SNS運用代行の”勝ちパターン”を生成「WayFinder」

企業のSNS運用において、トレンドを捉えた質の高いコンテンツを継続発信するのは担当者の負担も大きく、非常に困難です。この課題を解決するため、プロの知見と生成AIを掛け合わせたSaaS「WayFinder」を提供するTristella株式会社の代表取締役 中山さん、CZOの大西さんにお話を伺いました。

▼Tristella株式会社 代表取締役 中山さん

▼Tristella株式会社 CZO 大西さん

インフルエンサーマーケティングの知見を生成AIでSaaS化

Q. まずは事業内容と、中山さんの自己紹介をお願いいたします。

中山さん: ありがとうございます。弊社は2024年の10月に創業した、現在2期目のスタートアップです。私ともう1人の共同創業者は、以前インフルエンサーマーケティングを手がけるスタートアップに創業期から関わっていました。私は創業メンバーとして約9年間在籍し、IPOまで経験しました。その後、私はBtoB向けのSaaS企業に移り、そこで生成AIを活用したプロダクトに触れたことが大きな転機となりました。

現在の事業内容としては、これまでの経験を活かしたインフルエンサーマーケティング事業やSNS運用といったマーケティング支援を継続しつつ、もう一つの柱として、今回ご紹介する生成AIツールの事業を展開しています。このツールは「生成AI × SNS運用」をテーマに、業務の効率化とアウトプットのクオリティ向上を両立させることを目指しています。

「誰でも作れてしまう」からこそ、プロの”知見”で差別化する

Q. 今回の生成AIプロダクト「WayFinder」について、その概要と企画背景をお聞かせください。

中山さん: WayFinderは、企業が運営するブランドや事業のSNS投稿企画を自動で生成するツールです。具体的には、投稿のテーマや内容はもちろん、キャプション、ハッシュタグ、そして昨今のSNSで主流となっている動画の台本や構成案、さらには「このような画像編集を行い、こういうテキストを挿入すると効果的です」といった編集指示書まで、一気通貫で作成することができます。

このプロダクトを開発した背景には、SNS運用代行業界に対する課題感がありました。私たち自身もクライアントのSNS運用支援を行う中で、この業界の参入障壁が非常に低くなっていると感じています。もちろん、高い専門性を持って真摯に取り組む代理店も数多くいらっしゃいますが、一方で、業界全体としてサービスの品質にばらつきが生じやすくなっているのも実情です。

弊社は、業界全体として守るべき品質の基準があるべきだと考えています。そして、人間が戦略やクリエイティビティを発揮すべき領域と、AIに任せた方が効率的に”勝ちパターン”を再現できる部分を、明確に切り分ける必要があると感じています。「SNS運用の業界をアップデートしたい」という強い思いが、このプロダクトが生まれるきっかけとなりました。

Q. 例えば、ChatGPTでも企画や台本は作成できます。プロダクトの差別化はどのようにされていますか?

中山さん: 企画や台本を生成すること自体は、生のLLM、例えばChatGPTやGeminiに適切な指示を出せばできてしまいます。技術的な参入障壁は低く見られがちであり、有償サービスとして提供する上での差別化は常に問われる課題です。

そこで私たちが最も重要視しているのが、私たち自身の知見や、パートナーシップを組んでいるSNS運用のプロフェッショナルの方々が持つナレッジです。彼らが現場でキャッチしている最新のトレンドや、数々の成功事例から得られた実績といった「生きた情報」を、常にシステムに入れ続けています。具体的には、裏側で機能しているプロンプトやナレッジベースを毎月のようにアップデートする運用体制を組んでおり、ここがWayFinderの最大の価値だと考えています。

このプロダクトは生成AIありきで始まったわけではありません。元来私たちが1社ずつ提供していたコンサルティングの価値を、どうすればより多くの企業に届けられるか、という発想が起点です。その高品質な知見を、直接のコンサルティングには及ばないまでも、それに近いアウトプットで、安価に、「1対N」で提供できるプラットフォームを構築する上で、生成AIの力が不可欠だった、という設計思想なのです。良いプロダクトの基礎であるUI/UXや業務ニーズへの適合性を追求した上で、AIという要素を掛け合わせることが重要だと考えています。

企画作成時間が50%以上削減。代理店と事業会社、それぞれの導入効果

Q. 導入事例があれば、ぜひお聞かせください。

中山さん: ありがとうございます。個別の企業名はお出しできないのですが、ニーズは大きく2つのパターンに分かれています。一つは、複数のエンドクライアントを抱える広告代理店やSNS運用代行会社。もう一つは、事業会社が自社のSNS運用のために直接利用されるパターンです。

前者の代理店では、担当者一人が20ものアカウントを抱えているようなケースもありました。日々の企画提案に追われる中で、多様な業種のクライアントに対し、それぞれに最適で深い知見に基づいた企画を短時間で生み出すことに苦労されていました。そこでWayFinderを導入したところ、本来であれば5時間から10時間かけて業界研究をしなければ出てこなかったような質の高い企画が、文字通り一瞬で生成できるようになったのです。その結果、業務時間を半分以下にまで効率化できたというお声をいただいています。

後者の事業会社に関しては、自社ブランドを背負っているため、代理店以上に生成されるコンテンツの信頼性やクオリティを重視される傾向があります。そのため、多くは普段の運用フローの中にWayFinderで作成した企画を試験的に組み込み、まずは人間が作った企画とユーザーの反応を比較するところからスタートされます。そして、その効果を実感される中で徐々にWayFinderが生成した企画の割合を増やしていき、現在では投稿の7割から8割がWayFinder経由になっているという企業も現れ始めています。

縦横の事業展開と、テクノロジーの進化を見据えた未来

Q. 今後、このプロダクトをどのように成長させていこうとお考えでしょうか。

中山さん:今後の展開としては、大きく3つの方向性を考えています。最初の2つは、事業を縦と横に広げるという話です。縦に広げるというのは、機能を追加してより深く使えるようにしていくことですが、やみくもに機能を追加してUI/UXを損なうことは避けたいと考えています。そこで、コア機能はシンプルに保ちつつ、特定の業種やニーズに特化した機能を「アドオン」という形で外付けしていく構想を練っています。横に広げるというのは、SNS運用で培った技術を他の領域に転用していくことです。例えば、私たちがもともと強みとしていたインフルエンサーマーケティングの領域で、同様の課題解決ができないかと考えています。

そして3つ目は、生成AI技術そのものの発展に寄り添っていくという視点です。私自身、一人のファンとして技術の進化に面白さを感じており、常にアンテナを張っています。例えば、画像や動画といったクリエイティブの自動生成も、著作権の問題や「AIが作ったものは偽物だ」という抵抗感もまだ根強いですが、こうしたカルチャーも技術の進化とともに変わっていくはずです。技術がさらに伸び、社会に浸透した時、今とは全く違うサービスの在り方が生まれているでしょう。2年後、3年後を見据え、その時に事業者として何が提供できるのか、選択肢を広げておくことが重要だと考えています。

Q. 最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

中山さん: 私たちのサービス「WayFinder」には、無料トライアルをご用意しています。SNS運用に課題を感じている方はもちろん、生成AIが実務でどのように役立つのか興味がある方にも、ぜひ一度触ってみていただきたいです。

そして、率直なフィードバックをいただけると、これほど嬉しいことはありません。使う・使わないは別として、まずは触ってみて、ご意見をお聞かせください。
それが、私たちが一番お伝えしたいことです。