1社にシャドウAIが660件。世界100社超が導入するAI活用のためのガードレール

業務効率化のためにAIツールを導入・推進したいが、情報漏洩やシャドウAIのリスクが怖くて本格的な運用に踏み切れない——そんな悩みを抱えていませんか?

今回紹介する日本プルーフポイントのAIセキュリティソリューションは、独自のフレームワークに基づきAIの利用意図と言語を高度に検知し、安全なガードレールを構築します。すでに世界100社以上で導入されており、1企業あたり300〜660件も存在するというシャドウAIを可視化・制御するという成果を上げています。

製品の最大の強みは、データセキュリティ(DLP)領域でNo.1の実績を持つ同社ならではの、エンドポイントにおける圧倒的な可視性と実行力です。ネットワーク監視では捉えきれないAIの振る舞いをランタイムで監視し、情報漏洩リスクを即座にブロックします。本記事では、開発の背景にある日本のAI活用の課題や、類似サービスとの決定的な違い、導入企業がつまずきやすいポイントとその対策について、同社チーフエバンジェリストの増田さんに伺いました。

日本オラクルやファイア・アイを経て、現在は千葉県警のテクニカルアドバイザーや警察大学校講師も務める増田さんは、世界情勢から見た日本のサイバーセキュリティの現状を伝える啓蒙活動に尽力しており、「Top Cybersecurity Woman of the World 2024」の受賞歴も持つセキュリティの第一人者です。

意図と言語を検知しランタイムで制御するAIモデルの概要

Q. 貴社の事業内容と自己紹介をお願いできますでしょうか。

増田さん: 弊社は、サイバーセキュリティのソリューションを日本のお客様にお届けしている会社です。私はチーフエバンジェリストとして、世界のサイバーセキュリティの状況を分かりやすく皆様にお伝えする役割を担っています。AI領域においては、昨今のAI絡みの攻撃に関する最新情報や、それに対してどういったソリューションがお役に立つのかをご説明しています。

Q. 貴社が提供されているプロダクトの概要をご説明いただけますでしょうか。

増田さん: 弊社にはすでに「NexusAI」と呼ぶAIモデルが多数存在します。これによって、ユーザーが入力した意図が正しいかどうかの判定や、言語に基づく高度な検知を実現しています。

さらに、「日本プルーフポイント インテグリティフレームワーク」という、AIセキュリティのガードレールをしっかりと敷くためのフレームワークがあり、それに沿ったソリューションを提供しています。最終的にはAIが行っていることを監視し、フォレンジック調査やコンプライアンス違反がないかを確認し、違反があった場合にはランタイム時、つまり実行中に即座に止めることができる仕組みになっています。

Q. 管理者向けのUI/UX設計において、工夫されている点はどこになるのでしょうか。

増田さん: 管理者側が見る画面ですので、分かりやすく図示することと、必要な部分はドリルダウンして詳細を掘り下げていけるようにしています。直感的な分かりやすさと、詳細なデータが取れる可視性の広さという点で、ユーザビリティを強く意識して設計しています。

Q. 開発において、特に力を入れたポイントはどこでしょうか。

増田さん: AIの活用に伴ってリスクが絶えず変遷しているため、そのすべてに対応できるように包括的なアプローチをとっています。まずエンドポイントにセンサーを入れ、ユーザーの振る舞いを見てシャドウAIを撲滅します。そして正規に認められたAIに対しては、背後で監視役となるプログラム(デーモン)を並走させ、エージェントの一挙手一投足を監視します。さらに、AIとデータを安全につなぐMCPサーバーを管理することで、過剰なアクセス権の付与や情報漏洩が起きない仕組みを整えています。これらにより、包括的なリスクにしっかりと対処できるようにしています。

DLP領域の実績とエンドポイントでの可視性が最大の差別化ポイント

Q. AIに関するセキュリティを担保するプロダクトが多く存在する中で、貴社の独自性や強みはどこにあるのでしょうか。

増田さん: 大きく分けて可視性の高さと実行力にあります。様々なAIセキュリティ製品が存在し、どこもユーザーの利用意図に基づいた制御を謳っていますが、本当に重要になるのは可視性の広さです。例えばSASEのようなネットワークベースの製品ですと、ノースサウスの通信、つまり外部へ出ていく通信しか見えません。これでは十分な可視性が確保できているとは言えません。

我々の場合は、AIが実際に使われるエンドポイントにセンサーを入れるため、可視性をしっかりと担保できます。また、自立しているエージェントにAIを搭載していくため、その動きも監視可能です。そして最大の強みは、弊社がDLP(データセキュリティ・情報漏洩対策)領域でナンバーワンの実績を持っている点です。今後、既存のデータセキュリティ製品と統合していくことで、AIが動いているランタイム時にやってはいけない振る舞いがあれば、即座に止めることができます。実行力を伴ってガードレールを敷くための不可欠な機能をしっかりと実装していることが、独自の強みです。

