください。
横山さん: 専門のカスタマーサクセス(CS)チームがサポートを行っています。我々の強みは、CSチームにPRコンサルタント経験者がいることです。現場を経験し、PR業界を熟知しているからこそ、お客様が何を必要としているか深く理解できます。また、40名規模ということもあり、CSと開発チームの座席が隣同士です。お客様の困りごとがあればすぐに技術側と相談し、迅速で適切な対応ができる点には大きな自負を持っています。
Q. セキュリティ面や外部システムとのデータ連携についてはどのように対応していますか?
横山さん: お客様の大事な情報を扱うため、ISMSやプライバシーマークといったセキュリティ認証を取得し、社内研修も徹底しています。システム連携については、外部の解析ツールやGoogleアナリティクス(GA)とデータをやり取りするインターフェースAPIを用意しています。企業様が自社開発で繋ぎ込むような柔軟なAPIは現在準備中ですが、今後の需要を見据えて機能提供していきたいと考えています。
最短2週間で導入可能。スムーズなステップ
Q. 料金体系や導入までのステップについて教えてください。
横山さん: お客様の検討状況に応じて最適なご提案をしています。トライアルなども含めてご相談可能ですので、お気軽にご連絡ください。導入までは通常約2週間から1ヶ月程度のお時間をいただいています。
Q. 導入にあたって、顧客側にはどの程度の工数が求められますか?
横山さん: 初期のブランドキーワード設定などはお手間をいただきますが、我々も伴走して設定を行います。一度運用が始まってしまえば、自動でクリッピングや収集が始まるため、作業の削減は初月から実感していただけます。データが溜まり、過去のパターンと比較できるようになる半年後くらいには、そこからさらに深い考察ができるようになります。
「AIで、PRを進化させる。」データを共通言語にし、広報が「経営の次の一手」を導く世界を目指して
Q. 今後のプロダクトの展望やロードマップについて教えてください。
横山さん: 2026年3月にリリースした「AI報道分析レポート」の継続的なブラッシュアップが直近の優先事項です。その先としては、私たちが強みとするPRのノウハウ、これまで蓄積してきた膨大な報道・メディア情報といった独自データを武器に、AI時代における新しいPR Techのあり方を体現していきたいと考えています。現在のSaaSの範囲からPR業務の支援をさらに拡大し、世の中に普及しているAIの進化に追随しながら、機能を拡張していく検討を進めています。
Q. 最後に、AIツールの導入を検討している企業のDX・広報担当者へメッセージをお願いします。
横山さん: 広報は本来、企業を成長させる非常に重要な職種です。しかし、「一生懸命活動しても事業への貢献が見えづらく、経営層への報告に悩んでいる」という声を本当によくお聞きします。日々のレポーティングや数値の算出に追われ、本来やるべき戦略立案やメディアリレーションに時間を割けないのは、非常に大きな機会損失です。
様々な広報効果測定ツールが普及していますが、当社の「PR Analyzer®」は、4マスやXなど幅広いデータを網羅しており、クリッピングから分析、レポートまでを一元管理できます。「AI報道分析レポート」は、単にAIを組み込むだけでなく、私たちがPRエージェンシーとして培ってきた知見やコンサルティングの経験を掛け合わせた上で、AIが最適な回答を導き出せる点が最大の強みです。
私たちのゴールは、単なる作業の効率化ではありません。可視化されたデータを社内の「共通言語」にすることで、広報が正当に評価され、経営層やマーケティング部門と一体になって次の戦略を打てるようになること。これこそが本当の提供価値だと考えています。
「AIで、PRを進化させる。」ビルコムは「AIネイティブPRカンパニー」として、私たちが持つ知見を活かし、広報・PR担当者の方々がクリエイティブな業務に全力で向き合える環境を提供していきたいですね。
ビルコム株式会社:https://www.bil.jp/
PR Analyzer®:https://pranalyzer.jp/