世界100社以上が導入。シャドウAIの撲滅と監査証跡の取得で成果を創出

Q. 導入事例や代表的な活用事例についてお伺いできますか。

増田さん: すでに世界で100社以上のお客様にお使いいただいているプロダクトになります。日本での本格的な展開はこれからですが、すでに多くのお引き合いをいただいています。

具体的な用途としては、まずはシャドウAIを見つけて評価し、使ってはいけないものをブロックするというコントロール目的での導入が多いです。また、金融業界などではAIを利用するにあたって監査証跡が求められます。エージェントがどこに何のデータを取りに行き、どのように判断したかという監査証跡の記録目的でもお引き合いをいただいています。

Q. 導入後、企業にはどのような具体的な成果が生まれているのでしょうか。

増田さん: まず大きな成果として、全く見えていなかったリスクの可視化が挙げられます。現在、1企業あたり300〜660件ものシャドウAIが存在しており、全くコントロールできていないという状況があります。それが可視化されることで、企業内でのAIの使われ方を把握できるようになります。

その上で、不適切な利用を防ぎ、正しい用途で使えるようにガードレールを敷くことができます。シャドウAIは情報漏洩や重大なインシデントの引き金になり得るため、それを未然に防止・抑止できることが最大の効果です。

管理者主体のデプロイと「エージェント導入の壁」への対策

Q. 導入後の運用サポートや、パートナーシップの状況について教えてください。

増田さん: 管理画面は直感的に見て分かりやすい作りになっていますが、運用にあたってはシャドウAIを見つけて利用を制限し、認可されたものにはデーモンをつけて監視するといった作業が発生するため、デプロイを行うパートナー様が必要になります。日本での展開にあたっては、多くのパートナー様からインテグレーションパートナーとして手を挙げていただいている状況です。

Q. 運用はユーザー個人がダウンロードするのではなく、管理者の方が主体となって進めていく形になるのでしょうか。

増田さん: その通りです。一般的なパブリックAIを使うような形ではなく、企業の情報システム管理者やセキュリティ管理者、あるいはAI推進担当者がガードレールとして導入するものです。そのため、ユーザーが各自でダウンロードして使うということはほぼありません。基本的には管理者側から各PCにプッシュインストールする形になります。

Q. 導入時に企業がつまずきやすいポイントはありますか。

増田さん: 基本的にはエンドポイントにセンサーを入れていただく形になるのですが、エージェントの導入自体を嫌がるお客様がいらっしゃいます。これが一つのハードルになります。

しかし我々のエージェントは、カーネルモードではなくユーザーモードで動作するため、他のアプリケーションと干渉することなく導入可能です。それでもエージェントを入れたくないというお客様に対しては、ブラウザのエクステンションとして導入していただく形も用意しています。エージェントを入れていただければエクステンションは不要ですので、どちらかの方法で配備していただければ問題ありません。

エージェント共通化と一元管理で利便性と安全性をさらに高める今後の展望

Q. 今後のプロダクトの展望やロードマップについてお伺いできますか。

増田さん: 大きなロードマップとして、我々の強みであるデータセキュリティとAIセキュリティの統合を進めていきます。具体的には、データセキュリティ向けのエンドポイントセンサーと、AIセキュリティ向けのエンドポイントセンサーを共通化します。これにより、お客様は複数のエージェントを入れることなく、一つのエージェントで両方のユースケースをカバーできるようになり、使いやすさが格段に向上します。

さらに、AIセキュリティで検知したリスクに対し、データセキュリティのルールを即座に組み込むことで、クラウドやオンプレミスなど、あらゆる環境に散らばるデータを一元的に包括管理できるようになります。大規模なデータがどこでAIに使われているかを分類・管理し、AIを安全に導入するためのガードレールを強固にしていきます。また、DLPとの統合によるインサイダーリスクの低減や、アラート発生時のトリアージ自動化による迅速な対処も実現していく予定です。

Q. 最後に、製品の導入を検討されている企業の方々に向けてメッセージをお願いします。

増田さん: 企業のお客様は大きく2つのパターンに分かれると思います。1つは、すでに見えないままAIの利用がどんどん進んでしまっている企業です。これはガードレールがないままアクセルを踏み込んでいる危険な状態ですので、AIの使い方が正しい範囲内に収まるよう、ぜひ弊社の製品でガードレールを敷いていただきたいです。

もう1つは、情報漏洩などのリスクに恐怖を感じ、クローズドな環境でしか使えていないなど、AIの良さを生かしきれていない企業です。現在、生成AIプロジェクトの95%が収益化できていないと言われています。アメリカではAIに労働力を奪われるという反対運動も起きていますが、日本は全く状況が異なります。少子高齢化、労働人口の減少、円安による海外の優秀な人材の獲得難といった課題を抱える日本において、企業も国も、AIを活用しなければ生き残れません。

だからこそ、AIを使うのが怖いと感じている企業にこそ、このソリューションをお使いいただきたいです。安全な形でAIを活用し、企業、ひいては日本の国が前進していくための下支えとして役立てていただければと思います。

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